20 / 52
20 ギャップに弱いんだよ
しおりを挟む
ブーブー コンコン
「ゼロ、いるよね。開けてよ。昨日会えて話出来て嬉しかった。また話したい。今日は、お肉買ったんだ、良かったら一緒に食べないか?まだ、温かいんだ。」
はぁ、もうなんで諦めてくれないんだよ。お肉の美味しそうな匂いするし。あーくそ。
ガチャ ギー
「入れよ、肉食べたら帰ってよ。」
「ゼロ、いいの、入って?」
「嫌なら肉だけよこせ。」
「入ります。入ります。」
「どうぞ、何もないし狭いぞ。」
「そんなことない。あーゼロの匂いだ。」
「キモいこと言うと追い出すからな。」
「すまない。」
肉の匂いつられ開けてしまった。断じて、ディランさんと話したい訳じゃない。違うぞ。
「そこに座れば。」
「ありがとう。」
「俺を見るんじゃなくて、肉出せよ。」
「はい。」
「旨そうだな。」
「そうだろ、これ限定15食で並んで買った。」
「えっ並んだのか?」
「うん。ゼロと食べたくて」
デカイ体でハスキー犬みたいな顔が不安そうにする。そんな表情をされるとつい抱きしめたくなる。俺、こういうのに弱いんだよな。いかんいかん。
「そう。」
「どう?美味しい?」
頼むからそんな顔で言うなよ。ギャップに弱いんだから。強そうなやつが弱っている感じとか不安な感じが。前の押せ押せの方がまだ楽だわ、この感じは母性本能をくすぐる。女じゃないけど、施設で年下の子とか見てたから母性?父性?強いと思うわ。
「美味しいよ。」
「良かった。また、買ってくる。」
あーまた。その不安そうな顔からの笑顔。かわいい。デカイ男が満面の笑顔、好みなんだよな。やっぱり好きだな。でも無理なんだ。
「もういいから。」
「そんなこと言わないでくれ。」
「さぁ、食べ終わったから帰って。」
「えっもう少しだけ?ダメか?」
犬耳が見える。犬耳しょげるのが見える。ナイナイ。犬耳ないぞ。危ない。ほんとに困る。キュンキュンする。好きだなあ。言ってしまいそう。
「ダメ。」
「わかった。今日は、帰る。またな、ゼロ。」
「はいはい。じゃあ、さようなら。」
「またね。」
「わかったから。閉めるから。」
バタン ガチャ
「ゼロ今日も好きだよ」
あーもー。ほんとに勘弁して欲しい。あーあーあー、何でドア開けたんだろ。開けたらだめだろ。
ウッ ウッ グズ グズ ズビ ズビ ウッウッ。泣くな。上を見ろ。胸痛い。つらいよ。こんな気持ちなんか知らない。こんなに胸が痛いなんて。
俺なんかを好きなんて、バカじゃないのか。どうしたらいいんだよ。好きなんて言えない。言えるはずないのに。俺なんかが言っていいはずない。生まれも体も汚い。ディランさんが眩しくて、つらいよ。
俺が普通の人だったらな。言えたのに。好きって言えたのにな。
「ゼロ、いるよね。開けてよ。昨日会えて話出来て嬉しかった。また話したい。今日は、お肉買ったんだ、良かったら一緒に食べないか?まだ、温かいんだ。」
はぁ、もうなんで諦めてくれないんだよ。お肉の美味しそうな匂いするし。あーくそ。
ガチャ ギー
「入れよ、肉食べたら帰ってよ。」
「ゼロ、いいの、入って?」
「嫌なら肉だけよこせ。」
「入ります。入ります。」
「どうぞ、何もないし狭いぞ。」
「そんなことない。あーゼロの匂いだ。」
「キモいこと言うと追い出すからな。」
「すまない。」
肉の匂いつられ開けてしまった。断じて、ディランさんと話したい訳じゃない。違うぞ。
「そこに座れば。」
「ありがとう。」
「俺を見るんじゃなくて、肉出せよ。」
「はい。」
「旨そうだな。」
「そうだろ、これ限定15食で並んで買った。」
「えっ並んだのか?」
「うん。ゼロと食べたくて」
デカイ体でハスキー犬みたいな顔が不安そうにする。そんな表情をされるとつい抱きしめたくなる。俺、こういうのに弱いんだよな。いかんいかん。
「そう。」
「どう?美味しい?」
頼むからそんな顔で言うなよ。ギャップに弱いんだから。強そうなやつが弱っている感じとか不安な感じが。前の押せ押せの方がまだ楽だわ、この感じは母性本能をくすぐる。女じゃないけど、施設で年下の子とか見てたから母性?父性?強いと思うわ。
「美味しいよ。」
「良かった。また、買ってくる。」
あーまた。その不安そうな顔からの笑顔。かわいい。デカイ男が満面の笑顔、好みなんだよな。やっぱり好きだな。でも無理なんだ。
「もういいから。」
「そんなこと言わないでくれ。」
「さぁ、食べ終わったから帰って。」
「えっもう少しだけ?ダメか?」
犬耳が見える。犬耳しょげるのが見える。ナイナイ。犬耳ないぞ。危ない。ほんとに困る。キュンキュンする。好きだなあ。言ってしまいそう。
「ダメ。」
「わかった。今日は、帰る。またな、ゼロ。」
「はいはい。じゃあ、さようなら。」
「またね。」
「わかったから。閉めるから。」
バタン ガチャ
「ゼロ今日も好きだよ」
