転生勇者が死ぬまで10000日

慶名 安

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第6章 初任務編

第6章ー㉛

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 「うっ、うぅ…」

 「大丈夫ですか!?」

 御者の人から微かに呻き声が聞こえてきた。息はあるようだが、このままでは危険な気がした。

 「う゛っ、うー、いったーい」

 「ミオ?! 大丈夫か?!」

 「う、うん。ちょっと痛かったけど、傷とかは特には。それより、何があったの?」

 どうしようかと悩んでいると、後ろからミオの声が聞こえてきたから後ろを振り向くと、ゆっくりと上体を起こすミオの姿があった。どうやら怪我はないようだが、状況が飲み込めず自分同様軽く混乱しているようだった。自分もよく把握していない以上、状況説明が難しい事態ではあるものの、彼女の治癒魔法が今すぐ必要だ。

 「分かんないけど、御者の人と魔導馬が負傷してる。悪いけど、急いで治してくれないか?」

 「えっ?! う、うん。今行く」

 自分はすぐさま彼女に御者の人達を診てもらうようお願いすると、彼女は訳も分からなさそうな表情を浮かべるが、負傷者が居る事だけは理解したようで、すぐに馬車から出ようとしていた。

 「ッ!? サダメ?! 周りに人が…」

 「はあっ?!」

 しかし、外に出ようとした彼女が慌てて自分に声を掛けてくる。何を言っているのか自分もよく分かっていなかったが、急いで外の様子を確認。

 「…嘘だろ…」

 すると、周囲の草むらからガラの悪そうな男達がどこからともなく現れてきた。少なくとも十人以上は居る。恐らく自分達は今囲まれているようだ。まさか、あの金髪男の仲間か。何が起こったのかは相変わらず分からずじまいだが、非常にマズイ状況になっている事だけは理解した。

 「へへへへへへ」

 「…サダメェ…」

 「…」

 不敵な笑みを零しながら近づいてくる男達に恐怖を感じたミオは自分にしがみついてきた。これだけの輩に囲まれれば怖いに決まっている。辛うじてフィーの張った結界がまだ残っているのは幸いな事だが、このままでは完全に囲まれて逃げ場がなくなってしまう。どうする。

 『う、うーん。皆、だいじょーぶー?』

 「フィー! 大丈夫だったか!?」

 『サダメ、ミオ。二人は無事みたいだね』

 「今はな。けど、このままだとマズい状況になる。動けそうか?」

 『あー、ごめん。さっきの転倒で軽く足捻っちゃったみたい。そこまで痛くはないけど、動くのはちょっと…』

 「ッ!? フィーちゃん、本当に大丈夫なの?!」

 『痛くはないから、とりあえずは大丈夫かな?』

 「駄目だよ!? 急いで治療するね?!」

 『ありがとう、ミオ―』

 フィーもなんとか起き上がったようだが、左足を軽く捻挫しているようだ。状況が更に悪くなってきたな。それを見兼ねたミオが慌ててフィーの所に向かい、すぐさま治療しに掛かってはいるが。

 さて、この状況をどう打破すればよいのだろうか。
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