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第十二章  皇太子妃への道

8  消えたユーリ

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 国務省の福祉課では、最初は皇太子の婚約者であるユーリを腰掛け扱いしていたが、最近では竜騎士である事をフル活用していた。地方の孤児院や戦傷者の施設の巡回にユーリと共に行くと、護衛の竜騎士がもれなく付いてくるのだ。

「あっ、この毛布やミシンの箱もお願いします」

 皇太子殿下の婚約者を福祉課の官吏とはいえ一緒に地方へとは行かせられないと付き添う竜騎士は、どっさりと積まれた荷物に肩を竦める。未来の皇太子妃の護衛に選ばれた竜騎士は、年配の落ち着いたカルバン卿だ。

「あっ、イリスにも積みますわ」カルバン卿の竜にイージス卿を乗せてもらうので、ユーリの騎竜イリスにミシンの入った箱を何個か積む。

 地方の孤児院で男の子は農家への出稼ぎとかの需要が多いが、女の子は働く場所が無くて困っているのだ。女中ぐらいしか仕事が無いのだが、それも紹介状がないと孤児院育ちを雇ってくれない。ユーリは前世の知識で発明したミシンを孤児院に配布して、手に職をつけさせたいと考えていた。

 イリスと護衛の竜騎士の竜に箱を満載して、イージス卿と共に地方の孤児院へと向かう。途中で、竜騎士ではないイージス卿の為に休憩を挟んだが、それでも昼前には目的地ケイバーンに着いた。

「竜がいると地方まで目が届くので便利ですね。ここは、馬車だと数日がかりの巡回になるのです」

 ユーリは確かに竜だとひとっ飛びだけど、馬車で地元の情報を集めながら巡回するのも大切なのではと感じる。イルバニア王国の中央部に位置するケイバーンは、緩やかな丘陵地を流れるユリヌス川を利用して農作物を南部の港へと送る中継地になっていた。そのケイバーンが今回の巡回の目的地なのだ。

「福祉課のイージス卿とユーリ様ですね」

 出迎えた初老のヘッジ院長に案内されて孤児院を見学したが、ユングフラウよりも状態が悪かった。それに、豪雪地帯なのか雪に埋もれている。

『イリス、寒いでしょうが、サントラと一緒に待っててね』

『寒いのは平気だよ。サントラがいるから、話でもしているさ』

 カルバン卿は、孤児院の職員と共に運んできた木箱を中に運ぶのに忙しそうだ。ユーリは自分の騎竜イリスとカルバン卿のサントラの体を、雪の中で待たせてごめんねと軽く叩いて、中の見学へと向かった。

「かなり施設は老朽化していますね」

「この数年は戦時予算でしたから、福祉課には厳しかったのです。その上、戦争で孤児も増えましたから……」

 ユーリ自身も、前のローラン王国との戦争で父親を亡くしていたので、今回の戦争で孤児がでたことに心を痛める。子ども達に少しでも笑顔を取り戻してあげたいと、改善点を調査してまわる。

「先ずはベッドの数が足りていないわね。それにシーツや毛布もかなり古くなっているわ」

 チェックしてまわるユーリの後を、子供たちがついていく。若い女の人が竜に乗って現れたので、興味津々なのだ。

「ちょっと押さないで」

「お前なんか此処にいるべきじゃないくせに!」

 遠巻きにしている子供たちが何か揉めているのにユーリは気づいた。どうやら、ケイバーンの子と他の地区の子との間に諍いがあるようだ。

「ヘッジ院長? 貴族の領民の孤児もここで暮らしているのですか?」

 基本は領主が領民の面倒をみるべきなのだが、貴族の中には首都ユングフラウで贅沢三昧しているだけの輩も多い。

「怪しからん話ですが、子どもを孤児院の前に置き去りにする者が絶えないのです。かなり遠くの領地からも……私たちは子供に区別はつけないように心掛けてはいるのですが、どうもグループにわかれてしまっていて」

