奴隷身分ゆえ騎士団に殺された俺は、自分だけが発見した【炎氷魔法】で無双する 〜自分が受けた痛みは倍返しする〜

ファンタスティック小説家

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不死鳥の女神 前編

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 頬をなでる涼しい風。
 青空に浮かぶ白い雲。
 太陽の光がわずかに見える。

 芝生のうえに俺は寝ているようだ。

「………………ここは?」

 まぶしい木漏れ日を手でさえぎる。
 明瞭な視界にひろがるのは、貴族が住んでいそうな豪邸の庭園であった。

「涙……?」

 泣いていたらしい。
 はて、いつから俺は寝ていたのか。
 温かな涙を指でぬぐいさる。

 さっきまで俺は……俺は何をしていた?

 思い出そうと頭をひねる。
 突如、強烈な頭痛におそわれた。

 まぶたの裏側に焼きついた団長。
 ゲタゲタと笑う騎士たち。
 虐げられた日々。
 豚小屋のなかで俺は″終わった″。
 組織への忠誠など何の意味もなかった。

「ッ、そうだ、俺はリク……俺は忠誠を誓った団長に腕を斬られて……」

 死んだ。
 正確には俺にトドメをさしたのは、ミラー、ガレット、クベイルの憎き三人衆だが。

 となると、俺は夢を見ているのか。

「だが、これは……」

 俺は木陰をでて、石畳の脇にひかれたちいさな水路のほとりで膝をおる。水面に指をふれれば、冷たさがしっかりとあった。

 沈む指先、包みこまれる感触。
 これは夢ではない。

「それじゃここは天国か? ふふ、花がたくさんあって、確かに理想郷っぽいな」
 
「それは違います、リク……いえ、ヘンドリック」
「ぇ?」

 独り言に、まさかの返答する声があった。
 俺は慌ててあたりを見渡す。
 しかし、誰もいない。

「ここですよ、あなたの頭のうえです」
「あっ、そんなところに……」

 枝木のうえに声の主人を発見した。
 見覚えのあるシルエットだった。

「ラテナ!? ぇッ!?」
「ふふふ、そうです、可愛い相棒ラテナですとも。ようやく気がつきましたか」

 木漏れ日を受けて輝く鳥。
 俺の長年の相棒であるカラフルフクロウのラテナは″そう喋った″。

「お、お前、喋れたのか?」
「今回から喋れるようになりました。私のボディ作成力は日進月歩で進化しているわけです。次回は炎も吹きますよ」
「どゆこと……フクロウって炎吹くっけ?」
「まったく、あなたは相変わらず冗談が通じませんね。こほんこほん。見た目に騙されてはいけないんです。外見はフクロウさんですが中身は女神なんですから」
「ラテナは女神だって言うのか? そのなりで女神なのか?」
「そうですとも、えっへん。こう見えて神の中でも結構偉いほうの女神なのですっ♪」
「……」
「むむ、その目は信じていませんね? ふっふふ、仕方ないので証拠を見せてあげます」

 ラテナが輝きをはなち始めた。
 大空へふわりと舞いあがる。
 
 すこしして、舞い落ちるカラフルな羽根とともに光がヒトの形となって降りてくる。

 まぶしさと羽根が、風の勢いでぶわっと晴れた。
 そこには、庭園を背にした美しい少女がたっていた。

 




 
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