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新しい仕事と生活。
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--え?
今、なんて言った?
「なるほど。わかりました」
と、そう言っていたような……。
でも、わかりましたって。
「カルダさん?」
先がまだあるのかしら?
わかりました。--旦那様には私から報告させて頂きます。クビです。とか?
わかりました。--あなたの勤務態度の酷さがよおく。とか?
うん、きっとそうだわ。
だっていくらなんでもこんなにアッサリ--。
「ですが案内役が必要でしょう。すぐに準備しますので、少しお待ちください」
「はい?」
あっ、何だか今わたしすごく間抜けな声を上げてしまったような。
「休みについては旦那様が戻られてから相談させて頂きます」
それでは、と無表情で踵を返して去っていくカルダさん。
わたしはといえばいったい何がどうなったのか頭が働かないままそれを見送っている。
「……ねえ、ミラさん?」
わたしはドアの外でカルダさんの背に頭を下げるミラさんに呆然とした声をかけた。
「はい」
振り向いたミラさんと目が合って、二人してパチパチと瞬きした。
「案内役がどうとかって、言ってたわよね?」
「……言ってましたねぇ」
「つまり、わたし、街に出ていいってことよね?」
「そうなりますね」
わたしは自分の頬を軽くつねってみた。
「……痛い」
「何をなさってるんですか。そりゃ痛いですよ」
赤くなっちゃいますよ、とミラさんに呆れ顔をされた。
「だってあんなにアッサリ認められると思ってなかったもの」
ゴネてゴネて無理やりでも認めさせる気ではあったけれど。
「正直、私もそう思ってました」
ピクピク、犬耳を動かしながらミラさんが言って、苦笑する。
「この街の治安は悪いということはないですけど、良いというわけでもないですからねえ」
「そうなの?」
そういえば、わたしこの街のこと全然知らないんだったわ。
「うぅん、国境に近いですからねぇ。人間にはあまりよろしくないかと」
そう言ってミラさんはわたしに教えてくれる。
2つ南北に並ぶ獣人の国。
そのうち南のルグランディリアはわりと人間より、というか親人国家。
東の大陸にある人間の国家ともそれなりの関係を持っているし、この先はより貿易などの取引も活発化する予定なのだそう。
だが逆に、北のガルド王国は反人国家とでもいう国らしい。
「人間が呑気に街を歩いていたりしたら、すぐに拐かされて奴隷みたいな扱いをされるそうですよ?まあ、最近は少しは改善されているみたいですけど。確か前と今の王様が大の人間嫌いだったらしいです」
「今の王様でしょう?なのにだったって過去型?」
「王太子が穏健派って感じみたいです。今の王様が数年前から病がちですでに王太子が国政を担ってるみたいで」
「へえ」
人間の国でも国が違えば違ってくるのは当然か。
国王によって政策が変わるのも珍しいことではないから、わからないではない。
人間の国同士だって、戦争することもあるのだから。
「ここはルグランディリアの街ですけど、ガルドの商人なんかも出入りしています。充分に気を付けて、絶対にカルダ様から離れないようにして下さいね」
「はい。--って、カルダさん?」
どうしてカルダさん?
え?まさか。
「もしかして案内役って、カルダさんなの?」
「あの言い方だと、たