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122・一人演舞
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シニアン決闘官が的を作り出した魔導具を見て、ふんふんと頷いていた。多分、あれで破壊された的の数がわかるんだろう。私が転生する前に生きていた世界よりもずっと道具が発展してるから、魔導と違って新鮮な目で物事を見れる。
『にゃー……ただ今の計測は60にゃ!』
おおー、と大きな歓声が沸き上がっていたけれど、それが凄いのかどうか全くわからない。
『んー、この歳にしてはかなり健闘した方だとは思うが……シニアン決闘官、そこのところは?』
『事前に知っていれば、もー少しのびたと思うのにゃ。後はより精密なイメージを練って狙えば、100はいっただろーにゃ』
シニアン決闘官の解説に、ハルヴィアスはうんうん頷いていた。
「本当ですかね?」
「そうね。これ以上のアドバイスがあるとしたら、最後の方にペースを乱さない事くらいね。爆風で魔力量を減らすのは良かったけれど、あれじゃ余計に消耗しただけ。矢の方も大きかったし、必要以上に魔力を込めすぎね」
もっとも、そこまで求めるのは酷な話だろう。獣人族と狼人族は、身体能力と引き換えに魔力が若干低い傾向がある。中には例外もいるけれど、ルディルはそれに該当しない。
おまけに私と違ってまだ子供。どうあがいても修練の時間が足りないだろう。
唯一の例外は聖黒族なんだけど……なんでこの種族だけ、他と違って魔力も身体能力も高いんだろう? 他の種族はバランスが取れているのに、この種族だけが異質に見える。前世では寿命と引き換えに常軌を逸した能力を持っていたからこそ、今の肉体に振り回されずに済んでるけれど……普通の人がこんな身体に転生したら、間違いなく持て余すだろう。
考えれば考えるほど、不思議なんだけど……周囲の怒号のような歓声が、思考の渦に潜り込むことを遮ってくる。
『さあ、次はいよいよ挑戦者、カイゼルのお出ましだ! ……おお? カイゼルは何か持ってるみたいだが……なんだあれはぁ?』
『あれは魔導銃と呼ばれる魔導具にゃ。最近、ドワーフ族の国ガンラスミスで開発された物で、魔力を凝縮して、弾として撃ち出すから、魔力の消費量も抑えられるにゃ。ついでにこれを介して魔導を放つことも出来るのにゃ!』
やけに詳しい解説が飛んできたけれど、それに対して『えっへん』と胸を張ってる姿が台無しにしていた。
『シニアン決闘官、やたらと詳しいな?』
『ぼく、魔導具の収集に凝ってるのにゃ。それにぼくの大好きな王様が、これに似たような魔導を使っていたのにゃ』
確か……初代魔王様を助けたと言われるフェーシャ王が使った『ガン』系の魔導の事を指してるんだろう。猫人族が【覚醒】した英猫族の王様で、その生き様は猫人族の憧れだったりする。特に操られたことを後悔して、強い王様へと成長するお話――『賢猫栄光物語』はベストセラーを記録している。
『だけど魔導銃は、広範囲を攻撃する事にはあまり向いてないのにゃ。それだけを見ると今回の決闘では、相性が悪いだろうにゃ』
『そんな武器で戦いを挑むのは無謀かも知れないな。だが、なんの策もなしに持ってくるとも思えない。どうなるかわくわくするな!』
『それでは、決闘……開始にゃ!』
シニアン決闘官の魔導具で、再び生成された的を前にして、カイゼルは全く動かない。既に開始を宣言されているのに、微動だにしない彼を見て、観客からは不満の声が漏れ始める。
『ああっと、どうしたカイゼルー? まるで諦めたかのように動かないぞー?』
『んー、どうしたのかにゃ? 調子でも悪いのかにゃー?』
解説の二人も困惑しているけれど、それは間違っていると思う。後ろ姿しか見えないけれど……あれが諦めるようには到底思えなかった。
「大丈夫ですかね? 全く動きませんけど……」
心配するジュールの疑問をぶち壊すように、彼は動き始めた。
一つ、二つ、三つ……立て続けに次々と的を撃ち落としていく。ようやく動き出したかと安心した観客は、その動きにどこか失笑していた。確実に壊して行っているとはいえ、ルディルの魔導に比べたら、明らかに地味だったからだ。
「まるで玄人好みのやり方ね」
「え? そうなんですか?」
不思議そうなジュールの声を上げている。確かに地味だけれど、動きは正確で素早い。そのどれもが一撃という事は、彼の攻撃は全て中央を撃ち抜いているという事だ。
「精確に真ん中を撃ち抜き続けるなんて真似、そうそう出来る事じゃない。あんな道具を使ってなんて、私にだって無理ね。それくらい、彼の射撃は素晴らしいって事よ」
単純に魔導を使うだけなら、似たような真似は可能だけれど、同じ状況でしろと言われたら無理だとはっきり言える。
しかも途中から何らかの魔導を使っているようで、的を射抜いた弾がそのまま別の的を射抜いたり、当たったと同時に別の的に跳ね返ったり……特殊な攻撃で徐々に撃墜する的を増やしていく。
数打てば当たるだったルディルと違って、一切外さずに最初の速度を維持し続けるカイゼルの凄さは、自然と周囲を静かにしていく。
まるで踊っているかのようなその姿に魅せられるように、騒がしかった声は収まって、解説の二人ですら静かに彼の演舞に魅入ってしまっていた。
『にゃー……ただ今の計測は60にゃ!』
おおー、と大きな歓声が沸き上がっていたけれど、それが凄いのかどうか全くわからない。
『んー、この歳にしてはかなり健闘した方だとは思うが……シニアン決闘官、そこのところは?』
『事前に知っていれば、もー少しのびたと思うのにゃ。後はより精密なイメージを練って狙えば、100はいっただろーにゃ』
シニアン決闘官の解説に、ハルヴィアスはうんうん頷いていた。
「本当ですかね?」
「そうね。これ以上のアドバイスがあるとしたら、最後の方にペースを乱さない事くらいね。爆風で魔力量を減らすのは良かったけれど、あれじゃ余計に消耗しただけ。矢の方も大きかったし、必要以上に魔力を込めすぎね」
もっとも、そこまで求めるのは酷な話だろう。獣人族と狼人族は、身体能力と引き換えに魔力が若干低い傾向がある。中には例外もいるけれど、ルディルはそれに該当しない。
おまけに私と違ってまだ子供。どうあがいても修練の時間が足りないだろう。
唯一の例外は聖黒族なんだけど……なんでこの種族だけ、他と違って魔力も身体能力も高いんだろう? 他の種族はバランスが取れているのに、この種族だけが異質に見える。前世では寿命と引き換えに常軌を逸した能力を持っていたからこそ、今の肉体に振り回されずに済んでるけれど……普通の人がこんな身体に転生したら、間違いなく持て余すだろう。
考えれば考えるほど、不思議なんだけど……周囲の怒号のような歓声が、思考の渦に潜り込むことを遮ってくる。
『さあ、次はいよいよ挑戦者、カイゼルのお出ましだ! ……おお? カイゼルは何か持ってるみたいだが……なんだあれはぁ?』
『あれは魔導銃と呼ばれる魔導具にゃ。最近、ドワーフ族の国ガンラスミスで開発された物で、魔力を凝縮して、弾として撃ち出すから、魔力の消費量も抑えられるにゃ。ついでにこれを介して魔導を放つことも出来るのにゃ!』
やけに詳しい解説が飛んできたけれど、それに対して『えっへん』と胸を張ってる姿が台無しにしていた。
『シニアン決闘官、やたらと詳しいな?』
『ぼく、魔導具の収集に凝ってるのにゃ。それにぼくの大好きな王様が、これに似たような魔導を使っていたのにゃ』
確か……初代魔王様を助けたと言われるフェーシャ王が使った『ガン』系の魔導の事を指してるんだろう。猫人族が【覚醒】した英猫族の王様で、その生き様は猫人族の憧れだったりする。特に操られたことを後悔して、強い王様へと成長するお話――『賢猫栄光物語』はベストセラーを記録している。
『だけど魔導銃は、広範囲を攻撃する事にはあまり向いてないのにゃ。それだけを見ると今回の決闘では、相性が悪いだろうにゃ』
『そんな武器で戦いを挑むのは無謀かも知れないな。だが、なんの策もなしに持ってくるとも思えない。どうなるかわくわくするな!』
『それでは、決闘……開始にゃ!』
シニアン決闘官の魔導具で、再び生成された的を前にして、カイゼルは全く動かない。既に開始を宣言されているのに、微動だにしない彼を見て、観客からは不満の声が漏れ始める。
『ああっと、どうしたカイゼルー? まるで諦めたかのように動かないぞー?』
『んー、どうしたのかにゃ? 調子でも悪いのかにゃー?』
解説の二人も困惑しているけれど、それは間違っていると思う。後ろ姿しか見えないけれど……あれが諦めるようには到底思えなかった。
「大丈夫ですかね? 全く動きませんけど……」
心配するジュールの疑問をぶち壊すように、彼は動き始めた。
一つ、二つ、三つ……立て続けに次々と的を撃ち落としていく。ようやく動き出したかと安心した観客は、その動きにどこか失笑していた。確実に壊して行っているとはいえ、ルディルの魔導に比べたら、明らかに地味だったからだ。
「まるで玄人好みのやり方ね」
「え? そうなんですか?」
不思議そうなジュールの声を上げている。確かに地味だけれど、動きは正確で素早い。そのどれもが一撃という事は、彼の攻撃は全て中央を撃ち抜いているという事だ。
「精確に真ん中を撃ち抜き続けるなんて真似、そうそう出来る事じゃない。あんな道具を使ってなんて、私にだって無理ね。それくらい、彼の射撃は素晴らしいって事よ」
単純に魔導を使うだけなら、似たような真似は可能だけれど、同じ状況でしろと言われたら無理だとはっきり言える。
しかも途中から何らかの魔導を使っているようで、的を射抜いた弾がそのまま別の的を射抜いたり、当たったと同時に別の的に跳ね返ったり……特殊な攻撃で徐々に撃墜する的を増やしていく。
数打てば当たるだったルディルと違って、一切外さずに最初の速度を維持し続けるカイゼルの凄さは、自然と周囲を静かにしていく。
まるで踊っているかのようなその姿に魅せられるように、騒がしかった声は収まって、解説の二人ですら静かに彼の演舞に魅入ってしまっていた。
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