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episode6「針鼠の巣窟」
episode6 #20「指道の覚醒(前編)」
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---「今日から執事長を務めさせていただくことになりました指道です。よろしくお願いします」
指道が執事長になったのは10年程前だった。西城家に仕えて40年務めてようやくの事だった。先代で指道の父である指道 正義(まさよし)が亡くなり引き継ぐかたちで執事長となった。
代々西城と指道は主従関係にあった為、指道は幼い頃から父に厳しい指導を受けながら育った。高校を卒業し執事の育成機関へ2年通いそれからずっと西城家の執事として務めてきた。
それから40年経ってようやく執事長になったものの父の影響もあって他の執事達に厳しく接してしまっていた。
他の執事はほとんどが20代で指道の厳しい指導に耐えきれずすぐに辞めてしまう人が続出していた。その度に指道は「最近の若者ときたら」と口癖のようにため息混じりに呟いていた。
それでも辞めずにいた人もいたが指道との距離はある程度置いていた。
---そんなギスギスした関係のまま5年が経った。いつも通りに仕事をしていた時だった。
「佐藤君、食器を新品に交換するのでこの食器を処分しておいてください」
指道はそう言って執事の1人に食器の入った箱を渡そうとしていた。執事は「はい」と短く返事を返しその箱を受け取ろうとした。
「うぉっ!」
しかし受け取ろうとした手前、足をつまづかせ食器の入った箱めがけて倒れてきた。
ガシャーン
「!?」
すると執事はそのまま顔面から食器に向かってダイブするかたちで倒れ込み指道は思わず箱を落としてしまった。
食器は箱ごと割れ食器の破片が勢いよく飛び散り辺りは大惨事に見舞われていた。
「佐藤君! 大丈夫ですか?」
流石の指道もあまりの惨事を見て食器ごと顔面強打した執事の事が心配になり駆け寄って行った。あの状況だと顔面血だらけどころでは済まないはずだと指道は嫌な想像をしてしまったのだ。
「いっ…っづ…」
しかし駆け寄って執事の顔を見てみると血だらけどころか傷1つついておらず顔には食器の破片が粉々になった状態で付着しているだけだった。当の本人は強打した時の痛みしか感じていないようだった。
「……ハア」
指道はその様子を見て損したかのようにため息をついた。
「佐藤君、処分しろとは言いましたが、そんな危ない処分の仕方は今後しないように。分かったらここの掃除をお願いします」
「? は、はい…」
先程まで心配していた指道だったが、怪我が無い事を確認するといつものように指示を出してその場を去って行った。
「……」
そんな指道だったが先程の事故に疑問を抱いていた。
(食器があれだけ派手に割れたのに彼には傷1つついていなかった。奇跡的に怪我しなかったのでしょうが奇跡的にしては奇妙だったな?)
そんなことを考えていた指道だったが奇跡的に助かったという結論で無理矢理納得させその日は他に何事もなく終わった。
しかし、その事故が自身の能力の目覚めによるものであると指道自身、まだ気づいてはいなかったら。
指道が執事長になったのは10年程前だった。西城家に仕えて40年務めてようやくの事だった。先代で指道の父である指道 正義(まさよし)が亡くなり引き継ぐかたちで執事長となった。
代々西城と指道は主従関係にあった為、指道は幼い頃から父に厳しい指導を受けながら育った。高校を卒業し執事の育成機関へ2年通いそれからずっと西城家の執事として務めてきた。
それから40年経ってようやく執事長になったものの父の影響もあって他の執事達に厳しく接してしまっていた。
他の執事はほとんどが20代で指道の厳しい指導に耐えきれずすぐに辞めてしまう人が続出していた。その度に指道は「最近の若者ときたら」と口癖のようにため息混じりに呟いていた。
それでも辞めずにいた人もいたが指道との距離はある程度置いていた。
---そんなギスギスした関係のまま5年が経った。いつも通りに仕事をしていた時だった。
「佐藤君、食器を新品に交換するのでこの食器を処分しておいてください」
指道はそう言って執事の1人に食器の入った箱を渡そうとしていた。執事は「はい」と短く返事を返しその箱を受け取ろうとした。
「うぉっ!」
しかし受け取ろうとした手前、足をつまづかせ食器の入った箱めがけて倒れてきた。
ガシャーン
「!?」
すると執事はそのまま顔面から食器に向かってダイブするかたちで倒れ込み指道は思わず箱を落としてしまった。
食器は箱ごと割れ食器の破片が勢いよく飛び散り辺りは大惨事に見舞われていた。
「佐藤君! 大丈夫ですか?」
流石の指道もあまりの惨事を見て食器ごと顔面強打した執事の事が心配になり駆け寄って行った。あの状況だと顔面血だらけどころでは済まないはずだと指道は嫌な想像をしてしまったのだ。
「いっ…っづ…」
しかし駆け寄って執事の顔を見てみると血だらけどころか傷1つついておらず顔には食器の破片が粉々になった状態で付着しているだけだった。当の本人は強打した時の痛みしか感じていないようだった。
「……ハア」
指道はその様子を見て損したかのようにため息をついた。
「佐藤君、処分しろとは言いましたが、そんな危ない処分の仕方は今後しないように。分かったらここの掃除をお願いします」
「? は、はい…」
先程まで心配していた指道だったが、怪我が無い事を確認するといつものように指示を出してその場を去って行った。
「……」
そんな指道だったが先程の事故に疑問を抱いていた。
(食器があれだけ派手に割れたのに彼には傷1つついていなかった。奇跡的に怪我しなかったのでしょうが奇跡的にしては奇妙だったな?)
そんなことを考えていた指道だったが奇跡的に助かったという結論で無理矢理納得させその日は他に何事もなく終わった。
しかし、その事故が自身の能力の目覚めによるものであると指道自身、まだ気づいてはいなかったら。
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