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2  運命の相手

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 俺は、ディラン・バードナー、25歳 伯爵家次男 黒騎士団所属の騎士だ。身長192cm 黒髪 青い瞳 筋肉質の体型で、はっきり言ってモテない。女性には、化け物と思われ、同姓にも怪物と怖がられる。
 そんな俺のもとに、白髪の端正な顔の小さな可愛いらし男の子がやって来た。いや、訂正しよう、俺の家の前に倒れていたのだ。
 腹に刺し傷があり、顔面蒼白だった。そして、とても痩せていた。何が起こったのか聞きたいが命が危ない。意識もない。とりあえず、家に運んだ。

「ディラン様、そのものは?その方は?」

「家の前に倒れていた。怪我をしているようだから、客室の準備と医者を呼んでくれ、スコット」

「…了解いたしました。」



「傷はどうだ?」

「傷は塞がっていますが、血が足りませんね。あと、栄養状態も良くないですね。」

「いつ目が覚める?」

「それは、分かりません。栄養状態が悪く、たぶん回復するのが精一杯でいつとは言えません。」

「そうか。診察ありがとう。」

「いえいえ、それにしてもどこから拐ってきたんですか?」

「ば ばかかお前、家の前に倒れていたんだ。」

「ばかとは失礼な。お前の相手を出来るのは、俺ぐらいだろうが。」

「悪かった。でも、本当だ」

「うそうそ。お前が怖くないって知ってるし。そんなことする奴じゃないことぐらいわかってるよ。でも、一瞬、人形を診てくれと頼まれたかと思ったぞ。」

「アラン、お前なぁ、幼なじみだからって。人形みたいに端正だしかわいいが人だ、生きている。」

「まぁ、また様子見に来るわ。目が覚めたら、直ぐに呼んで。」

「ありがとう。また頼む。」


 あれから3日が過ぎた。だが、まだ目を覚まさない。端正な顔に触れ、手を握る。目を覚まして欲しいが怯えられたらと思うと辛くて、まだ目覚めないで欲しいとも思ってしまう。
 この小さな手や小さな顔のかわいい鼻に口。少しずつ顔色が戻り、唇がピンク色になりさらに可愛さが増す。瞳の色は、何色だろう。どんな声なんだろうと、この少年に恋をしてしまっていた。

 1ヶ月が経ったが、まだ目を覚まさない。あいつが言うには、もしかしたら、起きたくない何かがあって、目を覚まさないようにしているのかもと。もしかしたら、そうかもしれない。それなら、この少年のずっと側でいられると思った。

 3ヵ月が過ぎると、もう目を覚まさないと思い、毎日、日々のことなど話したり、手を握ったり、キスを頬にしていた。
 そんな俺の様子を不気味に思ったのか心配したのか、両親と兄妹がやって来た。
 
「ディラン、大丈夫?私たちは、貴方がとても好きよ?」

「そうだぞ、そんな人形相手になんて」

「そうよ、私は大きいディラン兄様が好きよ、そういう人だって現れるから。」

 何を言っているのだ。この少年は、人形ではないし、俺は、ビスクドール愛好家ではない。

「ちょっと待ってくれ、この少年は、生きている」

「もう、そんな嘘は、いいから」

「こんな端正な人間がいるはずないだろう」

「そうよ、ディラン。良く見て、ほら人形よ。」

「父上たちこそ良く見て下さい。」

 少年の顔を全員でじっと見ていると。
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