俺の高校生活に平和な日常を

慶名 安

文字の大きさ
91 / 445
第3章番外編「私の願いは…」

第14話「契約からの数ヶ月後」

しおりを挟む
 ---それから数ヶ月後、特に私の日常に変化の無い日々を送っていました。

 バードさんが消えた後、私の足元にピンク色の手帳が落ちていました。私はすぐに手帳を拾い上げ中身を確認して見ました。

 「…これは…」

 手帳には魔法少女についての事柄を色々と書かれていました。魔法少女の役目・使える魔法・敵対している魔女や魔獣についてetc…

 約30ページに渡り書かれている手帳をひと通り見終わり私は一つのことに気がつきました。

 それは、バードさんもといコントラクターのことに関して一つも書かれていなかったのです。

 何故バードさんは消えてしまったのか? 一体バードさんはどうなってしまったのか? 私には今どうしても知りたいことを知るすべがありませんでした。

 「…どうして?」

 バードさんは自分のことをあまり話してくれなかったことに私は今更ながらに思い返しました。多分、こうなることも分かっていたのかも知れません。

 「なんで言ってくれなかったの?」

 私は後悔の気持ちで胸が張り裂けそうでした。張り裂けそうな程心苦しく気がつけば涙が止まることをしらず流れ落ちていました。私のこと騙したの?

 私はそんなことを考えながら1人、涙を流しながら立ち尽くしていました。

 ---その後私は不安を抱えたまま魔法少女としての使命も忘れ普通の生活を送っていました。

 いつもと変わらない光景。唯一変わったとすればお兄ちゃんが昔のように気にかけてくれるようになったことぐらいです。一応願いは叶えられたということなんでしょうか?

 「ぐへぇ!!」

 「きゃあ!!」

 ある日、洗濯物を干す為にベランダに出ていると私の目の前に何かがもの凄い勢いで落ちてきました。私は驚いて後ずさりして危うく小さい段差に足がかかってしまいそうでした。一瞬体勢が崩れかけたもののすぐに体勢を立ち直しふと勢いで下に視線を移しました。

 するとそこには懐かしく思えてくるシルエットが私の目に映りました。

 「……っ!?」

 私はその姿を見て涙が出てきても声が出てきませんでした。

 「くっそ、イテーなー! なんで毎回毎回俺がこんな目に遭わなくちゃいけねーんだよ!?」

 「バードさん!!」

 私の目に映っているものは間違いなくバードさんでした。全身、群青色(ぐんじょういろ)に染まっていて全長は手のひらサイズ程。そのうえ流暢(りゅうちょう)な喋りは思い当たるところが1つしかありません。

 ぶつくさ苦言を言っているバードさんに私は飛びつくようにバードさんを握り締めました。

 「ぐぐぐぐ…」

 バードさんは苦しそうな顔を見せながら必死にタップをしていました。決して恨んでやったことではないのでずが大分強めに握り締めていたようです。

 「あ、ごめんなさい」

 私は苦しそうにしていることに気づいてスッと手を離しました。

 「ハア、ハア、もうイヤ!」

 バードさんはすっかりとうつ状態になってしまいましたが私が繰り返し謝罪すると少しは機嫌を直してくれました。

 「久しぶりに会ったかと思ったら危うく殺されるかと思ったぜ!」

 「ごめんなさい」

 いつの間にか正座をしている私に皮肉を言うバードさん。久しぶりの再会したとは思えない光景。

 「あの…バードさん?」

 「んん?」

 私は重い空気の中意を決して声をかけると嫌悪感を出していたバードさんが私の方を向いてくれました。

 「いくつか質問いいでしょうか?」

 「ん」

 私の問いに短い返事と首を縦に振って返してくれるバードさん。本来、感動の再会だからもうちょっと涙でも流しながら聞いていたかもしれませんがそんな涙も今は全く流れてきませんでした。

 「あの時のことなんだけど、一体アレは何だったの!? それに何でいなくなっちゃったの!? どうしてそのこと言ってくれなかったの!?」

 しかし私は今まで溜まっていた疑問を一息で言い切りました。するとバードさんは若干困ったような顔をしました。

 「オイオイオイ! 一気に言われても流石に困るんだが、分かったよ! 1から説明するよ!」

 困った顔をしながらもバードさんは頭の中を整理し始めました。

 「よし! じゃあ説明させてもらうぜ! 先ずあの光のことなんだが…アレは演出だよ!」

 「演出!?」

 まさか最初の疑問がそんな答えで返ってくるとは思いもしませんでした。

 「本当のことを言うとあの時、役目を終えた俺は主人(マスター)に強制転移で戻されたんだ」

 「マスター?」

 「そう。俺等コントラクターを造った創造主のことだ」

 「創造主…」

 私はその言葉を聞いてパッと頭の中で神様のような人物像を思い浮かべました。私の中では創造主=神様のイメージが強かったものですから。

 「役目を終えたら次の少女のところに行かないといけないからその準備やらメンテナンスやらの為に戻されたんだ。だから居なくなったのもそういう訳なんだ! あっ、一応願いはきちんと叶えてやったから大丈夫だと思うが…まあ今回はいかんせん特殊な願いだからあまり実感はないと思うが…」

 言われてみると確かに側(はた)からすると地味な願いごとだからあまり実感は湧いていませんでした。

 「さて、聞きたいことはもう終わりか?」

 「あ、あと…」

 バードさんがそう言ってきたので私は慌てて引き止めました。聞きたいことはまだたくさんありましたがこれだけはどうしても聞いておきたいことが一つだけあったからです。

 「ねえバードさん?」

 「ん?」

 私はその一瞬言おうか言うまいか迷ってしまいましたがここまできたので意を決して聞くことにしました。

 「どうして戻って来てくれたの?」
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜

水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。 その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。 危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。 彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。 初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。 そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。 警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。 これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

処理中です...