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69. 鍵
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拠点に帰ってからも何かと忙しかった。
魔法を解除したはいいが、その後問題なく故郷に帰ることができた者は少なく、《アノニマス》に属していた者達の殆どは酷く心が病んでいるようであった。
アニールの伝手を頼って優秀な精神科医が属する病院の手配もしたが、数が多すぎたため全員を受け入れてもらうことは叶わなかった。
軽症の者に関しては教団が引き受けるとアニールが口にしてくれた時、本当に有難い気持ちであったが、その複雑そうな表情を見れば彼にも何か思うことがあるのだと悟った。
だが、先に挙げた者達は実を言うとこれでもマシな状態であり、更に酷い者は魔法が解けた後も変わらずこちらを襲う意思を見せたのだ。
おそらく、既に精神が壊れているのだろう。
その者達は一時的に拠点の地下に軟禁することにした。
彼らをどうしていくかはこれから時間をかけて考えていかなければいけない。
そして、中心人物であったヨンとキビルもそれぞれ地下に閉じ込めた。
地下に隔離した者の中でもキビルは殊更不気味で、笑いながら嘘か本当か分からないことを止めどなく話し続けていると報告を受けた。
対照的に、ヨンはずっと無言を貫いているとも。
こちらからの問いかけに答える素振りはなく、ただ一度だけレンリに会いたいと告げたかと思うと、その後はずっと口を噤んでいるという。
ヨンが来てからというものシンは物思いに耽ることが多くなったが、その要望を呑むなということだけはぴしゃりと言い放った。
研究所の関係者だと言うし何か因縁があるのだろうかと考えたところで、テイトにそれを確かめる術はなかった。
そんな風に事後処理に追われるテイトの元に、ある日ふらっとレヒトが訪れた。
「よぉ」
「……なんだか久しぶりに顔を見た気がします」
「それはお疲れ。それで、忙しそうにしてるとこ悪いんだけど、俺はそろそろ帰ろうと思ってさ」
レンリ救出の作戦のみ協力すると言って手を貸してくれていた彼であったが、なんだかんだ忙しそうな自分たちを見て作戦終了後から今日まで怪我人の治療などを手伝ってくれていた。
テイトは感謝の気持ちを込めて頭を下げた。
「この度は、本当にありがとうございました」
「いや、それは別にいいけど。それより、大丈夫そ?」
「大丈夫かと言われると、まだ……いやでも、アノニマスのことは一応片付いたし、」
《アノニマス》の脅威はなくなった。
しかし、爪痕は確かに残っている。
《アノニマス》に属していた者達のこと、襲撃された街の復興、そして、亡くなった者達のこと。
考えればキリはないが、今までのような命の危機がないと思えば少しだけ気持ちは楽だった。
「地下の奴はあれからなんか喋ったの?」
「それが、まだ……」
キビルはずっと話し続けているが、それは信じるに値しないような話ばかりである。
そして、指導者であったというヨンも報告の通りだ。
《アノニマス》にいた者達も二人の動機までは知らないという。
魔道士と言うだけで何も知らないまま人殺しに加担させられていたのだと思うと、尚更胸は痛んだ。
「レンリさんに会いたいって言うだけらしくて……」
「レンリって、助けた子だっけ?」
「はい」
レンリは《アノニマス》に偶然捕らえられていた信者に助けられ、戦場までの手引きもその人にしてもらったのだと話してくれた。
だから、囚われている間も守られていたため酷いことは何もされなかったのだと教えられ、テイトはようやく胸を撫で下ろした。
余談ではあるが、その話を聞いたアニールは甚く感動し、その信者は現在ルフェール教団に招かれているらしい。
「じゃあ、会わせてあげればいいじゃん」
「シンさんが反対してて……」
「リーダーはテイトだろ。それとも、テイトも反対してんの?」
そう言われてしまえばテイトに返す言葉はなかった。
テイトはヨンが何を思ってこんなことをしたのかきちんと知りたかった。
そうでなければ、自分の家族が死んだ理由も、ユーリやステラが死んだ理由も、そして他の仲間の死の理由も、何も分からないままだ。
しかし、ヨンが危険人物であることは変わりない。
地下では魔法を使えないようになっているとは言え、レンリと引き合わせるのはリスクが高い。
「……レヒトさん、帰る前にもう一つ頼まれてくれませんか?」
僕を助けると思ってと続けた言葉に、レヒトは返事の代わりに小さく溜息を吐いた。
渋々と引き受けてくれたレヒトを連れて、テイトは三階へと上がった。
ナナはレンリを目の前で連れ去られた所為か、より一層彼女の傍を離れなくなっていた。
ヨンに会わせると伝えれば否定されているのは目に見えていたため、それをどう切り抜けようかと思案した。
三階のレンリの部屋に訪れると、案の定部屋の主であるレンリよりも先にナナが姿を現わした。
テイトと目が合うと、ナナはほんのりと頬を染めた。
「まぁ、テイト様! どうなさいましたの?」
「えっと、レンリさんと話がしたくて」
「そうでしたの。どうぞ中に入ってくださいませ」
ナナはニコニコと機嫌よく身体をずらし、誘導するように部屋の中へと腕を伸ばした。
部屋の中には困ったように微笑むレンリの姿があった。
「あの、ここじゃなくて、別の場所で、」
「どこですの? 案内してくだされば一緒に向かいますわ」
「レンリさんだけでいいんです、ケド」
「そんなっ、何か危険があったらどうしますの?」
「そう言うと思って、レヒトさんを連れてきたから!」
テイトがレヒトを前面に押し出すと、ナナは値踏みをするようにレヒトを下から上へと睨め付けた。
「……確かに、魔法の腕はそれなりにあるようでしたが」
「……何で俺の同行が必要だったのか、今その理由が分かったわ」
ぽつりと呟かれた声に反応してテイトが視線を向けると、丁度レヒトがナナに人差し指を突き付けるところであった。
「まぁ! 人に指を向けるなんて、お里が知れます、わ……ね」
ナナは怒ったように声を荒げたが、その声は段々と小さくなっていった。
「――分かりましたわ。レンリ様の安全の確保は絶対にお願いしますわね!」
「あぁ」
打って変わってこちらの要望を素直に聞くナナに驚いて、テイトはまじまじとレヒトを見つめた。
「レ、レヒトさん、ナナに何をしたんですか?」
「催眠のようなものだ、害はない」
しれっと言われて唖然としていると、ナナの案内によって連れてこられたレンリがレヒトを見つめながら小首を傾げたのが見えた。
「あ、レンリさん。彼は前回の戦いに協力してくれた方で、レヒトさんと言います」
「どこかでお見かけした顔かと思ったら、そういうことだったんですね。はじめまして、レンリと申します」
「どうも」
レヒトは軽い返事の後で、興味深そうにレンリを眺めた。
「魔法が特殊なんだって?」
「え?」
「あ、僕が話したんです。レンリさんの魔法は凄いって」
レンリは困ったような表情を浮かべた。
「無意識なので、あまり自覚はないのですが」
「無意識?」
レヒトが不思議そうな声を上げた。
レンリの記憶のことを誤魔化そうと、テイトは無理矢理口を挟んだ。
「そうなんです! レンリさんは息をするように魔法が使えるからそれはもう反応速度がすごくて! ルクスリアでもシンさんへの攻撃を未然に防いでくれた時は本当に助かりました。皆が魔法を封じられて悪戦苦闘している中でしたが、レンリさんだけでも使えて良かったですよね!」
レンリは魔法を封じられていたことに気付いていなかったのか、目を丸くしてテイトを見遣った。
視界の端で、レヒトがすっと目を細めたのが見えた。
「魔法を、使えた? あの魔方陣の上で?」
「え? はい」
「それって本当に、」
レヒトは徐に黙ったかと思うと、突然目を見開いてレンリを見つめた。
「っ……どうして、ここにいるんだ?」
「え」
「どういった目的があってここに?」
レヒトはレンリに詰め寄ると、その手首を掴み上げた。
一瞬レンリが怯えるように身体を震わしたのが見えて、テイトは慌てて間に入り込んだ。
「っ乱暴はやめてください。急に、何を言ってるんですか?」
「だって、わざわざ人の戦争に手を貸すなんて、何か考えがあるとしか、」
「……レヒトさんはレンリさんのことを知っているんですか?」
テイトの中で一つの答えが出た。
この口ぶりからして、レヒトはレンリのことを知る人物なのではないかと。
期待するようにレヒトを見上げたが、彼は戸惑ったように眉を寄せた。
「レンリさんは記憶を失くしているんです。レヒトさんは、何か知っているんですか?」
「記憶が、ない?」
レヒトはゆっくりとレンリから手を放して暫く沈黙した後、それでか、と小さく呟いた。
彼がレンリの記憶の手掛かりを握っているのだと確信して、テイトが更に質問を重ねようとしたまさにその時、それよりも早くレヒトが口を開いた。
「悪い。勘違いだ」
「勘、違い?」
「悪かった。早く地下に行こう」
レヒトは踵を返して歩いて行く。
誤魔化されたような気がして釈然としないが、早くヨンの所に行かなければこちらの動向がシンに悟られるのも時間の問題であるため、テイトはちらりとレンリを振り返った。
「あの、レンリさん。突然で悪いんですけど、ヨンに会ってほしいんです」
「私、ですか?」
「彼は、レンリさんに会わないと何も話さなそうで……。レンリさんのことは必ず守りますから、どうか一緒に来てくれませんか?」
「それは、勿論構いませんが」
一先ずレンリの了承を得られたことに安堵しながらも、どこか腑に落ちない気持ちでレヒトの後を追った。
魔法を解除したはいいが、その後問題なく故郷に帰ることができた者は少なく、《アノニマス》に属していた者達の殆どは酷く心が病んでいるようであった。
アニールの伝手を頼って優秀な精神科医が属する病院の手配もしたが、数が多すぎたため全員を受け入れてもらうことは叶わなかった。
軽症の者に関しては教団が引き受けるとアニールが口にしてくれた時、本当に有難い気持ちであったが、その複雑そうな表情を見れば彼にも何か思うことがあるのだと悟った。
だが、先に挙げた者達は実を言うとこれでもマシな状態であり、更に酷い者は魔法が解けた後も変わらずこちらを襲う意思を見せたのだ。
おそらく、既に精神が壊れているのだろう。
その者達は一時的に拠点の地下に軟禁することにした。
彼らをどうしていくかはこれから時間をかけて考えていかなければいけない。
そして、中心人物であったヨンとキビルもそれぞれ地下に閉じ込めた。
地下に隔離した者の中でもキビルは殊更不気味で、笑いながら嘘か本当か分からないことを止めどなく話し続けていると報告を受けた。
対照的に、ヨンはずっと無言を貫いているとも。
こちらからの問いかけに答える素振りはなく、ただ一度だけレンリに会いたいと告げたかと思うと、その後はずっと口を噤んでいるという。
ヨンが来てからというものシンは物思いに耽ることが多くなったが、その要望を呑むなということだけはぴしゃりと言い放った。
研究所の関係者だと言うし何か因縁があるのだろうかと考えたところで、テイトにそれを確かめる術はなかった。
そんな風に事後処理に追われるテイトの元に、ある日ふらっとレヒトが訪れた。
「よぉ」
「……なんだか久しぶりに顔を見た気がします」
