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第27話 指ピン(デコピン)で厄災の黒竜を撃破。世界を救ってしまう
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「オーライ、オーライ。そこでストップだ、ロボ」
俺の声に合わせて、全長五十メートルの巨大な鉄の塊――元・帝国の最終兵器『機神(デウス・マキナ)』改め、農業用トラクター『ロボ』が、ズシィィィンと音を立てて停止した。
その背中には、俺が鉄屑から錬成した特大の『スキ(耕運用のアタッチメント)』が装着されている。
「どうだ、調子は?」
『駆動系、オールグリーン。土壌ノ硬度、最適。……マスター、コノ仕事、悪クナイデス』
ロボのモノアイが穏やかな緑色に点滅した。
こいつ、意外と農作業の適性が高かったらしい。
機神のパワーと重量を生かした耕運は、岩盤が混じる荒れ地を一瞬でフカフカの黒土に変えてしまう。
おかげで、村の開拓スピードは以前の十倍になった。
「ひぃぃぃ……! あんな化け物が畑を耕してる……!」
「世も末だ……。古代文明の人たちが泣いてるぞ……」
ロボの足元では、元勇者ジークが腰を抜かしながら石拾いをしていた。
彼にとって、かつて人類の脅威だった機神が、俺の指示でせっせと土をいじっている光景は、精神衛生上かなり悪いらしい。
「主様! お昼の差し入れですわ!」
「冷たいお茶をどうぞ!」
テラスからは、セラフィナとミリアが手を振っている。
庭では、竜王クロ(人間形態)がフェンリルのウルフ(犬形態)のブラッシングをしてやり、それをヴァニアとアイリスが微笑ましく見守っている。
平和だ。
帝国との戦争も終わり、機神も仲間になり、村はかつてないほどの繁栄を迎えていた。
もう、この世に俺たちの脅威となるものは存在しない。
誰もがそう思っていた。
――その瞬間までは。
ピキッ……。
「ん?」
俺は手にしたおにぎりを口に運ぼうとして、動きを止めた。
乾いた音がした気がした。
ガラスにヒビが入るような、硬質で、不吉な音。
「今の音、なんだ?」
「え? 何も聞こえませんでしたが……」
ジークが首を傾げる。
だが、次の瞬間。
バリバリバリバリバリィィィッ!!!
世界が割れた。
比喩ではなく、物理的に空が割れたのだ。
俺たちの頭上、遥か上空の蒼穹に、巨大な亀裂が走り、そこからドス黒い闇が溢れ出した。
「な、なんだアレはァァァッ!?」
ジークが絶叫する。
亀裂は瞬く間に広がり、太陽を飲み込み、空全体を漆黒に染め上げていく。
昼間だったはずの世界が、一瞬にして真夜中のような闇に閉ざされた。
『ガ……ガガ……。エ、エラー……。測定不能ノエネルギーヲ感知……』
ロボが警告音を発し、膝をつく。
『コ、コレハ……機神ノ記憶データニアル……「世界ノ終ワリ」……!?』
「ロボ? どうした?」
『主様! 逃げてください!』
庭にいた竜王クロが、血相を変えて叫んだ。
『あれは……あれは伝説にも記されていない、原初の厄災! 我ら竜族が「虚無」と呼ぶ存在です!』
クロの体が震えている。
あのSSランクの竜王が、恐怖で動けなくなっているのだ。
空の亀裂から、何かが這い出してきた。
それは、形を持つ闇だった。
全長、測定不能。
数キロメートルある山脈さえも小さく見えるほどの、圧倒的な巨体。
形状は竜に似ているが、生物的な質感はない。
星空のような黒い体に、無数の星々が瞬き、その口はブラックホールのように全てを吸い込んでいる。
『終焉の黒竜(ヴォイド・ドラゴン)』。
世界が寿命を迎える時に現れ、すべての物質と魔力を無に帰す、システムの掃除屋。
『オオオォォォォォォォォォ……』
黒竜が咆哮した。
声ではない。
空間そのものが軋み、悲鳴を上げている音だ。
その波動だけで、地上の木々が塵となって消滅し、山が削り取られていく。
「い、嫌だ……! 死にたくない……!」
「主様……!」
ジークが地面に突っ伏し、ミリアたちが抱き合う。
アイリスが剣を抜こうとするが、手が震えて鞘から抜けない。
ヴァニアの黒炎も、ティターニアの精霊魔法も、発動した瞬間に霧散してしまう。
「魔力が……使えない!?」
「世界の理が……崩壊しているのですわ……!」
絶望。
機神や竜王とは次元が違う。
これは「敵」ではない。「現象」だ。
嵐や地震と同じく、抗うことのできない世界の終わりそのものだ。
黒竜はゆっくりと首をもたげ、地上を見下ろした。
その視線の先にあるのは、この世界で最も濃厚なマナが溢れる場所――俺の村(畑)だった。
『……喰ラウ……』
明確な意思が伝わってくる。
奴は、俺の畑を狙っている。
「……おい」
静寂の中、俺の声が響いた。
俺は食べかけのおにぎりを丁寧に包み直し、ポケットに入れた。
そして、ゆっくりと空を見上げた。
「ちょっと日照時間が足りないと思ってたら……お前のせいか」
俺はスコップを地面に突き刺した。
腕まくりをする。
「主様!? 何を……!?」
「ノエル! ダメだ! あれは勝てる相手じゃない!」
ジークが泣き叫ぶ。
「機神ビームも竜王ブレスも効かない相手だぞ! 逃げるんだ!」
「逃げる?」
俺はジークを振り返り、キョトンとした。
「なんで逃げる必要がある?」
「は……?」
「害虫が出たら駆除する。雑草が生えたら抜く。日当たりが悪かったら枝を切る。……農家の常識だろ」
俺は地面を蹴った。
ドォォォォォンッ!
大地が爆ぜ、俺の体はロケットのように垂直に上昇した。
「ノエルゥゥゥッ!?」
俺は空を翔けた。
風魔法など使っていない。
ただの脚力と、空気を足場にする『土踏まず』の応用だ。
一瞬で雲を突き抜け、成層圏に達する。
目の前には、世界を覆う巨大な黒竜の顔があった。
近くで見ると、さらにデカい。
俺なんて、奴のまつ毛の一本にも満たないサイズだ。
だが、俺には奴が「巨大な怪物」には見えなかった。
俺の目には、それは畑の上空に居座る『分厚い雨雲』か、あるいはレンズについた『黒い埃』のように見えていた。
「邪魔だ」
俺は黒竜の鼻先(と思われる空間)に到達した。
『ン……?』
黒竜が俺に気づいた。
だが、それは生物が敵を認識するようなものではない。
台風が、飛んできた小石を気にするだろうか?
奴にとって俺は、存在しないに等しい塵芥だ。
『消エロ』
黒竜の体から、虚無の波動が放たれた。
触れた物質を原子分解する、絶対消滅の光。
「あー、もう。埃っぽいな」
俺は左手で鼻をつまみ、右手で目の前を払った。
ハエを追い払うように。
パァァァァァンッ!!!
「!?」
俺が軽く手を振っただけで、虚無の波動がかき消された。
いや、『払われた』のだ。
俺の『草むしり』スキル――応用・『環境美化』。
俺の周囲の空気を清浄に保つための無意識の防御壁が、世界を滅ぼす波動を「ただの汚れた空気」として浄化してしまった。
『ナ……?』
黒竜の動きが止まった。
初めて、その虚無の瞳に「困惑」の色が浮かんだ。
自分の力が通じない?
この小さな塵ごときに?
「そこ、日当たり良好な場所なんだよ」
俺はさらに上昇し、黒竜の眉間(レンズの中心)に位置取った。
「トマトが赤くならないだろ。どいてくれ」
俺は右手の親指と中指を重ねた。
デコピンの構え。
『貴様……何者ダ……?』
黒竜が問うた。
世界で初めて、システムが「バグ」を検知した瞬間だった。
「農家だ」
俺は指を弾いた。
パチンッ。
軽い音が、宇宙空間に響いた。
その瞬間。
ズガガガガガガガガガガガッ!!!!!
