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第5章 入学編
第5章ー㊴
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「はあ…はあ…、どう、ですか?」
「…ふー。駄目だ。不合格」
「くっそー!?」
「…」
皆がテストで一喜一憂している中、不合格を言い渡された自分は一人ポツンと体育座りしながら様子を見守っていた。なんだろう。皆は真剣にテストを受けているのだろうが、凄く楽しそうに見えてしまう。その様子を見て若干羨ましく思う自分は、指を咥えてジッとその光景を観察することしか出来ずにいた。
「よし。次ぃ!」
「は、はい!」
暫く見守っていると、ミオの番が回ってきた。昨日今日と体力的に自分よりもだいぶ厳しそうだが、大丈夫だろうか。まあ、昨日彼女の魔法でぶっ飛ばされた自分が言うのもおかしな話だが。
「…ふー」
彼女は深呼吸を一度した後、右手を構える。彼女は二種類の魔法が扱えるが、治癒魔法じゃあ効果が掛かるのに少し時間が掛かるだろうしそれなりに集中力を維持し続けなければいけない。となると、やるのは風魔法の方だろう。
「はあああああ!」
予想通り、彼女は風魔法を出そうと右手に風の塊を集結させていた。昨日、自分にぶつけた奴よりやや大きい気がする。あとはそれを飛ばせれば…
「ッ!? はあ、はあ…」
「…」
よかったのだが、その前に彼女は力を使い果たしてしまい、風の塊は消え、彼女は膝に手をつけてしまった。昨日とは違い、かなり苦しそうな表情を浮かべている。相当きつそうだ。
「…不合格。それ以前に、詠唱どころか呼称を呼ぶことすらロクに出来てない。ただ馬鹿みたいに魔力を垂れ流してるだけだ。論外だな」
「ッ?!」
「…ミオ…」
そんな彼女の事など気にかける様子もなく、先生から辛辣な意見が飛ぶ。今のは精神的にもキツイ一言だ。けど、言われてみればたしかに彼女は風魔法を使う時は魔法の詠唱どころか呼称を呼ぶことすらしたことがない。ただ魔力を垂れ流して風を生み出しているだけだ。それでも充分凄いとは思うが、それだと必要以上に魔力の消費が早い。ドレーカ村の時も自分と同様幼かったから無茶出来た事なのだろう。
だが、今は違う。それは彼女の苦しそうな表情を見れば理解出来た。彼女も昔より衰えてしまったのだ。彼女自身が一番その事を実感しているだろう。
「よし。次ぃ!」
彼女が少し離れた場所で休憩している間に次の番が来た。
「うむ。次は拙者の番でござるな!」
どうやら次はマヒロの番のようだ。ミオや他の生徒とは違い、明らかに一人だけテンションの高さが違う。その様子を見ただけで疲れなど感じていなさそうに見えるが。
「それじゃあ始めろ」
「あっ、拙者、魔剣を扱う故、魔法等ロクに覚えておらぬでござるー」
「問題ない。見れば分かる」
「おろ? そうでござるか?」
「分かったら始めろ。後がつっかえてる」
「うむ。それなら…」
先生と何やら話した後、彼女は納得したかのように魔剣・魔妖を構えていた。なんだかんだ彼女が魔剣を扱う所は初めて見るな。少しだけ興味が湧く。
「…抜刀、【鎌鼬】!」
「…ふー。駄目だ。不合格」
「くっそー!?」
「…」
皆がテストで一喜一憂している中、不合格を言い渡された自分は一人ポツンと体育座りしながら様子を見守っていた。なんだろう。皆は真剣にテストを受けているのだろうが、凄く楽しそうに見えてしまう。その様子を見て若干羨ましく思う自分は、指を咥えてジッとその光景を観察することしか出来ずにいた。
「よし。次ぃ!」
「は、はい!」
暫く見守っていると、ミオの番が回ってきた。昨日今日と体力的に自分よりもだいぶ厳しそうだが、大丈夫だろうか。まあ、昨日彼女の魔法でぶっ飛ばされた自分が言うのもおかしな話だが。
「…ふー」
彼女は深呼吸を一度した後、右手を構える。彼女は二種類の魔法が扱えるが、治癒魔法じゃあ効果が掛かるのに少し時間が掛かるだろうしそれなりに集中力を維持し続けなければいけない。となると、やるのは風魔法の方だろう。
「はあああああ!」
予想通り、彼女は風魔法を出そうと右手に風の塊を集結させていた。昨日、自分にぶつけた奴よりやや大きい気がする。あとはそれを飛ばせれば…
「ッ!? はあ、はあ…」
「…」
よかったのだが、その前に彼女は力を使い果たしてしまい、風の塊は消え、彼女は膝に手をつけてしまった。昨日とは違い、かなり苦しそうな表情を浮かべている。相当きつそうだ。
「…不合格。それ以前に、詠唱どころか呼称を呼ぶことすらロクに出来てない。ただ馬鹿みたいに魔力を垂れ流してるだけだ。論外だな」
「ッ?!」
「…ミオ…」
そんな彼女の事など気にかける様子もなく、先生から辛辣な意見が飛ぶ。今のは精神的にもキツイ一言だ。けど、言われてみればたしかに彼女は風魔法を使う時は魔法の詠唱どころか呼称を呼ぶことすらしたことがない。ただ魔力を垂れ流して風を生み出しているだけだ。それでも充分凄いとは思うが、それだと必要以上に魔力の消費が早い。ドレーカ村の時も自分と同様幼かったから無茶出来た事なのだろう。
だが、今は違う。それは彼女の苦しそうな表情を見れば理解出来た。彼女も昔より衰えてしまったのだ。彼女自身が一番その事を実感しているだろう。
「よし。次ぃ!」
彼女が少し離れた場所で休憩している間に次の番が来た。
「うむ。次は拙者の番でござるな!」
どうやら次はマヒロの番のようだ。ミオや他の生徒とは違い、明らかに一人だけテンションの高さが違う。その様子を見ただけで疲れなど感じていなさそうに見えるが。
「それじゃあ始めろ」
「あっ、拙者、魔剣を扱う故、魔法等ロクに覚えておらぬでござるー」
「問題ない。見れば分かる」
「おろ? そうでござるか?」
「分かったら始めろ。後がつっかえてる」
「うむ。それなら…」
先生と何やら話した後、彼女は納得したかのように魔剣・魔妖を構えていた。なんだかんだ彼女が魔剣を扱う所は初めて見るな。少しだけ興味が湧く。
「…抜刀、【鎌鼬】!」
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