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雑多
本編
しおりを挟む「鬱陶しい、いい加減にしろ」
大好きなルイをようやく見つけて、思わず駆け寄る。上位悪魔でもないかぎり天使のいる天界に侵入することはできないけれど、こうして人間界に降りて人々を導いている間は会うことができるんだ。
天界に行った悪魔はすぐに攻撃されるか囚われるけれど、ここは人間界だから天使達も襲ってこない。天使と悪魔はお互いいがみ合う関係だけど、互いの領域に侵入しない限りは無闇に殺し合ったりしない。
ルイは俺みたいな雑魚悪魔が本来近寄ることも許されない上位天使様だ。ルイがまだ上位天使様じゃなかった頃、俺が弱すぎて魔力を感知できなかったのか、他の悪魔からいじめられている俺を人間と勘違いして助けてくれた。
蕩けるような優しい声色と表情で、安心させるように手を伸ばしてきてくれたルイに俺は一瞬で恋に落ちたんだ。でも俺の手を握った瞬間俺が悪魔だと気がついたルイは強く手を振り払って、穢らわしいって一言吐き捨てて去ってしまった。
「なーぁー、そろそろ俺に興味持ってくれてもいい頃じゃないか?結構長い間俺達一緒にいるだろ」
「貴様が一方的に私に近づいているだけだ」
こうやってゴミを見るような瞳を向けられても、ルイに会えたことによる嬉しさにかき消される。
真面目で厳しくて怖そうだけど、本当は凄く優しいんだって俺は知ってる。
人間はいいな、羨ましいな。ルイが守ってくれて、その上優しく微笑んでもらえるんだ。
他の悪魔は天使のことが嫌いらしいけど、俺は違う。同族にさえ虐げられていた俺を助けてくれたのはルイだったから。俺のことを初めから悪魔だって気がついていたら、助けられなかったかもしれないけれど。
ルイの顔を見ると頬が熱くなって、胸がドキドキする。だからルイのことが大好きだって伝えるんだ。ルイが人間界に降りてきたら必ず会いに行って、大好き、ルイが好きって。
毎回強く拒絶されるけど、それがルイだから仕方ない。
不機嫌そうにため息を吐き、俺から背を向けて去ろうとするルイを逃がすまいと後ろから抱きつく。睨みつけられてすぐに引き剥がされるけれど、攻撃されたりはしない。
「ふざけるのも大概にしろ」
「なんでだ、俺はこんなにもルイが好きなのに」
「存在自体が忌まわしい悪魔を愛することなど決してないと、何度言えば理解出来る?…早く消え失せろ」
心底軽蔑したような顔を向けられ流石に堪える。ルイは悪魔が嫌いだ。でも諦められない、悪魔だって気づかなかったルイはあんなに俺に優しくしてくれた、微笑んでくれた。俺が悪魔だからこんなに冷たいだけで、悪魔じゃなかったら俺のこと好きになってくれたかもしれないから。
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「っ、……はぁ……やっぱり無理だ…」
震える手でナイフを手に持ち、自らの羽の根元に押し当てようとするが恐怖で実行できない。どのくらい血が出るんだろう、治らないからずっと痛いままなのかななんて考えてしまってどうしても踏み出せなかった。
悪魔の証である羽と角を取ったところで俺の種族が変わるわけじゃない、でも見た目だけでも人間になれば俺のことを好きにならずとも、これ以上嫌いにはならないでくれるかもと思ったから。
「……ん?」
途端、足元に淡い光と共に魔法陣が浮かび上がった。体が引き寄せられ、少しずつ引きずり込まれていく。人間からの召喚だ、俺が選ばれるのなんて初めてだ。何をしたらいいんだろうか、俺なんかが期待に添えるかな。
体が完全に吸い込まれて、次に目を開くと薄暗く気味の悪い部屋に転送されていた。目の前の黒いローブに身を包んだ人間がこちらに気付くと、両手を伸ばして縋るように近づいてきた。
「本物だ、本物の悪魔…」
悪魔なんてそこら中ウロウロしているだろうと言いそうになったが、そういえば普通の人間には見えないようになっているんだった。
「お、おう!俺が本物の悪魔だ、お前の望みを叶えてやる!」
悪魔らしく威厳のある姿を見せようと腰に手を当て人間を見下す。思ったように声が出ずに裏返ったが、人間は瞳を輝かせ俺をじっと見つめてくる。こんな風に求められたの初めてだ。
「悪魔様、僕の望みは貴方と契約することです。貴方の魔力の一部を僕に使用させてください」
「ん?そんなことでいいのか?」
思わず肩の力が抜ける。契約自体は珍しい要求ではない。俺は普段から魔力を使うことを避けているし、人間と契約している間は他の誰にも呼ばれないという利点がある。今後ルイと会話している最中にタイミング悪く召喚されるような事態も避けられるし、願ったり叶ったりだ。
「勿論です。それに、貴方のような素晴らしい魔の者と契約出来るなんて夢のようです」
人間はウットリと目を細めて恍惚とした表情で俺の手を取り、手の甲にキスをしてくる。そういえば人間の中にも、悪魔を崇める者、信仰している者がいるらしい。天使から嫌われすぎているせいで、人間も悪魔のことが嫌いなのだと思い込んでいた。
「悪魔様、契約の対価は?」
「対価…うーむ」
正直人間の魂なんていらない。上位悪魔になるために必要ではあるし天界にも自由に行けるようになるけれど、天界に行ってルイに会えば本気で殺されるかもしれない。もしそうなったら立ち直れない。だから悪魔としての力を強めるメリットが俺にはなかった。
「…悪魔じゃなくなる方法を、知りたい」
部屋に散らばる魔術書や怪しい品々を見るに、この人間はオカルトマニアのような存在なんだろう。もしかすると、悪魔から人間になる方法を知っているかもしれない。
「そんなことで良いのですか?知ってはいますが…何になりたいのです?」
「人間になりたい」
そう答えると目の前の人間は露骨に嫌そうな顔をする。しかし、すぐに表情を元に戻し、先程よりも弾んだ声色で言葉を返される。
「人間になる方法は分かりませんが、別の種に変化する方法は知っていますよ。もしよろしければ、僕が手伝ってあげましょうか?」
「ほ、本当か!」
別の種に変化…何になるのかは分からないが、今よりはマシに違いない。もし、悪魔じゃなくなって…妖精、もしくは精霊になんてなれたら…。
「えぇ。ここに横になって、瞳を閉じていてください」
「あぁ、分かった!」
指されたベッドに上がり、目を閉じて横になる。人間は棚を乱暴に漁り、「これは…違う、これは…」とブツブツ呟く。ようやく目当てのものを見つけたのか、こちらに近づく気配を感じた。手が首筋に触れ、指先で優しく髪を撫で下ろされる。
そして、冷たい金属が首に触れた。ひんやりとした輪が肌にまとわりつき、カチリという小さな音を立てて装着された。
「…?これは…?」
「魔力封じの首輪ですよ、逃亡防止用ですね。すぐに意識も消失します。大丈夫、そのうち目が覚めますし、終わったら外してあげますから」
騙されたと理解するにはあまりに遅く、言葉通り徐々に意識が落ちていく。声を上げることもできないまま、完全にブラックアウトした。
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「ん゛、…ッ♡♡?ぁ゛……?♡♡?」
意識がゆっくりと浮上する。体が熱い、服も全て脱がされている。ナカが疼いて疼いて仕方ない、熱に浮かされた様な感覚が抜けない、苦しい、なんでこんな、
