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自責
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飛び起きた頃にはもう遅く、何日も眠っていたようで頭痛が更に酷くなっている。
未だガンガンと痛む頭を押さえよろよろと壁に手をつき何とか食事を買いに出ようと生徒会室から出た。
一般生徒からの視線は昔とは打って変わりすっかり軽蔑や非難の目を向けられるようになっていた。
いたたまれず下を向き耳を塞いだ。足はみっともなく震えている。早くここから去りたい。
人の目を避けるよう足早に購買へと足を進めた。
購買から帰り生徒会室へと戻れば、何日ぶりかも分からない幼馴染の姿がそこにあった。
生徒会室で倒れている間、役員達は俺を排除する手筈を整えていた様で、鋭く俺を睨みつける慎也の目がそれを物語っている。
リコールに必要なのは、生徒達の半数以上の同意、教師や風紀委員会のサイン。
ようやく生徒会室に訪れた彼から突きつけられた書類にはっきりとサインされた涼介の字を見た途端、体が小さく震えだす。
悲しくて悲しくて堪らなかった、俺が何をしたというのだろうか。
…怒りの矛先を、転校生の天野にぶつけられたらどれだけ良かったか。
けれど、俺を唯一信じてくれた彼にそんなこと出来る筈なかった。
「りょう…すけ……しんやぁ……」
やっと信じようと思えた大好きな涼介は、やはり転校生を好きになってしまったようだ。
その転校生と過ごす為に、俺という存在は邪魔で…皆が求める幸せに、やっぱり俺は入っていなかったみたいだ。
所詮、皆は最初から俺のことなど何とも思ってなかったのだろうか。
「何をブツブツと言っているのですか、“元”会長。
……私は、貴方のそういうところが大嫌いなんですよ!
いつもいつも一人で何でもこなして、私達なんかは眼中に無い。
…結局、空の所にいる私達を見て引き止めもしなかったじゃないですか!!?
そんなに、そんなに私達が必要無かったですか?」
感情を爆発させ怒鳴る彼に、俺はやっと気がついた。そうだ、俺は一度だって彼等を引き止めなかった。
楽しそうに天野の元に集まる彼等を見て、引き離すことが出来なかった。戻ってきてと懇願しなかった。
皆の足を引っ張らないよう、頑なに人の力を借りようとしなかった。
皆との溝を埋め、分かり合う努力も何も、俺はしてこなかった。
いつかいつか、そう思いながら時間が解決するのを待って、ずっと…。
そうか、この結果は俺の責任でもあるのか。
もう少し俺が本音で彼等に向き合えてたら、結果は違ったのだろうか。
「なぁ、慎也……」
「!!……今更何ですか。」
「…俺、慎也のこと一番頼りにしてた、もっと仲良くなりたかった。…お前らに迷惑かけたくなくてずっと一人で閉じこもって、でもそれがいけなかったんだな。」
慎也は驚いたように目を見開いたまま固まった。
「な、何を、……私、は…」
何か言いたげに口をパクパクさせ、視界を宙にさまよわせている。
「ごめんな、ごめんな慎也。俺、一人じゃやっぱ何も出来ないよ。皆がいなきゃダメだ。
…俺のこと、ずっと邪魔だったよな…。今まで、ごめん…慎也、ごめんね…。」
俺は逃げ出すようにその場を離れ、早足で自室に駆け込み布団の中に籠った。
リコールの日まで外に出たくない。生徒達からも、仲間からも、あんな軽蔑した目を向けられてしまうなんて俺には耐えられないから。
未だガンガンと痛む頭を押さえよろよろと壁に手をつき何とか食事を買いに出ようと生徒会室から出た。
一般生徒からの視線は昔とは打って変わりすっかり軽蔑や非難の目を向けられるようになっていた。
いたたまれず下を向き耳を塞いだ。足はみっともなく震えている。早くここから去りたい。
人の目を避けるよう足早に購買へと足を進めた。
購買から帰り生徒会室へと戻れば、何日ぶりかも分からない幼馴染の姿がそこにあった。
生徒会室で倒れている間、役員達は俺を排除する手筈を整えていた様で、鋭く俺を睨みつける慎也の目がそれを物語っている。
リコールに必要なのは、生徒達の半数以上の同意、教師や風紀委員会のサイン。
ようやく生徒会室に訪れた彼から突きつけられた書類にはっきりとサインされた涼介の字を見た途端、体が小さく震えだす。
悲しくて悲しくて堪らなかった、俺が何をしたというのだろうか。
…怒りの矛先を、転校生の天野にぶつけられたらどれだけ良かったか。
けれど、俺を唯一信じてくれた彼にそんなこと出来る筈なかった。
「りょう…すけ……しんやぁ……」
やっと信じようと思えた大好きな涼介は、やはり転校生を好きになってしまったようだ。
その転校生と過ごす為に、俺という存在は邪魔で…皆が求める幸せに、やっぱり俺は入っていなかったみたいだ。
所詮、皆は最初から俺のことなど何とも思ってなかったのだろうか。
「何をブツブツと言っているのですか、“元”会長。
……私は、貴方のそういうところが大嫌いなんですよ!
いつもいつも一人で何でもこなして、私達なんかは眼中に無い。
…結局、空の所にいる私達を見て引き止めもしなかったじゃないですか!!?
そんなに、そんなに私達が必要無かったですか?」
感情を爆発させ怒鳴る彼に、俺はやっと気がついた。そうだ、俺は一度だって彼等を引き止めなかった。
楽しそうに天野の元に集まる彼等を見て、引き離すことが出来なかった。戻ってきてと懇願しなかった。
皆の足を引っ張らないよう、頑なに人の力を借りようとしなかった。
皆との溝を埋め、分かり合う努力も何も、俺はしてこなかった。
いつかいつか、そう思いながら時間が解決するのを待って、ずっと…。
そうか、この結果は俺の責任でもあるのか。
もう少し俺が本音で彼等に向き合えてたら、結果は違ったのだろうか。
「なぁ、慎也……」
「!!……今更何ですか。」
「…俺、慎也のこと一番頼りにしてた、もっと仲良くなりたかった。…お前らに迷惑かけたくなくてずっと一人で閉じこもって、でもそれがいけなかったんだな。」
慎也は驚いたように目を見開いたまま固まった。
「な、何を、……私、は…」
何か言いたげに口をパクパクさせ、視界を宙にさまよわせている。
「ごめんな、ごめんな慎也。俺、一人じゃやっぱ何も出来ないよ。皆がいなきゃダメだ。
…俺のこと、ずっと邪魔だったよな…。今まで、ごめん…慎也、ごめんね…。」
俺は逃げ出すようにその場を離れ、早足で自室に駆け込み布団の中に籠った。
リコールの日まで外に出たくない。生徒達からも、仲間からも、あんな軽蔑した目を向けられてしまうなんて俺には耐えられないから。
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