「それはお疲れ。それで、忙しそうにしてるとこ悪いんだけど、俺はそろそろ帰ろうと思ってさ」
レンリ救出の作戦のみ協力すると言って手を貸してくれていた彼であったが、なんだかんだ忙しそうな自分たちを見て作戦終了後から今日まで怪我人の治療などを手伝ってくれていた。
テイトは感謝の気持ちを込めて頭を下げた。
「この度は、本当にありがとうございました」
「いや、それは別にいいけど。それより、大丈夫そ?」
「大丈夫かと言われると、まだ……いやでも、アノニマスのことは一応片付いたし、」
《アノニマス》の脅威はなくなった。
しかし、爪痕は確かに残っている。
《アノニマス》に属していた者達のこと、襲撃された街の復興、そして、亡くなった者達のこと。
考えればキリはないが、今までのような命の危機がないと思えば少しだけ気持ちは楽だった。
「地下の奴はあれからなんか喋ったの?」
「それが、まだ……」
キビルはずっと話し続けているが、それは信じるに値しないような話ばかりである。
そして、指導者であったというヨンも報告の通りだ。
《アノニマス》にいた者達も二人の動機までは知らないという。
魔道士と言うだけで何も知らないまま人殺しに加担させられていたのだと思うと、尚更胸は痛んだ。
「レンリさんに会いたいって言うだけらしくて……」
「レンリって、助けた子だっけ?」
「はい」
レンリは《アノニマス》に偶然捕らえられていた信者に助けられ、戦場までの手引きもその人にしてもらったのだと話してくれた。
だから、囚われている間も守られていたため酷いことは何もされなかったのだと教えられ、テイトはようやく胸を撫で下ろした。
余談ではあるが、その話を聞いたアニールは甚く感動し、その信者は現在ルフェール教団に招かれているらしい。
「じゃあ、会わせてあげればいいじゃん」
「シンさんが反対してて……」
「リーダーはテイトだろ。それとも、テイトも反対してんの?」
そう言われてしまえばテイトに返す言葉はなかった。
テイトはヨンが何を思ってこんなことをしたのかきちんと知りたかった。
そうでなければ、自分の家族が死んだ理由も、ユーリやステラが死んだ理由も、そして他の仲間の死の理由も、何も分からないままだ。
しかし、ヨンが危険人物であることは変わりない。
地下では魔法を使えないようになっているとは言え、レンリと引き合わせるのはリスクが高い。
「……レヒトさん、帰る前にもう一つ頼まれてくれませんか?」
僕を助けると思ってと続けた言葉に、レヒトは返事の代わりに小さく溜息を吐いた。
渋々と引き受けてくれたレヒトを連れて、テイトは三階へと上がった。
ナナはレンリを目の前で連れ去られた所為か、より一層彼女の傍を離れなくなっていた。
ヨンに会わせると伝えれば否定されているのは目に見えていたため、それをどう切り抜けようかと思案した。
三階のレンリの部屋に訪れると、案の定部屋の主であるレンリよりも先にナナが姿を現わした。
テイトと目が合うと、ナナはほんのりと頬を染めた。
「まぁ、テイト様! どうなさいましたの?」
「えっと、レンリさんと話がしたくて」
「そうでしたの。どうぞ中に入ってくださいませ」
ナナはニコニコと機嫌よく身体をずらし、誘導するように部屋の中へと腕を伸ばした。
部屋の中には困ったように微笑むレンリの姿があった。
「あの、ここじゃなくて、別の場所で、」
「どこですの? 案内してくだされば一緒に向かいますわ」
「レンリさんだけでいいんです、ケド」
「そんなっ、何か危険があったらどうしますの?」
「そう言うと思って、レヒトさんを連れてきたから!」
テイトがレヒトを前面に押し出すと、ナナは値踏みをするようにレヒトを下から上へと睨め付けた。
「……確かに、魔法の腕はそれなりにあるようでしたが」
「……何で俺の同行が必要だったのか、今その理由が分かったわ」
ぽつりと呟かれた声に反応してテイトが視線を向けると、丁度レヒトがナナに人差し指を突き付けるところであった。
「まぁ! 人に指を向けるなんて、お里が知れます、わ……ね」
ナナは怒ったように声を荒げたが、その声は段々と小さくなっていった。
「――分かりましたわ。レンリ様の安全の確保は絶対にお願いしますわね!」
「あぁ」
打って変わってこちらの要望を素直に聞くナナに驚いて、テイトはまじまじとレヒトを見つめた。
「レ、レヒトさん、ナナに何をしたんですか?」
「催眠のようなものだ、害はない」
しれっと言われて唖然としていると、ナナの案内によって連れてこられたレンリがレヒトを見つめながら小首を傾げたのが見えた。
「あ、レンリさん。彼は前回の戦いに協力してくれた方で、レヒトさんと言います」
「どこかでお見かけした顔かと思ったら、そういうことだったんですね。はじめまして、レンリと申します」
「どうも」
レヒトは軽い返事の後で、興味深そうにレンリを眺めた。
「魔法が特殊なんだって?」
「え?」
「あ、僕が話したんです。レンリさんの魔法は凄いって」
レンリは困ったような表情を浮かべた。
「無意識なので、あまり自覚はないのですが」
「無意識?」
レヒトが不思議そうな声を上げた。
レンリの記憶のことを誤魔化そうと、テイトは無理矢理口を挟んだ。
「そうなんです! レンリさんは息をするように魔法が使えるからそれはもう反応速度がすごくて! ルクスリアでもシンさんへの攻撃を未然に防いでくれた時は本当に助かりました。皆が魔法を封じられて悪戦苦闘している中でしたが、レンリさんだけでも使えて良かったですよね!」
レンリは魔法を封じられていたことに気付いていなかったのか、目を丸くしてテイトを見遣った。
視界の端で、レヒトがすっと目を細めたのが見えた。
「魔法を、使えた? あの魔方陣の上で?」
「え? はい」
「それって本当に、」
レヒトは徐に黙ったかと思うと、突然目を見開いてレンリを見つめた。
「っ……どうして、ここにいるんだ?」
「え」
「どういった目的があってここに?」
レヒトはレンリに詰め寄ると、その手首を掴み上げた。
一瞬レンリが怯えるように身体を震わしたのが見えて、テイトは慌てて間に入り込んだ。
「っ乱暴はやめてください。急に、何を言ってるんですか?」
「だって、わざわざ人の戦争に手を貸すなんて、何か考えがあるとしか、」
「……レヒトさんはレンリさんのことを知っているんですか?」
テイトの中で一つの答えが出た。
この口ぶりからして、レヒトはレンリのことを知る人物なのではないかと。
期待するようにレヒトを見上げたが、彼は戸惑ったように眉を寄せた。
「レンリさんは記憶を失くしているんです。レヒトさんは、何か知っているんですか?」
「記憶が、ない?」
レヒトはゆっくりとレンリから手を放して暫く沈黙した後、それでか、と小さく呟いた。
彼がレンリの記憶の手掛かりを握っているのだと確信して、テイトが更に質問を重ねようとしたまさにその時、それよりも早くレヒトが口を開いた。
「悪い。勘違いだ」
「勘、違い?」
「悪かった。早く地下に行こう」
レヒトは踵を返して歩いて行く。
誤魔化されたような気がして釈然としないが、早くヨンの所に行かなければこちらの動向がシンに悟られるのも時間の問題であるため、テイトはちらりとレンリを振り返った。
「あの、レンリさん。突然で悪いんですけど、ヨンに会ってほしいんです」
「私、ですか?」
「彼は、レンリさんに会わないと何も話さなそうで……。レンリさんのことは必ず守りますから、どうか一緒に来てくれませんか?」
「それは、勿論構いませんが」
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