217 / 501
第6章 初任務編
第6章ー㉖
しおりを挟む
「お前等のすべき事は三つ。一つ、集落の人をなるべく遠くに避難させること。二つ、このブザーを鳴らして応援を呼ぶこと。三つ、それまでの間死なないよう努力すること。もう一つ付け足すなら戦闘は極力避けろ。もし、賊のようなガラの悪い連中を先に見かけた場合でも鳴らしておけ。その方が素早く助けに行けるだろう」
「あの、それってなんですか?」
「あ? ああ、そういえば説明してなかったな」
先生が懐から防犯ブザーのような物を取り出すと、ミオが先生に質問を投げかけた。ナチュラルに話してたが、それがなんなのかは皆知らない。かく言う自分も防犯ブザーにしか見えないだけでそれがなんなのか分かってはいなかった。
「これは遠方から学園に応援を要請出来る魔道具だ。これを鳴らせば職員室にアラーム音が流れて鳴らした場所を教師陣が特定し、応援を向かわせれるようになっている。各班の代表に一個渡してあるからお前持っとけ」
「は、はい」
「言っとくがそれは貴重なもんだ。失くしたり盗られたりするようなヘマはするなよ? 仮に盗まれたりして変に悪用されたりしたら学園側としてとても迷惑だ。分かったな?」
「…は、はい…」
自分にその魔道具を渡すと、物凄い圧で忠告してくる先生。よりにもよってなんで自分がそんな貴重な物を預からなければならないんだ、くそ。
「さて、これで任務の詳細等については大体話せた筈だ。何か質問がある奴は居るか?」
「…」
内心自分が舌打ちしているのを余所目に、先生は終わりに入ろうとしていた。一応、大体の事は話してあるから特に聞きたい事はなかった。どうやら皆も同じようで数秒沈黙の時間が流れた。
「よし。んじゃあこれでミーティングを終了とする。最後に俺から一つだけ言いたい事がある」
「言いたいこと?」
質問が無い事を確認した先生は、最後に何か言いたい事があるようだ。何か大事な話なのだろうか。
「今回の任務は本来、騎士団や冒険者がやるべきレベルの内容だ。それを入って間もない尻の青いガキ共に任せる理事長の気が知れない」
「…」
かと思いきや、ただの愚痴らしい。何で自分達が他人の愚痴を聞かねばならないかは分からないが、あんまり茶々入れると先生がキレかねないと思った自分達は静かに聞くことにした。
「…だが、やるからにはしっかりこなしてこい。この任務をこなせれば、お前達も一皮剥ける筈だ。要するに、頑張って来いってことだ」
「…先生…」
更に愚痴を聞かされるかと思ったが、どうやら先生は激励の言葉を送りたかったようだ。改めて思うが、やはりこの人はちゃんと生徒の事考えてるんだな。
「…拙者、青くないでござる…」
「「…は?」」
先生の言葉にしんみりさせられている中、何故かマヒロが席を立った。急にどうしたのかと思い全員の視線が彼女に向くが、一体何の話をしているのか誰も理解出来ていなかった。
「拙者、尻は青くないでござるよ!? なんなら、確認して見るでござるか?!」
「ッ!? ちょっとマヒロ?! 何しようとしてるの?!」
「師範は見てもいないのに拙者達の尻が青いと申したのだぞ?! ならば、拙者の尻が青くない事を証明せねば!」
「いや、あれは皮肉っていうか…って、ここで脱いじゃ駄目だってー?!」
『女の子がそんなはしたない事したら駄目だよー!?』
「おおっ!? それなら俺が確認してやう゛う゛う゛っ!?」
「アンタは黙ってて!!」
「…ハア。やっぱこいつらには無理な気がしてきた」
「…は、ははははは…」
どうやら尻が青いという比喩表現を馬鹿正直に受け取った彼女は、青くないという事を証明するために自身のスカートに手を掛け始めた。それを必死に止めるミオとフィー。調子に乗って反応するギリスケにミオの鉄拳制裁。その様子を見た先生は呆れ果て、自分は乾いた笑いしか出てこなかった。はたして、この面子で初任務をこなす事が出来るのだろうか。
