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Chapter.63
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会食も終わり、壁面にかけていた上着を各々が着ているとき
「つぐみのさん」後藤がソッと近付き、呼びかけた。
「はい」
「紫輝くん、マジでつぐみのさんのこと大事に想ってるんで、俺が言うのもおかしいかもですけど、あいつのこと、よろしくお願いします」
「はい。私も大事にします」
後藤は鹿乃江の答えを聞いて、ホッとしたように微笑む。
「前原さん、愛されてるんですね」
その反応を見た鹿乃江が思わず言って、後藤の表情に気付き口をつぐむ。
「そうなんですよ、愛されてるんです、紫輝くん」だから、と後藤はニヤリと笑い「男女関係なくライバル多いんで、取られないようにしてください」冗談めかして言った。
「はい。がんばります」
笑いながら答える鹿乃江と一緒に後藤も笑う。
「あー、ちょっとなになにー。仲良しじゃなーい? いいなー」
鹿乃江と後藤の間に、右嶋が割って入る。
「シキくん、カノジョとられちゃうかもよ?」
「えっ! だめだめ! オレのっ」
反対側の壁際にいた紫輝が、大股で近付いて鹿乃江を引き寄せた。唐突に位置を移動させられて、鹿乃江がキョトンとした顔になる。すぐ近くにヤキモチを妬いた紫輝の顔。思わず後藤を見ると、やはり後藤も同じようにキョトンとした顔をしている。
「信用なーい。ねっ」
左々木の言葉に、後藤と鹿乃江は顔を見合わせて、少し残念そうな顔を見せて肩をすくめた。
「えっ、違う違う! してる! 信用! 信用してます!」紫輝は後藤と鹿乃江を交互に見て、慌てて弁明する。表情がかなり必死だ。
「こういうとこっす」後藤が言った。
「わかります」
その言葉に真顔で即答した鹿乃江と、後藤が一緒に頷き合って、そして笑う。
「なんすか? えっ? なに?」突然の意気投合に紫輝が声を裏返らせて鹿乃江と後藤を見比べる。
「なんでもないよ。ねぇ」
「はい。なんでもないですよ?」
どう言えば適切なのかと言葉を探す紫輝の横で、右嶋が後藤と鹿乃江を交互に見て口を開いた。
「なんか、ごっちとつぐみのさんって、似てるよね」
「えっ」
「そうですか?」
後藤と鹿乃江が意外そうな顔を見せるが
「あー、雰囲気ね。わかる」
左々木が右嶋に同意して、後藤と鹿乃江を遠巻きに見る。
「一緒にいて落ち着く感じとか、ちょっと離れて優しく見守る感じとか」
「ね」
「うん」
「え、ちょっとやめてよ。二人とも俺のことそんな風に見てたの?」
引き気味に問う後藤に、
「うん」
左々木、右嶋に加え、紫輝まで同調した。
「わぁー、やだぁー、やめてぇー?」
後藤は自分で自分の体を抱いて、両の腕をさする。
「帰ろー。もう帰ろー」
そのままの体勢で小さく首を横に振りながら出口へ移動した。
後藤に続いてフォクの三人が出口へ向かう。その少しあとから鹿乃江。
人がいないのを確認して、ホールで一緒にエレベーターの到着を待つ。仕事の話はせず日常会話を楽しんでいるフォクは、普通の親友同士のようだ。
「つぐみのさん」後藤がソッと近付き、呼びかけた。
「はい」
「紫輝くん、マジでつぐみのさんのこと大事に想ってるんで、俺が言うのもおかしいかもですけど、あいつのこと、よろしくお願いします」
「はい。私も大事にします」
後藤は鹿乃江の答えを聞いて、ホッとしたように微笑む。
「前原さん、愛されてるんですね」
その反応を見た鹿乃江が思わず言って、後藤の表情に気付き口をつぐむ。
「そうなんですよ、愛されてるんです、紫輝くん」だから、と後藤はニヤリと笑い「男女関係なくライバル多いんで、取られないようにしてください」冗談めかして言った。
「はい。がんばります」
笑いながら答える鹿乃江と一緒に後藤も笑う。
「あー、ちょっとなになにー。仲良しじゃなーい? いいなー」
鹿乃江と後藤の間に、右嶋が割って入る。
「シキくん、カノジョとられちゃうかもよ?」
「えっ! だめだめ! オレのっ」
反対側の壁際にいた紫輝が、大股で近付いて鹿乃江を引き寄せた。唐突に位置を移動させられて、鹿乃江がキョトンとした顔になる。すぐ近くにヤキモチを妬いた紫輝の顔。思わず後藤を見ると、やはり後藤も同じようにキョトンとした顔をしている。
「信用なーい。ねっ」
左々木の言葉に、後藤と鹿乃江は顔を見合わせて、少し残念そうな顔を見せて肩をすくめた。
「えっ、違う違う! してる! 信用! 信用してます!」紫輝は後藤と鹿乃江を交互に見て、慌てて弁明する。表情がかなり必死だ。
「こういうとこっす」後藤が言った。
「わかります」
その言葉に真顔で即答した鹿乃江と、後藤が一緒に頷き合って、そして笑う。
「なんすか? えっ? なに?」突然の意気投合に紫輝が声を裏返らせて鹿乃江と後藤を見比べる。
「なんでもないよ。ねぇ」
「はい。なんでもないですよ?」
どう言えば適切なのかと言葉を探す紫輝の横で、右嶋が後藤と鹿乃江を交互に見て口を開いた。
「なんか、ごっちとつぐみのさんって、似てるよね」
「えっ」
「そうですか?」
後藤と鹿乃江が意外そうな顔を見せるが
「あー、雰囲気ね。わかる」
左々木が右嶋に同意して、後藤と鹿乃江を遠巻きに見る。
「一緒にいて落ち着く感じとか、ちょっと離れて優しく見守る感じとか」
「ね」
「うん」
「え、ちょっとやめてよ。二人とも俺のことそんな風に見てたの?」
引き気味に問う後藤に、
「うん」
左々木、右嶋に加え、紫輝まで同調した。
「わぁー、やだぁー、やめてぇー?」
後藤は自分で自分の体を抱いて、両の腕をさする。
「帰ろー。もう帰ろー」
そのままの体勢で小さく首を横に振りながら出口へ移動した。
後藤に続いてフォクの三人が出口へ向かう。その少しあとから鹿乃江。
人がいないのを確認して、ホールで一緒にエレベーターの到着を待つ。仕事の話はせず日常会話を楽しんでいるフォクは、普通の親友同士のようだ。
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