俺の高校生活に平和な日常を

慶名 安

文字の大きさ
156 / 445
第5章「隣人のお姉さんにはご注意を」

第7話「気まずい週明け」

しおりを挟む
 2016/7/4

  ---「ハア…」

 週明けだというのに俺の身と心はもうボロボロだった。この間の梓の一件で週末は家に居づらくなり丸岡の家に2泊3日するハメになった。まあ丸岡の家に泊まったのはこれが初めてというわけでもないしその日は溜まっていたアニメやゲームをひたすら消化して俺達にとっては有意義な休日を過ごした。

 しかし休日が終われば学校にいかなければいけない。そうなると否が応でも有紗と顔を合わせなければいけない。まあ学校ではあまり話などしないのだが。

 ここ最近、気まずくなるような展開が指で数え切れないほどあったが、今回は流石にマズイと自分でも思っている。

 今の有紗は俺のことを妹に手を出した鬼畜ロリコン兄貴という認識で見ているのだろう。あの日の有紗の失望したような顔が今でもはっきりと記憶に残っている。正直、ゴミのような目で見られたときより傷ついたかもしれない。

 一応、誤解を解こうと梓と一緒に有紗に話をしようと試みようとした。しかし梓にそのことを今朝話してみたが、梓は何も覚えていないとのことだった。恥ずかしくて忘れようとしているのかと思ったが、電話越しの梓の声は本当におぼえていないような感じだった。記憶を改ざんしたのか変なものでも飲み食いしておかしくなってたのだろうか?

 それにしても困ったな。本当に覚えていないとなると一緒に誤解を解くのは難しくなってきた。となると俺1人で話をつけないといけない。果たして今の有紗が俺の話をまともに聞いてくれるかどうか。

 「またなにかあったんですか?」

 「んん?」

 そんなことを考えていると自然な流れでみのりが話しかけてきた。正直未だにこの光景になれないのだがそれは俺が極度の人見知りだからか?  それとも男子の痛い視線を浴びているからか?

 「ひょっとしてまた夏目さんとケンカでもしたんですか?」

 そして見透かしたかのように問いかけてくる。しかしケンカだなんて生易しすぎる。あんなのは暴力だ、ドメスティックバイオレンスだ。

 「まあ似て非なるものかな」

 だがそんなことを口には出せず適当な言い回しで返した。流石のみのりも俺の返しに首を傾げていた。が、「そうですか」と渋々理解したような口ぶりで他の話に切り替えてきた。イヤイヤ、まだ話し足りなかったのか?

 それから特に何かあったわけでもなく1日が終わっていった。無論、俺と有紗が話すことは一切なかった。まあいつも通りのことだから本当に特に何もなかったのだが。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

学園の美人三姉妹に告白して断られたけど、わたしが義妹になったら溺愛してくるようになった

白藍まこと
恋愛
 主人公の花野明莉は、学園のアイドル 月森三姉妹を崇拝していた。  クールな長女の月森千夜、おっとり系な二女の月森日和、ポジティブ三女の月森華凛。  明莉は遠くからその姿を見守ることが出来れば満足だった。  しかし、その情熱を恋愛感情と捉えられたクラスメイトによって、明莉は月森三姉妹に告白を強いられてしまう。結果フラれて、クラスの居場所すらも失うことに。  そんな絶望に拍車をかけるように、親の再婚により明莉は月森三姉妹と一つ屋根の下で暮らす事になってしまう。義妹としてスタートした新生活は最悪な展開になると思われたが、徐々に明莉は三姉妹との距離を縮めていく。  三姉妹に溺愛されていく共同生活が始まろうとしていた。 ※他サイトでも掲載中です。

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

友達の妹が、入浴してる。

つきのはい
恋愛
 「交換してみない?」  冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。  それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。  鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。  冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。  そんなラブコメディです。

処理中です...