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第8章 魔海の大行進編
第8章ー7
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「どお? 気持ちいい?」
「…は、はい…」
エリカさんに背中を洗われている自分は気が気ではなかった。そりゃあ生理現象が収まらない状況で身体を刺激されてるんだ。見られでもしたら正気を保てる気がしない。多分、暫くエリカさんの顔は見れないだろうな。
だが、洗われて気持ちいいのは本当の話。そういえば誰かに洗って貰ったのっていつぶりだろうか。この世界に転生してからだと五歳ぐらいの時だろうか。正直、父にあちこち身体を弄られた時はかなり不快な気分だったが、今思えばあれもいい思い出だったのかもな。いや、変な意味とかではなく。
「…ふふっ」
「ど、どうかしたんですか?」
そんな事を思い出していると、エリカさんが不意に笑い出す。急にどうしたのだろうか。もしかして、油断している間に自分のやつを見られたのか?
「いや、なんか不思議だなーと思ってね」
「? どういう意味です?」
「だって、この前まであんな小さかったのに、気が付いたら随分大きくなってるんだもの。なんだか考え深いわ」
「エリカさん…」
笑っているエリカさんに理由を聞いてみると、自分が成長している事に対して不思議な感覚を味わっていたからなのだそうだ。
その話を聞いて感銘を受ける自分。たしかに、十年前の自分はもっと小さかった筈だ。それがいつの間にかエリカさんとほとんど変わらない。そう考えると、子供の成長って本当に早いんだなと感心させられる。意外と自分では気づきにくい所だが、子供の居る親はきっと同じような事思ったりするのだろうか。残念ながら自分は結婚どころか彼女すら出来なかったことがないから、その感覚は未だ分からずじまいだけどな。
「…ほんっと、大きくなったね、サダメ」
「ッ!?」
エリカさんは感傷に浸るあまり、自分を後ろから優しく抱きしめてきた。素肌というのもあってか、エリカさんの体温が背中からジンジンと伝わって来ていた。これが母親の温もりというやつなのだろうか。
そういえば、この感覚も久しい気がするな。あの頃の母と同じ温もりをエリカさんから感じていると、こういうのも偶には悪くないかもなと思う自分が居た。
「さて、それじゃあ今度は前の方洗うね?」
「…え?」
少しの間母の温かみを堪能した後、手を離したエリカさんが前の方に回ってきた。今、前も洗うと言ったのか? それってつまり…
「ちょ、ちょっと待ってエリカさん?! 前は俺が…」
「あら?」
「あっ!?」
と思考を巡らせているのも時すでに遅し。完全に油断していた自分はいつの間にか両手を離しており、エリカさんに自分のあられもない姿を目撃されてしまった。
「…ふふっ。そうよね。サダメも男の子だもんね」
「…うっ、うぅ…」
結局自分の悪い予感は的中してしまうのだった。エリカさんは愛想笑いで誤魔化してくれたけど、自分はこの事を一生忘れないだろう。
「けど、こんなおばさんの身体でも反応してくれるなんて。嬉しいわ」
「…」
おまけに茶かされる始末。もういっそのこと誰か自分を殺してくれと内心思う自分であった。あとそのセリフ、エロ漫画でしか聞いた事ないんだけど。
―転生勇者が死ぬまで、残り3958日
「…は、はい…」
エリカさんに背中を洗われている自分は気が気ではなかった。そりゃあ生理現象が収まらない状況で身体を刺激されてるんだ。見られでもしたら正気を保てる気がしない。多分、暫くエリカさんの顔は見れないだろうな。
だが、洗われて気持ちいいのは本当の話。そういえば誰かに洗って貰ったのっていつぶりだろうか。この世界に転生してからだと五歳ぐらいの時だろうか。正直、父にあちこち身体を弄られた時はかなり不快な気分だったが、今思えばあれもいい思い出だったのかもな。いや、変な意味とかではなく。
「…ふふっ」
「ど、どうかしたんですか?」
そんな事を思い出していると、エリカさんが不意に笑い出す。急にどうしたのだろうか。もしかして、油断している間に自分のやつを見られたのか?
「いや、なんか不思議だなーと思ってね」
「? どういう意味です?」
「だって、この前まであんな小さかったのに、気が付いたら随分大きくなってるんだもの。なんだか考え深いわ」
「エリカさん…」
笑っているエリカさんに理由を聞いてみると、自分が成長している事に対して不思議な感覚を味わっていたからなのだそうだ。
その話を聞いて感銘を受ける自分。たしかに、十年前の自分はもっと小さかった筈だ。それがいつの間にかエリカさんとほとんど変わらない。そう考えると、子供の成長って本当に早いんだなと感心させられる。意外と自分では気づきにくい所だが、子供の居る親はきっと同じような事思ったりするのだろうか。残念ながら自分は結婚どころか彼女すら出来なかったことがないから、その感覚は未だ分からずじまいだけどな。
「…ほんっと、大きくなったね、サダメ」
「ッ!?」
エリカさんは感傷に浸るあまり、自分を後ろから優しく抱きしめてきた。素肌というのもあってか、エリカさんの体温が背中からジンジンと伝わって来ていた。これが母親の温もりというやつなのだろうか。
そういえば、この感覚も久しい気がするな。あの頃の母と同じ温もりをエリカさんから感じていると、こういうのも偶には悪くないかもなと思う自分が居た。
「さて、それじゃあ今度は前の方洗うね?」
「…え?」
少しの間母の温かみを堪能した後、手を離したエリカさんが前の方に回ってきた。今、前も洗うと言ったのか? それってつまり…
「ちょ、ちょっと待ってエリカさん?! 前は俺が…」
「あら?」
「あっ!?」
と思考を巡らせているのも時すでに遅し。完全に油断していた自分はいつの間にか両手を離しており、エリカさんに自分のあられもない姿を目撃されてしまった。
「…ふふっ。そうよね。サダメも男の子だもんね」
「…うっ、うぅ…」
結局自分の悪い予感は的中してしまうのだった。エリカさんは愛想笑いで誤魔化してくれたけど、自分はこの事を一生忘れないだろう。
「けど、こんなおばさんの身体でも反応してくれるなんて。嬉しいわ」
「…」
おまけに茶かされる始末。もういっそのこと誰か自分を殺してくれと内心思う自分であった。あとそのセリフ、エロ漫画でしか聞いた事ないんだけど。
―転生勇者が死ぬまで、残り3958日
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