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雑多
本編 R-18G グロ有
しおりを挟む自室で日課の自慰行為に勤しむ、何気ない1日。両手で乳首をカリカリと引っ掻きながら屈伸し、地面に貼り付けたディルドを出し入れする。
逞しい男に抱かれたい、思いっきり嫌われて見下されて蔑まれながらイキたいなんて酷い願望を抱えながら、頭を踏み付けられる妄想をして勝手に幸せになる。
「み、てぇ゛っ♡おれ゛が、いくとこぉ゛っ♡♡お゛、ほぉ゛っ♡♡い゛、ぎゅッ♡♡も゛ぉ、いぐっ♡♡」
下品なオホ声を上げながら絶頂に至ろうとした瞬間、突然部屋が眩い光に包まれる。視界が白く染まり意識が遠のき、次に目を開けるとそこは見知らぬ場所だった。冷たい石の床に何人もの人間が座り込んでおり、拘束具は付けられていないが錆びた鉄格子の檻に閉じ込められている。鼻をつく汗と血と排泄物の臭い、恐怖に震える人々の声で溢れかえっていた。
「は、ぅ゛…?」
絶頂寸前で意味のわからない場所にテレポートされ、一気に興奮が萎えていく。オナニーを邪魔された怒りよりも、眼前で行われる恐ろしい光景に体が震え出した。
「ひ、人、え?殺され、…?」
「次!早く並べ!」
辛うじて人型ではあるが、鱗に覆われた巨体に鋭い牙と角、縦に細長い威圧的な瞳孔。竜を彷彿とさせる存在達が隣の檻の中から人間を1人ずつ引きずり出し、血塗れの台の上に横たわらせる。彼らが話している言葉は理解できる、なにやら選別を行っているようだ。
泣き叫びながら引きずられていった若い男の体を確かめるように撫で、筋肉の付き具合を確認している。
「こいつは食肉だな」
冷酷な声と共に、鉈で男の首が一瞬で切り落とされ血が噴き出す。目の前で淡々と解体作業が始まり、臓物と肉が無造作に分けられていく。胃が締め付けられ、吐瀉物が喉まで迫り上がり恐怖で体が硬直する。隣の檻の人間が空になるまで、選別作業は続いた。
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恐怖を堪えながら生き残るために必死に観察して理解したことは、捕らわれた人間は大きく二つに分けられる。食肉用として即座に解体されるか、奴隷として連れていかれるか。奴隷にも種類があり、筋肉質な者は労働奴隷、弱々しい者はストレス発散用の虐殺奴隷、そして見るかぎり最もマシとされる性奴隷。今のところ見た目が美しい女性しか連れていかれていないが、体に傷をつけないよう比較的優しく連れられる様子を見てそう判断した。
食肉よりも最悪なのは虐殺奴隷。娯楽としてありとあらゆる方法で散々痛めつけられ殺されるための奴隷…らしい。これになるぐらいなら一思いに首を落とされて殺される方がよっぽど良い。
「次!」
選別を行う血のように赤い瞳の竜と目が合い心臓が跳ねる。立ち上がろうとしたが問答無用で腕を掴まれ引きずり出され、血塗れの台の上に寝かされる。死にたくない、食肉、虐殺は避けたい。労働にも耐えられそうにない…。頭をフル回転させ、必死に自分の価値をアピールする方法を考える。残る道は一つ、性奴隷になればいい。
肉が裂けるほどの巨根を挿入され臓器を潰されるかもしれない、もしかしたら実際はどの奴隷よりも最も悲惨な最後を迎えるかもしれないとしても、これに縋るしかない。幸運なことに気持ちのいいことは大好きだし、体は自己開発済だ。
男は冷ややかに俺の体を観察する。
「ひ弱だな。肉付きも悪い、虐殺用に連れていけ」
「待ってください! 俺…その…そうだ!感度良くて…絶対に喜ばせられます!」