あーもー。ほんとに勘弁して欲しい。あーあーあー、何でドア開けたんだろ。開けたらだめだろ。
ウッ ウッ グズ グズ ズビ ズビ ウッウッ。泣くな。上を見ろ。胸痛い。つらいよ。こんな気持ちなんか知らない。こんなに胸が痛いなんて。
俺なんかを好きなんて、バカじゃないのか。どうしたらいいんだよ。好きなんて言えない。言えるはずないのに。俺なんかが言っていいはずない。生まれも体も汚い。ディランさんが眩しくて、つらいよ。
俺が普通の人だったらな。言えたのに。好きって言えたのにな。
11
あなたにおすすめの小説
2度目の異世界移転。あの時の少年がいい歳になっていて殺気立って睨んでくるんだけど。
ありま氷炎
BL
高校一年の時、道路陥没の事故に巻き込まれ、三日間記憶がない。
異世界転移した記憶はあるんだけど、夢だと思っていた。
二年後、どうやら異世界転移してしまったらしい。
しかもこれは二度目で、あれは夢ではなかったようだった。
再会した少年はすっかりいい歳になっていて、殺気立って睨んでくるんだけど。
【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件
白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。
最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。
いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。
異世界にやってきたら氷の宰相様が毎日お手製の弁当を持たせてくれる
七瀬京
BL
異世界に召喚された大学生ルイは、この世界を救う「巫覡」として、力を失った宝珠を癒やす役目を与えられる。
だが、異界の食べ物を受けつけない身体に苦しみ、倒れてしまう。
そんな彼を救ったのは、“氷の宰相”と呼ばれる美貌の男・ルースア。
唯一ルイが食べられるのは、彼の手で作られた料理だけ――。
優しさに触れるたび、ルイの胸に芽生える感情は“感謝”か、それとも“恋”か。
穏やかな日々の中で、ふたりの距離は静かに溶け合っていく。
――心と身体を癒やす、年の差主従ファンタジーBL。
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!人肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
ざこてん〜初期雑魚モンスターに転生した俺は、勇者にテイムしてもらう〜
キノア9g
BL
「俺の血を啜るとは……それほど俺を愛しているのか?」
(いえ、ただの生存戦略です!!)
【元社畜の雑魚モンスター(うさぎ)】×【勘違い独占欲勇者】
生き残るために媚びを売ったら、最強の勇者に溺愛されました。
ブラック企業で過労死した俺が転生したのは、RPGの最弱モンスター『ダーク・ラビット(黒うさぎ)』だった。
のんびり草を食んでいたある日、目の前に現れたのはゲーム最強の勇者・アレクセイ。
「経験値」として狩られる!と焦った俺は、生き残るために咄嗟の機転で彼と『従魔契約』を結ぶことに成功する。
「殺さないでくれ!」という一心で、傷口を舐めて契約しただけなのに……。
「魔物の分際で、俺にこれほど情熱的な求愛をするとは」
なぜか勇者様、俺のことを「自分に惚れ込んでいる健気な相棒」だと盛大に勘違い!?
勘違いされたまま、勇者の膝の上で可愛がられる日々。
捨てられないために必死で「有能なペット」を演じていたら、勇者の魔力を受けすぎて、なんと人間の姿に進化してしまい――!?
「もう使い魔の枠には収まらない。俺のすべてはお前のものだ」
ま、待ってください勇者様、愛が重すぎます!
元社畜の生存本能が生んだ、すれ違いと溺愛の異世界BLファンタジー!
魔王に転生したら幼馴染が勇者になって僕を倒しに来ました。
なつか
BL
ある日、目を開けると魔王になっていた。
この世界の魔王は必ずいつか勇者に倒されるらしい。でも、争いごとは嫌いだし、平和に暮らしたい!
そう思って魔界作りをがんばっていたのに、突然やってきた勇者にあっさりと敗北。
死ぬ直前に過去を思い出して、勇者が大好きだった幼馴染だったことに気が付いたけど、もうどうしようもない。
次、生まれ変わるとしたらもう魔王は嫌だな、と思いながら再び目を覚ますと、なぜかベッドにつながれていた――。
6話完結の短編です。前半は受けの魔王視点。後半は攻めの勇者視点。
性描写は最終話のみに入ります。
※注意
・攻めは過去に女性と関係を持っていますが、詳細な描写はありません。
・多少の流血表現があるため、「残酷な描写あり」タグを保険としてつけています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる