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第七章 忙しい夏休み
21 寮母ダルドリー夫人
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次の日は、離宮に王妃に屋台の収支報告と、お礼を申し上げに行ったユーリは、案の定なかなか帰して貰えなかった。本当ならユングフラウに昼から行ってパーラーや寮の準備をしてるのにと、そわそわしているユーリにグレゴリウスは気づいて、一緒に準備を手伝うよと言う。
「でも、折角の夏休みなのに、ユングフラウは暑いですよ」
「ユーリ、貴女は相変わらず侍女を連れずにユングフラウを歩き回るつもりだったの? グレゴリウス、ユーリに付き添ってあげなさい」
イリスで飛んで行くのに侍女を連れて行く必要性を感じていなかったユーリだが、王妃にもキツく言われたばかりだったので悄げる。
「さぁ、早く行かないと、夕方からのチャリティーコンサートに遅れますよ」
ジークフリートに促されて、ユングフラウに行くことにしたが、何故チャリティーコンサートの件を知っているのか不思議に思う。イリスを離宮に呼び出す間に、ユーリが不思議そうに自分の顔を眺めているのを、ジークフリートは耐えられなくなって吹き出す。
「ユーリ嬢、そんなに顔に疑問を表してはいけませんよ。ロックフォード侯爵家のチャリティーコンサートは恒例ですし、親戚のマウリッツ公爵家が支援するのは当然でしょう。誰でもわかることですよ」
そうかなぁ? とユーリは思ったが、イリスが来たので、ユングフラウに飛び立つ。
フォン・アリストの屋敷に着くと、執事から、寮母と下働きの女中の手配がすんでいると聞かされた。
「う~ん、寮が住める状態かチェックして、パーラーの内装工事が終わってるか確認しに行かなきゃ。でも、寮母さんに挨拶もしたいし、夕方までに帰れるかしら?」
何からしようとパニックになっているユーリに、グレゴリウスは落ち着くように注意する。
「何も全部を今日中にしないと駄目なわけじゃないよ。出来るだけしたら、良いんじゃない?」
「そうね、ありがとう。何だか遣ることが多すぎて、他の人に頼まなきゃいけないんだけど、まだ下手なのよね」
ジークフリートは15才の令嬢が人を動かすのが下手でも仕方ないと思った。
「一番に気になっているのは何ですか? そこからチェックしたら、どうでしょう」
ジークフリートの助言に、ユーリは考えて、寮と寮母さんだと答えた。グレゴリウスはパーラーかなと考えていたので、寮に向かいながら質問する。
「だって従業員の住む場所を確保しないと、パーラーを開店できないじゃない。それに女の子ばかりだから、しっかりと監督してくれる寮母さんが必要でしょ。あまり規則は作りたくないけど、他の従業員を雇う前に話しておきたいの」
そんな事は全く考えもしてなかったので、グレゴリウスは色々大変だなぁと感心する。
マウリッツ公爵家が用意した寮は、リフォームも済んでいて、ベッドなどの家具も設置済だったし、台所用品も準備してある。
「明日にも住めそうね。やはりマウリッツ公爵家の家令は優秀だわ~」
ユーリはマキシウスが探させた寮母の家をいきなり訪問するのを、少し躊躇したが、会って話してみないと寮を開設できないと決心する。
「私が代わりに話しましょうか?」
ジークフリートなら相手の寮母になる人も信頼できると安心だろうけど、これは自分で話さないといけないとユーリは考えた。
ナターシャ・ダルドリー夫人は、夫を先の戦争で亡くし、二人の息子を育てている未亡人だった。
「話はフォン・アリスト家の執事さんから伺いました。息子達は12才になるとサマーサンド陸軍士官学校に入学しましたから、私は一人暮らしです。寮母は渡りに舟でしたの」