羞恥心で顔が真っ赤に染まるが、命がかかっているので必死だ。男は怪訝そうに目を細め、蔑むような声色で言い放つ。
「ほう、感度だと?なら証明してみせろ。後が詰まっている、あまり時間を奪うな」
圧倒的強者に威圧され、ドクンと体が熱を持つ。あぁダメだ、興奮してる。生きるか死ぬかって時なのに、夢見てた最高のシチュエーションで公開オナニーできるかもと思うと呼吸が荒く乱れた。
「確かに、ここが下品に肥大化しているな。とんだ変態だ」
男の鋭く尖った爪が胸に触れ乳首を軽く引っ掻いた瞬間、ビクンと体が跳ねる。
「ぉ゛ッ♡♡♡」
抑えきれず漏れた声に、男は顔を歪めて手を離した。罵倒されながら、乳首触られた…♡まだじくじく疼いてる、やばい、乳首触られたところビリビリ止まらない♡触られた、強くてかっこいい人外の雄様に触られちゃった…♡
「~~~♡♡♡」
ビクビクッ♡ビクンッ♡て体が震えて、小刻みに息を漏らしながら余韻でイク…♡死ぬかもしれないのに、血みどろの台の上でアクメキメちゃった…♡♡
「い゛、いき、ま゛ひた…♡♡ちくび、かるぅ゛く…かりって、され゛ただけでぇ゛っ♡♡お゛れ、…♡♡♡」
「もういい、分かった。性奴隷の檻に連れていけ」
「え、ぇ゛え?♡おわり、?お、おにい、さんは…」
「次!」
興味を失ったようにお前は終わりだと言わんばかりに台から下ろされそのまま他の竜顔の男に連れて行かれる。もう少し遊んで欲しかったなんて馬鹿なことを考えてしまうぐらいにはタイプだったが、当初の目標がクリアでき一安心だ。
「男の性奴隷なんて久々だが、商品として整えるためにお前も他の女と同じように調教を受けてもらうからな」
「売れ残ったら食肉にスライドだから必死で媚び売っとけよ」
「あの、…こんなこと聞くの変だって分かってるんですけど、赤い目の…選別してる方ってまた会えます?」
「驚いた、人間なんて怯えて会話すらできないのが普通だってのに。会えるだろうが、ここで屠殺担当してる奴に興味持たない方がいいぞ。ここで働いてる奴らは感覚がバグってるが、中でもヤバいからな」
「そうそう。切り身が売られてるのは何とも思わねえんだけど、殺すとなるとやっぱ躊躇うわ。俺はグロくて無理だね」
「意外と人間と同じなんだ…」
-----
「ぁ゛へっ♡♡ん゛ぉ゛お♡♡い、ッぐぅ゛♡♡」
「他の子達と違って君は熱心だね、娯楽として楽しんでいるようにも見える」
朝は展示ケースに入れられて売りに出され、夜は調教師が売れ残った奴隷達を調教するというルーティンだ。調教前には毎回強制発情する錠剤を飲まされるのだが、正直動きが鈍くなるので飲みたくない。なので飲んだフリをしてやり過ごしているが、常に発情しているのでバレていない。
ここに来て3ヶ月、完全に売れ残った俺はもう調教する部分もなくなり、適当に渡された震える男性器の玩具…元の世界で言うディルドやバイブ、ローターなんかで自由に自慰するしか暇つぶしができない。服なんて与えられていないので、あの時脱いでから素っ裸のままだ。
「こっちも楽でいいよ。精神崩壊してなくて状態もいいしド淫乱だし、なんで君が売れ残っているのか不思議だ」
売れ残っている理由はなんとなくわかる、怯えていないからだ。ケースの中の女性たちは皆彼らを怖がっており、彼らも人間が怯える様が好みらしい。堂々とケース内で乳首捏ね回しながら蔑まれるのを安全圏で楽しみ、異世界生活をエンジョイしている姿が異様なのだろう。その上男の性奴隷は一般的ではなく、特段顔も可愛くない俺は案の定すっかり売れ残りここの最古参だ。
「あ、そうだ。あと1週間で食肉にスライドされるから、よろしくね」
「え」
