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――セックスしたいな。どうせ、死ぬなら凄いイケメンとさ。死亡原因は腹上死がいい。
そんなバカげた事を考えて、今日も最終電車で家路を急ぐ。電車の列で待っている時に、嫌な事を忘れたくてスマホを出した。男性向けエロ小説。挿絵はないタイプだ。電子でしか発売されていないらしい。表紙の金髪で巨乳が可愛いからクリックして買っていた。
今日は休みのはずだった。私は正社員でドラッグストアで働いている。
しかし、毎回毎回何か理由を付けて休日は出勤になっていた。休日って一体何の意味があるんだろうかと思うくらいだ。前の休日出勤の理由は何だったのか思い出せない。なんだかんだで、はぐらかされたからだ。
馬鹿馬鹿しい。どうせ嫌がらせのつもりだろう。仕事をしない人たちに対して、店長から言われて指導をしただけなのに、パートの人達は長年ここで働いているからと幅を利かせているのだ。自分の娘よりも若い子に対して何をしているのだろうか。私はまだ22歳だ。高校卒業をしてすぐに働きだした。両親は早く亡くなり、それなりに財産があったが将来の為に早く働いた方がいいと思って働いた。
でも、なんだか今はどうでもいいと思うようになった。根掘り葉掘り何かを聞かれるのもウンザリしているし、何かにつけては正社員だからと責任ばかり押し付けてくる現場も。
両親がいないからと勝手に悲観され、孤児扱いされるのも。
全部、うんざりしていた。
私の隣には、もっと辛そうな人がいた。目の下に隈が出来ている40歳くらいの会社員だ。くたびれたスーツから勝手に同情し、心の中で仲間になった。
もっと華やかに生きたかったな。人生のどこかで夢も希望もあったはずなのに。
どこで狂っちゃったんだろう。
電車が近づく音がする。それはいつもよりも大きな音で、一瞬瞬きをしたら違う世界に来ていたのだ。
「…………」
何が起こったのかわからない。目の前には神聖な儀式のような眩しい光景が広がっていた。祭壇の上には先ほど隣にいた社畜会社員が仰向けで寝そべっていた。金髪碧眼美少女が白い手でベルトを器用に外し、白いブリーフ越しに男性器を撫でていた。うっとりとした表情を浮かべている。
「うっ…………」
明らかに嫌そうな顔をしている。多分、疲れているせいもある。美少女は下着越しに匂いを嗅ぎだし、恐る恐るブリーフを下げようとしている。
駄目だ。体調不良のおちんちんなんて普段より小さい。だって、どこかの芸能人が話していた。
「ダメです。お兄ちゃんに触れないで!」
「だ、誰ですか。無礼者!」
あっという間に、美女の騎士集団に囲まれてしまった。真剣をこちらに向け敵意を示していたのだ。殺される…………おちんちんに触れていたところを止められたからだ。
「そこにいるのは、仮性包茎で童貞の私の兄です。どうか、目を覚ましたら触れてください。ご用心です」
「な、何を言っているんですか」
「さっきから、ねっとりした視線と愛撫を繰り返していたじゃないですか。今、兄は本気のおちんちんじゃないんです。仕事で疲れていて、射精もろくに出来ない情けないおちんちんなんです。だから、もしもセックスしたいなら恥ずかしくて仕方がない小さなおちんちんなんです!おちんちんだって男らしい所を見せたいんですよ」
真剣を向けられれば、こっちも必死になっていた。早く、早く目を覚ましてくれと思いながら叫びながら説得をしていた。
「少しだけ寝かせてくれませんか。私たち、疲れているんです」
「…………私の夫の妹だから、許してあげましょう」
ほっとすると眠気が襲ってきた。部屋から出て行くと、しばらくして社畜会社員に声をかけられた。
「出て行ったか」
静かに立ち上がると、ドアの近くや部屋を見た。多分誰もいないはずだ。それを伝えると、社畜会社員は「ありがとう」と感謝の言葉を口にした。
「君、名前は」
少し考えて返事を返した。
「ここがどんな世界か分からないから言いたくないですよ。魔法がある世界で名前が分かったら支配されたら嫌じゃないですか。どうせ夢なら、現実と違う名前が良いと思いませんか?」
「では、俺の名前はアニキと呼んでくれ」
「私の名前はネキで」
ここで私たちは朝までお互いの事を話した。彼は死ぬ直前まで働いていたSEで、今日も仕事をしてきたらしい。さっきまで話していた事は本当で、童貞で仮性包茎も本当だった。眠っていた時にちんちんをいじられて死ぬかと思っていた事も話した。
私も自己紹介をした。ドラッグストアの店員で、だいぶ仕事で苦しんでいた事を。
「もう一生ここで暮らしてもいいって思うくらい、良い思いをしたいですね」
「そうだな。俺たち仕事のし過ぎだったからな。もう働きたくないなぁ」
「それなら、あの美人巨乳の女性に面倒を見てもらえばいいじゃないですか。射精するたびにお金を取るとか需要がありますよ。試しに下着や靴下でも売ればいいですよ」
「嫌だなぁ。でも、こんなおっさんに価値があると思われているみたいで嬉しいよ。ありがとう」
朝になると眠気が襲ってきて眠る事にした。これで死ぬなら悔いはないなと思いながら。
そんなバカげた事を考えて、今日も最終電車で家路を急ぐ。電車の列で待っている時に、嫌な事を忘れたくてスマホを出した。男性向けエロ小説。挿絵はないタイプだ。電子でしか発売されていないらしい。表紙の金髪で巨乳が可愛いからクリックして買っていた。
今日は休みのはずだった。私は正社員でドラッグストアで働いている。
しかし、毎回毎回何か理由を付けて休日は出勤になっていた。休日って一体何の意味があるんだろうかと思うくらいだ。前の休日出勤の理由は何だったのか思い出せない。なんだかんだで、はぐらかされたからだ。
馬鹿馬鹿しい。どうせ嫌がらせのつもりだろう。仕事をしない人たちに対して、店長から言われて指導をしただけなのに、パートの人達は長年ここで働いているからと幅を利かせているのだ。自分の娘よりも若い子に対して何をしているのだろうか。私はまだ22歳だ。高校卒業をしてすぐに働きだした。両親は早く亡くなり、それなりに財産があったが将来の為に早く働いた方がいいと思って働いた。
でも、なんだか今はどうでもいいと思うようになった。根掘り葉掘り何かを聞かれるのもウンザリしているし、何かにつけては正社員だからと責任ばかり押し付けてくる現場も。
両親がいないからと勝手に悲観され、孤児扱いされるのも。
全部、うんざりしていた。
私の隣には、もっと辛そうな人がいた。目の下に隈が出来ている40歳くらいの会社員だ。くたびれたスーツから勝手に同情し、心の中で仲間になった。
もっと華やかに生きたかったな。人生のどこかで夢も希望もあったはずなのに。
どこで狂っちゃったんだろう。
電車が近づく音がする。それはいつもよりも大きな音で、一瞬瞬きをしたら違う世界に来ていたのだ。
「…………」
何が起こったのかわからない。目の前には神聖な儀式のような眩しい光景が広がっていた。祭壇の上には先ほど隣にいた社畜会社員が仰向けで寝そべっていた。金髪碧眼美少女が白い手でベルトを器用に外し、白いブリーフ越しに男性器を撫でていた。うっとりとした表情を浮かべている。
「うっ…………」
明らかに嫌そうな顔をしている。多分、疲れているせいもある。美少女は下着越しに匂いを嗅ぎだし、恐る恐るブリーフを下げようとしている。
駄目だ。体調不良のおちんちんなんて普段より小さい。だって、どこかの芸能人が話していた。
「ダメです。お兄ちゃんに触れないで!」
「だ、誰ですか。無礼者!」
あっという間に、美女の騎士集団に囲まれてしまった。真剣をこちらに向け敵意を示していたのだ。殺される…………おちんちんに触れていたところを止められたからだ。
「そこにいるのは、仮性包茎で童貞の私の兄です。どうか、目を覚ましたら触れてください。ご用心です」
「な、何を言っているんですか」
「さっきから、ねっとりした視線と愛撫を繰り返していたじゃないですか。今、兄は本気のおちんちんじゃないんです。仕事で疲れていて、射精もろくに出来ない情けないおちんちんなんです。だから、もしもセックスしたいなら恥ずかしくて仕方がない小さなおちんちんなんです!おちんちんだって男らしい所を見せたいんですよ」
真剣を向けられれば、こっちも必死になっていた。早く、早く目を覚ましてくれと思いながら叫びながら説得をしていた。
「少しだけ寝かせてくれませんか。私たち、疲れているんです」
「…………私の夫の妹だから、許してあげましょう」
ほっとすると眠気が襲ってきた。部屋から出て行くと、しばらくして社畜会社員に声をかけられた。
「出て行ったか」
静かに立ち上がると、ドアの近くや部屋を見た。多分誰もいないはずだ。それを伝えると、社畜会社員は「ありがとう」と感謝の言葉を口にした。
「君、名前は」
少し考えて返事を返した。
「ここがどんな世界か分からないから言いたくないですよ。魔法がある世界で名前が分かったら支配されたら嫌じゃないですか。どうせ夢なら、現実と違う名前が良いと思いませんか?」
「では、俺の名前はアニキと呼んでくれ」
「私の名前はネキで」
ここで私たちは朝までお互いの事を話した。彼は死ぬ直前まで働いていたSEで、今日も仕事をしてきたらしい。さっきまで話していた事は本当で、童貞で仮性包茎も本当だった。眠っていた時にちんちんをいじられて死ぬかと思っていた事も話した。
私も自己紹介をした。ドラッグストアの店員で、だいぶ仕事で苦しんでいた事を。
「もう一生ここで暮らしてもいいって思うくらい、良い思いをしたいですね」
「そうだな。俺たち仕事のし過ぎだったからな。もう働きたくないなぁ」
「それなら、あの美人巨乳の女性に面倒を見てもらえばいいじゃないですか。射精するたびにお金を取るとか需要がありますよ。試しに下着や靴下でも売ればいいですよ」
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