11 / 22
第二幕
第九場面:サンドリヨンの屋敷、エントランス
しおりを挟む
「サンドリヨン、私たちそろそろ出るわね!」
見覚えのある景色が目に入ってきた。屋敷のエントランスに、夫人と姉が立っている。二人とも、常よりも豪華な服を身にまとっていた。
「水まぁだ?喉乾いちゃったんだけど!」
廊下に向かって姉が声をあげる。姿は見えないが、少し遠くからサンドリヨンの声が返事をした。
「今お持ちしますわ!少々お待ち下さいね。」
グラスの乗ったトレーを持って、サンドリヨンが駆けてくる。
「どうぞ、お姉様。」
「あら、ありがと。」
微笑んで、姉がコップを持ち上げる。碌にそれを見もせずに、彼女はケラケラと笑い出した。
「嫌だ!ゴミが入っているわ!」
「えっ、お姉様何を仰って……」
どう見ても綺麗な水だ。しかし、そんなことは姉にとって関係がないのだろう。サンドリヨンに言い掛かりがつけられるのならば、きっかけはなんだっていいはずだ。そう、今までと同じように。
「見えないって言うの?馬鹿にしないで。こんなの要らないわよ!」
姉が思い切りサンドリヨンを突き飛ばした。グラスが転がり、床に倒れたサンドリヨンの顔と服に水がかかる。敷物のお陰か、幸いグラスは割れなかった。
「まぁ、乱暴はよしなさい。」
夫人が笑いを含んだ声で窘めた。それを姉は鋭く睨む。
「……別に乱暴なんてしてないわよ。あーあ、水が零れちゃった。」
服にかかったらどうするの、と姉は冷たく言い放つ。その姿は、今までよりも余程「様」になっていた。
「もう時間よ、行きましょう。」
「零れた水の掃除よろしくね、サンドリヨン。」
サンドリヨンは返事をせず、黙って頷いた。髪から水が落ちる。
「日付を超えても舞踏会は続くらしいから、遅くなるわ。夕食はいらないからね。」
「はい、お気をつけていってらっしゃいませ……」
こたえたサンドリヨンを置いて、二人は屋敷を出ていく。閉じたドアをしばらく睨んでから、サンドリヨンはため息をついて立ち上がった。服の裾で乱暴に髪と顔を拭って、落ちたグラスを爪先で軽く蹴る。
「最悪。さっさと着替えて、馬車を拾わなきゃいけないって言うのに。いつだって面倒事ばかり増やすのよ、あの人たちは。」
鋭い目線は、先ほど水をかけられた時と同じ娘と思えないほど剣呑だ。
「あんな顔するのなら、しなきゃいいのに……」
誰が聞いている訳では無いからか、サンドリヨンは吐き捨てるように呟いた。誰が聞いている訳では無い、はずだった。
「着替える必要も、馬車を探す必要も無いわ。」
返事はないはずのサンドリヨンの言葉に、誰かの声が返事を寄越した。サンドリヨンが息を呑む。
「舞踏会になら、私が連れていってあげる。」
サンドリヨンははじかれたように声がした方を振り返った。足音一つしなかったと言うのに、サンドリヨンのそばにはいつの間にか人影があった。ついさっきまで確かに誰もいなかったはずの場所。微笑んでいる人の形をした何かは、ジョン――いや幼い頃の王子、に魔法使いと名乗ったそれだった。
「えっ……あ、貴方誰?いったいどこから入ったの!」
「名乗る名前はないわ。そうねぇ、魔法使いとでも呼んで頂戴。」
王子が少年であった頃と、その姿は全く変わらない。と言うより、変わらずその姿はしかと捉えにくい。音もなく近づいて、魔法使いはサンドリヨンにずいと詰め寄った。
「貴方ドレスが欲しいんでしょう、違う?」
「あ、えっと……」
「私知っているわよ。さっきの話、聞いていたんだもの。昔なら、ぱぱっとなんでも出してあげたんだけど、今はさすがにそんな芸当も出来ないし。ちょっと待って頂戴。服は貴方の着ているものでいいとして、他にはそうね、馬車と使用人が、ええと何人くらい必要かしら。何か馬車と人間のもとに出来るようなものを探さないとね……」
ペラペラと捲し立てるその喋り口は、王子と話していた時とは随分と様子が違う。何かに追い詰められているのかと思うほど落ち着かず、焦っているような口調だった。それに、妙に馴れ馴れしい。
貼り付けた笑顔で話す魔法使いに、サンドリヨンは明らかに動揺していた。そもそも知らぬ者がどこからともなく家に現れたのだから、困惑するのは当たり前なのだが。魔法使いが言葉を切って考え込み始めたので、サンドリヨンはおずおずと口を開いた。
「あ、あの、」
「ああ、ごめんなさい。私ったら、一人でペラペラと。話が先走っちゃったわね。」
ようやく相手の戸惑いに気がついたのか、魔法使いは口を抑えた。一息ついてから、一言一句区切るように続きを口にする。
「ねぇ、私が貴方のお願いを叶えてあげたら、貴方は私のお願いを叶えてくれない?」
提案が予想外だったのだろう、サンドリヨンは眉を寄せた。明らかに人でない振る舞いをしておいて、ただの人である自分に何を求めるのか、といったところか。サンドリヨンは眉を寄せたまま、首を横に振る。
「私には、そんな……何かを叶えてあげられるような力は何もないですよ?貴方の願いは、魔法使いである貴方にも叶えられないようなことなんでしょう?私に出来るとは思えないけれど。」
「大丈夫、簡単よ。私の願いは綺麗なお嬢さん、貴方にしか叶えられないことだから。」
「え?」
「王子に顔が知られていなければそれだけでいいの。」
両の手を取られて、サンドリヨンは呆気に取られたように魔法使いを見つめた。
「話だけでも、聞いてくれない?」
サンドリヨンは魔法使いのその勢いに気圧されるように数度首を縦に振る。魔法使いはほっとしたように笑って手を離した。
「よく聞いて頂戴。私は昔、今の王子に騙されて自分の魔法の杖を盗まれたの。その杖の魔法によって、あいつは名無しの農民の孤児から王子になったのよ。」
演説でもしているのかというほど大きく腕を振って、魔法使いは朗々と王子の愚行を告発する。
「この国に王子なんて本当はいないのよ!皆、盗人のあいつに騙されているの。」
狂気の滲んだ魔法使いの目に、サンドリヨンは唇を舐めた。迷うように彼女の目が泳ぐ。
「ねえお願いサンドリヨン。王子から杖を取り返して。」
その呼びかけに、サンドリヨンは目を大きく見開いた。サンドリヨン。それは彼女の名ではない。きっと夫人や姉がそう呼ぶのを聞いたのだろう。
一度目を伏せてから、彼女はゆっくりと、確認するように問う。
「私が王子から杖を取ると言えば……そうすれば、私を、舞踏会に連れていってくれるということですね。」
「えぇ!もちろん、約束するわ!」
「でも私、こんな姿じゃ舞踏会にはいけないわ。それにこんな靴じゃ、踊るどころか走るのも大変なんです。」
悲しそうな声だが、サンドリヨンの目の奥は笑っていた。必死な様子の魔法使いは、サンドリヨンの様子を気にすることなく声を上げる。
「その襤褸を貴方のために素敵なドレスに、そのブカブカの靴を貴方にしか履けないような素敵な靴に変えてあげる。踊り慣れていない貴方でも、脱げて困ったりしないわ。」
堪えきれない、といった様子でサンドリヨンが小さく笑い声を零した。もうその表情に困惑の色は残っていない。
「良いですよ。私で良ければ、杖を王子から奪うお手伝いをしますわ。」
「本当に?」
子どものように魔法使いが顔を明るくする。ぴょんと跳ねて、魔法使いは弾む声で説明を続けた。
「じゃあ王子から杖を奪って、あいつが少しの間動けなくなりますようにって魔法をかけて。私が杖を奪われた時にかけられた、忘れもしない魔法よ。」
「その魔法を、いつまでに王子にかければいいのですか?」
すっかり落ち着いた様子でサンドリヨンが尋ねた。魔法使いは楽しげな声でこたえる。
「そうね……日付が変わる、十二時までに。魔力は少なくなってしまったけど、その時間なら王子が城にかけた魔法を破って入ることが出来るはずなの。城に入って貴方に合流出来るはずよ。」
