異世界のオークションで落札された俺は男娼となる

mamaマリナ

文字の大きさ
56 / 67

56、脱バージンのお相手

しおりを挟む
 ついにこの日がやってきた。今日、俺は抱かれるらしい。まだ、実感もなく緊張で眠れないなどもなく爆睡できた。俺、ほんとに抱かれるのだろうか。これは、夢の中で長い夢を見ているだけとかそんなオチであって欲しい。

「かえで、そろそろオープンの時間だ。部屋で待機していてくれ」

 オーナーの言葉でやっぱり夢オチなんてないと思いながら部屋にいく。もう、ここまで来たしな。

「服はどうしたらいいんだ?いつものシャツでよいのか?透け透けの下着か?困る。それに、どんな顔で待っていたらいいんだよ。女の子がラブホとかでシャワー浴びた後とか彼氏のシャワー待ちってこんな気持ちなのかもな。こんな気持ち知りたくなかったわ」

 一人ででかい独り言を言いながらいつものシャツに袖を通してベッドに座った。



コンコン

 ノックされた、ついにか。

「はい。どうぞ」


◆◆◆◆


「かえで」

 えっ、なんで。そうなんだ。想像と違った。

「おい、不満なのか?誰だと思っていたんだ?」

 しまった。つい顔に出してしまった。だってそこはないかなぁって思っていたし。

「ごめん、獣人は無理かなぁってオーナーたち言っていたから」

「あぁ、あの話を聞いた時は一瞬絶望したが、俺を誰だと思っているんだ」

「俺様のレオン様」

「そう。俺様だ。あんな若造と一緒にされたくないぞ」

 そうだよな。経験値も違うだろうしな。でも、びっくり、キド様かラーゼン様だと想像してた。

「おい、今、誰を想像していたんだ。キドか?それとも魔王か?」

 するどいなぁ。

「うん」

「俺も話を聞いた時、あぁ、キドになるのかと思ったが、でもそれも無理だろうなぁと思ってた」

「魔王様は?魔王様になると思わなかった?」

「魔王は、ヤバいだろう。バージンを捧げたら、そのまま独り占めしてかえでを放さないだろう。そのまま連れてかれて監禁される可能性が高いからな」

 あぁ、なんか納得。あの人?魔王様は、ほんとの俺様だからな。でも、キド様は?

「キドは、一番の有力候補だったことは本当だ」

 なんでキド様じゃないだ?

「今、なんてキドじゃないかっておもっただろう。傷付くなぁ」

「あっ、ごめん。レオン様がヤダってことはないんだ。不思議で」

「俺の理由は、俺がバージン貰うのが一番良いってオーナーに持ちかけたからだ」

 えっと、どうしてレオン様か一番良いんだ?

「確かにキドが初めの方が安心ってのはわかるが魔王が納得しないだろってなってな」

 よく意味が分からない?納得ってなんだよ?

「まぁ、魔王がかなり本気だから、魔王が納得する相手でかえでに害を与えない相手は俺しかいないだろうってさ」

「なんで、レオン様なら魔王様が納得するんだ?」

「まぁ、それなりの理由がある。俺は、この国の王弟だ。まぁ3番目だけどな」

「王弟って、お兄ちゃんが王様?」

「そうそう、俺は、スペアにもならないから自由気ままに冒険者してるって訳」

「そうなんだ。びっくり。へぇー、王様の弟」

 そっか、ここ王国だしな。確かに王様いるわな。

「魔王は、お忍びでこの国にやって来ているからな。本来なら通達が必要なんだ。でも、ここにしか来ないから目をつぶっている。だから、そういうのとか合わせて考えると俺が一番だと売り込んだ」