ダルドリー夫人はお恥ずかしい話ですがと、陸軍士官学校の学費は陸軍遺族会から出して頂いてますが、諸経費がかなり物入りなのですと打ち明ける。
「下士官の制服とか、装備は高価だと聞いてますからね」
ジークフリートは息子二人の制服や、馬などの諸々の必要な品を用意するのは、遺族年金だけでは難しいだろうと同情する。
「弟のイーデンは兄がサマーサンド士官学校に行ったのに続いて入学しましたが、私が苦労しているのを知って退学しようとしてました。でも寮母の話を聞いて、遺族年金と給金がある上に、この家を貸せば家賃が入りますから、続けさせれますわ」
上品だけど軍人の家に嫁いだダルドリー夫人は、しっかり者で寮母として信頼できると思った。寮が住める状態だと聞くと、直ぐにでも引っ越して寮母になるのを引き受けてくれた。
「でも、息子さん達は夏休みとかは帰省されたいのでは無いでしょうか?」
家を貸すと言うダルドリー夫人に、ユーリは自分なら夏休みは実家でゆっくりしたいと思ったので質問する。
「夏休みもサマーサンド士官学校に残る生徒は多いですわ。それぞれに事情がありますもの」
ユーリは息子達に士官学校を続けさせる為に、あらゆる努力をしようとしているダルドリー夫人を尊敬した。グレゴリウスは名乗るとダルドリー夫人が緊張されますからと、ジークフリートに止められていたので、黙って座っていたが、自分の知らない階級の人達の実態を初めて見てショックを受けていた。
「ユーリが戦争遺族の苦労を話してたけど、わかってなかったんだな。軍人は遺族年金も出るからと安心していたが、やはり遺族は苦労されている」
ドヨドヨなグレゴリウスとユーリを、ジークフリートは元気づける。
「そんな馬鹿げた同情は、ダルドリー夫人に失礼ですよ。あの御婦人は、二人の息子さんを立派な軍人に育てようと努力されてるのですから。さぁ、パーラーを見てストレーゼンに帰りましょう」
パーラーはほぼ内装工事が終わっていた。
「これなら、もう直ぐ開店出来そうね。ローズとマリーにパーラーは任せるつもりだけど、開店までは手伝いたいわ」
パーラーはアイスブルーと、白の内装で統一してあり、ここにあの制服姿の女の子が働いていたら、とても可愛いだろうと想像できた。
「とても可愛いらしいパーラーですね。ところでパーラーの名前は?」
「名前?」
ジークフリートの質問に固まってしまったユーリに、グレゴリウスはもしかしてと驚いてしまう。
「ユーリ、もしかして名前を決めてないとか?」
寮に寮母まで気を使っているユーリが、肝心の名前を決めてないとは、ジークフリートも、グレゴリウスも呆れてしまう。
「どうしよう、名前なんて思いつかないわ」
頭がグルグルのユーリが、イリスと無事にストレーゼンに帰れたのは、パリスの誘導のお陰だったのかもしれない。
グレゴリウスとジークフリートに送られて、マウリッツ公爵家の別荘に帰還したユーリが、ぼおっとしてるのを皆は心配した。
「ユーリ、何かあったの?」
二人がチャリティーコンサートでお会いしましょうと、公爵家の人達にも礼儀正しく挨拶して離宮に帰ったが、ユーリの様子は変なままだ。
「叔母様、どうしよう? 私ったらパーラーの名前を考えてなかったわ。なんて間抜けなのかしら」
「何だ、そんな事か、てっきりキスでもされたかと思ったよ」
フランツの言葉にユーリがそんなわけないでしょと怒っているのを見て、公爵夫妻は胸を撫で下ろす。
「名前かぁ? そう言えばパーラーとだけ言ってたな。ユーリが好きな名前で良いんじゃない?」
フランツが言った言葉に、ユーリは考え込む。
「好きな名前? う~ん、文学的素養が無いのよね。そうだわ、私の出資金の元になったワイルド・ベリーは?」
凄くいい加減な決め方に、マリアンヌはガックリきたが、野イチゴはユーリらしい気取らない名前だと思う。
「それで良いさ、早く着替えないとチャリティーコンサートに遅れるぞ」
ユージーンはガサツな決め方だけど、ユーリにしては可愛い名前だと思い、着替えを急かした。
「そうよ! こんなことしてる場合じゃないわ。ユーリ、着替えないと、舞台映えするように、お化粧もしましょうね」
エ~ッと、ユーリがマリアンヌに引きずられるようにして部屋に着替えに連れて行かれるのを、他の人達は少し気の毒に思う。
「でも、折角の夏休みなのに、ユングフラウは暑いですよ」
「ユーリ、貴女は相変わらず侍女を連れずにユングフラウを歩き回るつもりだったの? グレゴリウス、ユーリに付き添ってあげなさい」
イリスで飛んで行くのに侍女を連れて行く必要性を感じていなかったユーリだが、王妃にもキツく言われたばかりだったので悄げる。
「さぁ、早く行かないと、夕方からのチャリティーコンサートに遅れますよ」
ジークフリートに促されて、ユングフラウに行くことにしたが、何故チャリティーコンサートの件を知っているのか不思議に思う。イリスを離宮に呼び出す間に、ユーリが不思議そうに自分の顔を眺めているのを、ジークフリートは耐えられなくなって吹き出す。
「ユーリ嬢、そんなに顔に疑問を表してはいけませんよ。ロックフォード侯爵家のチャリティーコンサートは恒例ですし、親戚のマウリッツ公爵家が支援するのは当然でしょう。誰でもわかることですよ」
そうかなぁ? とユーリは思ったが、イリスが来たので、ユングフラウに飛び立つ。
フォン・アリストの屋敷に着くと、執事から、寮母と下働きの女中の手配がすんでいると聞かされた。
「う~ん、寮が住める状態かチェックして、パーラーの内装工事が終わってるか確認しに行かなきゃ。でも、寮母さんに挨拶もしたいし、夕方までに帰れるかしら?」
何からしようとパニックになっているユーリに、グレゴリウスは落ち着くように注意する。
「何も全部を今日中にしないと駄目なわけじゃないよ。出来るだけしたら、良いんじゃない?」
「そうね、ありがとう。何だか遣ることが多すぎて、他の人に頼まなきゃいけないんだけど、まだ下手なのよね」
ジークフリートは15才の令嬢が人を動かすのが下手でも仕方ないと思った。
「一番に気になっているのは何ですか? そこからチェックしたら、どうでしょう」
ジークフリートの助言に、ユーリは考えて、寮と寮母さんだと答えた。グレゴリウスはパーラーかなと考えていたので、寮に向かいながら質問する。
「だって従業員の住む場所を確保しないと、パーラーを開店できないじゃない。それに女の子ばかりだから、しっかりと監督してくれる寮母さんが必要でしょ。あまり規則は作りたくないけど、他の従業員を雇う前に話しておきたいの」
そんな事は全く考えもしてなかったので、グレゴリウスは色々大変だなぁと感心する。
マウリッツ公爵家が用意した寮は、リフォームも済んでいて、ベッドなどの家具も設置済だったし、台所用品も準備してある。
「明日にも住めそうね。やはりマウリッツ公爵家の家令は優秀だわ~」
ユーリはマキシウスが探させた寮母の家をいきなり訪問するのを、少し躊躇したが、会って話してみないと寮を開設できないと決心する。
「私が代わりに話しましょうか?」
ジークフリートなら相手の寮母になる人も信頼できると安心だろうけど、これは自分で話さないといけないとユーリは考えた。
ナターシャ・ダルドリー夫人は、夫を先の戦争で亡くし、二人の息子を育てている未亡人だった。
「話はフォン・アリスト家の執事さんから伺いました。息子達は12才になるとサマーサンド陸軍士官学校に入学しましたから、私は一人暮らしです。寮母は渡りに舟でしたの」
ダルドリー夫人はお恥ずかしい話ですがと、陸軍士官学校の学費は陸軍遺族会から出して頂いてますが、諸経費がかなり物入りなのですと打ち明ける。
「下士官の制服とか、装備は高価だと聞いてますからね」
ジークフリートは息子二人の制服や、馬などの諸々の必要な品を用意するのは、遺族年金だけでは難しいだろうと同情する。
「弟のイーデンは兄がサマーサンド士官学校に行ったのに続いて入学しましたが、私が苦労しているのを知って退学しようとしてました。でも寮母の話を聞いて、遺族年金と給金がある上に、この家を貸せば家賃が入りますから、続けさせれますわ」
上品だけど軍人の家に嫁いだダルドリー夫人は、しっかり者で寮母として信頼できると思った。寮が住める状態だと聞くと、直ぐにでも引っ越して寮母になるのを引き受けてくれた。
「でも、息子さん達は夏休みとかは帰省されたいのでは無いでしょうか?」
家を貸すと言うダルドリー夫人に、ユーリは自分なら夏休みは実家でゆっくりしたいと思ったので質問する。
「夏休みもサマーサンド士官学校に残る生徒は多いですわ。それぞれに事情がありますもの」
ユーリは息子達に士官学校を続けさせる為に、あらゆる努力をしようとしているダルドリー夫人を尊敬した。グレゴリウスは名乗るとダルドリー夫人が緊張されますからと、ジークフリートに止められていたので、黙って座っていたが、自分の知らない階級の人達の実態を初めて見てショックを受けていた。
「ユーリが戦争遺族の苦労を話してたけど、わかってなかったんだな。軍人は遺族年金も出るからと安心していたが、やはり遺族は苦労されている」
ドヨドヨなグレゴリウスとユーリを、ジークフリートは元気づける。
「そんな馬鹿げた同情は、ダルドリー夫人に失礼ですよ。あの御婦人は、二人の息子さんを立派な軍人に育てようと努力されてるのですから。さぁ、パーラーを見てストレーゼンに帰りましょう」
パーラーはほぼ内装工事が終わっていた。
「これなら、もう直ぐ開店出来そうね。ローズとマリーにパーラーは任せるつもりだけど、開店までは手伝いたいわ」
パーラーはアイスブルーと、白の内装で統一してあり、ここにあの制服姿の女の子が働いていたら、とても可愛いだろうと想像できた。
「とても可愛いらしいパーラーですね。ところでパーラーの名前は?」
「名前?」
ジークフリートの質問に固まってしまったユーリに、グレゴリウスはもしかしてと驚いてしまう。
「ユーリ、もしかして名前を決めてないとか?」
寮に寮母まで気を使っているユーリが、肝心の名前を決めてないとは、ジークフリートも、グレゴリウスも呆れてしまう。
「どうしよう、名前なんて思いつかないわ」
頭がグルグルのユーリが、イリスと無事にストレーゼンに帰れたのは、パリスの誘導のお陰だったのかもしれない。
グレゴリウスとジークフリートに送られて、マウリッツ公爵家の別荘に帰還したユーリが、ぼおっとしてるのを皆は心配した。
「ユーリ、何かあったの?」
二人がチャリティーコンサートでお会いしましょうと、公爵家の人達にも礼儀正しく挨拶して離宮に帰ったが、ユーリの様子は変なままだ。
「叔母様、どうしよう? 私ったらパーラーの名前を考えてなかったわ。なんて間抜けなのかしら」
「何だ、そんな事か、てっきりキスでもされたかと思ったよ」
フランツの言葉にユーリがそんなわけないでしょと怒っているのを見て、公爵夫妻は胸を撫で下ろす。
「名前かぁ? そう言えばパーラーとだけ言ってたな。ユーリが好きな名前で良いんじゃない?」
フランツが言った言葉に、ユーリは考え込む。
「好きな名前? う~ん、文学的素養が無いのよね。そうだわ、私の出資金の元になったワイルド・ベリーは?」
凄くいい加減な決め方に、マリアンヌはガックリきたが、野イチゴはユーリらしい気取らない名前だと思う。
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