転生勇者が死ぬまで10000日

慶名 安

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第6章 初任務編

第6章ー㉕

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 「とにかく、奴等を甘く見るなよって話がしたかっただけだ。特にマヒロ。お前みたいな戦闘狂は特に気を付けろよ?」

 「むむ。師範、拙者を見くびるでない。一戦交える相手を見くびったりはしないでござる!」

 「戦う前提で話進めんな。あと、俺はいつからお前の師匠になったんだよ?」

 「拙者、教えを乞う相手は師範として敬う所存!」

 「…あっそ」

 賊には気を付けろと幾度と注意した後、マヒロを指さして更に厳重注意を促した。あと、師範という呼ばれ方も気に入らなかったようだが、そこは彼女の熱意に引かれて下がった。滅茶苦茶言いたい事がありそうな目をしているが、めんどくささが勝ったんだろうな。

 「木刀コイツを渡すのはあくまで護身用。もし賊と鉢合わせ、接敵しそうになった場合は集落の人間を避難させつつ撤退しろ。賊の対応は基本騎士団に任せておけ」

 「なぬ?! それでよいのでござるか? 任務に協力してくれるのは二人だけなのでござろう?」

 『たしかに。向こうが仮に倍以上の数で襲って来たら大変だよ?』

 それはともかく、先生の話には続きがあり、万が一賊と遭遇した場合にはレルトの人達の避難と撤退を提言してきた。それに対してマヒロやフィーは反論。しかし、二人の言うことは至極真っ当な発言だ。頭の切れる奴が一人と想定するなら二、三人で行動するよりその倍の数で行うだろう。それを騎士団二人に相手させるのは少々酷ではないだろうか。がら空きになって自分達が襲われる可能性もあるし。

 「ふー。あのなー、賊を甘く見る前に頼もしい味方まで軽んじんなよ。騎士団の半数以上はこの学園の卒業生だ。中には学園出身者でない者も居るが、厳しい訓練と試験を乗り越えた、所謂猛者共の巣窟だ。ハッキリ言ってお前等みたいに運よく受かったどころか、入学出来たにも関わらずすぐに音を上げて出て行く軟弱共と違って、実力も経験も段違い。要するにお前等なんかに心配されるほどか弱くねーってこった。相手が大勢現れ、いくら策を弄そうがあそこの連中は簡単にやられるような事はそうないさ。新人でも優秀な奴が多数在籍しているし、問題はない。あるとするなら、お前等が余計な邪魔して先輩方の足を引っ張る事ぐらいだ」

 「…」

 そんな疑問に対し、先生は皮肉を交じえて騎士団の凄さを説明してくれた。ちょいちょいディスられたのは少々癪に感じなくもないが、自分達が反論する余地はなかった。実際にそうだからだ。リーヴ村ではリーフさん一人で解決してしまったから連行するだけだったが、都市から離れた場所まで来て、誰一人乱れる事なくすぐさま村を出て行った時の事を思い出すと、相当訓練は積まれていたことは理解出来る。しかもあんな重そうな鎧を着ていたのだ。体力も並の体力では持たないだろう。それらも踏まえると、先生の言っている事はあながち誇張などではない気がした。
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