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第4章 炎が呼び覚ます記憶
そして運命は流転する(コウキ視点)
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紅蓮の炎に包まれた家、鼻につく異臭。
ぞろぞろと集まりだす人に、騒然とした空気。
駆け出す自分。
誰かが止めようとしてくるのを心の中で謝罪し、突き飛ばす。
煙が充満した家の中。
炎に焼かれて崩れていく、家族で撮った思い出の写真。
夢中で階段を登り切り、廊下の奥にあるナナの部屋にたどり着く。
すでに煙を吸い込みすぎたのか、頭が割れるように痛い。
めまいでぐらぐらと揺れる視界で、何とか部屋の中を確認する。
だが、そこにナナはいなかった。学校のカバンもない。
「いない……部活か。ああ、そうか。よかった、いない。よかった。
本当に、ほんとうによかった」
心から安堵の声がでる。
直後、大きな音がして何かに押されてバランスを崩す。
全身に激痛が走った直後、目を開けると煤だらけのカーペットが見えた。
ナナのお気に入りのカーペット……汚れてしまったな。
炎の燃える音に紛れて、何人かの足音が聞こえる。
少しして体の上に伸し掛かっていた重みが無くなり体が持ち上げられた。
遠くでナナの叫び声が聞こえる。
俺は、お前が無事なことが何よりもうれしい。
「…ねがい! ……てっ‼ お兄ちゃん……の‼ …行かせて‼」
ん? ちょっと待て。
ダメだ。
こっちには来るな。
燃えてるんだ。
危なすぎる。
……
………
「…ちゃん……て! ……、ナナだよ。お兄ちゃん!」
ナナが俺を呼ぶ声で意識が浮上する。
意識が飛んでいたようだ。
ああ…俺は死ぬのか。
……いや、まだだ!
まだ終われない。
終わるわけにはいかない。
昨日の喧嘩で、やっと間違いに気付けたんだ。
ナナを幸せにするために、俺が犠牲になるのはダメだ。
俺もちゃんと笑顔でいられるような未来を目指さないと……。
今からでも遅くない…やり直すんだ。
今度こそ約束を…守る……ために……。
…ナ…ナ……
……かなら………ず…まも………
…………
……
…
世界が真っ白になった。
……
…………
ああ、痛い。
痛かった。
…苦しかった。
悔しかった。
悲しかった、哀しかった。
どうして…ッ!
激しい後悔と世界に対する憎しみ、残されるナナの今後の不安。
その全てが鮮明によみがえる。
ああ、嫌だ。
どうしてこんなにナナを悲しませる?
なぜ世界はナナを爪弾きにする?
幸せと不幸のバランスが狂ってやがる。
…深い憎悪と軽蔑の念が、黒い水になり、濁流となって押しかかってくる。
息ができない。
……いき、が……。
≪ガタンッ≫
シーンとした薄暗い部屋に、椅子が倒れる音が響く。
その衝撃で、周囲に積み重ねられていた書類が宙を舞う。
月の光が、揺れる金髪に反射して煌めく。
この金髪は……俺の髪だ。
「ッ! はぁ、はっ、は、ぁ………。また、この夢か。……久しぶりに寝たな」
俺は、かつてとは全く異なる秀麗な白い肌に冷や汗を滲ませながら、呟く。
しばらくして、俺はゆっくりと立ち上がり、机の上に飾っている写真たてに手を伸ばす。
それには黒髪黒瞳の少女、大切な妹であるナナが描かれている。
写真のように鮮明だが、これは俺が描いた絵だ。
写真を撮ることなどできない。
この世界にナナはいないのだから。
「ごめんナナ。ナナを忘れたわけじゃない。
必ず君のもとに帰るから、あと少し、あと少し待っていてくれ」
ゆっくりと写真の中のナナの髪を撫で、俺は椅子に座り直す。
魔道具である水晶の青白い光が俺を照らした。
「……ない。これも違う、これも……」
俺は毎夜、世界中で登録される冒険者たちの称号をチェックしている。
その中から、とある特別な称号を持つ者を探した出すために。
これは冒険者ギルドのギルドマスターである俺が背負うべき役割ではあるが、やはり俺一人では漏れなくチェックすることは難しい。
アンネに言われた通り、ギルドの各支部に命じて組織的に捜索する方が良いのかもしれない。
「いったいあとどれだけ探せば……っ⁉」
そんなことを考えながらも作業を続けていたが、目に飛び込んで来た文字に無意識に反応した俺の手が止まる。
水晶には【適合者】という文字が表示されていた。
「【適合者】……【適合者】だと⁉ 【柱】ではないが見つけた! こいつが次の【柱】だ!」
はやる気持ちを抑え、俺はいまだに自分のものとは思えない白い指で【適合者】をタップした。
水晶に表示される情報が切り替わる。
称号【適合者】を保有している者のステータスをすべて表示したのだ。
そしてそれには当然、氏名も含まれていた。
◆名前:ナナ・カンザキ ◆種族:人族 ◆性別:女
◆年齢:12歳 ◆職業:無職
◆状態:衰弱(極)
◆レベル:7
◆HP:132/132 ◆MP:207/207
◆筋力:24 ◆敏捷力:70 ◆器用さ:31
◆知力:141 ◆魔力効率:23
◆運:932
◆スキル:気配操作、伝心、気配探知
◆称号:来訪者、適合者、バケツ姫
「ぁ……」
情報を見た俺は、驚きのあまり目を見開く。
「ナ、ナナ……? どうして、この世界に?」
何度も、情報を確認する。
間違いない。
これは、地球に残してきた妹、ナナだ。
ナナがこの世界に来た証拠だ。
い、いや待て、あれから、俺が転生してから100年以上経ってるんだぞ!
これはいつの記録だ!
俺は震える手で水晶を操作し、確認する。
……この情報が冒険者ギルドで記録されたのは、数日前。
奇跡だ!
これは奇跡に違いない!
もしかしたら、会ってまた話をすることができるかもしれない!
俺の姿形は変わってしまったが、ナナならわかってくれるはずだ!
『お兄ちゃん』とほほ笑むナナの顔が思い浮かぶ。
俺は喜びの涙を必死に抑えた。
……だが、そこまで考えて、ふと思い出す。
待て、俺はなぜこの情報にたどり着いた?
称号【適合者】を持つ者を見つけたんじゃなかったか?
改めて、ナナのステータスの称号欄を確認する。
そこには、確かに存在した。
何度確認しても、その表示は消えない。
称号【適合者】。
次代の柱になる者に付与される、呪いの称号――
「…なんで! なんでナナが【適合者】を持っているんだ!
これまで何千万人チェックしても、1人も持ってなかったのに!
この世界の民ですらないのに!
どうして…よりにもよってどうしてナナが‼」
俺は片手で顔を覆う。
ナナが柱になるということは、世界を救うとナナが死に、ナナを救うと世界が滅びてナナも死ぬということだ。
絶望と、理不尽に対する憤りに心が焼け焦げる。
ナナに対する申し訳なさ、哀れみで、立っていられなくなる。
様々な感情が混じった涙がぽたりと机に落ちた。
「……なぜだ! なぜナナにばかり貧乏くじを引かせる……!
あの子はいつも頑張ってるだろ。
……どれだけ俺とナナから奪えば、気が済むんだ……!」
それから夜が明けるまで、俺は俯いたまま呆けることしかできなかった。
◇ ◇ ◇
ぞろぞろと集まりだす人に、騒然とした空気。
駆け出す自分。
誰かが止めようとしてくるのを心の中で謝罪し、突き飛ばす。
煙が充満した家の中。
炎に焼かれて崩れていく、家族で撮った思い出の写真。
夢中で階段を登り切り、廊下の奥にあるナナの部屋にたどり着く。
すでに煙を吸い込みすぎたのか、頭が割れるように痛い。
めまいでぐらぐらと揺れる視界で、何とか部屋の中を確認する。
だが、そこにナナはいなかった。学校のカバンもない。
「いない……部活か。ああ、そうか。よかった、いない。よかった。
本当に、ほんとうによかった」
心から安堵の声がでる。
直後、大きな音がして何かに押されてバランスを崩す。
全身に激痛が走った直後、目を開けると煤だらけのカーペットが見えた。
ナナのお気に入りのカーペット……汚れてしまったな。
炎の燃える音に紛れて、何人かの足音が聞こえる。
少しして体の上に伸し掛かっていた重みが無くなり体が持ち上げられた。
遠くでナナの叫び声が聞こえる。
俺は、お前が無事なことが何よりもうれしい。
「…ねがい! ……てっ‼ お兄ちゃん……の‼ …行かせて‼」
ん? ちょっと待て。
ダメだ。
こっちには来るな。
燃えてるんだ。
危なすぎる。
……
………
「…ちゃん……て! ……、ナナだよ。お兄ちゃん!」
ナナが俺を呼ぶ声で意識が浮上する。
意識が飛んでいたようだ。
ああ…俺は死ぬのか。
……いや、まだだ!
まだ終われない。
終わるわけにはいかない。
昨日の喧嘩で、やっと間違いに気付けたんだ。
ナナを幸せにするために、俺が犠牲になるのはダメだ。
俺もちゃんと笑顔でいられるような未来を目指さないと……。
今からでも遅くない…やり直すんだ。
今度こそ約束を…守る……ために……。
…ナ…ナ……
……かなら………ず…まも………
…………
……
…
世界が真っ白になった。
……
…………
ああ、痛い。
痛かった。
…苦しかった。
悔しかった。
悲しかった、哀しかった。
どうして…ッ!
激しい後悔と世界に対する憎しみ、残されるナナの今後の不安。
その全てが鮮明によみがえる。
ああ、嫌だ。
どうしてこんなにナナを悲しませる?
なぜ世界はナナを爪弾きにする?
幸せと不幸のバランスが狂ってやがる。
…深い憎悪と軽蔑の念が、黒い水になり、濁流となって押しかかってくる。
息ができない。
……いき、が……。
≪ガタンッ≫
シーンとした薄暗い部屋に、椅子が倒れる音が響く。
その衝撃で、周囲に積み重ねられていた書類が宙を舞う。
月の光が、揺れる金髪に反射して煌めく。
この金髪は……俺の髪だ。
「ッ! はぁ、はっ、は、ぁ………。また、この夢か。……久しぶりに寝たな」
俺は、かつてとは全く異なる秀麗な白い肌に冷や汗を滲ませながら、呟く。
しばらくして、俺はゆっくりと立ち上がり、机の上に飾っている写真たてに手を伸ばす。
それには黒髪黒瞳の少女、大切な妹であるナナが描かれている。
写真のように鮮明だが、これは俺が描いた絵だ。
写真を撮ることなどできない。
この世界にナナはいないのだから。
「ごめんナナ。ナナを忘れたわけじゃない。
必ず君のもとに帰るから、あと少し、あと少し待っていてくれ」
ゆっくりと写真の中のナナの髪を撫で、俺は椅子に座り直す。
魔道具である水晶の青白い光が俺を照らした。
「……ない。これも違う、これも……」
俺は毎夜、世界中で登録される冒険者たちの称号をチェックしている。
その中から、とある特別な称号を持つ者を探した出すために。
これは冒険者ギルドのギルドマスターである俺が背負うべき役割ではあるが、やはり俺一人では漏れなくチェックすることは難しい。
アンネに言われた通り、ギルドの各支部に命じて組織的に捜索する方が良いのかもしれない。
「いったいあとどれだけ探せば……っ⁉」
そんなことを考えながらも作業を続けていたが、目に飛び込んで来た文字に無意識に反応した俺の手が止まる。
水晶には【適合者】という文字が表示されていた。
「【適合者】……【適合者】だと⁉ 【柱】ではないが見つけた! こいつが次の【柱】だ!」
はやる気持ちを抑え、俺はいまだに自分のものとは思えない白い指で【適合者】をタップした。
水晶に表示される情報が切り替わる。
称号【適合者】を保有している者のステータスをすべて表示したのだ。
そしてそれには当然、氏名も含まれていた。
◆名前:ナナ・カンザキ ◆種族:人族 ◆性別:女
◆年齢:12歳 ◆職業:無職
◆状態:衰弱(極)
◆レベル:7
◆HP:132/132 ◆MP:207/207
◆筋力:24 ◆敏捷力:70 ◆器用さ:31
◆知力:141 ◆魔力効率:23
◆運:932
◆スキル:気配操作、伝心、気配探知
◆称号:来訪者、適合者、バケツ姫
「ぁ……」
情報を見た俺は、驚きのあまり目を見開く。
「ナ、ナナ……? どうして、この世界に?」
何度も、情報を確認する。
間違いない。
これは、地球に残してきた妹、ナナだ。
ナナがこの世界に来た証拠だ。
い、いや待て、あれから、俺が転生してから100年以上経ってるんだぞ!
これはいつの記録だ!
俺は震える手で水晶を操作し、確認する。
……この情報が冒険者ギルドで記録されたのは、数日前。
奇跡だ!
これは奇跡に違いない!
もしかしたら、会ってまた話をすることができるかもしれない!
俺の姿形は変わってしまったが、ナナならわかってくれるはずだ!
『お兄ちゃん』とほほ笑むナナの顔が思い浮かぶ。
俺は喜びの涙を必死に抑えた。
……だが、そこまで考えて、ふと思い出す。
待て、俺はなぜこの情報にたどり着いた?
称号【適合者】を持つ者を見つけたんじゃなかったか?
改めて、ナナのステータスの称号欄を確認する。
そこには、確かに存在した。
何度確認しても、その表示は消えない。
称号【適合者】。
次代の柱になる者に付与される、呪いの称号――
「…なんで! なんでナナが【適合者】を持っているんだ!
これまで何千万人チェックしても、1人も持ってなかったのに!
この世界の民ですらないのに!
どうして…よりにもよってどうしてナナが‼」
俺は片手で顔を覆う。
ナナが柱になるということは、世界を救うとナナが死に、ナナを救うと世界が滅びてナナも死ぬということだ。
絶望と、理不尽に対する憤りに心が焼け焦げる。
ナナに対する申し訳なさ、哀れみで、立っていられなくなる。
様々な感情が混じった涙がぽたりと机に落ちた。
「……なぜだ! なぜナナにばかり貧乏くじを引かせる……!
あの子はいつも頑張ってるだろ。
……どれだけ俺とナナから奪えば、気が済むんだ……!」
それから夜が明けるまで、俺は俯いたまま呆けることしかできなかった。
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