「あ、起きました?淫魔さん」
「ん゛ひぃい゛ぃッ♡♡♡」
乳首をぎゅ~ッと抓られビクンッと思い切り仰け反る。人間はベッドに頬杖をつきながら片手で俺の体を弄び、痙攣する様子を楽しんでいる。
「貴方、あれから1ヶ月間ずっと眠っていたんですよ。僕の言った通り、別の“種”には変化できたようで良かったですね、おめでとうございます。まぁ、悪魔のままではあるんですけど」
「あ、くま゛の、ッ!?ち、ちがう゛っ、ちがぅッ♡♡うそつ゛き゛ぃ!や゛ら、もどひてっ、」
「戻し方なんて知りませんよ、それにもう隷属化しちゃいましたし。貴方が僕に命令する権利ありませんから」
「んぇ゛ッ、!?♡♡は、ぇ゛、っ?♡♡ぇ゛っ♡♡♡」
下腹部にはくっきりと桃色の淫紋が浮かび上がっていて、トントンと悪戯につつかれてその度に壊れた玩具のように体が跳ねた。
淫魔、なんで、そうだ、別の種って…嫌だ、違う、悪魔のままなら意味がない、それに淫魔なんて、俺、もっと嫌われてしまう。隷属って、俺もうこいつの奴隷なの?なんで、なんで?俺、寝てる間に、1ヶ月も、何されて…
「はぁ…♡やっと支配できる…♡僕我慢してたんです、一度も精液中に出してないんですよ。貴方の意識がある時に完堕ちさせてあげようと思って」
「へ、へぁ゛っ♡♡ぁ、あ゛ぁっ♡♡」
何を言っているのか理解ができない、だって今の俺は淫魔に堕とされて、首輪もつけられたままで、俺が契約してやったのにいつの間にか隷属もさせられて、これ以上堕ちるところなんてない。
「僕ね、悪魔と契約したかっただけなんです。魔の存在ってとっても魅力的で…傍に置いて眺められるだけでも幸せだったのに。貴方がこんなに愛らしい性格だから、意地悪したくなっちゃったんです」
「とん゛とん、ら゛めっ♡♡とめ゛へぇ゛えッ♡♡ぉ゛ッ♡♡い゛ぐっ♡♡」
「隷属化した淫魔は、反抗しないように恋心を植え付けるものなんです。抵抗する貴方が僕に可愛く甘える瞬間が見たくて…♡意識が無い間にしても良かったんですけど、もっと可哀想な姿が見たいんです…っ♡♡」
ルイに優しくされながら甘々セックスする妄想しながら、何度も中イキした後孔を指でくぱぁっ♡と開かれ、嫌だ嫌だと首を必死に振る。
「たっぷりとろとろにしておいてあげましたよ。既に縦に割れていたので驚きました、元から淫らな悪魔だったんですね」
「や゛だ、や゛っ、♡♡だじゅげっ♡♡♡」
いよいよ本気で抵抗するが、それも虚しくとろとろに濡れたそこにずっぷりと奥まで挿入される。
「ぉ゛っ…、ひぉ゛お…っ…♡♡ぬ゛、いて゛っ♡♡♡お゛ねがっ♡♡」
開発済の体は驚く程敏感に快楽を拾い、ごちゅごちゅと弱い部分を容赦無く擦られ足をピンッ♡と伸ばし無様にメスイキする。
恋心を植え付けるってなんだよ、淫魔にされて、隷属させられて、本物の肉棒挿れられるのだって初めてなのに、感情まで奪うつもりなのか。
「や゛、っぁ゛あぁ゛~~♡♡♡た゛ひゅけれ゛っ♡♡たじゅけ゛ぇえ゛っ♡お゛、おれ゛の、はじめ゛てがぁ゛あっ♡♡」
大切にしていたのにとわんわん泣き喚きながらも、隷属済の体は抵抗もしてくれない。為す術なく何度も何度も奥を抉られ、視界がぱちぱちと弾ける。必死に助けを求めながら情けなく絶頂し、嬌声のような悲鳴が響く。
「中にびゅ~っ♡てしてあげるたびに、ちょっとずつ僕のことが好きになっていきますからね♡あははっ、楽しみです…♡」
「たしゅけ゛て゛ぇ゛えぇえ゛~~~ッッ♡♡♡や゛ら゛っ♡♡♡しはい゛や゛らぁ゛あぁ゛♡♡♡な゛かた゛しら゛め゛えぇ゛えっ♡♡♡」
ばたばた♡じたじた♡と必死に足をばたつかせ、腰を逃がして中出しから逃げようとするも快楽に震えた体ではまともな抵抗などできない。