 イージス卿は、何度もケイバーン孤児院にも巡回に訪れていたので、近くの評判の悪い貴族の名前を思い浮かべて眉を顰めた。

「この件は、ユングフラウに帰って話し合う必要がありますな」

 イージス卿は、上に報告書を提出すると憤慨したが、それで解決できるとは自身も思っていなかった。イルバニア王国の問題は、ユングフラウで贅沢三昧している一部の腐った貴族なのだ。

 ユーリは、男の子に押しのけられた小さな女の子が気にかかった。

「大丈夫? あなたの名前は?」

 巨大な竜に乗ってきた女の人に話しかけられて、真っ赤になりながら「ハンナ」と小さな声で返事をする。

「ハンナ、私の親友と同じ名前ね」

「お姉さんはユングフラウから来た偉い人なの?」

「偉い人かどうかはわからないけど、福祉課の官吏をしているわ。何か困ったことがあるなら教えてちょうだい」

 ヘッジ院長は、首都から来られた官吏を煩わせるのではないとハンナを叱ろうとしたが、ユーリはそれを制した。

「見学はほぼ終わりました。少し子供とお話ししたいのです」

「そういうことなら……では、イージス卿は私の部屋でお茶でも」

 寒さに震えていたイージス卿は、院長の部屋で温まりながら状況を聞こうとうなづいた。ユーリは他の子供達が居ない場所の方がハンナも話しやすいだろうと、裏庭にある洗濯場へと向かった。雪に埋もれる地方なので、小屋になっている。そこの前の陽だまりに置いてある木箱に腰かけて話す。