「じゃあまた明日」
そうして本当にどうしようもない俺は、置かれた状況に更に興奮してイキまくり朝まで眠れなかった。
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「お前か」
「え、覚えてくれてたんですか?」
結局売れ残った俺は食肉用にスライドされることとなり、絶望感が強すぎて逆に笑うしかない。
舌の裏に隠した発情薬を屠殺担当に飲ませ死ぬ前に思う存分楽しんでやろうと企んでいたので、赤目の本命男が担当なことが嬉しすぎる。たっぷり解してローションでぬるぬるの即ハメ穴にしてきた甲斐があった。
だが男はなんの返答もせず会話する気がないとばかりに俺を乱暴に台の上に投げ捨てた。暴れないよう手で上から押えつけられ、鉈を手に持つ男に対して必死に叫ぶ。
「待ってくださいっ!」
「命乞いか?」
「違います、話を聞いてください!」
命乞いではないと言えば、少しだけ興味を持ったように動きを止めてくれる。
「俺は、3ヶ月の間性奴隷として調教されて…1度も使われないまま廃棄なんて、そんなの嫌です!」
「使われたがるとは珍しいな」
「い、一度だけ交尾してくれませんか…?俺、準備してきてて、」
「なるほど…。命乞いだな」
「ひいっ!き、きす!キスだけでいいですっ!1分もかかりませんから!」
淫乱からの必死のセックス乞いを哀れに思ったのか、キスだけならという様子で鉈を手離す。舌裏の錠剤はすっかり溶けており少し飲み込んでしまったが、唾液と一緒に流し込めばバレないので好都合。
鱗に覆われた手で顎を掴まれ、興奮で気が狂いそうになる。蛇のような二股に分かれた舌が薄く開かれた口から見え、我慢できずにこちらから唇を重ね合わせた。
「ん~~♡♡♡」
うわ、すっごい嫌そうな顔してる…♡舌入れても全然絡めてくれないし、侮蔑の視線効く♡♡これだけでイける…♡♡
「ん゛、ぅっ♡♡♡ん、ん゛♡♡」
薬が溶けだした唾液を流し込んで、横から漏れないように角度を変えて唇を重ね密着させる。
「おい、もういい、だろ…、っん」
「ん、んむ゛ぅっ♡♡ん゛っ♡♡っは♡」
男の顔が徐々に赤く染っていく。溶けてる状態で飲ませたから、媚薬直飲みしたような感じなんだろうか。自分が置かれた状況が理解できていないようで、俺を押し退けようとしているけど全然手に力が入っていない。さっき俺の腕片手で引っ掴んで台の上に投げ飛ばすほど力があったのに、今じゃ人間1人押しのけることもできないんだ。
「…?…っ♡?」
服の上からでも分かるほどギッチギチに張り詰めたちんぽを指先で撫でたり、脇腹をすりすり撫で上げると男の体がびくって跳ねた。
「おねがい、俺の中…とろっとろにしてきたからぁ…♡えっち、しよ?俺が動いてあげる…♡」
耳元で囁くだけで感じてしまうのか、低く唸りながら顔を顰めて俺を睨みつけてくる。
きつそうにしているおちんぽを下着を脱がせて解放してあげれば、下ろした瞬間ぶるんっ♡と勢いよく巨根が飛び出し頬をべちんとビンタされる。
「お゛♡♡でっ、かぁ…♡♡♡」
濃い淫臭を直嗅ぎしてクラクラする。両手で包み込み位置を調節しながら、後孔の入口に添え腰を落としていく今の俺の顔は期待で歪みきってとんでもなく下品だろう。
「っ、く…はっ、♡♡っお゛、…ぉ゛お゛…♡♡」
ちんぽみちみち入ってくる…っ♡♡俺の穴ゆっるゆるなのに、押し広げられる…♡♡苦しい、きっつい…♡♡全然進まない…♡♡
太すぎて中々腰を落とせず、奥まで入れるのにかなり手間取る。ぜえぜえ息を切らしながら何とか奥に亀頭が届くが、結合部を見ると半分しか入ってない。奥まで入れて半分…?
「く゛ぅ、っ、♡♡ぉ゛お゛♡♡ぉ゛おぉっ゛♡♡」
入れるだけで息が絶え絶えになり少し休もうと力を抜くと、自重でゆっくりちんぽが入っちゃいけないところに押し入ろうとしてくる。
「ぁ゛、っ、あぁ゛ぁ…っ♡♡♡」
急いで体制を立て直し雄子宮口に入りかけたちんぽを追い出し、上下に動いてしこしこ扱いていく。ぬ゛ちっ♡ぬ゛ちっ♡と重く粘度の高い水音が響き、奥まで入り切っていないせいでぱちゅぱちゅ肌がぶつかる音が鳴らない。どうしよう、俺ばっか気持ちいいかも。
「フーーッ…♡フーーッ…♡」
男に目をやると、息を荒くして手で顔を覆い歯をギリギリ食いしばりながら憎々しげに俺を見ている。良かった、感じてくれてる…♡♡てか、剥き出しの牙、鋭ぉ…♡、かっこい~♡♡今キスしたいけど舌噛みちぎられそうで怖いな。
「ちん゛ぽ…ひゅごぉ゛…♡♡こん゛、にゃの゛っ、はじめ゛へぇっ♡♡♡」
「はっ、…っ、戯言、を…っ、♡誰にでも、っ…、言っているん、だろう、っ…♡」
「お゛っ♡♡、おな゛にぃ、♡しかっ…♡♡しで、…にゃ゛い゛っ♡え゛っち、ひたこと゛、ない゛い…っ♡♡♡ほん゛もの゛、ちんぽぉ゛♡♡しゅごい゛っ♡♡」
「は、はぁ…っ?♡この淫乱で、っ、初物?」
男は驚愕したように目を見開いて口を戦慄かせる。まあ驚くだろうな、言ってなかったし。中ゆるゆるの処女穴なんて想像できないか。
「すごい゛の、くりゅ゛っ♡♡♡ん゛おぉ゛ッ♡♡お゛、おぉ゛お♡♡お゛ぉお゛~~ッ♡♡♡」
絶頂してる感覚から降りてこられなくて、腰の動きが鈍く遅くなっていく。引き抜くだけでも内壁ごと持っていかれそうになって、奥に入れる度に前立腺ぎゅ~って押しつぶされて意識が飛びそうになる。
「ひゅ、こ゛い…♡♡すぐ…い゛ぐっ…♡また、い゛ぎゅッ♡♡、ほ、ぉ゛おぉ゛…♡♡♡」
「はな゛、せ…、ッ、出すから、抜け…ッ♡」
「やぁ゛だっ♡♡たね゛ほしぃ゛っ♡♡♡」
「ッ…クソッ…!!♡♡♡」
宣言通り奥にビチビチ精液ぶち込まれているのを感じて歓喜する。憧れてた中出し…♡♡本物ちんぽしかできない中出し…♡♡
「お゛おぉ゛~~♡♡ぉ゛~~♡♡♡」
「は、ぁ゛……ッ♡♡人間に、…種付け…ッ♡♡…ッ♡♡」
どろどろの濃厚精液を奥で感じて軽くアクメする。それにしても、射精長い…まだ終わんない、これ入りきらないんじゃないか?腹、重くなってきた…♡出てる、まだ出てる…そろそろ、苦しい…っ♡♡
「ふ、ぎぃ゛…っ♡♡♡く、う゛う♡♡ぅ、ぁ゛っ♡♡」
「あ゛…?」
ガクガク震える体で少しずつちんぽを引き抜いていく。このままじゃガチで孕む、ボテ腹になる…♡♡出さなきゃ、取り敢えず射精終わるまで逃げなきゃ♡♡竜人ちんぽナメてた、大量射精ナメてた…♡せっかく忠告してくれてたのに、中出し憧れだったからぁ…♡♡
そうして逃げようとする俺の腰を男に突然ガッと掴まれ、バチュンッ!!と部屋中に響くような音を立て勢いよくちんぽに降ろされた。
「お゛ッッ♡♡お゛ぉッッ♡♡!?」
臀にひんやりとした鱗の感触がする。
「ほ、…ぉ゛~……っ……?♡♡」
一瞬意識が遠のき、白目を剥きながら口を間抜けにぽかんと開くことしかできない。気絶寸前のまま回復しない。根元まで挿入されたせいで男の肌と密着している、雄子宮ぶち破られて、中に直接注がれて…♡♡
「種が、欲しいと…♡お前が、言ったんだろうが…ッ♡♡」
「?ッッ♡♡♡ぉお゛っ♡♡?ぉ゛っ♡♡おッッ♡♡?」
腰を浮かそうとしても圧倒的な力で押さえつけられているせいで動くことすらできない。ようやく種付けが終わったのか、体を持ち上げられて雄子宮にずりずり精液を念入りに擦り付けてくる。
「ご、…ごぇ゛、なひゃ…っ♡♡ゆ゛、ゆる、ひ…♡♡」
「……ッ、孕め…♡♡♡…孕めッ♡♡♡♡♡」
「ぉ゛……♡♡♡お゛、ぉ…♡♡♡」
完全に脱力しもう自力で立ち上がることすらできなくなった体をオナホみたいに持たれて何度も何度も執拗に擦られ、孕めって言い続けながらマーキングされていく。
「は、…はりゃ゛むぅ゛…っ♡♡ぉ゛~…っ♡♡、ぉ゛、っ♡♡」
うわ言のように孕むと言うと、男は目を細めてようやく腰から離した手を俺の背中に回し引き寄せた。
胸板に体を凭れるよう誘導され、だらしなく開いたままの口に舌をねじ込まれる。味わうように口内をじっくり舐られ、無抵抗の舌に二股の舌が無理矢理絡められる。
「ん゛、う゛…っ♡♡…ッ、む゛、うぅ゛…♡♡…うぅ゛っ…♡♡」
意識が朦朧としたままぼんやりキスを受け入れて、もう逃げる力なんて少しもないのに両腕で背中をがっちりホールドされ強く抱き込まれた。薬の効果が途切れるのは数時間後だと、過去に何度も服用経験がある俺は身をもって知っている。
口付けされたままピストンを再開され、そのまま意識が落ちていった。
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あれから赤目の男の自室で囲われるようになり、もう1ヶ月が経過しようとしていた。薬でどうこうしようとした俺が全面的に悪いが、あの後目覚めてすぐぼってり膨れた腹を見て、確実に腹を下すと絶望した。これだけの量を出されたのだから抜いて放置すれば勝手に溢れ出るだろうに、ご丁寧にベッドに寝かされ張形を挿入され精液が零れないようにされていたのだ。
その後も抱かれて気絶する度に同じように精液が出ないよう穴を塞がれ、翌朝男が仕事で出ていくのを見計らって冷や汗を流しながら掻き出すのが日課となった。本人の前で掻き出そうとしたら大激怒し、手首拘束の上もう一度中出しされた。張形ではなくちんぽで蓋をされ、抱きしめられたままへそがぼこっと突き出るまで膨れ上がった腹を一晩中撫でられ続け地獄だったことを思い出す。
気絶している間にぶち殺されて解体され食料として冷凍されているんだろうなと思っていたが、今も殺されずに閉じ込められているのが不思議だ。竜人目線だと人間は食用か奴隷かの2択しかないだろうに。
しかしここでの生活は最高で、当初希望していた性奴隷の高待遇版のような暮らしをさせてもらっている。
あとから知ったのだが男は童貞だったようで、責任を取るから責任を取れと言われた。あと人間はオスも孕むと勘違いしているのか、元の世界で言うところの妊娠検査薬をよく渡してきては、孕んでいないと知ると見るからにショックを受けている様子が可笑しい。
基本何をしても怒らないのだが、本人の前で精液を掻き出そうとすると無茶苦茶に乱暴されるため、優しいセックスで物足りなくなった時はわざと見せつけて激昂させている。焦りながら怒るのが可愛らしいが、いつになったら孕まないと気づくんだろう。
「ただいま、戻ったぞ」
「あ、おかえり~」
絶対に俺のことを傷つけないという確信が持ててからはこうした口調で話すようになった。未だにお互い名前すら知らないし男は常に無表情だが、俺が出迎えると嬉しそうに口元が少しだけ緩むことに気づいてからずっと愛おしく感じる。
「あのさ、俺のこと好き?」
「なッ!……あ、…」
単刀直入に聞けば顔を真っ赤に染めて、視線を逸らされ俯いてしまった。小さな声で何かブツブツ言うが聞き取れず、「好き?」と顔を覗き込むようにしてもう一度聞くと、何も言わずにただ頷いた。
「ガチ?嬉しい!竜人って人間のこと家畜として見てるんじゃないの?」
「まあ、基本的にはそうだが…その、一般的では…ないが、…人間と婚姻する者も………」
「知らなかった。奴隷として買ったけど本気になった~とかって、実際にあるんだね」
「………あぁ……」
屠殺担当で何人も人間を処理していた奴とは思えない初心な姿がまた可愛い。仕事の話を聞けば、まだ選別や屠殺等の作業を任されているようだ。躊躇いはないのかと聞けば、不思議そうに首を傾げられた。俺のことが好きでも価値観は変わっていないらしい。
「お前は、…別だ。だが、外には出ないことだ。所有コードが押されているとはいえ危険だからな。見境のない輩に奴隷が食われた…なんてことは珍しくない」
「んーん、出ようとか考えたことないから大丈夫。俺幸せだし、えっち気持ちいいし」
「……そうか…」
珍しく眉を下げて嬉しそうに微笑む姿に胸を撃ち抜かれ、まだシャワーを浴びていないからと焦ったように話す男の腕を引いて上機嫌でベッドの方に歩を進めた。
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