中出しだけは絶対にされちゃダメだ。そんなことをされたらおかしくなってしまう、心まで支配されて、自分のものじゃなくなる。さっきの話が本当なら性処理道具として都合のいいように作り替えられて、思考どころか記憶すら塗りつぶされる。
「ずっと欲しかったんです、犯したかったんです♡悪魔を意のままにして、ぐちゃぐちゃにしてあげたい…♡」
ばちゅんっ♡と勢いよく奥まで貫かれたまま、ぐ~っ♡と腰を力いっぱい押し付けられる。結腸の入口にぐにゅぅっ♡と先っぽが侵入して、そのままびゅるるるっ♡びゅ~~♡♡と奥に精子を叩きつけられた。
「ぁ゛~~~♡♡だしゅな゛ぁあ゛ッ♡♡く、りゅな゛ぁッ♡♡」
途端頭が真っ白になり、嫌がることすら忘れてしまう。作り替えられていく、分からない、違う、俺、るいが、るいのことが
「中きゅんきゅんってさせちゃって可愛いです♡嫌なのに精液ごくごく止まんないですね♡淫魔ですもんね♡♡自分の意思じゃ止めらんないの可愛い♡♡」
決して逆らう気が起こらないよう心の底からの愛情を埋め込まれて麻薬のような多幸感を与えられて、どんどん感覚を乗っ取られる。主人に従うことが幸せだと教育される、俺が消えていく。
中が疼き、ちゅっちゅっ♡と肉棒を柔く締め付けじっくりと味わってしまった。
ずるる…♡とゆっくり肉棒を抜かれれば、こぷっ…こぷっ……♡って中から俺が犯されるために分泌した愛液がたっぷり溢れ出る。
「ぉ゛っ……♡♡ひぉ~……♡♡」
とくん…とくん…と腹の奥が疼き始める。
「…?♡♡、…?♡♡…しゅ、きぃ……?♡♡しゅ、…き…?♡♡」
弱りきったボロボロの精神では支配を拒むことは出来なくて、目の前の男を愛しているという偽りの感情が深く刷り込まれていく。まだ分かる、これが偽物だって自覚できているのに、体が勝手に、口が勝手に甘えてしまう。
ぽやぽやした頭で、なんとかゆっくりと体を起こす。
ふりふり尻尾を揺らしてご主人様の腕に甘えるように絡め、さっきまで俺を犯し壊そうとしてたおちんぽに顔を近づけぺろぺろ舐める。
ちゅっ…ちぅ~♡と何度もキスをし、ぱくりと口いっぱいに含んで御奉仕する。
「うわ、こんなに変わるんだ…っ。…よしよし、良い子♡」
初めてのフェラだから拙いけど、丁寧に丁寧に舐めていればびゅるるるっ♡♡びゅ~~~♡♡♡と勢いよく特濃ミルクが噴出され零さず飲み干した。自分から洗脳子種汁ごくごくするのやめられない、美味しい…飲み込む度に幸せ溢れてくる。
支配から逃れていた部分もどんどん崩されて、今自分が危機的状況に陥っているって忘れそうになる。
それどころか、愛しい愛しい目の前の人間のものにあと少しでなれるという期待で胸がいっぱいだった。
大事なのに、思い出せない、分からない、今まで誰が好きだったのか、心の底から愛していて、ほんとは誰のものになりたかったのか、思い出せない。
それより、早く俺を屈服させた人間に対して尽くしたい、全てを捧げたい欲求が膨れ上がっていく。
心も体も、全部あげてしまいたい。名前も知らない、初めてを捧げたこの男に従いたい、もっと支配されたい、すき、すき……♡
「すき♡♡だいすき♡♡♡」
とぷとぷ愛液を漏らしながら、ぺしゃっ♡と倒れ込むように人間へと抱きつき、背中に腕を回して絡みつく。すり…♡すり…♡と穴をおちんぽに擦り付けおねだりする。
もう1回、もう1回犯して…中出しして支配して♡お願い、好き♡好き♡
「えへぇっ♡♡えへへっ♡♡」
ご主人様に顔を近づけ、ちぅ~♡ちゅっちゅっ♡と口付けをする。くちゅ♡くちゅ♡と舌を絡ませる度に思考が鈍くなり、ご主人様のことしか考えられない。大好きで大好きで幸せで、頭がどんどん真っ白になる。初キスきもちいい♡こんな気持ちいいのになんでちゅ~しなかったんだろ♡
