152 / 500
第5章 入学編
第5章ー⑮
しおりを挟む
入学式が終わると、新入生は教室へと案内された。在校生は引き続き新学式に入っているようだ。
「はあ、ようやく終わったー!」
「お前寝てねーだろうな?」
「んん? 流石に寝てねーよ。記憶ほとんどねーけど」
「寝てんじゃねーか」
教室に向かう道中、ギリスケが背伸びしながら欠伸を掻いていた。早朝のテンションより若干下がっている事から察するに、式の途中で寝ていたのだろう。居るよな、こういう奴。高校生の時、なんかの式の途中で最前列にも関わらず、堂々と寝ていたクラスメイトをふと思い出す。こういう学生あるあるを思い出した時って、学生時代の頃の記憶が蘇るから懐かしく感じるんだよな。まあ、卒業して人生二周目を送っているからだいぶ昔になるんだろうけど。
「にしても、この学園広すぎだろ!? 転移魔法でちゃちゃっと移動出来るようにすりゃあいいのによ」
「ああ。それは分かる」
「ゲームみたいにファストトラベルとか出来たら最高なのにな」
「たしかに。あれぐらい移動を楽に出来る方法とか出来そうなものなのにな」
「ほんっとそれ!」
移動しながら雑談していると、ギリスケは思いつきかのように面白い発想を口にしていた。因みにこの世界はテレビゲームの文化も都市を中心として普及し始めており、ギリスケはゲームの影響か、割と現代人に近い考えを持っており、そういう理由もあってか結構話が合う。昨日、ギリスケの部屋でゲームを遊ばせて貰ったが、RPGやら格闘ゲームやらFPSやら、自分が前世で遊んでいたジャンルのゲームが存在していてかなりテンション上がったな。
「むむ? その、ふぁすととらべるというのはなんなのでござる?」
「ん?」
会話が思いのほか盛り上がっていると、どこからかマヒロがひょっこりと顔を覗かせ、自分達の話に入ってきた。彼女を見て後ろを振り返ると、いつの間にかミオも後ろからついて来ていた。さっきの事もあってか、やや不機嫌そうな顔をしているように見えるのは自分の気のせいだろうか。
「ほら、入学試験の時みたいなヤツがあんじゃん? あれみたいに特定の場所を一瞬で移動出来るようになるってこと」
「おー、それは確かに便利でござるなー」
マヒロの疑問をギリスケは分かり易く解説しているが、意外とこういう説明するの上手いな。結構饒舌な部分もあるし、話し上手な方なのだろう。
「それなら拙者は自由に空を飛べる乗り物が欲しいでござる」
「おっ、それも面白そうだな。なら、ダメ元で要望書出しとこーぜー」
「そのよーぼーしょというのを出せば、空が飛べるのでござるか?」
「知らねーけど、こんだけボンボンなお坊ちゃん学校ならイケるんじゃね?」
「…」
それから暫くの間、マヒロとギリスケのやり取りを後ろで見守る自分とミオ。なんだろう。この二人の姿を見ていると物凄く青春を感じる。前世の自分はここまでの青春は送れなかったが。
「…なんかいいな。青春って」
「…サダメ…」
二人の眩しさを見せられて、無意識に心の声が口から出てしまっていた。あの時の見れなかった光景が今目の前に広がっていて、密かに高揚する自分が居た。
「…うん。そうだね」
自分の声を聞いていた隣のミオは、小さく頷いていた。
「はあ、ようやく終わったー!」
「お前寝てねーだろうな?」
「んん? 流石に寝てねーよ。記憶ほとんどねーけど」
「寝てんじゃねーか」
教室に向かう道中、ギリスケが背伸びしながら欠伸を掻いていた。早朝のテンションより若干下がっている事から察するに、式の途中で寝ていたのだろう。居るよな、こういう奴。高校生の時、なんかの式の途中で最前列にも関わらず、堂々と寝ていたクラスメイトをふと思い出す。こういう学生あるあるを思い出した時って、学生時代の頃の記憶が蘇るから懐かしく感じるんだよな。まあ、卒業して人生二周目を送っているからだいぶ昔になるんだろうけど。
「にしても、この学園広すぎだろ!? 転移魔法でちゃちゃっと移動出来るようにすりゃあいいのによ」
「ああ。それは分かる」
「ゲームみたいにファストトラベルとか出来たら最高なのにな」
「たしかに。あれぐらい移動を楽に出来る方法とか出来そうなものなのにな」
「ほんっとそれ!」
移動しながら雑談していると、ギリスケは思いつきかのように面白い発想を口にしていた。因みにこの世界はテレビゲームの文化も都市を中心として普及し始めており、ギリスケはゲームの影響か、割と現代人に近い考えを持っており、そういう理由もあってか結構話が合う。昨日、ギリスケの部屋でゲームを遊ばせて貰ったが、RPGやら格闘ゲームやらFPSやら、自分が前世で遊んでいたジャンルのゲームが存在していてかなりテンション上がったな。
「むむ? その、ふぁすととらべるというのはなんなのでござる?」
「ん?」
会話が思いのほか盛り上がっていると、どこからかマヒロがひょっこりと顔を覗かせ、自分達の話に入ってきた。彼女を見て後ろを振り返ると、いつの間にかミオも後ろからついて来ていた。さっきの事もあってか、やや不機嫌そうな顔をしているように見えるのは自分の気のせいだろうか。
「ほら、入学試験の時みたいなヤツがあんじゃん? あれみたいに特定の場所を一瞬で移動出来るようになるってこと」
「おー、それは確かに便利でござるなー」
マヒロの疑問をギリスケは分かり易く解説しているが、意外とこういう説明するの上手いな。結構饒舌な部分もあるし、話し上手な方なのだろう。
「それなら拙者は自由に空を飛べる乗り物が欲しいでござる」
「おっ、それも面白そうだな。なら、ダメ元で要望書出しとこーぜー」
「そのよーぼーしょというのを出せば、空が飛べるのでござるか?」
「知らねーけど、こんだけボンボンなお坊ちゃん学校ならイケるんじゃね?」
「…」
それから暫くの間、マヒロとギリスケのやり取りを後ろで見守る自分とミオ。なんだろう。この二人の姿を見ていると物凄く青春を感じる。前世の自分はここまでの青春は送れなかったが。
「…なんかいいな。青春って」
「…サダメ…」
二人の眩しさを見せられて、無意識に心の声が口から出てしまっていた。あの時の見れなかった光景が今目の前に広がっていて、密かに高揚する自分が居た。
「…うん。そうだね」
自分の声を聞いていた隣のミオは、小さく頷いていた。
0
あなたにおすすめの小説
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
最弱弓術士、全距離支配で最強へ
Y.
ファンタジー
「弓術士? ああ、あの器用貧乏な最弱職のことか」
剣と魔法が全てを決める世界において、弓は「射程は魔法に及ばず、威力は剣に劣る」不遇の武器と蔑まれていた。
若き冒険者リアンは、亡き叔父から譲り受けた一振りの弓「ストーム・ウィスパー」を手に、冒険者の門を叩く。周囲の嘲笑を余所に、彼が秘めていたのは、世界をナノ単位で解析する「化け物じみた集中力」だった。
リアンの放つ一矢は、もはや単なる遠距離攻撃ではない。
風を読み、空間を計算し、敵の急所をミリ単位で射抜く精密射撃。
弓本体に仕込まれたブレードを操り、剣士を圧倒する近接弓術。
そして、魔力の波長を読み取り、呪文そのものを撃ち落とす対魔法技術。
「近距離、中距離、遠距離……俺の射程に逃げ場はない」
孤独な修行の末に辿り着いた「全距離対応型弓術」は、次第に王道パーティやエリート冒険者たちの常識を塗り替えていく。
しかし、その弓には叔父が命を懸けて守り抜いた**「世界の理(ことわり)」を揺るがす秘密**が隠されていた――。
最弱と笑われた少年が、一張の弓で最強へと駆け上がる、至高の異世界アクションファンタジー、開幕!
暗殺者から始まる異世界満喫生活
暇人太一
ファンタジー
異世界に転生したが、欲に目がくらんだ伯爵により嬰児取り違え計画に巻き込まれることに。
流されるままに極貧幽閉生活を過ごし、気づけば暗殺者として優秀な功績を上げていた。
しかし、暗殺者生活は急な終りを迎える。
同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。
ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。
新たな生活は異世界を満喫したい。
勇者じゃないと追放された最強職【なんでも屋】は、スキル【DIY】で異世界を無双します
華音 楓
ファンタジー
旧題:re:birth 〜勇者じゃないと追放された最強職【何でも屋】は、異世界でチートスキル【DIY】で無双します~
「役立たずの貴様は、この城から出ていけ!」
国王から殺気を含んだ声で告げられた海人は頷く他なかった。
ある日、異世界に魔王討伐の為に主人公「石立海人」(いしだてかいと)は、勇者として召喚された。
その際に、判明したスキルは、誰にも理解されない【DIY】と【なんでも屋】という隠れ最強職であった。
だが、勇者職を有していなかった主人公は、誰にも理解されることなく勇者ではないという理由で王族を含む全ての城関係者から露骨な侮蔑を受ける事になる。
城に滞在したままでは、命の危険性があった海人は、城から半ば追放される形で王城から追放されることになる。 僅かな金銭で追放された海人は、生活費用を稼ぐ為に冒険者として登録し、生きていくことを余儀なくされた。
この物語は、多くの仲間と出会い、ダンジョンを攻略し、成りあがっていくストーリーである。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる