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第5章 入学編
第5章ー⑬
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それから数日が経ち、入学式当日となった。あの日の翌日に何故かミオにぶん殴られた事以外は何事もなく式当日を迎える事が出来た。
「よし、これで大丈夫かな」
自室の鑑で身だしなみを整える自分。制服なんて何年ぶりに着ただろうか。
しかも、前世の高校生の制服とは違い、黒と赤を基調としたローブ風のデザインになっており、どことなく魔法使いっぽく見える。中々にカッコよくてすぐに気に入った。やっぱ男は赤と黒には目がないよな。
『おーい、サダメー、居るー?』
「ん?」
身だしなみチェックをちょうど終えたタイミングで入り口の方からノックと人の声が聞こえてきた。恐らく奴が来たのだろう。
「はーい」
自分は返事を返しながらドアを開ける。そこには、金髪の男が突っ立っていた。
「よっ、おはよーさん」
「おお、おはよう」
ドアを開けるなり元気よく挨拶する彼の名はギリスケ・アンドリューズ。自分と歳も学年も同じで、二日程前に寮内で知り合ったのだが、不思議と気が合い、この学園に来て初めての男友達が出来た。基本気さくな男ではあるが、猥談が多く、下心満々な性格がやや傷である。こいつがマヒロの水浴びシーンを見てたらどえらい事になってただろうな。
「準備出来たかー? なら、さっさと会場行こうぜ!」
「お、おう。ちょっとだけ待ってくれ」
ギリスケに促され、ベッドに置いていた手提げのスクールバッグを手に取り、自室を後にした。
「あっ、サダメでござる! おーい、サダメー!」
入学式の会場付近でギリスケより元気のある声が後ろから聞こえてくる。後ろを振り返ると、制服姿のマヒロとミオがこっちに駆け寄って来ていた。
「おお、二人共おは…」
「マヒロちゃんにミオちゃん! おはよー!」
「ギリスケ殿、おはようでござる」
「おはよう」
自分から挨拶しようとしたが、ギリスケに遮られてしまった。元気があるのは良い事かもしれないが、隣で大声を上げるのは辞めて欲しいな。一瞬耳がキーンとなってちょっとテンション下がるんだが。
「お前、殿呼び気にしないんだな?」
「ん? ああ、そうだな。寧ろ殿って呼ばれるの興奮しね?」
「…さいですか」
「?」
どうやら彼はマヒロの殿呼びを気にしていないどころか、変な所で興奮を覚えたらしい。共感は出来ないがこいつらしいな。
「それにしても二人共、制服スゲー似合ってるよ!」
「本当でござるか? 拙者も中々可愛くて良いと思ったでござる」
ギリスケはまじまじと彼女達の制服姿を見て褒め始めた。たしかに、色合いは男子と同じ赤黒だが、どことなく可愛らしく見えるデザインになっている。特にスカートの方は…
「特にスカートとかめっちゃいいじゃん! 最高に可愛いーよ!!」
「うむ。やはりそうでござるよな!? 丈も短くて近接戦主体の拙者としてもこれぐらい動きやすい方が好みでござる!」
「うんうん。はあはあ、やっぱ、ミニスカは、はあ、いいよなー」
「…」
と心の中で褒めようとしていた最中、食い気味にギリスケがそこの部分も褒め出した。丈はやや短いが、赤一色のスカートは上の制服と合っていてお洒落に感じる。
ただ、彼の方はお洒落よりも丈の短さの方がお気に召したようで、鼻息を荒くしながらマヒロのスカートをガン見していた。彼女も褒められた事で機嫌が良くなったのか、スカートを見せつけるようにひらひらとたくし上げていた。どうやらこいつはただ褒めていただけではないらしい。策士かこいつ。
「もうちょっと、もうちょっとだけよく見せでっー?!」
「ぶほっ?! な、んで俺ま、で…」
「ふんっ」
「おろ?」
しかし、ミオはそれを察したかのように屈もうとしていたギリスケの後頭部に一発、そして何故か自分の腹にも一発、拳をお見舞いされた。向こうは自業自得だが、自分に関しては殴られる言われがないのだけれども。
「こんな奴等ほっといて早く行こ、マヒロ」
「ミオ? おろろろ?」
拳をお見舞いしたミオは、マヒロを連れて会場へと向かって行った。一方、自分達は暫く彼女の拳に悶えさせられていた。
「よし、これで大丈夫かな」
自室の鑑で身だしなみを整える自分。制服なんて何年ぶりに着ただろうか。
しかも、前世の高校生の制服とは違い、黒と赤を基調としたローブ風のデザインになっており、どことなく魔法使いっぽく見える。中々にカッコよくてすぐに気に入った。やっぱ男は赤と黒には目がないよな。
『おーい、サダメー、居るー?』
「ん?」
身だしなみチェックをちょうど終えたタイミングで入り口の方からノックと人の声が聞こえてきた。恐らく奴が来たのだろう。
「はーい」
自分は返事を返しながらドアを開ける。そこには、金髪の男が突っ立っていた。
「よっ、おはよーさん」
「おお、おはよう」
ドアを開けるなり元気よく挨拶する彼の名はギリスケ・アンドリューズ。自分と歳も学年も同じで、二日程前に寮内で知り合ったのだが、不思議と気が合い、この学園に来て初めての男友達が出来た。基本気さくな男ではあるが、猥談が多く、下心満々な性格がやや傷である。こいつがマヒロの水浴びシーンを見てたらどえらい事になってただろうな。
「準備出来たかー? なら、さっさと会場行こうぜ!」
「お、おう。ちょっとだけ待ってくれ」
ギリスケに促され、ベッドに置いていた手提げのスクールバッグを手に取り、自室を後にした。
「あっ、サダメでござる! おーい、サダメー!」
入学式の会場付近でギリスケより元気のある声が後ろから聞こえてくる。後ろを振り返ると、制服姿のマヒロとミオがこっちに駆け寄って来ていた。
「おお、二人共おは…」
「マヒロちゃんにミオちゃん! おはよー!」
「ギリスケ殿、おはようでござる」
「おはよう」
自分から挨拶しようとしたが、ギリスケに遮られてしまった。元気があるのは良い事かもしれないが、隣で大声を上げるのは辞めて欲しいな。一瞬耳がキーンとなってちょっとテンション下がるんだが。
「お前、殿呼び気にしないんだな?」
「ん? ああ、そうだな。寧ろ殿って呼ばれるの興奮しね?」
「…さいですか」
「?」
どうやら彼はマヒロの殿呼びを気にしていないどころか、変な所で興奮を覚えたらしい。共感は出来ないがこいつらしいな。
「それにしても二人共、制服スゲー似合ってるよ!」
「本当でござるか? 拙者も中々可愛くて良いと思ったでござる」
ギリスケはまじまじと彼女達の制服姿を見て褒め始めた。たしかに、色合いは男子と同じ赤黒だが、どことなく可愛らしく見えるデザインになっている。特にスカートの方は…
「特にスカートとかめっちゃいいじゃん! 最高に可愛いーよ!!」
「うむ。やはりそうでござるよな!? 丈も短くて近接戦主体の拙者としてもこれぐらい動きやすい方が好みでござる!」
「うんうん。はあはあ、やっぱ、ミニスカは、はあ、いいよなー」
「…」
と心の中で褒めようとしていた最中、食い気味にギリスケがそこの部分も褒め出した。丈はやや短いが、赤一色のスカートは上の制服と合っていてお洒落に感じる。
ただ、彼の方はお洒落よりも丈の短さの方がお気に召したようで、鼻息を荒くしながらマヒロのスカートをガン見していた。彼女も褒められた事で機嫌が良くなったのか、スカートを見せつけるようにひらひらとたくし上げていた。どうやらこいつはただ褒めていただけではないらしい。策士かこいつ。
「もうちょっと、もうちょっとだけよく見せでっー?!」
「ぶほっ?! な、んで俺ま、で…」
「ふんっ」
「おろ?」
しかし、ミオはそれを察したかのように屈もうとしていたギリスケの後頭部に一発、そして何故か自分の腹にも一発、拳をお見舞いされた。向こうは自業自得だが、自分に関しては殴られる言われがないのだけれども。
「こんな奴等ほっといて早く行こ、マヒロ」
「ミオ? おろろろ?」
拳をお見舞いしたミオは、マヒロを連れて会場へと向かって行った。一方、自分達は暫く彼女の拳に悶えさせられていた。
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