「ちゅ、~♡♡きもひぃ♡♡」
ファーストキスを服従の印としてご主人様に捧げると、お腹がきゅうっ♡と熱くなって、淫紋の中央にハートの紋様が浮かび上がる。
「お゛れ、ひゃま゛の、…♡♡はじめ゛へ、…♡♡じぇ、んぶ、あげりゅ、…♡♡♡ふへ、っ♡えへ、へ…♡♡ら゛い、ちゅき……♡♡♡」
待ちきれなくて自らご主人様のおちんぽに腰を落として奥まで挿入する。そのまま上下にゆっくりと動いて、とちゅん…っとちゅん…っと種乞いした。
早く最奥に子種を吐き出して欲しくてたまらない。熱くてどろどろの精液を一滴残らず中に出され支配される瞬間は、きっと気が狂うぐらい気持ちいい。
早く全部投げ捨てて、捧げて忘れて、身も心も服従させられて、幸せセックスいっぱいしたい。イクの止まらなくて、ご主人様のことしか考えられなくて…
もっと支配されたい。ご主人様のものになりたい、気持ちいい、すき、すき、だいすき、しあわせ
「隷属とは言っても、ちゃんと恋人扱いしてあげますよ♡安心して幸せになってくださいっ♡♡」
あ…♡奥、出てる…♡精液、びゅーって出てる……♡♡♡
きえ、りゅっ♡つらいの、きえたぁっ…♡♡怖いの、不安なの、悲しいの、なくなって…♡♡すき、すき♡♡ごしゅじんさますきっ♡♡だいすきだいすきっ♡♡きすして、だきしめて、すきっていって、もっとえっちして♡えっちしたい♡♡♡おかしておかしてっ♡♡♡すきすき♡♡すき~~っ♡♡♡
「ふへっ…♡♡うれ゛ひぃっ♡♡こい゛、びと…っ♡♡やっ、と…おれ゛、…♡♡♡」
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服従させられたとしても、所詮は人間。支配は長くは続かなくて、何度も正気を取り戻してはその度に中に出されて無理矢理感情を操作された。だから洗脳が解けていないフリをしていれば、たまに意識を保ったまま過ごせる日が訪れる。
「じゃあ行ってくる。魔力沢山搾り取ってくるからな」
「行ってらっしゃい、気を付けてね。危なくなったらちゃんと離脱すること」
「っ、んっ…ぅ…っ♡♡…っは、…わか、っ…た♡♡♡」
「好きですよ、ネオさん。愛してます♡」
キスで少しだけ支配されかけ、今すぐ犯されたくてたまらなくなってしまうが必死に堪える。
「ふ~~…っ、♡♡♡ふ、う゛ぅ~~♡♡♡」
路地裏に駆け込み後ろに指を入れて中を無茶苦茶に掻き回す。
「すきっ、おれ゛も、す、きぃ゛ッ♡♡あぁ゛ぁっ♡♡ら゛ぃ、しゅきっ♡♡」
地べたに座り込み大きく脚を開いて、がしゅがしゅ乱暴に出し入れして欲を発散し、今すぐご主人様の元に戻って犯されて中出しされたい気持ちを懸命に抑えた。
「ちんぽぉ゛っ♡♡おく゛、どちゅどちゅっ♡♡ほ、しぃ゛いっ♡♡」
好きなんかじゃない、あんな人間愛するわけがないのに、唇を合わせただけでここまで支配されるのが情けない。
好きじゃない、好きじゃないと何度も自分に言い聞かせ、絶頂しても手を止められず、潮を噴射しながら3回目の絶頂でようやく欲が引いていった。
「い゛ぃ…っ、ぐぅ……♡♡♡っ、ん゛、ん゛~…♡♡」
普通の人間には姿が見えないのをいいことに、乳首を弄り回しながらふらふら歩く。ご主人様に人間を襲って魔力を集めると嘘をつき外に出て、正気を保ったまま街を宛もなく彷徨くことだけがささやかな楽しみだ。
ルイにはあれから1度も会っていない。そもそも俺が会いに行かなければ、ルイと会話する機会なんて来るはずがない。そう思っていたのに
「ネオ…?」
「っ、♡♡、…ル、イ?」