 そりゃあ、そうだよな。まぁ、なんか納得。レオン様ならこの国の王弟だから仕方ないってなるかぁ。

「レオン様が王弟ってみんな知っているの?」

「知らないさ。冒険者になってから王弟って素性を明かしたのは初めてだ。みんなは知らない明かしたのはここのオーナー達だけだ」

「ラーラちゃんは?」

「知らないはずだ。ライオン獣人は、案外いるんだよ」

「そうなんだ、でも今回のことでバレるかもね」

「まぁ仕方ない。で、そろそろお話は終わりとしようぜ」
「大丈夫。優しくする、まぁ、俺は大事な獲物は少し虐めちゃうけどな。いっぱい可愛がるから。痛くはしない」

 うっ、そうですよね。そのためにここにいるんですよね。その目がもう俺を獲物として捕らえている。なんかエロいし。

「あっ、うん。お願いします。レオン様になら食べられても良いってなんか思います」

 捕食者と被食者だ。怖いのに怖くないように快楽を感じるように脳内麻薬が出ている感じ。

「あぁ、可愛いなぁ。そういうところ初めからそそっていた。さぁ、楽しもう」
しおりを挟む
感想 18

あなたにおすすめの小説

異世界にやってきたら氷の宰相様が毎日お手製の弁当を持たせてくれる

七瀬京
BL
異世界に召喚された大学生ルイは、この世界を救う「巫覡」として、力を失った宝珠を癒やす役目を与えられる。 だが、異界の食べ物を受けつけない身体に苦しみ、倒れてしまう。 そんな彼を救ったのは、“氷の宰相”と呼ばれる美貌の男・ルースア。 唯一ルイが食べられるのは、彼の手で作られた料理だけ――。 優しさに触れるたび、ルイの胸に芽生える感情は“感謝”か、それとも“恋”か。 穏やかな日々の中で、ふたりの距離は静かに溶け合っていく。 ――心と身体を癒やす、年の差主従ファンタジーBL。

竜の生贄になった僕だけど、甘やかされて幸せすぎっ!【完結】

ぬこまる
BL
竜の獣人はスパダリの超絶イケメン!主人公は女の子と間違うほどの美少年。この物語は勘違いから始まるBLです。2人の視点が交互に読めてハラハラドキドキ!面白いと思います。ぜひご覧くださいませ。感想お待ちしております。

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件

表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。 病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。 この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。 しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。 ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。 強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。 これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。 甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。 本編完結しました。 続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

小っちゃくたって猛禽類!〜消えてしまえと言われたので家を出ます。父上母上兄上それから婚約者様ごめんなさい〜

れると
BL
【第3部完結!】 第4部誠意執筆中。平日なるべく毎日更新を目標にしてますが、戦闘シーンとか魔物シーンとかかなり四苦八苦してますのでぶっちゃけ不定期更新です!いつも読みに来てくださってありがとうございます!いいね、エール励みになります! ↓↓あらすじ(?) 僕はツミという種族の立派な猛禽類だ!世界一小さくたって猛禽類なんだ! 僕にあの婚約者は勿体ないって?消えてしまえだって?いいよ、消えてあげる。だって僕の夢は冒険者なんだから! 家には兄上が居るから跡継ぎは問題ないし、母様のお腹の中には双子の赤ちゃんだって居るんだ。僕が居なくなっても問題無いはず、きっと大丈夫。 1人でだって立派に冒険者やってみせる! 父上、母上、兄上、これから産まれてくる弟達、それから婚約者様。勝手に居なくなる僕をお許し下さい。僕は家に帰るつもりはございません。 立派な冒険者になってみせます! 第1部 完結!兄や婚約者から見たエイル 第2部エイルが冒険者になるまで① 第3部エイルが冒険者になるまで② 第4部エイル、旅をする! 第5部隠れタイトル パンイチで戦う元子爵令息(までいけるかな?) ・ ・ ・ の予定です。 不定期更新になります、すみません。 家庭の都合上で土日祝日は更新できません。 ※BLシーンは物語の大分後です。タイトル後に※を付ける予定です。

魔王の息子を育てることになった俺の話

お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。 「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」 現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません? 魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。 BL大賞エントリー中です。

異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました

ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載

処理中です...