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35.『その目』で見られたときに……。
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「いや……お前、だから……」
「?」
そう言って口をぱくぱくとさせた基臣を見てクレイヴァルは静かに疑問の意思表示をしている。
無言で見つめあう時間を数秒過ごした後基臣は「これははっきり言わないと一生伝わらない」という結論に行き着いて息を吸い込んで――でも言葉を発する前に止まった。
――こういう質問をする時は、自分のことから話すのがマナーか?
いや……違う。本当の正解はきっと『何も聞かない』、『何も言わない』だろう。
相手の過去の話を聞いたって良いことなんて何一つないのだから、今目の前にいる相手だけを見て行けばいい。
そこまで考えて基臣は今までの人生では感じたことのなかった本音と建前の乖離を強く実感した。
――どうやら自分はとても面倒な人間のようだ。
今までの交際相手たちには明らかに感じなかった色々な感情がクレイヴァルと付き合いだした途端生まれて溢れて止まらない。
それらはポジティブなものだけでは無かったのが悲しいところだが、そこに目を背けて物分かりのいい大人のふりをしても遅かれ早かれ爆発するのが目に見えている。
「俺の、いた国では」
「ああ」
少し間が空いたが話し出した基臣を見てクレイヴァルは静かに相槌を打つ。
そのいつも通りのフラットなクレイヴァルのテンションは今の基臣にはありがたかった。
「交際相手の過去を――いちいち気にするのは、あまり良いとはされない場合が多かった」
「そうか」
「自分にも言えることだが……目の前にいる相手は過去を経て形成されている。だから、相手の過去を否定することは相手自体を否定することにも繋がる」
「確かに、言われてみればそうなるな」
クレイヴァルに説明しているのか自分自身に言い聞かせているのか分からない言葉だったが基臣の言うことは遮られることはなかった。
短い肯定の返事を受けて基臣はぎゅっと拳に力を入れて続ける。
「でも俺は……それができないようだ。情けないが、付き合い始めて急に甘くなったお前の変化を見てお前の過去の相手を妬む気持ちがとても強い」
「――っ」
「……」
「……」
基臣の言葉を聞いてクレイヴァルが珍しく目を見開いた。
基臣は視線を意地と根性でそらさずそれを見ていたが、返事が来ない。それに焦れて「なんか言え」とどうにか絞り出すとクレイヴァルはとても嬉しそうに顔を綻ばせていた。
「ああ、すまない。まさかお前からこんなに分かりやすい嫉妬心を向けられるとは思っていなかったから噛み締めていた」
「……話ちゃんと聞いてたか?」
恥ずかしさを誤魔化すために八つ当たりのような強めの口調が出たがクレイヴァルはどこ吹く風。
上機嫌に頷いて続ける。
「俺のことが好きだから本来好まれない振る舞いだと知りつつも俺の過去が気になっている、と受け取った」
「お前――もうちょっとなんとかならないのかよ、本当に」
「齟齬がない解釈は重要だ。それに、とても嬉しい」
「……」
ストレートな言葉に基臣は一瞬止まった。
そんな基臣を見てクレイヴァルは静かに手を伸ばしてくる。
「お前に『複数の匂い』の痕跡があったのは最初に見た段階で理解していた」
「――え?」
「だが『外』についたごくごく微量の弱い物だったからと百歩譲って自分を納得させた」
――『外』? いや、そんなことまでバレてるのか?
言葉にはしなかったが基臣の頭の中に響く。
そして固まった基臣の脳内を見通すようにクレイヴァルは重ねた。
「ああ、心配するな。俺は特に『匂い』に敏感な質だ。そして『魔力相性』が良い相手に対してはその嗅ぐ力が強くなる傾向がある。……誰にでも分かるわけではないから安心しろ」
「そ、そうなのか」
なんとか返した基臣を見てクレイヴァルは満足そうに微笑んだ。
「慕情や嫉妬に振り回される人間たちをずっと見て来て疑問に思ったり時に愚かだと感じたこともあったが……成程、これは良いものだ」
「え?」
「先ほどお前が言った『過去を否定』のくだりはとても納得ができた。だから俺はそれで折り合いをつけよう。――死ぬほど腹立たしいがな」
身体の向きをさらに基臣の方に向けたクレイヴァルがそっと肩を押して伸し掛かってくる。
基臣はとても自然に押し倒してくる整った顔を見て、抵抗することなくぽすんと大きなソファーの座面に背中を預けた。
――俺『は』?
押し倒されて伸し掛かって来られるとどうしても体格差を意識する。
それでも嫌悪感も恐怖心もない自分を冷静に別の自分が見ているような不思議な感覚を抱きながら基臣はクレイヴァルの顔を見上げた。
「……『ヒト』は不便なものだな――気付いてやれなくてすまなかった。余計なことで煩わせたな」
「え?」
「俺はお前が心配するようなことは何もない。お前は勉強熱心だからこの世界での『高魔力保持者』の現状を把握していると思って特に深く考えていなかった」
「それは勿論勉強したけど――お前の場合は例外になりそうで、っておい」
押し倒して来たと思ったのに突然ぐっと身体を起こしたクレイヴァルは先ほどと同じ体勢でソファーに座り直してから基臣に手を差し伸べてきた。
「お前、何がしたかったんだよ?」
意味が分からないながらもその手を取って起き上がった基臣が素直に質問するとクレイヴァルは涼しい顔で薄く笑んでからなんてことないように言う。
「『ヒト』の『女』しか相手にしていなかったと聞いていたからな。……何年でも待つつもりだったが、存外早く進みそうで楽しみだ」
「……え?!」
静かな声のトーンでそう言ったクレイヴァルを見て、ふと基臣の脳裏に日本の病院に勤めていたときのスタッフステーションでのちょっとした看護師同士の雑談が浮かんだ。
あの時は確か夜勤中で……一年に数回あるかどうかの奇跡的に穏やかな夜だった。
――私は『オスの目』で見られたその時に自分がどう感じるかで行くか引くか決めます!
――分かる!
いい人だと頭では理解していても『気持ち悪い』とか『怖い』とか感じる相手は結局駄目だよね!
女性の意見を参考にしている自分に少し複雑な気持ちを抱くが、今後の役割がそっちに近くなるなら仕方がない。
そして貴重な意見を参考にした理屈で行くと――有りだ、と即答できるから困ったものだと基臣は思った。
=====
※週に一回程度の更新を目指して頑張ります。
出来なかったらごめんなさい<(_ _)>
「?」
そう言って口をぱくぱくとさせた基臣を見てクレイヴァルは静かに疑問の意思表示をしている。
無言で見つめあう時間を数秒過ごした後基臣は「これははっきり言わないと一生伝わらない」という結論に行き着いて息を吸い込んで――でも言葉を発する前に止まった。
――こういう質問をする時は、自分のことから話すのがマナーか?
いや……違う。本当の正解はきっと『何も聞かない』、『何も言わない』だろう。
相手の過去の話を聞いたって良いことなんて何一つないのだから、今目の前にいる相手だけを見て行けばいい。
そこまで考えて基臣は今までの人生では感じたことのなかった本音と建前の乖離を強く実感した。
――どうやら自分はとても面倒な人間のようだ。
今までの交際相手たちには明らかに感じなかった色々な感情がクレイヴァルと付き合いだした途端生まれて溢れて止まらない。
それらはポジティブなものだけでは無かったのが悲しいところだが、そこに目を背けて物分かりのいい大人のふりをしても遅かれ早かれ爆発するのが目に見えている。
「俺の、いた国では」
「ああ」
少し間が空いたが話し出した基臣を見てクレイヴァルは静かに相槌を打つ。
そのいつも通りのフラットなクレイヴァルのテンションは今の基臣にはありがたかった。
「交際相手の過去を――いちいち気にするのは、あまり良いとはされない場合が多かった」
「そうか」
「自分にも言えることだが……目の前にいる相手は過去を経て形成されている。だから、相手の過去を否定することは相手自体を否定することにも繋がる」
「確かに、言われてみればそうなるな」
クレイヴァルに説明しているのか自分自身に言い聞かせているのか分からない言葉だったが基臣の言うことは遮られることはなかった。
短い肯定の返事を受けて基臣はぎゅっと拳に力を入れて続ける。
「でも俺は……それができないようだ。情けないが、付き合い始めて急に甘くなったお前の変化を見てお前の過去の相手を妬む気持ちがとても強い」
「――っ」
「……」
「……」
基臣の言葉を聞いてクレイヴァルが珍しく目を見開いた。
基臣は視線を意地と根性でそらさずそれを見ていたが、返事が来ない。それに焦れて「なんか言え」とどうにか絞り出すとクレイヴァルはとても嬉しそうに顔を綻ばせていた。
「ああ、すまない。まさかお前からこんなに分かりやすい嫉妬心を向けられるとは思っていなかったから噛み締めていた」
「……話ちゃんと聞いてたか?」
恥ずかしさを誤魔化すために八つ当たりのような強めの口調が出たがクレイヴァルはどこ吹く風。
上機嫌に頷いて続ける。
「俺のことが好きだから本来好まれない振る舞いだと知りつつも俺の過去が気になっている、と受け取った」
「お前――もうちょっとなんとかならないのかよ、本当に」
「齟齬がない解釈は重要だ。それに、とても嬉しい」
「……」
ストレートな言葉に基臣は一瞬止まった。
そんな基臣を見てクレイヴァルは静かに手を伸ばしてくる。
「お前に『複数の匂い』の痕跡があったのは最初に見た段階で理解していた」
「――え?」
「だが『外』についたごくごく微量の弱い物だったからと百歩譲って自分を納得させた」
――『外』? いや、そんなことまでバレてるのか?
言葉にはしなかったが基臣の頭の中に響く。
そして固まった基臣の脳内を見通すようにクレイヴァルは重ねた。
「ああ、心配するな。俺は特に『匂い』に敏感な質だ。そして『魔力相性』が良い相手に対してはその嗅ぐ力が強くなる傾向がある。……誰にでも分かるわけではないから安心しろ」
「そ、そうなのか」
なんとか返した基臣を見てクレイヴァルは満足そうに微笑んだ。
「慕情や嫉妬に振り回される人間たちをずっと見て来て疑問に思ったり時に愚かだと感じたこともあったが……成程、これは良いものだ」
「え?」
「先ほどお前が言った『過去を否定』のくだりはとても納得ができた。だから俺はそれで折り合いをつけよう。――死ぬほど腹立たしいがな」
身体の向きをさらに基臣の方に向けたクレイヴァルがそっと肩を押して伸し掛かってくる。
基臣はとても自然に押し倒してくる整った顔を見て、抵抗することなくぽすんと大きなソファーの座面に背中を預けた。
――俺『は』?
押し倒されて伸し掛かって来られるとどうしても体格差を意識する。
それでも嫌悪感も恐怖心もない自分を冷静に別の自分が見ているような不思議な感覚を抱きながら基臣はクレイヴァルの顔を見上げた。
「……『ヒト』は不便なものだな――気付いてやれなくてすまなかった。余計なことで煩わせたな」
「え?」
「俺はお前が心配するようなことは何もない。お前は勉強熱心だからこの世界での『高魔力保持者』の現状を把握していると思って特に深く考えていなかった」
「それは勿論勉強したけど――お前の場合は例外になりそうで、っておい」
押し倒して来たと思ったのに突然ぐっと身体を起こしたクレイヴァルは先ほどと同じ体勢でソファーに座り直してから基臣に手を差し伸べてきた。
「お前、何がしたかったんだよ?」
意味が分からないながらもその手を取って起き上がった基臣が素直に質問するとクレイヴァルは涼しい顔で薄く笑んでからなんてことないように言う。
「『ヒト』の『女』しか相手にしていなかったと聞いていたからな。……何年でも待つつもりだったが、存外早く進みそうで楽しみだ」
「……え?!」
静かな声のトーンでそう言ったクレイヴァルを見て、ふと基臣の脳裏に日本の病院に勤めていたときのスタッフステーションでのちょっとした看護師同士の雑談が浮かんだ。
あの時は確か夜勤中で……一年に数回あるかどうかの奇跡的に穏やかな夜だった。
――私は『オスの目』で見られたその時に自分がどう感じるかで行くか引くか決めます!
――分かる!
いい人だと頭では理解していても『気持ち悪い』とか『怖い』とか感じる相手は結局駄目だよね!
女性の意見を参考にしている自分に少し複雑な気持ちを抱くが、今後の役割がそっちに近くなるなら仕方がない。
そして貴重な意見を参考にした理屈で行くと――有りだ、と即答できるから困ったものだと基臣は思った。
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※週に一回程度の更新を目指して頑張ります。
出来なかったらごめんなさい<(_ _)>
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