スローライフ 転生したら竜騎士に?

梨香

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第五章 カザリア王国へ

20  パロマ大学で泣いちゃった

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 パロマ大学には夏休みなのにパラパラと学生達の姿が目についた。

 教授専門の食堂にも、何人かの教授や学生がいたが、エドアルドが連れている令嬢は誰だろうと色めき立つ。仲の良さそうなカップルに見えたので、誰も無粋な真似をしなかったから、ゆっくりと食事ができた。

「あら、本当に美味しいわ。エドアルド皇太子殿下、やはりこちらに連れて来て頂きたかったわ」

 朝食が遅かったユーリは、簡単な軽食を頼み、サラダとコールドチキンを食べたが、ごく普通に美味しいので昨日のサンドイッチを食べさせられた恨み言がつい口にでた。 

 食後のお茶を飲みながら、ユーリは先ほどの買い物の訳を話した。

「あの見本のティーカップは、ユングフラウでパーラーを開く為の物なのです。金属加工の工房で発注した道具でつくるデザートを売るつもりなの。とても、ロマンチックでお洒落なパーラーにしたいの」

 エドアルドはユーリがパーラーを開くと聞いて驚いたが、令嬢がお友達相手のお店屋さんごっこをするのだろうと微笑ましく思った。

「それで、分厚い実用品だったのですね。貴女がパーラーを開いたら、大勢の知り合いが来店されるでしょう。私も、行ってデザートを頂きたいです」

 エドアルドが令嬢がお遊びでちょっとの期間開く、友達専用のパーラーだと勘違いしているのにユーリは気づいた。でも、まだ実現できるかどうか、計画しているだけなので否定はしなかった。

「お友達が、秋にご結婚されるそうですね。貴女はブライズメイトをされるのですか」

『ユーリ嬢のブライズメイト姿は可愛らしいだろうなぁ~。あれ? 農家のお嫁さんになるとか、言っていたような? まさかね! ユーリ嬢のお友達だぞ、地方の郷士に嫁ぐのだろう』 

「ええ、幼なじみのハンナが結婚するので、ハンナの妹のキャシーと私がブライズメイトになるんです。ブライズメイトは初めてだから、とても楽しみなんです。それに、ハンナには小さい頃、学校に連れて行って貰ったから、少し恩返ししないと 」

 エドアルドは少し混乱する。

「学校に連れて行って貰ったということは、リューデンハイムの同級生ですか? 他にも、女性の竜騎士がいらっしゃるのですか?」

 エドアルドの言葉にユーリは笑いながら答える。

「リューデンハイムの同級生ではありませんわ。ハンナは、私が生まれたヒースヒルの友達ですの。私は小学校に入学する時、行くのが嫌でしたが、ハンナとキャシーに連れて行って貰いましたの……」

 ユーリはヒースヒルの話をして、今日が両親の命日だと気づいた。

『昨夜の大騒ぎで忘れていたわ……お墓参りは先に済ませて来たのよ、エドアルド皇太子が変に思われるわ』

「ユーリ嬢? 御気分でも?」

 急に言葉を止めたユーリをエドアルドは不審がる。

「いえ、失礼いたしました。少し昔を思い出していましたの……」

 農家育ちを恥じる気持ちは微塵も無いが、エドアルドには皇太子妃だなんて無理だと知って欲しいとユーリは考えた。

「エドアルド皇太子殿下、私は農家の娘として、生まれ育ちましたの。ご存知だと思いますが、父と母は駆け落ちしましたでしょ。私の育った家は、父が開墾したばかりでしたので、周りの農家よりも経済的に苦しかったのです」

 エドアルドはユーリの両親が駆け落ちしたとは知っていたが、農民の暮らしをしていたとは知らなかった。

「ご苦労されたのですね」

「あら、勘違いされてますわ。私は、とても幸せでしたの。生活にゆとりはありませんでしたが、小さな家は愛情に満ちていましたから。だから、私の子どもの頃の夢は、農家のお嫁さんになることでしたの。贅沢はできないけど、働き者で気の良い旦那さんと、沢山の子ども達に囲まれた農家の暮らしは、今でも私の理想ですわ」

 沢山の子ども達と聞いて、エドアルドは変な妄想をしかけたのを自制する。

「農家のお嫁さんが理想なのですか……しかし、貴女は絆の竜騎士なのに」

 エドアルドはユーリの理想の結婚には無理があると指摘した。

「ええ、私はイリスと絆を結びましたから、この夢は諦めざるをえなかったのです。何かを得たら、何かを捨てなくてはならないというのはわかりますが、なかなか捨て難くて。今でも両親が生きていたら、農家のお嫁さんになれたかなと考えちゃうんです」