「ハンナ、何か孤児院の生活に不自由なことがあるの?」

「お願い! 私をお家に帰して!」

 ユーリは困惑する。孤児院より家の方が良いのは分かるが、面倒をみてくれる親がいないと子供一人では暮らせないのだ。

「ハンナ……」

「お父ちゃんは死んだけど、お母ちゃんがいるの! なのに、管理人さんがここへ連れてきたのよ」

 片親だけでもいるのに何故? とユーリが考えていたら、バシャンと洗濯場から汚れた水が捨てられた。

「冷たい!」

 ハンナとユーリはモロに被ってしまう。

「おやおや、ごめんよ! まさかこんなところに人がいるとは思わなくてね。あれまぁ、貴女さんはここの人じゃないねぇ」

 竜騎士の黒に金モールが付いた制服に、洗濯場のおばさんは驚く。

「ハンナ、着替えさせて貰いなさい。私も何か着替えがあるでしょか?」

 寒さに震えながら、洗濯場のおばさんに孤児院の中の衣装部屋へと案内してもらう。

「ここには子供の服しかないからねぇ。ハンナのはあるけど……女中の服だけど、乾かすまでなら良いかね?」

 華奢なユーリにはぶかぶかだったが、濡れている服を着ているよりはマシだ。ハンナと服を着替えながら、家の話を聞く。

「お父ちゃんが死んでから、お母ちゃんはタレーラン伯爵家の女中になったの。私も一緒に住んで良いと言っていたのに、ここに置いてきぼりにされたの」

「えっ、ハンナはタレーラン伯爵領に住んでいたの?」

 思いがけない名前にユーリは驚く。知り合いの領民が困っているのをほっておけないと考えたまでは良いのだが、上司であるイージス卿への報告を忘れたのが間違いの始まりだ。


 木の枝の間から冬の灰色の空が見える。ユーリは痛む頭を撫でると、手には薄っすらと血が滲んだ。

『何があったの?』

 見知らぬ場所で雪の中に倒れていたようだ。それは分かるが、何故こんな場所にいるのかがわからない。木の上には崖が聳えている。

「あそこから落ちたのかしら?」ユーリは立ち上がり、雪を払いながら呟く。

「兎も角、家に帰らなきゃ! お父さんとお母さんが心配しているだろうし……」

 そう思った瞬間、堪え難い記憶がユーリを襲う。血まみれの父親に覆い重なるように倒れる母親の記憶を、本能的に避ける。

『嘘よ! お父さんもお母さんも生きているわ!』

 頭を強く打ったみたいなので、自分の記憶が怪しいのだと、ユーリは嫌な情報を封印する。

「寒いわねぇ……このままじゃ凍死しちゃうわ」

 冬の日は短く、午後になのか陰ってきている。辺りを見渡してヒースヒルで無いのは分かったが、家を探さないとやばい状況だ。

 ユーリはふらふらと歩き出した。何か大切な物を忘れていると本能的に感じてはいたが、それを突き詰めると悲しい記憶がフラッシュバックする。

 雪をかき分けながら、どうにか道らしき場所にやっと出る。

「カーディモかしら? 違うわよね? あんな山は見たことないし?」

 家があるヒースヒルの近くの町かと思っていたが、道に出て、ひらけた風景を見ると、全く見知らぬ場所だと困惑を深める。

「兎も角、家を見つけなきゃ!」

 雪道でも歩き慣れているユーリはぐんぐん進む。こうして、グレゴリウス皇太子の婚約者は行方不明になった。



 ユーリが行方不明になったのに一番先に気づいたのは、勿論、絆を結んでいるイリスだ。孤児院の前庭で無口なサントラと話をしていたが、途中から二頭ともお昼寝を始めた。

 かなり長いお昼寝をして目覚めたイリスは『ユーリ? 何処?』と不在に驚く。目の前にはサントラが呑気に寝ているので、他の竜に乗った訳ではないと嫉妬心を納める。イリスは、ユーリが他の竜と話したり、乗ったりするのが一番嫌なのだ。

『ユーリ!』

 幼い時に絆を結んでから、ユーリの存在は常に感知していたが、今は何処にも感じない。イリスはパニックに陥った。

『ユーリ! 何処なの? ふざけてないで返事をしてよ!』

 目の前でイリスが悲壮な叫び声をあげているので、サントラも目覚めてパートナーのカルバンを呼び寄せる。

『イリス、落ち着きなさい』

 竜騎士に宥められても、イリスは騒ぎ続ける。

『ユーリがいなくなった!』

『ユーリ嬢が? 大変だ!』

 皇太子の婚約者を警護する役目だったカルバン卿は、自分が安心しきって油断していたと顔を青ざめさせる。何処の誰がこの巨大な竜と絆を結んだ竜騎士を害せるというのだと不安になる。

『まさか、ローラン王国のゲオルク元王が……怪しい魔術を操る彼なら! それに、ユーリ嬢には騎竜カサンドラを殺された恨みを持っているはずだから!』

『ゲオルク! 許さない!』イリスはいきり立って、ゴォオ~と空に火を噴く。

 昨年のローラン王国との戦争で、ユーリはゲオルク王の騎竜カサンドラを矢で射抜いて殺したが、本来は竜には矢は刺さらないのだ。ゲオルク王の国民や竜を虐げる魔力の源になっている事に絶望したカサンドラの自殺だったのだ。騎竜を殺されたゲオルク王は竜騎士でないと王位に就けないという旧帝国からの規則で退位した。

「何事ですか?」

 呑気に院長とお茶していたイージス卿に、カルバン卿は「ユーリ嬢が拐われたのかもしれないのです。私はユングフラウに報告し、援軍を要請します!」とサントラに飛び乗ろうとする。

「まさか、ユーリ嬢が拐かされたのですか?」

「もしかしたらゲオルク元王が……」

 尊敬する竜騎士隊長の孫娘を警護しそこねたと、カルバン卿はパニック状態だ。

「落ち着いて下さい。ローラン王国の手の者が現れたら、ユーリ嬢の騎竜が黙っていませんよ。私と別れた時は、女の子と話すと言っておられました」

「そうだ、ハンナと話すと……何処にいるのだ?」

 カルバン卿と院長は、別れた時に一緒だった女の子に事情を尋ねることにする。

「ハンナがいません!」

 職員が孤児院中を探したが、ユーリもハンナもいなかった。しかし、洗濯場に竜騎士の制服が干してあった。

「この制服はユーリ嬢の物ですよね? 本人は何処なのでしょう?」

 洗濯場のおばさんに事情を尋ねる。

「ああ、あのお嬢さんは、ハンナの母親と話してみると牛乳を売りに来た荷馬車に乗せて貰ったみたいですね」

 どうやら拐かされた訳ではなさそうだと、カルバン卿もイージス卿も院長もホッと胸を撫で下ろす。

「勝手な事を! それで、ハンナは何処の領地から来たのですか?」

「この山を越えたタレーラン伯爵領から来たのです」

『サントラ、イリス! ユーリ嬢はタレーラン伯爵領へ向かわれたみたいだ。ハンナという女の子が母親に会いたいと願ったようだぞ』

『でも、ユーリと連絡がとれない! 絆を結んでいるのに!』

 不安そうなイリスを諌め、カルバン卿はサントラに飛び乗ってタレーラン伯爵領へ向かう。勿論、イリスも後に続いた。

『タレーラン伯爵家でユーリ嬢とハンナに合えば、イリスも落ち着くだろう』

 戦争の時に何頭かの竜が火を噴いたのはカルバン卿も知っていたが、絆の竜騎士がいなくなってパニックに陥り火を噴いたのには驚いていた。竜騎士は竜に甘いので、早くイリスに落ち着いて貰いたいと望んでいたが、タレーラン伯爵領にユーリもハンナもいなかった。

『ユーリ!』火を噴く竜に、タレーラン伯爵家の使用人達は逃げ惑う。

『イリス! 事情を聴着たいのに火を噴いていては駄目だよ』

 年配の落ち着いたカルバン卿の言葉で、イリスが落ち着いた頃、車輪が片方壊れた荷馬車が他の荷馬車に牽引されて伯爵家の前に着いた。

「お母ちゃん!」荷馬車からハンナが飛び降りて、下働きの女中に飛びつく。

「大変だ! 崖から女の人が落ちたんだ! 探索隊を出してくれ」

 牛乳を運んでいた男も荷馬車から落ちたのか怪我をしていた。

「お姉さんは、私が馬車から落ちそうになったのを助けてくれたの……ごめんなさい」

 カルバン卿は、女の子に「大丈夫! 探し出すから!」と言うと、崖へと急いだ。

『ユーリ!』イリスが叫んでも誰もいなかった。



 ユーリは遭難した人がしてはいけない事をしていた。あのまま崖の下で待っていたら、カルバン卿とイリスが見つけただろう。

「ちょっと止まって~!」

 寒さの中、何台かの派手な幌付きの荷馬車を連ねた一団がユーリの横を通った。御者台に座っている髭もじゃの男は怖そうだが、女の人もいるので、ユーリは頼んでみることにした。

「なんだい? こんな山の中を一人なのかい?」

「お願い! ヒースヒルまで帰りたいの」

 顔が髭もじゃの男は、他の連れの女に「ヒースヒルって何処だ?」と尋ねる。

「ヒースヒルって東北部じゃなかった? 北の砦の近くだと思うけど」

『北の砦』という言葉で血塗れの父親の記憶がユーリを襲う。「嫌!」頭を抱えて、雪の中に倒れこむ。

「おい、大丈夫か?」どうしようと、髭もじゃの男は連れの女に相談する。

「このまま置いてはいけないよ。きっとヒースヒルから売られて来たんじゃないかな? 服はボロだけど、可愛い顔をしているから」

 戦争で親を亡くした女の子の中には、悲惨な運命が待っている者もいる。旅芸人の一座には、過去を持つ者も多く、逃げ出して来た女の子を匿うことにした。荷馬車にユーリを乗せて南へと旅を続けた。



「気がついたかい?」

 幌付きの荷馬車で目覚めたユーリは、辺りを見回して驚く。カツラや派手な衣装が溢れていた。

「あのう……みなさんは?」

「私たちは旅芸人の一座なんだよ。『ローズ一座』って言うんだけど、知らないかい?」

 鏡に向かって化粧しながら女は答える。

「私はアマンダ・ローズ。あの髭もじゃの連れ合いさ。そして、そこで着替えているのがサマンサ・マロリーだよ。あんたの名前は?」

「ユーリ……ええっと苗字は何と言うんだっけ……思い出せないわ」

 隅で着替えていたサマンサと化粧をしていたアマンダは、頭を抱えてしまったユーリに驚く。

「あんた頭に怪我をしているね。前に記憶喪失ってのを聞いたことがあるよ。芝居でもよく取り上げられるからね」

「記憶喪失? 家がヒースヒルなのは分かっているし、ユーリという名前まではわかるんだけど……」

 アマンダとサリーはきっと辛い目に遭って思い出したくないのだと同情する。

「冬は東北部には巡業しないけど、夏になれば行くかもしれないさ。それまでうちで雑用でもしないかい?」

 何故か家から遠い場所にいるみたいだとユーリは困惑する。お金も持っていないし、雑用ならできそうだ。

「良いんですか? お世話になります」

 程なく荷馬車は今夜の目的地に着いた。

「小さな町だけど、宿代ぐらいは稼げるだろう」

 南部の大きな都市に着くまでは、こうした小さな町でも一夜限りの営業をして日銭を稼いでいくのだ。

 宿屋の前の広場が劇場になり、荷馬車の一台が舞台に早変わりする。

「チラシを配るにしても、その服じゃいただけないね。うちの劇団はむさ苦しい男が多いから、このお姫様の衣装に着替えておくれ」

 団長の奥さんのアマンダとサリーもかなりの年配だ。若い女の子がいた方が客を呼び込めるだろうと二人がかりでドレスを着せる。

「おやまぁ、なかなか似合っているね。本物のお姫様みたいだよ」

 偽物のティアラに派手な薔薇色のドレスは安っぽいが、ユーリが着ると本物に見えた。ユーリは皇太子の婚約者なのだから当然だ。

「えっ、これが私? お母さんみたいだわ……」

『綺麗になったよ!』とアマンダに鏡を手渡されて、ユーリは驚く。子ども時代に記憶が飛んでいたのだ。

「へぇ、あんたのお母さんは別嬪さんだったんだね」

 アマンダは、きっと今までドレスなど着たことがなかったのだろうと誤解する。

『どうやら九歳じゃないみたい……大人なの? 何か大切な事を忘れている気がするんだけど……』

 ユーリは思い出そうとすると、両親の死が浮かび上がり、記憶に蓋をする。

「さぁ、町のみんなにチラシを配ろう!」

 アマンダとサリーと一緒に町の人達にチラシを配る。

「ローズ一座です!」可愛いお姫様は、町の人達にも好評だ。

「可愛いねぇ、あんたも劇に出るのかい?」

 ユーリは雑用係りならとお世話になることにしたが、劇などヒースヒルの小学校でも脇役しかしたことがない。

「いえ」と答えようとしたが、アマンダが素早く話を遮る。

「この子も出ますよ! どうぞ観に来て下さい」

「アマンダさん、私は演技なんて……」

「大丈夫! あんたは黙って舞台に立っているだけで良いんだよ。やはり本物の若い子がお姫様の方が良いからね」

「アマンダ! 酷いなぁ! でも、確かに若い子の方が拐われるお姫様に相応しいよね。大丈夫、他のメンバーがちゃんとするよ」

 旅の一座のメンバーは、素人でも若い女の子がいた方が舞台が華やかになると、ユーリの躊躇いなど無視する。


 ユーリが旅の一座の雑用係からお姫様役に昇進した頃、ユングフラウでは大騒ぎになっていた。

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