悪魔だと知られてからは一度も聞いたことがない、優しいルイの声。しかも、俺の名前を呼んでくれた。
「何処に行っていた?無事だったのか、何故半年も姿を、」
無事だったのかという言葉を聞いて、ルイは俺のことを心配してくれてたんだと知り頬が熱くなる。乳首を摘む俺を怪訝そうに見ていることに気づき咄嗟に手を離しその場から離れようとする。
それを阻止しようとルイは俺の腕を掴み引き寄せるが、俺の正面からの姿を見た瞬間目を見開いた。
「ぁ、まっ、…待って、見ないで、見ないで、」
下腹部の桃色に光る淫紋を見て、ルイの顔が徐々に青くなっていく。ルイの手から逃げ出そうと腕に力を込めるがビクともしない。だけど触れられている部分からルイの震えが伝わってくる、あのルイが、震えてる?こんな姿、初めて見た。
「これ、は…?」
ルイの手が淫紋をなぞるように触れた瞬間、全身にぞくぞくと強すぎる快感が駆け巡って瞬く間に絶頂へと押し上げられた。
「お゛ッ♡♡♡」
そのまま地面に崩れ落ちると、驚いたのか手の力が少しだけ抜ける。その隙に何とか振り払い、ふらふらとルイから背を向けて逃亡する。けれどあまりに鈍く、再び容易に捕まえられてしまう。
「説明しろ、頼む、何があったんだ、貴様が突然姿を消すから、私は、」
「っ、るいが、ルイが…!悪魔なんか愛さないって言ったんだろ…!!消え失せろって!」
ルイの動きがぴたりと止まる。口をはくはくと戦慄かせながら情けなく眉を下げ、酷く動揺した様子を見せた。「違う、違う、」と小さく小さく呟くが、何もしてこない。
何が違うんだ、違うわけない。ずっとそうして俺が悪魔だから、悪魔は穢らわしくて、存在が嫌いだっていうように拒絶してきたのに。
「おれ、まだルイが好きだ。人間に…なろうとしたんだ、でも、失敗した。今は人間に隷属してて…それだけだ、もうしつこくしない、会いにこない。今まで…悪かった」
「待て、違う、違う、頼む、違うんだ、私は、」
背を向けて歩き出そうとしたが、手を離す気配のないルイに痺れを切らして振り返ると、ルイは両目からどす黒く染まった涙をぼたぼたと零しながら項垂れていた。
「待ってくれ、何処に行くんだ、行かないでくれ、また消えるのか、隷属なんて、」
尋常ではないルイの様子にさすがに心配が勝ち、落ち着かせるようにルイの背を撫でるが、そこでルイの羽が徐々に黒く染っていっていることに気がつく。
「ルイ?…ルイ!落ち着け、な、何が悲しかった…?わかった、また会いにくればいいか?好きって言ったのがだめだったか?頼む、泣かないで」
とうとう崩れ落ちてしまったルイを抱きしめ撫で続けるが様子は変わらない。あれだけ俺を拒絶していたのに、ここまで反応してしまうとは夢にも思わなかった。
「違う…私は、初めからネオが、ネオのことが…。くだらない矜恃のために、私は、今まで……私の、せいで、私が、」
「深呼吸して、落ち着いてくれ。ルイは悪くない、カッとなってごめん…全部俺の自業自得で…」
「まさか本当に…あの日からネオが消えてしまうなんて、…思っていなかった…」
その瞬間、強い重力による負荷をかけられているかのように全身がどっと重くなる。悪寒が走り、本能的な恐怖を感じるがルイの傍を離れようという気には不思議とならなかった。涙でぐしゃぐしゃになった虚ろな瞳で見つめられ、ルイはぴくりとも足を動かせなくなった俺を大事に抱き上げふらふらと歩き出す。
「…まだ、私が好きなんだな?…なら、…いい」
とうとうボロボロに崩れ落ちた光の輪を見ながら、今も尚涙を流すルイの頭を撫で続けた。
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