 エドアルドは上に立つ者として生まれ育ち、数々の特権を与えられてきたが、それに伴う義務も負ってきたので、ユーリが庶民の暮らしを懐かしむ気持ちは理解できた。

「そうですね、貴女は絆の竜騎士なのですから、農家のお嫁さんにはなれないでしょうね」

「ええ、でもリューデンハイムに入学してもまだ諦めきれず、大食らいのイリスを養えれば、なんとか農民になれるのではと考えてましたの。竜の宅配便でお金を儲けられないかとか、早期退職しようとか」

 海岸でフランツと話していたグループ研究の竜の宅配便だとエドアルドは苦笑した。農家の娘として生まれ、絆の竜騎士になっても農家のお嫁さんになる夢を諦めなかったユーリが、どうやって上に立つ立場を受け入れたのか興味がわいた。

「いつ、諦めがついたのです?」

「リューデンハイムで学ぶうちに、徐々にですね。普通の人達が幸せな生活をする為には、平和でなくてはなりません。子ども達により良い未来をあげたいと考えるようになった頃かしら。絆の竜騎士として何か出来ることをしようと決心した時、もうヒースヒルに住むことは無いのだと諦めがついたのです」

 キッパリ言い切ったユーリが、少しつらそうに見えた。

『パパ、ママ……ヒースヒルでの幸せな日々は戻らないのね』

 エドアルドが驚いたことに、あっという間に緑色の瞳から涙が零れ落ちそうになる。ユーリはヒースヒルや、夢を諦めた時の事を話しているうちに、亡くなった両親に会いたくて仕方なくなった。

 エドアルドの前なので我慢しようと普通の会話を続けていたが、涙が抑えきれなる。

「皇太子殿下、すみません、失礼します」

 このままでは大学の食堂で泣き出してしまうと、ユーリはハンカチで涙を抑えながら、校庭へと走り出て大きな木の下で泣き出した。

 エドアルドは突然涙ぐんで外に走り去ったユーリの後を追って、泣いている彼女を見つけ出した。

「ユーリ嬢、何かお気に障るような事を言ったのなら、お許し下さい」

 泣いていたユーリは、涙を抑えようとして、抑えきれず、泣きながらエドアルドの言葉を否定する。

「すみません、殿下のせいでは無いのです。ヒースヒルの事を話しているうちに、今日が両親の命日だと思い出して……パパ! ママ! 会いたいわ」

 ユーリが泣き崩れるのを、エドアルドは抱きしめて支えた。

 腕のなかにすっぽりと収まったユーリが、激しく泣きじゃくるのを困惑しながらも愛おしく感じて、ギュッと抱きしめて落ち着くのを待つ。

「すみません……もう、大丈夫ですわ……」

 激しく泣きじゃくっていたユーリは少し落ち着くと、エドアルドに抱きしめられていのに気がつき、慌てて離れようとする。

「大丈夫そうには見えないのですが……」

 腕のなかのユーリは激しい発作的な泣き方は止めていたが、まだ涙が零れ落ちていたし、とても落ち着いている状態とは思えない。

 いつまでもユーリを抱きしめていたかったが、大丈夫と言ってるのを無理やり引き留めることもできず、腕を緩めるとスルリと抜け出した。

「すみません、エドアルド皇太子殿下の上着を汚してしまって」

 腕から抜け出したユーリはハンカチで涙を拭うと、自分が流した涙で濡れているエドアルドの上着を拭こうとした。

「大丈夫です、お気になさらないで下さい」

 上着を拭こうとするユーリの手を止めようと、エドアルドが制した手とが触れ合って、一瞬、お互いにハッとしたが、空から巨大な竜が舞い降りてきて、二人の間に生まれ緊張感は消え失せた。

『ユーリ、大丈夫か? 何で泣いてるんだ』

 ユーリの悲しみを感じ取ったイリスが、大使館からパロマ大学まで飛んできたのだ。

『イリス、大丈夫よ! ごめんね、心配かけて。今日がパパとママが亡くなった日だと思い出したら、涙が止まらなくなってしまったの』

 イリスのもとに駆け出して、巨大な竜の首にしがみついているユーリを、エドアルドは少し寂しく思いながら眺める。

『ウィリアムとロザリモンドが亡くなった日だったのか……ユーリは大丈夫か?』

 イリスの少し悲しげな口調に、ユーリもまた涙がこみ上げてきたが、流石にいつまでも泣いていられないから『大丈夫』と答えると、涙を拭きハンカチで鼻をかんだ。

 イリスと居るとユーリの孤独感は癒えて、落ち着きを取り戻す。

「本当に取り乱したりして、すみませんでした。学食にいらした教授方は、何て思われたでしょう。皇太子殿下が誤解されたらお気の毒ですから、行って話してきますわ」

 確かに突然泣き出して、学食を出て行ったユーリを追いかけて抱きしめたエドアルドは、かなりの注目を集めていた。イリスまで舞い降りて、遠巻きではあるがギャラリーが集まっている。