「分かりました。どうやって魔法を使うのか私にも教えて下されば、そのお願いを叶えますわ。」
お手本のような笑み。いつも通りの、人あたりの良い笑顔。微笑むサンドリヨンに、魔法使いは頷いた。
「道中教えてあげる、さぁおいで!何も無いところから物を出せる様な力は、今はもうないの。早く材料を集めましょう!」
二人が屋敷から庭に出ていく。バタンとドアが閉まり、重い鍵の音が響く。それと同時に、あたりは真っ暗になった。
見覚えのある景色が目に入ってきた。屋敷のエントランスに、夫人と姉が立っている。二人とも、常よりも豪華な服を身にまとっていた。
「水まぁだ?喉乾いちゃったんだけど!」
廊下に向かって姉が声をあげる。姿は見えないが、少し遠くからサンドリヨンの声が返事をした。
「今お持ちしますわ!少々お待ち下さいね。」
グラスの乗ったトレーを持って、サンドリヨンが駆けてくる。
「どうぞ、お姉様。」
「あら、ありがと。」
微笑んで、姉がコップを持ち上げる。碌にそれを見もせずに、彼女はケラケラと笑い出した。
「嫌だ!ゴミが入っているわ!」
「えっ、お姉様何を仰って……」
どう見ても綺麗な水だ。しかし、そんなことは姉にとって関係がないのだろう。サンドリヨンに言い掛かりがつけられるのならば、きっかけはなんだっていいはずだ。そう、今までと同じように。
「見えないって言うの?馬鹿にしないで。こんなの要らないわよ!」
姉が思い切りサンドリヨンを突き飛ばした。グラスが転がり、床に倒れたサンドリヨンの顔と服に水がかかる。敷物のお陰か、幸いグラスは割れなかった。
「まぁ、乱暴はよしなさい。」
夫人が笑いを含んだ声で窘めた。それを姉は鋭く睨む。
「……別に乱暴なんてしてないわよ。あーあ、水が零れちゃった。」
服にかかったらどうするの、と姉は冷たく言い放つ。その姿は、今までよりも余程「様」になっていた。
「もう時間よ、行きましょう。」
「零れた水の掃除よろしくね、サンドリヨン。」
サンドリヨンは返事をせず、黙って頷いた。髪から水が落ちる。
「日付を超えても舞踏会は続くらしいから、遅くなるわ。夕食はいらないからね。」
「はい、お気をつけていってらっしゃいませ……」
こたえたサンドリヨンを置いて、二人は屋敷を出ていく。閉じたドアをしばらく睨んでから、サンドリヨンはため息をついて立ち上がった。服の裾で乱暴に髪と顔を拭って、落ちたグラスを爪先で軽く蹴る。
「最悪。さっさと着替えて、馬車を拾わなきゃいけないって言うのに。いつだって面倒事ばかり増やすのよ、あの人たちは。」
鋭い目線は、先ほど水をかけられた時と同じ娘と思えないほど剣呑だ。
「あんな顔するのなら、しなきゃいいのに……」
誰が聞いている訳では無いからか、サンドリヨンは吐き捨てるように呟いた。誰が聞いている訳では無い、はずだった。
「着替える必要も、馬車を探す必要も無いわ。」
返事はないはずのサンドリヨンの言葉に、誰かの声が返事を寄越した。サンドリヨンが息を呑む。
「舞踏会になら、私が連れていってあげる。」
サンドリヨンははじかれたように声がした方を振り返った。足音一つしなかったと言うのに、サンドリヨンのそばにはいつの間にか人影があった。ついさっきまで確かに誰もいなかったはずの場所。微笑んでいる人の形をした何かは、ジョン――いや幼い頃の王子、に魔法使いと名乗ったそれだった。
「えっ……あ、貴方誰?いったいどこから入ったの!」
「名乗る名前はないわ。そうねぇ、魔法使いとでも呼んで頂戴。」
王子が少年であった頃と、その姿は全く変わらない。と言うより、変わらずその姿はしかと捉えにくい。音もなく近づいて、魔法使いはサンドリヨンにずいと詰め寄った。
「貴方ドレスが欲しいんでしょう、違う?」
「あ、えっと……」
「私知っているわよ。さっきの話、聞いていたんだもの。昔なら、ぱぱっとなんでも出してあげたんだけど、今はさすがにそんな芸当も出来ないし。ちょっと待って頂戴。服は貴方の着ているものでいいとして、他にはそうね、馬車と使用人が、ええと何人くらい必要かしら。何か馬車と人間のもとに出来るようなものを探さないとね……」
ペラペラと捲し立てるその喋り口は、王子と話していた時とは随分と様子が違う。何かに追い詰められているのかと思うほど落ち着かず、焦っているような口調だった。それに、妙に馴れ馴れしい。
貼り付けた笑顔で話す魔法使いに、サンドリヨンは明らかに動揺していた。そもそも知らぬ者がどこからともなく家に現れたのだから、困惑するのは当たり前なのだが。魔法使いが言葉を切って考え込み始めたので、サンドリヨンはおずおずと口を開いた。
「あ、あの、」
「ああ、ごめんなさい。私ったら、一人でペラペラと。話が先走っちゃったわね。」
ようやく相手の戸惑いに気がついたのか、魔法使いは口を抑えた。一息ついてから、一言一句区切るように続きを口にする。
「ねぇ、私が貴方のお願いを叶えてあげたら、貴方は私のお願いを叶えてくれない?」
提案が予想外だったのだろう、サンドリヨンは眉を寄せた。明らかに人でない振る舞いをしておいて、ただの人である自分に何を求めるのか、といったところか。サンドリヨンは眉を寄せたまま、首を横に振る。
「私には、そんな……何かを叶えてあげられるような力は何もないですよ?貴方の願いは、魔法使いである貴方にも叶えられないようなことなんでしょう?私に出来るとは思えないけれど。」
「大丈夫、簡単よ。私の願いは綺麗なお嬢さん、貴方にしか叶えられないことだから。」
「え?」
「王子に顔が知られていなければそれだけでいいの。」
両の手を取られて、サンドリヨンは呆気に取られたように魔法使いを見つめた。
「話だけでも、聞いてくれない?」
サンドリヨンは魔法使いのその勢いに気圧されるように数度首を縦に振る。魔法使いはほっとしたように笑って手を離した。
「よく聞いて頂戴。私は昔、今の王子に騙されて自分の魔法の杖を盗まれたの。その杖の魔法によって、あいつは名無しの農民の孤児から王子になったのよ。」
演説でもしているのかというほど大きく腕を振って、魔法使いは朗々と王子の愚行を告発する。
「この国に王子なんて本当はいないのよ!皆、盗人のあいつに騙されているの。」
狂気の滲んだ魔法使いの目に、サンドリヨンは唇を舐めた。迷うように彼女の目が泳ぐ。
「ねえお願いサンドリヨン。王子から杖を取り返して。」
その呼びかけに、サンドリヨンは目を大きく見開いた。サンドリヨン。それは彼女の名ではない。きっと夫人や姉がそう呼ぶのを聞いたのだろう。
一度目を伏せてから、彼女はゆっくりと、確認するように問う。
「私が王子から杖を取ると言えば……そうすれば、私を、舞踏会に連れていってくれるということですね。」
「えぇ!もちろん、約束するわ!」
「でも私、こんな姿じゃ舞踏会にはいけないわ。それにこんな靴じゃ、踊るどころか走るのも大変なんです。」
悲しそうな声だが、サンドリヨンの目の奥は笑っていた。必死な様子の魔法使いは、サンドリヨンの様子を気にすることなく声を上げる。
「その襤褸を貴方のために素敵なドレスに、そのブカブカの靴を貴方にしか履けないような素敵な靴に変えてあげる。踊り慣れていない貴方でも、脱げて困ったりしないわ。」
堪えきれない、といった様子でサンドリヨンが小さく笑い声を零した。もうその表情に困惑の色は残っていない。
「良いですよ。私で良ければ、杖を王子から奪うお手伝いをしますわ。」
「本当に?」
子どものように魔法使いが顔を明るくする。ぴょんと跳ねて、魔法使いは弾む声で説明を続けた。
「じゃあ王子から杖を奪って、あいつが少しの間動けなくなりますようにって魔法をかけて。私が杖を奪われた時にかけられた、忘れもしない魔法よ。」
「その魔法を、いつまでに王子にかければいいのですか?」
すっかり落ち着いた様子でサンドリヨンが尋ねた。魔法使いは楽しげな声でこたえる。
「そうね……日付が変わる、十二時までに。魔力は少なくなってしまったけど、その時間なら王子が城にかけた魔法を破って入ることが出来るはずなの。城に入って貴方に合流出来るはずよ。」
「分かりました。どうやって魔法を使うのか私にも教えて下されば、そのお願いを叶えますわ。」
お手本のような笑み。いつも通りの、人あたりの良い笑顔。微笑むサンドリヨンに、魔法使いは頷いた。
「道中教えてあげる、さぁおいで!何も無いところから物を出せる様な力は、今はもうないの。早く材料を集めましょう!」
二人が屋敷から庭に出ていく。バタンとドアが閉まり、重い鍵の音が響く。それと同時に、あたりは真っ暗になった。
0
あなたにおすすめの小説
裏切りの代償
中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。
尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。
取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。
自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
悪役令嬢は手加減無しに復讐する
田舎の沼
恋愛
公爵令嬢イザベラ・フォックストーンは、王太子アレクサンドルの婚約者として完璧な人生を送っていたはずだった。しかし、華やかな誕生日パーティーで突然の婚約破棄を宣告される。
理由は、聖女の力を持つ男爵令嬢エマ・リンドンへの愛。イザベラは「嫉妬深く陰険な悪役令嬢」として糾弾され、名誉を失う。
婚約破棄をされたことで彼女の心の中で何かが弾けた。彼女の心に燃え上がるのは、容赦のない復讐の炎。フォックストーン家の膨大なネットワークと経済力を武器に、裏切り者たちを次々と追い詰めていく。アレクサンドルとエマの秘密を暴き、貴族社会を揺るがす陰謀を巡らせ、手加減なしの報復を繰り広げる。
恩知らずの婚約破棄とその顛末
みっちぇる。
恋愛
シェリスは婚約者であったジェスに婚約解消を告げられる。
それも、婚約披露宴の前日に。
さらに婚約披露宴はパートナーを変えてそのまま開催予定だという!
家族の支えもあり、婚約披露宴に招待客として参加するシェリスだが……
好奇にさらされる彼女を助けた人は。
前後編+おまけ、執筆済みです。
【続編開始しました】
執筆しながらの更新ですので、のんびりお待ちいただけると嬉しいです。
矛盾が出たら修正するので、その時はお知らせいたします。
離婚した彼女は死ぬことにした
はるかわ 美穂
恋愛
事故で命を落とす瞬間、政略結婚で結ばれた夫のアルバートを愛していたことに気づいたエレノア。
もう一度彼との結婚生活をやり直したいと願うと、四年前に巻き戻っていた。
今度こそ彼に相応しい妻になりたいと、これまでの臆病な自分を脱ぎ捨て奮闘するエレノア。しかし、
「前にも言ったけど、君は妻としての役目を果たさなくていいんだよ」
返ってくるのは拒絶を含んだ鉄壁の笑みと、表面的で義務的な優しさ。
それでも夫に想いを捧げ続けていたある日のこと、アルバートの大事にしている弟妹が原因不明の体調不良に襲われた。
神官から、二人の体調不良はエレノアの体内に宿る瘴気が原因だと告げられる。
大切な人を守るために離婚して彼らから離れることをエレノアは決意するが──。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる