転生勇者が死ぬまで10000日

慶名 安

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第3章 逆襲編

第3章ー㉘

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 それから数分後、なんとかミオが勇者の手を完治させた。その間に自分も歩ける程度には体力が回復し鳥の巣の外から出ていた。

 「ありがとう。その若さでここまでの治癒魔法が使えるなら、将来は素晴らしい治癒師にでもなれるな」

 「本当ですか。えへへー」

 勇者に褒められ頭まで撫でられたからか、ミオはとても嬉しそうだ。彼女の純粋な笑顔を見るのはなんだか久しぶりな気がする。

 「さて、今度こそ邪魔者は居なくなっただろうし、場所を変えて…」

 「あの、助けて貰った身でお願いするのは烏滸《おこ》がましい話なんですけど…」

 「ん?」

 「? サダメ?」

 それはさておき、申し訳ない気持ちもありつつ勇者に皆の死体の件について話す事にした。







 「ふぅ、これで全員か?」

 「はい。ありがとうございます」

 皆の場所に戻り全員の遺体を回収。それから一時間程掛けて一箇所に埋葬してあげた。

 「…」

 ラエルの遺体を埋める最中、彼の顔を見てふと寂しさを感じた。口から血を流した痕はあるが、何かの間違いで目を覚ましてくれるんじゃないかと心のどこかで期待してしまった。しかし、その期待も虚しく、ラエルの顔は土の中に埋もれていった。

 「これでよしっと」

 皆の遺体を埋めた後、勇者はその辺で拾った枝を拾い集め、埋葬した場所の前で火を焚いた。多分線香代わりなのだろう。

 「すいません。そこまでして貰って」

 「いや、こういうのはもう慣れたもんだ」

 「…」

 勇者は話をしながら合掌。それを見て自分とミオも合掌する。こういうのに慣れている、合掌しながら勇者の言葉が妙に引っかかった。慣れているということはこういう経験を何度もしているという事。つまり…

 「さて、これ以上長居するとまた魔物が襲って来るかも…って、もうこんな時間か」

 合掌を終えた勇者は立ち上がり、自分達に移動を促す。その際、ふと空を見ると夜が明るくなっていた。これは魔法ではなく、自然の日の光だ。村から出て半日以上経つのか。色々あったからか、とても長く感じた。

 「っあ、あぁぁ」

 夜が明けたのを見た瞬間、急激に眠気に襲われ、大きい欠伸を一つ。身体の疲れもあるのだろう。仮眠したとはいえ、流石にそれだけでは無理があった。

 「んっ、あぁぁ。なんか、私も眠くなって…」

 自分の欠伸に釣られてか、ミオも大きいを欠伸をしている。彼女も相当疲れているに決まっている。

 「お、おいおい、こんな所で寝られると流石に困る…」

 「ん…」

 二人が眠そうな様子を見て勇者が若干困惑していた。しかし、そんな勇者の反応とは裏腹に、想像以上の睡魔に打ち勝つことは出来ず、自分の意識が途中で途切れてしまった。

  ―転生勇者が死ぬまで、残り7802日
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