「あの、それってなんですか?」
「あ? ああ、そういえば説明してなかったな」
先生が懐から防犯ブザーのような物を取り出すと、ミオが先生に質問を投げかけた。ナチュラルに話してたが、それがなんなのかは皆知らない。かく言う自分も防犯ブザーにしか見えないだけでそれがなんなのか分かってはいなかった。
「これは遠方から学園に応援を要請出来る魔道具だ。これを鳴らせば職員室にアラーム音が流れて鳴らした場所を教師陣が特定し、応援を向かわせれるようになっている。各班の代表に一個渡してあるからお前持っとけ」
「は、はい」
「言っとくがそれは貴重なもんだ。失くしたり盗られたりするようなヘマはするなよ? 仮に盗まれたりして変に悪用されたりしたら学園側としてとても迷惑だ。分かったな?」
「…は、はい…」
自分にその魔道具を渡すと、物凄い圧で忠告してくる先生。よりにもよってなんで自分がそんな貴重な物を預からなければならないんだ、くそ。
「さて、これで任務の詳細等については大体話せた筈だ。何か質問がある奴は居るか?」
「…」
内心自分が舌打ちしているのを余所目に、先生は終わりに入ろうとしていた。一応、大体の事は話してあるから特に聞きたい事はなかった。どうやら皆も同じようで数秒沈黙の時間が流れた。
「よし。んじゃあこれでミーティングを終了とする。最後に俺から一つだけ言いたい事がある」
「言いたいこと?」
質問が無い事を確認した先生は、最後に何か言いたい事があるようだ。何か大事な話なのだろうか。
「今回の任務は本来、騎士団や冒険者がやるべきレベルの内容だ。それを入って間もない尻の青いガキ共に任せる理事長の気が知れない」
「…」
かと思いきや、ただの愚痴らしい。何で自分達が他人の愚痴を聞かねばならないかは分からないが、あんまり茶々入れると先生がキレかねないと思った自分達は静かに聞くことにした。
「…だが、やるからにはしっかりこなしてこい。この任務をこなせれば、お前達も一皮剥ける筈だ。要するに、頑張って来いってことだ」
「…先生…」
更に愚痴を聞かされるかと思ったが、どうやら先生は激励の言葉を送りたかったようだ。改めて思うが、やはりこの人はちゃんと生徒の事考えてるんだな。
「…拙者、青くないでござる…」
「「…は?」」
先生の言葉にしんみりさせられている中、何故かマヒロが席を立った。急にどうしたのかと思い全員の視線が彼女に向くが、一体何の話をしているのか誰も理解出来ていなかった。
「拙者、尻は青くないでござるよ!? なんなら、確認して見るでござるか?!」
「ッ!? ちょっとマヒロ?! 何しようとしてるの?!」
「師範は見てもいないのに拙者達の尻が青いと申したのだぞ?! ならば、拙者の尻が青くない事を証明せねば!」
「いや、あれは皮肉っていうか…って、ここで脱いじゃ駄目だってー?!」
『女の子がそんなはしたない事したら駄目だよー!?』
「おおっ!? それなら俺が確認してやう゛う゛う゛っ!?」
「アンタは黙ってて!!」
「…ハア。やっぱこいつらには無理な気がしてきた」
「…は、ははははは…」
どうやら尻が青いという比喩表現を馬鹿正直に受け取った彼女は、青くないという事を証明するために自身のスカートに手を掛け始めた。それを必死に止めるミオとフィー。調子に乗って反応するギリスケにミオの鉄拳制裁。その様子を見た先生は呆れ果て、自分は乾いた笑いしか出てこなかった。はたして、この面子で初任務をこなす事が出来るのだろうか。
0
あなたにおすすめの小説
最弱弓術士、全距離支配で最強へ
Y.
ファンタジー
「弓術士? ああ、あの器用貧乏な最弱職のことか」
剣と魔法が全てを決める世界において、弓は「射程は魔法に及ばず、威力は剣に劣る」不遇の武器と蔑まれていた。
若き冒険者リアンは、亡き叔父から譲り受けた一振りの弓「ストーム・ウィスパー」を手に、冒険者の門を叩く。周囲の嘲笑を余所に、彼が秘めていたのは、世界をナノ単位で解析する「化け物じみた集中力」だった。
リアンの放つ一矢は、もはや単なる遠距離攻撃ではない。
風を読み、空間を計算し、敵の急所をミリ単位で射抜く精密射撃。
弓本体に仕込まれたブレードを操り、剣士を圧倒する近接弓術。
そして、魔力の波長を読み取り、呪文そのものを撃ち落とす対魔法技術。
「近距離、中距離、遠距離……俺の射程に逃げ場はない」
孤独な修行の末に辿り着いた「全距離対応型弓術」は、次第に王道パーティやエリート冒険者たちの常識を塗り替えていく。
しかし、その弓には叔父が命を懸けて守り抜いた**「世界の理(ことわり)」を揺るがす秘密**が隠されていた――。
最弱と笑われた少年が、一張の弓で最強へと駆け上がる、至高の異世界アクションファンタジー、開幕!
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
暗殺者から始まる異世界満喫生活
暇人太一
ファンタジー
異世界に転生したが、欲に目がくらんだ伯爵により嬰児取り違え計画に巻き込まれることに。
流されるままに極貧幽閉生活を過ごし、気づけば暗殺者として優秀な功績を上げていた。
しかし、暗殺者生活は急な終りを迎える。
同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。
ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。
新たな生活は異世界を満喫したい。
科学×魔法で世界最強! 〜高校生科学者は異世界魔法を科学で進化させるようです〜
難波一
ファンタジー
「魔法ってのは……要はエネルギーの制御だろ?」
高校生にして超人的な科学知識を持つ天才・九条迅は、ある日、異世界アルセイア王国に「勇者」として召喚された。
だが、魔王軍との戦争に駆り出されると思いきや——
「お前、本当に勇者か? 剣も魔法も、まともに使えないのか……?」
「科学的に考えれば、魔法ってのはもっと進化できるはずだ!」
剣も魔法も素人の迅だったが、「魔法を科学的に解析し、進化させる」という異端の方法で異世界の常識を根底から覆し始める!
魔法の密度を最適化した「魔力収束砲」
魔法と人体の関係を解明し、魔力を増大させる「魔力循環トレーニング」
神経伝達を強化し、攻撃を見切る「神経加速《ニューロ・ブースト》」
次々と編み出される新技術に、世界は驚愕!
やがて、魔王軍の知将《黒の賢者》アーク・ゲオルグも迅の存在に興味を持ち始め——
「科学 vs 魔法」「知能 vs 知能」
最強の頭脳戦が今、幕を開ける——!
これは、「魔法を科学で進化させる勇者」が、異世界を変革していく物語!
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
転生先は上位貴族で土属性のスキルを手に入れ雑魚扱いだったものの職業は最強だった英雄異世界転生譚
熊虎屋
ファンタジー
現世で一度死んでしまったバスケットボール最強中学生の主人公「神崎 凪」は異世界転生をして上位貴族となったが魔法が土属性というハズレ属性に。
しかし職業は最強!?
自分なりの生活を楽しもうとするがいつの間にか世界の英雄に!?
ハズレ属性と最強の職業で英雄となった異世界転生譚。
やさしい異世界転移
みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公
神洞 優斗。
彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった!
元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……?
この時の優斗は気付いていなかったのだ。
己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。
この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる