翠の蝶と毒の蚕、万里の風に乗る ~泣き虫れおなの絶叫昂国日誌・第四部~

西川 旭

文字の大きさ
26 / 32
第二十章 こんにちは、新しい私

百七十六話 私は甦った。命である。

しおりを挟む
「れ、麗さん……いったいこれは、お、俺は……?」

 ガラン、と青銅剣を地に落とし、立ち尽くす突骨無(とごん)さん。
 ただでさえ顔色が悪いことに加えて、聡明さのかけらもないほど、弱弱しいアホ面を晒していた。
 私は間違いなく剣で斬られて、血飛沫を派手に上げたのに。
 次の瞬間にはぴんぴんしているように彼らには見えただろう。
 周囲の誰しもがそうであるように、突骨無さんもなにがどうして今こうなっているのかを理解しきれず、呆然と私の名前を呼ぶのみだった。

「よっくもやってくれたなこのトチ狂った色男がよおぉぉー!」
「お、おい麗央那」

 私は居並ぶ全員が混乱から脱し切らないうちに、翔霏(しょうひ)の胸から離れて全力でダッシュし。

「がっぐぅ!!」

 思いっきり、人間ミサイルの要領で、斜めにジャンプ!
 呆気にとられて対応が遅れた突骨無さんの下顎に、渾身の頭突きをぶちかました。
 翔霏(しょうひ)のように喧嘩の達人にはなれなくても、翔霏の動きを見続けていたからこそ、鈍い私にだってわかることがある。
 私たち、体格の大きくない女性が斜め前上方に思いっきり蛙飛びよろしくジャンプすると。
 ちょうど、男性の顎や口周りの、人中と呼ばれる急所を的確に狙う、強烈な頭突きをぶちかますことができるのだと!
 技術もそれほどの体力も要らない、必要なのは決断と気合いのみ!
 そしてそれを行うべきタイミングは、人々の意表を突くときだ!!

「あ痛ぁ! 頭痛いぃ~!」

 けれど突骨無さんの顔もそれなりに頑丈で、私は頭頂部が割れるのではないかと思うほどの衝撃を受けた。
 あとで漫画みたいにおっきなたんこぶができちゃうよ~。
 男の人の骨と体重は、やはりバカにはできないですね、はい。
 でも、やってやった。
 私は、私の意志と力で、やり返してやったぞ!

「あぐぅ、かっ、ぺっ……」

 突骨無さんは、前歯が欠けたか折れたかしたようで、口の中から小さな欠片を吐き飛ばした。
 尻餅をついている彼の面前に仁王立ちして、私は叫ぶ。

「斬られたときの痛さはこんなもんじゃなかったんだからなー! いやいきなり割り込んだのは確かに私だけどさー!!」

 反論を許さない怒涛の勢いで逆切れをわめき散らかし、私は戦意を失った突骨無さんをガルガルと威嚇する。
 呆けていた斗羅畏(とらい)さんが、はっと気を取り直した表情に変わり、私の肩に手を掛ける。

「お、おい、こっちの、俺と末叔父(すえおじ)の喧嘩が……」
「この期に及んでテメーまでまだそんなこと言ってやがんのか! 聞き分け悪いようならまとめてやっちまうぞ! 主にうちの翔霏が!!」

 ギャオォンと斗羅畏さんにも唸ってけしかけると、翔霏が私の意を汲んでくれて、伸縮棍をシュバッと伸ばし、言った。

「ああ、麗央那に文句があるやつは、私がいくらでも相手になる。自信がなければまとめてかかって来い。手加減できずに当たり所が悪くなっても知らんが」

 突骨無さんに向かい、前傾姿勢でグルルと獣のように唸る私。 
 その背中を守ってくれる形で、棍を手に静かに立つ翔霏。
 今の私たち、完璧に、無敵で最強すぎる!

「……れ、麗さん、頼むから邪魔をしないでくれ。俺は、俺たちには避けられない戦いが」

 突骨無さんがなにか言いかけてるけれど。

「うるせーバカ! テメーに発言権があると思うな! 手と足の骨を丁寧に全部折ってやってもいいんだぞ! 翔霏が!」

 怒りの理不尽パワーで封殺。

「任せろ、すぐやるか?」

 翔霏も乗り気で棍をひゅんひゅんと、いつもより余計に振り回しております。
 状況を完全に掌握し、支配しているのは私たちだ。
 こうなった以上は絶ッ対に、譲っても引いてもやらん!
 私は。
 これだけは、言わねばならないと思っていたことを、声を大にして改めて言った。

「あんなに立派なおやっさんが死んじゃったんだろー! 生き残った親戚同士仲良くしろよバカーーーーーーー!!」

 見渡す限り、草原一帯に。
 私の魂の叫びが鳴り響く。
 そう、本当に。
 今の私に、これ以外の言うべきことはない!!
 私はこれを言うためだけにここに居るし。
 この一言を怒鳴りつけるためだけに、死の淵から甦って来たのだ!!

「う、ぐっ、親爺……」

 張り詰めていたものが切れたのか。
 斗羅畏さんが涙混じりに呟いて、がくんと膝を折った。
 理屈を説いてもわからないやつらには、デカい声で胸に、脳に、物理的に届かせるしかないのだ。
 想いの乗っかった大声は、質量とエネルギーを持つのである。
 誰よりも丈夫な喉に産んでくれて、改めてありがとうね、お母さん!
 しかしまだ私のハウリングボイスに屈しない、優男ぶりに似合わぬ意地っ張りの突骨無さんが、苦しそうに言う。

「……お、俺は、親父を見殺しにした俺は、もう途中で止まれないんだ。親父が望んでいたが結局はできなかったことを、遺された俺が」
「まだ余計に口を動かす元気がありやがるかこんにゃろー! 麗央那怒りの鉄槌が足りねーみたいだなオォーン!?」

 私が突骨無さんの顔面に、前ダッシュからのケンカキックを食らわせようと飛び出したとき。

「ちょ、ちょっと待て、少しは落ち着け!」

 椿珠(ちんじゅ)さんが私を後ろから羽交い絞めにして拘束し。

「阿突羅(あつら)さまを見殺しにしちゃったって、どういうこったよ」

 軽螢(けいけい)が、手にした布巾を鼻と口から血を流している突骨無さんに渡した。
 おいおめーら優しいなあこんにゃろう!
 こうやってちゃんとブレーキ役になってくれるおめーらのこと、嫌いじゃないぜ!

「お、親父は……」

 怯えとも哀しみとも取れる歪んだ情けない顔で、突骨無さんは述懐する。

「星荷(せいか)の伯父貴と飲んでたその晩に、馬から落ちて死んだ。俺は見たんだ。伯父貴の下で小間使いやってる赤目部(せきもくぶ)生まれの小者が、親父の馬に飼葉と水をやってるのを……」
「馬なんだから草も食うし水くらい飲むだろ当たり前のことわざわざ報告してんじゃねーぞコラー!」

 話をさえぎる私にとうとう翔霏もげんなりして、そっと私の上体を手で押し留める。

「麗央那、今少しばかりはこいつの戯言を聞いてやろう。ぶちのめすのはいつでもできる」

 翔霏は「ここを押さえると動けないし力が入らないポイント」を熟知している。
 武術に長けていない一般女子の私くらいなら、指三本あれば制圧することができるのだ。

「あっうんそうだね」

 冷静になってしまった私は、今まで晒した狂態が恥ずかしい。
 そんな乙女の懊悩を知らず、突骨無さんは下を向きながら自分の記憶を話す。

「阿片か麻かはわからないが、伯父貴は親父の馬におかしな草と水を飲み食いさせたんだ。でなきゃ、いくら酔ってたってあの親父が馬から落ちて死ぬなんて有り得ないだろ……」

 悪いクスリにラリラリパッパラーになった馬が、阿突羅さんを振り落してしまった、ということなのだろうか。
 話を聞いて、椿珠さんが疑問を挟む。

「星荷にしてみれば、阿突羅の存在は邪魔だったってことか?」

 突骨無さんは首を振って答える。

「俺にはわからない。仲の良い義兄と義弟に見えた。俺が物心つく、昔からそうだったのに……」

 ううっ、と嗚咽を漏らし、突骨無さんは両の掌で顔を覆った。
 私たちよりずいぶん先に冷静な思考を取り戻していたであろう斗羅畏さんが、その状況に補足を加えてくれた。

「親爺が生きていれば、赤目部を贔屓する末叔父の政策も、ある程度のところで横槍を入れて歯止めをかけただろう。親爺はあくまで五部共和の想いが中心にあった。貧しいなら貧しいなりに、皆で貧しさを分け合おうと考えるのが親爺だ」

 五部と言うのは戌族(じゅつぞく)の五つに分かれた氏部のことだ。
 白髪部(はくはつぶ)、黄指部(こうしぶ)、青牙部(せいがぶ)、赤目部(せきもくぶ)、そして黒腹部(こくふくぶ)である。
 経済的に比較的豊かな黄指部と、武力の強さが一つ抜けている白髪部。
 二つが中心となり、トラブルがあっても妥当な落としどころを見つけて調整し合い、上手くやって行こうという方針だね。
 思えば青牙部の覇聖鳳(はせお)が昂国(こうこく)と揉めているときも、戌族全体に争いが波及しないように裏で調整していたのは阿突羅さんだったのだよな。
 その状況の、一段先を行く考えを突骨無さんが話す。

「五部共和、俺だって親父の考えは素晴らしいと思っていた。しかしそうしていたって、昂の国の商人や黄指部の連中はいつもこっちの足下を見やがる。ずっと俺たちは貧しいまま耐えなければいけないのか?」

 涙の筋を両頬に生みながら突骨無さんが切ない声で言う。
 ぽん、と突骨無さんの肩に手を置いて落ち着かせるように、椿珠さんが説いた。

「これから、商売はもっと自由に、上手く行くようになる。お前さんたちが冷や飯を食う割合も減るはずだ」
「お前、見た顔だと思ったら環家(かんけ)の……」

 椿珠さんの素性を思い出した突骨無さんは、それでも歪んだ顔で、吐き捨てるように言った。

「お前も商人ならわかるだろう。商売が自由になるってことは、上手く儲けるやつと、そうでないやつの両極が生まれるってことを。親父の代は、白髪部はみんな貧しかった。だから仲間と一緒だと思えたし、耐えられたんだ。それが崩れたらどうなる?」

 うぐ、と椿珠さんは言葉を詰まらせた。
 彼は商人だから、商売で勝つこと、少なくとも負けないことを前提に物事を考える。
 けれどそれは、必ず別のところで敗者が生まれる現実が付いて回るのだ。
 生まれたときからずっと経済的に勝ち組だった椿珠さんは、本当のどん底に生きる市場経済の弱者を知らない。
 突骨無さんは、更に重ねて言う。

「俺は戌の地すべてをまとめあげる王となり、昂の国と対等な条約を結ぶ。どこの地域が、どこの氏族が儲かるだの儲からないだの、俺の国ではそんなことは絶対に起こさせやしない。今までは全員が貧しかった。これからは、全員で少しずつ豊かになって行くんだ。俺はそのために大統になったんだ……」

 正直、私は。
 突骨無さんのその考えに、けっこうな共感と感情移入をしてしまっている。
 戌族の各氏部が経済的に貧しいのは、ハッキリ言って貧しい土地なのに更に小勢力に分割して、お互いに小競り合いしているからだ。
 そのために外部勢力に付け込まれているのであり、商売上の不利益、不平等な格差も結局はそこに繋がる。
 もしそれが、統一国家を築けたとしたら、どうなるだろう?
 昂国としてはどうしたって北隣の戌族王朝を軽く見ることはできない。
 南下して侵攻されたらたまったものではないから、友好条約を固く結ぼうとするはずだね。
 今よりももっと、戌族のご機嫌を取る形でさ。
 贈り物とか、目も眩むような凄い規模になるだろうな。
 
「だから、俺が邪魔だったのか」

 斗羅畏さんがぽつりと言う。
 もう流れる涙を隠そうともせず、開き直った顔で突骨無さんは言った。

「あの厄介な覇聖鳳も、あんなやり方をしていたらいつか近いうちに死ぬと思っていた。しかし、まさか斗羅畏がその跡を継ぐなんて思ってもいなかったよ。覇聖鳳のいない青牙部なんて恐ろしくもない。だから一番最初に平定しようと考えていたのに……」
「上手く行かなくて残念でしたねー。やーいやーい今どんな気持ちー?」

 いい気味だと思って煽ったけれど、無視された。
 翔霏も椿珠さんも「それはない」という冷めた顔で首を横に振っていた。
 なんだよなんだよぉ、死にそうになって戻って来たんだからさぁ、もっとみんな、私を甘やかしてよ!

「メェ、メェ~」
「気安くお尻に顔をこすりつけんな!」

 ヤギに慰められたけれど、死の淵であんなことがあったからか、今はこいつの顔も可愛くはないのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

拾われ子のスイ

蒼居 夜燈
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞】 記憶にあるのは、自分を見下ろす紅い眼の男と、母親の「出ていきなさい」という怒声。 幼いスイは故郷から遠く離れた西大陸の果てに、ドラゴンと共に墜落した。 老夫婦に拾われたスイは墜落から七年後、二人の逝去をきっかけに養祖父と同じハンターとして生きていく為に旅に出る。 ――紅い眼の男は誰なのか、母は自分を本当に捨てたのか。 スイは、故郷を探す事を決める。真実を知る為に。 出会いと別れを繰り返し、命懸けの戦いを繰り返し、喜びと悲しみを繰り返す。 清濁が混在する世界に、スイは何を見て何を思い、何を選ぶのか。 これは、ひとりの少女が世界と己を知りながら成長していく物語。 ※週2回(木・日)更新。 ※誤字脱字報告に関しては感想とは異なる為、修正が済み次第削除致します。ご容赦ください。 ※カクヨム様にて先行公開(登場人物紹介はアルファポリス様でのみ掲載) ※表紙画像、その他キャラクターのイメージ画像はAIイラストアプリで作成したものです。再現不足で色彩の一部が作中描写とは異なります。 ※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
 毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 連載時、HOT 1位ありがとうございました! その他、多数投稿しています。 こちらもよろしくお願いします! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない

しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。

人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」 前世、15歳で人生を終えたぼく。 目が覚めたら異世界の、5歳の王子様! けど、人質として大国に送られた危ない身分。 そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。 「ぼく、このお話知ってる!!」 生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!? このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!! 「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」 生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。 とにかく周りに気を使いまくって! 王子様たちは全力尊重! 侍女さんたちには迷惑かけない! ひたすら頑張れ、ぼく! ――猶予は後10年。 原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない! お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。 それでも、ぼくは諦めない。 だって、絶対の絶対に死にたくないからっ! 原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。 健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。 どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。 (全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

処理中です...