『私が年頃の令嬢を泣かして、騎竜が怒って舞い降りたと思われているかな? でも、そんなの関係ない!』 

「そんなこと、お気にされなくて結構ですよ。好きなように想像させたら、良いのです。それより、あそこのベンチに座りませんか? まだ、大丈夫そうには見えませんから」

 エドアルドはユーリを木陰のベンチにエスコートする。勢いこんで飛んできたイリスは、ユーリがウィリアムとロザリモンドを思い出して、泣いた後はスッキリするのに慣れていたから、のんびりと芝生の上で日向ぼっこをしながら、うとうとし始める。

「本当にすみません。取り乱したりして恥ずかしいわ。祖母にも、レディは人前で感情を露わにするものじゃありませんと、何回も怒られていますのに……私はレディじゃないんですわ」

 確かに、エドアルドはこんなに泣きじゃくる令嬢を見たことは無かったし、ユーリ嬢に泣き出されて困惑した。だが、それ以上に愛しく思い、このまま腕の中に抱いて保護したいという思いがこみ上げる。

「ユーリ嬢、貴女ほど可愛らしいレディはいませんよ。取り乱されたのも、理由があってのことですから、気にしないで下さい」

 エドアルドに優しくされると、ますます自分の子供っぽい振る舞いが恥ずかしくなってしまった。

「私は本当に駄目ですね。ユージーンに腹を立てて、仕事をさぼったり、公衆の面前で泣き出して皇太子殿下に恥をかかしたり」

「私は本当に大丈夫ですよ。武勇伝の一つが増えたぐらいです。ユーリ嬢は、ユージーン卿を許せないのですか?」

 なぜ、ユーリがユージーンに腹を立てているのかは知っていたが、当事者の自分と初めはぎこちない点もあったが、普通に接しているのにと不思議に感じる。

「ユージーンは私の信頼を裏切ったから許せないと思うのです。フランツはリューデンハイムに入学した当初から、すぐに友達になりましたが、ユージーンは会う度にお説教ばかりで初めは大嫌いでしたの。でも、ユージーンの言う事は全て間違っていませんし、お説教するのも私の為を思ってのことだと、段々わかってきたのに……」

 ユーリは感情のセーブができない。

「私に内緒であんな事したので、裏切られた気持ちになったの。他の人達は許せても、ユージーンは許せないわ! ユージーンも私が怒りが納まるまで、好きにして良いと言ってるし、自分が悪いとわかっているのよ」 

 エドアルドは穏やかな風貌のフランツと違い、整い過ぎた容貌が冷たく感じさせるユージーンが、ユーリに持っている愛情の深さを感じ取った。そして、ユーリも無意識の内に、ユージーンの愛情を感じ信頼しきっていたからこそ、今回の件を秘密にされて許せないと怒っているのだと考えた。

 ユージーンに身内とだとはいえ軽い嫉妬を感じた。

「では、怒りが納まらない事にして、ずっとサボれば良いと思いますよ。パロマ大学では、サマースクールで一日講習会も沢山ありますから、一緒に受講しませんか? 女性の講師の講習会も何個か、あった筈ですよ。興味のある内容の講習会を選んで受講しても、良いですしね」

 ユーリは女性の講師が居ると聞いて興味を持ったが、サボって受講する気にはなれなかった。

「とても興味深いですし、受講してみたいですけど……サボって受講するのは、駄目ですわ。いくら、為になる事を学んでも、ズル休み! ズル休み! と言われてるみたいで身に付かない気がします」

 ユーリはユージーンに対しても昨夜ほどの怒りは感じなくなってはいたが、やはりまだ蟠りを感じている。

「どうすれば、良いのかしら? ユージーンにはまだ腹が立ってるけど、このままじゃいけないし……」

 悩んでる姿も愛らしく感じるエドアルドは、ユージーンにはちょっと嫉妬してはいたが、ユーリの為に助け船をだした。

「そうですね、貴女がユージーン卿に怒っていらっしゃる間はこうして自由にお会いできるわけですしね。それに交渉相手の彼が本調子で会議に望めないのも、こちらとしてはありがたいですから、いつまでも許さないでおいては如何ですか」

「まあ、ひどい!」

 エドアルドに反射的に抗議したが、すぐに言葉の意味に気づいて、今が大事な同盟締結の為の会議中であることを思い出した。

『私が拗ねているのを、ユージーンがどこまで気にしているかはわからない。顔に出すタイプではないので、仕事に差し支えるとは思わないけど……緊張感が続く会議で少しでも負担をかけているとしたら、足を引っ張ってるのね……』

「エドアルド皇太子殿下、ありがとうございます。ユージーンと話してみますわ」

 ユーリが自分の意見を取り入れて、賢い結論を出したのに満足を感じたエドアルドだ。

『ユーリ嬢は可愛くて、賢い……』
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