リヴァイヴ・ヒーロー ~異世界転生に侵略された世界に、英雄は再び現れる~

灰色キャット

文字の大きさ
112 / 415
第六節 リアラルト訓練学校編

第111幕 試験内容、発表

しおりを挟む
「アウランせんせー、用紙持ってきたよ!」

 真っ先に職員室へと入り込んだミシェラは、続いて入ったレグルと一緒に待っていた。
 そのまま俺たちが追いついてきたの同時にミシェラはアウラン先生とシューレッド先生がいる場所に向けて歩いて行っていた。

 どちらかが入ればいいと思っていたけど、ちょうど二人共ここにいてくれて良かった。
 シューレッド先生の方は俺がシエラに用事があってA級の教室に訪れた時に教壇に上がっていた先生だった。
 物腰やわらかく、あまり生徒を叱ることに向いてなさそうな雰囲気を纏っている先生だ。

 その二人の先生も俺たちに気付いたようで、ミシェラが持っていた用紙を彼自身から受け取っていた。
 そのまますぐに記入された内容を確認して……記載に不備がなかったようで笑顔で頷いてくれていた。

「はい、これで問題ありません。特別枠のせいで集まりにくいだろう……と思っていましたが、よく頑張りましたね」

 顔の方は笑顔なんだが、それでもミシェラから一歩引いたような態度を取っている。
 その事からも常に笑顔で有り続けるミシェラに不気味さを感じているということだろう。

 そう考えると結構切ないというか……寂しいという感じがする。

「こちらも何も問題ありませんよー。ええっと……リーダーはグレファさんで間違いないですね」
「はい、それで間違いないです」

 元々試験中に組んだチームの中では、G級の生徒がリーダーとして動くようにする……という決まりがあるそうだ。
 もちろんミシェラにリーダーの仕事が出来るとは思えない。
 故に必然的に俺の方にやり玉が上がったっというわけだ。

「ありがとうございます。これでグレファくんたちは登録完了ですよ」
「よし!」
「やった!」

 アウラン先生が俺たちのチームの登録を終えたことを告げると、レグルとミシェラが嬉しそうな声を上げた。
 対してルルリナは子供を見るような目で二人を見ていて、シャルランとシエラは楽しそうに話をしている。

「はい、それでは試験内容を発表しますね」

 シューレッド先生がそう告げると、全員一斉に静まり返って先生たちの言葉を静かに待った。
 だが、肝心の二人の先生はどこか言い淀んでいるというか……内容を口にするのに抵抗感があるようにも思えた。

「えーっとですね……グレファくんたちにはヒッポグリフを討伐してもらいたいと思います」
「ひっぽぐりふ?」
「聞いたこと無いですね」

 アウラン先生が口にした討伐内容にシャルランとレグルが全く知らない、といった素振りで疑問を口にしていた。
 どうやらルルリナたちも知らないようで、言葉は口にしてないが不思議そうな顔をしている。

「ヒッポグリフっていうのは上半身が鳥。下半身が馬の大きな魔物だ。
 生き物が魔物になるのは知ってるだろうが、魔力には個体差がある。
 大きく強い魔力を持った生き物が魔物になった時、時たま変異を起こしてこういう個体が生まれる……と言われているな」
「正解ですよ、グレファくん。本当は昇級した後で教わるものなんですけど、君はよく勉強してますね」

 感心するような目で俺の事を見ているシューレッドは俺を褒めてるが……別に勉強した、というわけでもないから素直には喜べない。
 というよりも普段がレッドグリズリーとかホーンウルフとかの割には難易度が相当高いんじゃないかと思うぞ。

 魔物ってのは異形の姿になるとより強くなる傾向があるからな。
 少なくともB級を連れて行うような討伐じゃない。

「……なんでこんな内容なのか疑問に思ってるようですね。
 ミシェラくんとグレファくんをそれほど評価している……といいますか……。
 正直なところ、訓練場であれだけやっている子たちに普通の試験を与えても意味がない……ということです」

 アウラン先生はそう言っているがそれでも俺とミシェラ以外にはかなり荷が重い。
 理由としては理解できるが、それでもわざわざチームを組んで行くようなことじゃないと思う。

「ヒッポグリフってのは強いのか?」
「少なくともレッドグリズリーなんかよりもずっと強いな」
「へー……面白そうだね」

 戦ってみたいなぁ……みたい笑みを浮かべているミシェラは良いにしても、他のメンバーは大なり小なり不安を感じているようだ。

 そりゃそうだ。
 大方訓練ばかりで魔物を討伐したことだって経験がないのだろうに、いきなり強いとはっきり言われた見知らぬ魔物と戦うなんて、誰だって不安を覚えるに決まっている。俺だって少しは感じる。

「ですので、今回に限りA級・B級の生徒分のヒッポグリフを討伐するのは免除となります。
 退治するヒッポグリフは全部で二体。それ以上は無理をして戦う必要はありません。
 証として頭を持ち帰ってくれるのが良いのですが、それでは大きすぎますのでくちばしを切り落として持ち帰ってください。
 決して無理をせず、必ず生きて戻ってきてくださいね。
 最悪、A級・B級の四人には別途試験を受けさせる……ということも出来ますから」
「「「わかりました」」」
「はーい」
「頑張るぜ!」

 それぞれが元気よく返事をして……俺たちの試験当日までヒッポグリフについて情報を共有し、対策をしていくことにした。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

老衰で死んだ僕は異世界に転生して仲間を探す旅に出ます。最初の武器は木の棒ですか!? 絶対にあきらめない心で剣と魔法を使いこなします!

菊池 快晴
ファンタジー
10代という若さで老衰により病気で死んでしまった主人公アイレは 「まだ、死にたくない」という願いの通り異世界転生に成功する。  同じ病気で亡くなった親友のヴェルネルとレムリもこの世界いるはずだと アイレは二人を探す旅に出るが、すぐに魔物に襲われてしまう  最初の武器は木の棒!?  そして謎の人物によって明かされるヴェネルとレムリの転生の真実。  何度も心が折れそうになりながらも、アイレは剣と魔法を使いこなしながら 困難に立ち向かっていく。  チート、ハーレムなしの王道ファンタジー物語!  異世界転生は2話目です! キャラクタ―の魅力を味わってもらえると嬉しいです。  話の終わりのヒキを重要視しているので、そこを注目して下さい! ****** 完結まで必ず続けます ***** ****** 毎日更新もします *****  他サイトへ重複投稿しています!

俺が死んでから始まる物語

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。 だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。 余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。 そこからこの話は始まる。 セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活

髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。 しかし神は彼を見捨てていなかった。 そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。 これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

処理中です...