世界が震えた。
俺の指先から放たれた衝撃波は、物理的な破壊力を超え、概念的な『排除命令』となって黒竜を貫いた。
「そこは君の居場所じゃない」
「畑の邪魔だ」
「退去しろ」
俺の意思(農家のわがまま)が、世界の理(システム)を書き換える。
『世界を終わらせる厄災』という定義が、『ただの邪魔な埃』という定義に上書きされる。
『グ、オォォォォォォォォォッ!?』
黒竜の巨体が、くの字に折れ曲がった。
デコピン一発で。
全長数千キロの体躯が、まるでゴムまりのように弾き飛ばされる。
『バ、馬鹿ナ……! 我ハ虚無……! 絶対ノ終ワリ……! ソレガ……指一本デ……!?』
黒竜は理解できなかった。
なぜ、自分が負けるのか。
なぜ、体が崩れていくのか。
「あ、そうだ」
俺は弾き飛ばされる黒竜に向かって、ついでとばかりに言った。
「お前、魔力の塊なんだろ? ただ消えるのはもったいないな」
俺は右手を広げて、黒竜に向けた。
「雨になれ」
スキル発動、『草むしり』――最終奥義・『天候操作(ウェザー・リポート)』。
『ヤ、ヤメロォォォォォッ! 我ハ誇り高キ……!』
ズズズズズズズ……!
黒竜の体が、端からボロボロと崩れ始めた。
漆黒の闇が、キラキラと輝く光の粒へと変換されていく。
破壊の権化が、恵みの雨へと作り変えられる。
『ノ……エル……ゥゥゥゥッ……!』
断末魔と共に、黒竜は光となって爆散した。
パァァァァァァァァァン…………。
眩い光が世界を包み込む。
そして、空の亀裂が修復され、青空が戻ってきた。
だが、ただの青空ではない。
空からは、虹色に輝く優しい雨が降り注いでいた。
『魔力雨(マナ・レイン)』。
黒竜の膨大なエネルギーが還元された、究極の恵みの雨だ。
地上では、呆然と空を見上げる仲間たちがいた。
「き、消えた……」
ジークが口をパクパクさせている。
「世界を終わらせる竜が……デコピンで……?」
「嘘でしょう……」
アイリスが剣を取り落とす。
「神話なんてレベルじゃない……。主様は、創造主そのものですわ……」
雨が大地に染み込む。
枯れていた木々が一瞬で芽吹き、荒れ地が緑に覆われ、傷ついた動物たちが元気を取り戻していく。
世界中が、ノエルがもたらした奇跡によって祝福されていた。
だが、当の本人は。
「ふぅ。スッキリした」
上空からゆっくりと降りてきた俺は、ポケットからおにぎりを取り出した。
「やっぱり青空の下で食うのが一番だな」
俺は何事もなかったかのように、おにぎりの続きを食べ始めた。
世界を救った自覚など、これっぽっちもない。
ただ、「日差しが戻ってよかった」と満足しているだけだった。
「主様ーーッ!」
仲間たちが駆け寄ってくる。
涙目のミリア、興奮するヴァニア、放心状態のクロとロボ。
「ノエル! 貴方って人は……!」
ミリアが俺に飛びついてきた。
「世界を……また救っちゃったのね!」
「ん? ああ、あの黒い雲か。ちょっと湿気が多そうだったから、雨に降ってもらったんだ」
俺はミリアの頭を撫でながら言った。
「これで水不足も解消だな。来週は田植えができそうだ」
俺の言葉に、全員がカクッと膝を折った。
世界を救った理由が「田植えのため」とは。
「……ハハッ。もう笑うしかねえな」
ジークが泥だらけの顔で笑い出した。
憑き物が落ちたような、清々しい笑顔だった。
「俺は、こんな男に勝とうとしてたのか。……無謀すぎるだろ」
彼は悟った。
自分は勇者ではない。
ただの凡人だ。
だが、この最強の農夫の下で働く凡人なら、それも悪くないかもしれない、と。
「よし、ジーク! 休憩終わりだ! 雨が上がったら草が伸びるぞ! 草むしりだ!」
「へいへい、わかりましたよ、ボス!」
ジークは軽やかに立ち上がり、鎌を持って走り出した。
その後ろ姿は、以前よりもずっと大きく、逞しく見えた。
こうして、世界の終焉という最大の危機は、農夫のデコピンによって、文字通り「弾き飛ばされた」。
後に、この日は『世界再生の日』として歴史に刻まれることになるが、俺にとっては『おにぎりが美味しかった日』として日記に記される程度の出来事だった。
◇
数日後。
俺の村は、以前にも増して賑やかになっていた。
「主様、黒竜の雨のおかげで、トマトがスイカくらいの大きさになりましたわ!」
ティターニアが巨大なトマトを抱えて報告に来る。
「味も濃厚だぞ! 魔界の果実より美味い!」
ヴァニアがかぶりついている。
「ノエル殿、王国から感謝状と勲章が届きました。……トラック十台分ほど」
アイリスが困った顔で、山積みの金品を見せる。
「邪魔だな。倉庫の肥やしにしといてくれ」
「主様、ロボのメンテナンスが終わりました。トラクター機能に『自動種まき機能』を追加しました」
「でかした、クロ。いい仕事だ」
竜王クロと機神ロボは、すっかり村のインフラとして定着していた。
そして。
「ノエル! お昼ご飯できたよ!」
エプロン姿のミリアが、バスケットを持って走ってくる。
彼女の笑顔は、聖女だった頃よりもずっと輝いていた。
「おお、サンキュー。今日のメニューは?」
「『究極のオムライス』よ! 卵は花子(マッド・バイソン)のミルク入り!」
俺たちは木陰に座り、ランチタイムを楽しんだ。
そよ風が吹き、緑が揺れる。
遠くでジークが「雑草全滅させてやる!」と叫んでいる声が聞こえる。
「……幸せだな」
俺は呟いた。
勇者パーティを追放された時はどうなるかと思ったが、結果オーライだ。
最強のスキル、最高の仲間、そして美味しい野菜。
これ以上の幸せがあるだろうか。
「ねえ、ノエル」
ミリアが俺の肩に頭を乗せてきた。
「ん?」
「ずっと……ずっと、ここにいていい?」
「当たり前だろ。ここはみんなの家だ」
俺はミリアの手を握った。
彼女の手は温かく、少しだけ土の匂いがした。
それが、何よりも愛おしかった。
「さて、午後も働くか!」
俺は立ち上がった。
世界最強の力を持つ農夫の、ありふれた日常は、これからも続いていく。
たまに竜が来たり、神が来たり、異世界の侵略者が来たりするかもしれないが、まあ、全部「肥料」にしてやるつもりだ。
俺の名前はノエル。
ただの農家だ。
……たまに世界を救うけど、基本は野菜作りが本業だ。
「よし、次は『世界樹』の剪定でもするか!」
俺の何気ない一言に、全員が「またかよ!?」とツッコミを入れる声が、青空に吸い込まれていった。
(完……?)
◇
後日談。
勇者パーティを追放した(された)側のその後。
ジーク:
ノエル村の農場長に昇格。
その筋肉と体力、そして「元勇者」という肩書きを生かし、新人(モンスターや迷い込んできた貴族など)の教育係として鬼軍曹ぶりを発揮している。
「甘えるな! 俺が新人の頃は、竜王に殴られて育ったんだぞ!」が口癖。
最近、村の食堂のウェイトレス(元サキュバス)といい雰囲気らしい。
断罪騎士団長ガレス:
ノエルに装備を破壊された後、騎士団を引退。
ふらりと立ち寄ったノエル村で、アイリスに再会。
現在は、村の「警備員」として再就職。
下着姿(トラウマ)ではなく、ノエル特製の「作業着アーマー」を身につけ、幸せそうに門番をしている。
帝国皇帝ガイウス:
ショックで記憶喪失になり、気がついたらノエル村の「カカシ係」になっていた。
鳥を追い払う威圧感は天下一品で、ノエルから重宝されている。
たまに「余は皇帝だった気がする……」と呟くが、美味しいトマトを食べると「まあいいか、余は満足じゃ」と落ち着く。
そしてノエル:
相変わらず、無自覚に最強。
最近の悩みは、ハーレムメンバーが増えすぎて、全員の名前を覚えるのが大変なことと、夜の「寝室のローテーション」が激務すぎること。
「畑仕事より疲れるなぁ」とぼやきつつも、幸せな悲鳴を上げている。
彼の作る野菜は『神野菜』と呼ばれ、世界中の王侯貴族がこぞって買い求め、村は『地上にある天国』として伝説となった。
物語は、ここで一区切り。
だが、最強農夫の伝説は、まだまだ土の中で根を張り続けているのだった。
完
俺の声に合わせて、全長五十メートルの巨大な鉄の塊――元・帝国の最終兵器『機神(デウス・マキナ)』改め、農業用トラクター『ロボ』が、ズシィィィンと音を立てて停止した。
その背中には、俺が鉄屑から錬成した特大の『スキ(耕運用のアタッチメント)』が装着されている。
「どうだ、調子は?」
『駆動系、オールグリーン。土壌ノ硬度、最適。……マスター、コノ仕事、悪クナイデス』
ロボのモノアイが穏やかな緑色に点滅した。
こいつ、意外と農作業の適性が高かったらしい。
機神のパワーと重量を生かした耕運は、岩盤が混じる荒れ地を一瞬でフカフカの黒土に変えてしまう。
おかげで、村の開拓スピードは以前の十倍になった。
「ひぃぃぃ……! あんな化け物が畑を耕してる……!」
「世も末だ……。古代文明の人たちが泣いてるぞ……」
ロボの足元では、元勇者ジークが腰を抜かしながら石拾いをしていた。
彼にとって、かつて人類の脅威だった機神が、俺の指示でせっせと土をいじっている光景は、精神衛生上かなり悪いらしい。
「主様! お昼の差し入れですわ!」
「冷たいお茶をどうぞ!」
テラスからは、セラフィナとミリアが手を振っている。
庭では、竜王クロ(人間形態)がフェンリルのウルフ(犬形態)のブラッシングをしてやり、それをヴァニアとアイリスが微笑ましく見守っている。
平和だ。
帝国との戦争も終わり、機神も仲間になり、村はかつてないほどの繁栄を迎えていた。
もう、この世に俺たちの脅威となるものは存在しない。
誰もがそう思っていた。
――その瞬間までは。
ピキッ……。
「ん?」
俺は手にしたおにぎりを口に運ぼうとして、動きを止めた。
乾いた音がした気がした。
ガラスにヒビが入るような、硬質で、不吉な音。
「今の音、なんだ?」
「え? 何も聞こえませんでしたが……」
ジークが首を傾げる。
だが、次の瞬間。
バリバリバリバリバリィィィッ!!!
世界が割れた。
比喩ではなく、物理的に空が割れたのだ。
俺たちの頭上、遥か上空の蒼穹に、巨大な亀裂が走り、そこからドス黒い闇が溢れ出した。
「な、なんだアレはァァァッ!?」
ジークが絶叫する。
亀裂は瞬く間に広がり、太陽を飲み込み、空全体を漆黒に染め上げていく。
昼間だったはずの世界が、一瞬にして真夜中のような闇に閉ざされた。
『ガ……ガガ……。エ、エラー……。測定不能ノエネルギーヲ感知……』
ロボが警告音を発し、膝をつく。
『コ、コレハ……機神ノ記憶データニアル……「世界ノ終ワリ」……!?』
「ロボ? どうした?」
『主様! 逃げてください!』
庭にいた竜王クロが、血相を変えて叫んだ。
『あれは……あれは伝説にも記されていない、原初の厄災! 我ら竜族が「虚無」と呼ぶ存在です!』
クロの体が震えている。
あのSSランクの竜王が、恐怖で動けなくなっているのだ。
空の亀裂から、何かが這い出してきた。
それは、形を持つ闇だった。
全長、測定不能。
数キロメートルある山脈さえも小さく見えるほどの、圧倒的な巨体。
形状は竜に似ているが、生物的な質感はない。
星空のような黒い体に、無数の星々が瞬き、その口はブラックホールのように全てを吸い込んでいる。
『終焉の黒竜(ヴォイド・ドラゴン)』。
世界が寿命を迎える時に現れ、すべての物質と魔力を無に帰す、システムの掃除屋。
『オオオォォォォォォォォォ……』
黒竜が咆哮した。
声ではない。
空間そのものが軋み、悲鳴を上げている音だ。
その波動だけで、地上の木々が塵となって消滅し、山が削り取られていく。
「い、嫌だ……! 死にたくない……!」
「主様……!」
ジークが地面に突っ伏し、ミリアたちが抱き合う。
アイリスが剣を抜こうとするが、手が震えて鞘から抜けない。
ヴァニアの黒炎も、ティターニアの精霊魔法も、発動した瞬間に霧散してしまう。
「魔力が……使えない!?」
「世界の理が……崩壊しているのですわ……!」
絶望。
機神や竜王とは次元が違う。
これは「敵」ではない。「現象」だ。
嵐や地震と同じく、抗うことのできない世界の終わりそのものだ。
黒竜はゆっくりと首をもたげ、地上を見下ろした。
その視線の先にあるのは、この世界で最も濃厚なマナが溢れる場所――俺の村(畑)だった。
『……喰ラウ……』
明確な意思が伝わってくる。
奴は、俺の畑を狙っている。
「……おい」
静寂の中、俺の声が響いた。
俺は食べかけのおにぎりを丁寧に包み直し、ポケットに入れた。
そして、ゆっくりと空を見上げた。
「ちょっと日照時間が足りないと思ってたら……お前のせいか」
俺はスコップを地面に突き刺した。
腕まくりをする。
「主様!? 何を……!?」
「ノエル! ダメだ! あれは勝てる相手じゃない!」
ジークが泣き叫ぶ。
「機神ビームも竜王ブレスも効かない相手だぞ! 逃げるんだ!」
「逃げる?」
俺はジークを振り返り、キョトンとした。
「なんで逃げる必要がある?」
「は……?」
「害虫が出たら駆除する。雑草が生えたら抜く。日当たりが悪かったら枝を切る。……農家の常識だろ」
俺は地面を蹴った。
ドォォォォォンッ!
大地が爆ぜ、俺の体はロケットのように垂直に上昇した。
「ノエルゥゥゥッ!?」
俺は空を翔けた。
風魔法など使っていない。
ただの脚力と、空気を足場にする『土踏まず』の応用だ。
一瞬で雲を突き抜け、成層圏に達する。
目の前には、世界を覆う巨大な黒竜の顔があった。
近くで見ると、さらにデカい。
俺なんて、奴のまつ毛の一本にも満たないサイズだ。
だが、俺には奴が「巨大な怪物」には見えなかった。
俺の目には、それは畑の上空に居座る『分厚い雨雲』か、あるいはレンズについた『黒い埃』のように見えていた。
「邪魔だ」
俺は黒竜の鼻先(と思われる空間)に到達した。
『ン……?』
黒竜が俺に気づいた。
だが、それは生物が敵を認識するようなものではない。
台風が、飛んできた小石を気にするだろうか?
奴にとって俺は、存在しないに等しい塵芥だ。
『消エロ』
黒竜の体から、虚無の波動が放たれた。
触れた物質を原子分解する、絶対消滅の光。
「あー、もう。埃っぽいな」
俺は左手で鼻をつまみ、右手で目の前を払った。
ハエを追い払うように。
パァァァァァンッ!!!
「!?」
俺が軽く手を振っただけで、虚無の波動がかき消された。
いや、『払われた』のだ。
俺の『草むしり』スキル――応用・『環境美化』。
俺の周囲の空気を清浄に保つための無意識の防御壁が、世界を滅ぼす波動を「ただの汚れた空気」として浄化してしまった。
『ナ……?』
黒竜の動きが止まった。
初めて、その虚無の瞳に「困惑」の色が浮かんだ。
自分の力が通じない?
この小さな塵ごときに?
「そこ、日当たり良好な場所なんだよ」
俺はさらに上昇し、黒竜の眉間(レンズの中心)に位置取った。
「トマトが赤くならないだろ。どいてくれ」
俺は右手の親指と中指を重ねた。
デコピンの構え。
『貴様……何者ダ……?』
黒竜が問うた。
世界で初めて、システムが「バグ」を検知した瞬間だった。
「農家だ」
俺は指を弾いた。
パチンッ。
軽い音が、宇宙空間に響いた。
その瞬間。
ズガガガガガガガガガガガッ!!!!!
世界が震えた。
俺の指先から放たれた衝撃波は、物理的な破壊力を超え、概念的な『排除命令』となって黒竜を貫いた。
「そこは君の居場所じゃない」
「畑の邪魔だ」
「退去しろ」
俺の意思(農家のわがまま)が、世界の理(システム)を書き換える。
『世界を終わらせる厄災』という定義が、『ただの邪魔な埃』という定義に上書きされる。
『グ、オォォォォォォォォォッ!?』
黒竜の巨体が、くの字に折れ曲がった。
デコピン一発で。
全長数千キロの体躯が、まるでゴムまりのように弾き飛ばされる。
『バ、馬鹿ナ……! 我ハ虚無……! 絶対ノ終ワリ……! ソレガ……指一本デ……!?』
黒竜は理解できなかった。
なぜ、自分が負けるのか。
なぜ、体が崩れていくのか。
「あ、そうだ」
俺は弾き飛ばされる黒竜に向かって、ついでとばかりに言った。
「お前、魔力の塊なんだろ? ただ消えるのはもったいないな」
俺は右手を広げて、黒竜に向けた。
「雨になれ」
スキル発動、『草むしり』――最終奥義・『天候操作(ウェザー・リポート)』。
『ヤ、ヤメロォォォォォッ! 我ハ誇り高キ……!』
ズズズズズズズ……!
黒竜の体が、端からボロボロと崩れ始めた。
漆黒の闇が、キラキラと輝く光の粒へと変換されていく。
破壊の権化が、恵みの雨へと作り変えられる。
『ノ……エル……ゥゥゥゥッ……!』
断末魔と共に、黒竜は光となって爆散した。
パァァァァァァァァァン…………。
眩い光が世界を包み込む。
そして、空の亀裂が修復され、青空が戻ってきた。
だが、ただの青空ではない。
空からは、虹色に輝く優しい雨が降り注いでいた。
『魔力雨(マナ・レイン)』。
黒竜の膨大なエネルギーが還元された、究極の恵みの雨だ。
地上では、呆然と空を見上げる仲間たちがいた。
「き、消えた……」
ジークが口をパクパクさせている。
「世界を終わらせる竜が……デコピンで……?」
「嘘でしょう……」
アイリスが剣を取り落とす。
「神話なんてレベルじゃない……。主様は、創造主そのものですわ……」
雨が大地に染み込む。
枯れていた木々が一瞬で芽吹き、荒れ地が緑に覆われ、傷ついた動物たちが元気を取り戻していく。
世界中が、ノエルがもたらした奇跡によって祝福されていた。
だが、当の本人は。
「ふぅ。スッキリした」
上空からゆっくりと降りてきた俺は、ポケットからおにぎりを取り出した。
「やっぱり青空の下で食うのが一番だな」
俺は何事もなかったかのように、おにぎりの続きを食べ始めた。
世界を救った自覚など、これっぽっちもない。
ただ、「日差しが戻ってよかった」と満足しているだけだった。
「主様ーーッ!」
仲間たちが駆け寄ってくる。
涙目のミリア、興奮するヴァニア、放心状態のクロとロボ。
「ノエル! 貴方って人は……!」
ミリアが俺に飛びついてきた。
「世界を……また救っちゃったのね!」
「ん? ああ、あの黒い雲か。ちょっと湿気が多そうだったから、雨に降ってもらったんだ」
俺はミリアの頭を撫でながら言った。
「これで水不足も解消だな。来週は田植えができそうだ」
俺の言葉に、全員がカクッと膝を折った。
世界を救った理由が「田植えのため」とは。
「……ハハッ。もう笑うしかねえな」
ジークが泥だらけの顔で笑い出した。
憑き物が落ちたような、清々しい笑顔だった。
「俺は、こんな男に勝とうとしてたのか。……無謀すぎるだろ」
彼は悟った。
自分は勇者ではない。
ただの凡人だ。
だが、この最強の農夫の下で働く凡人なら、それも悪くないかもしれない、と。
「よし、ジーク! 休憩終わりだ! 雨が上がったら草が伸びるぞ! 草むしりだ!」
「へいへい、わかりましたよ、ボス!」
ジークは軽やかに立ち上がり、鎌を持って走り出した。
その後ろ姿は、以前よりもずっと大きく、逞しく見えた。
こうして、世界の終焉という最大の危機は、農夫のデコピンによって、文字通り「弾き飛ばされた」。
後に、この日は『世界再生の日』として歴史に刻まれることになるが、俺にとっては『おにぎりが美味しかった日』として日記に記される程度の出来事だった。
◇
数日後。
俺の村は、以前にも増して賑やかになっていた。
「主様、黒竜の雨のおかげで、トマトがスイカくらいの大きさになりましたわ!」
ティターニアが巨大なトマトを抱えて報告に来る。
「味も濃厚だぞ! 魔界の果実より美味い!」
ヴァニアがかぶりついている。
「ノエル殿、王国から感謝状と勲章が届きました。……トラック十台分ほど」
アイリスが困った顔で、山積みの金品を見せる。
「邪魔だな。倉庫の肥やしにしといてくれ」
「主様、ロボのメンテナンスが終わりました。トラクター機能に『自動種まき機能』を追加しました」
「でかした、クロ。いい仕事だ」
竜王クロと機神ロボは、すっかり村のインフラとして定着していた。
そして。
「ノエル! お昼ご飯できたよ!」
エプロン姿のミリアが、バスケットを持って走ってくる。
彼女の笑顔は、聖女だった頃よりもずっと輝いていた。
「おお、サンキュー。今日のメニューは?」
「『究極のオムライス』よ! 卵は花子(マッド・バイソン)のミルク入り!」
俺たちは木陰に座り、ランチタイムを楽しんだ。
そよ風が吹き、緑が揺れる。
遠くでジークが「雑草全滅させてやる!」と叫んでいる声が聞こえる。
「……幸せだな」
俺は呟いた。
勇者パーティを追放された時はどうなるかと思ったが、結果オーライだ。
最強のスキル、最高の仲間、そして美味しい野菜。
これ以上の幸せがあるだろうか。
「ねえ、ノエル」
ミリアが俺の肩に頭を乗せてきた。
「ん?」
「ずっと……ずっと、ここにいていい?」
「当たり前だろ。ここはみんなの家だ」
俺はミリアの手を握った。
彼女の手は温かく、少しだけ土の匂いがした。
それが、何よりも愛おしかった。
「さて、午後も働くか!」
俺は立ち上がった。
世界最強の力を持つ農夫の、ありふれた日常は、これからも続いていく。
たまに竜が来たり、神が来たり、異世界の侵略者が来たりするかもしれないが、まあ、全部「肥料」にしてやるつもりだ。
俺の名前はノエル。
ただの農家だ。
……たまに世界を救うけど、基本は野菜作りが本業だ。
「よし、次は『世界樹』の剪定でもするか!」
俺の何気ない一言に、全員が「またかよ!?」とツッコミを入れる声が、青空に吸い込まれていった。
(完……?)
◇
後日談。
勇者パーティを追放した(された)側のその後。
ジーク:
ノエル村の農場長に昇格。
その筋肉と体力、そして「元勇者」という肩書きを生かし、新人(モンスターや迷い込んできた貴族など)の教育係として鬼軍曹ぶりを発揮している。
「甘えるな! 俺が新人の頃は、竜王に殴られて育ったんだぞ!」が口癖。
最近、村の食堂のウェイトレス(元サキュバス)といい雰囲気らしい。
断罪騎士団長ガレス:
ノエルに装備を破壊された後、騎士団を引退。
ふらりと立ち寄ったノエル村で、アイリスに再会。
現在は、村の「警備員」として再就職。
下着姿(トラウマ)ではなく、ノエル特製の「作業着アーマー」を身につけ、幸せそうに門番をしている。
帝国皇帝ガイウス:
ショックで記憶喪失になり、気がついたらノエル村の「カカシ係」になっていた。
鳥を追い払う威圧感は天下一品で、ノエルから重宝されている。
たまに「余は皇帝だった気がする……」と呟くが、美味しいトマトを食べると「まあいいか、余は満足じゃ」と落ち着く。
そしてノエル:
相変わらず、無自覚に最強。
最近の悩みは、ハーレムメンバーが増えすぎて、全員の名前を覚えるのが大変なことと、夜の「寝室のローテーション」が激務すぎること。
「畑仕事より疲れるなぁ」とぼやきつつも、幸せな悲鳴を上げている。
彼の作る野菜は『神野菜』と呼ばれ、世界中の王侯貴族がこぞって買い求め、村は『地上にある天国』として伝説となった。
物語は、ここで一区切り。
だが、最強農夫の伝説は、まだまだ土の中で根を張り続けているのだった。
完
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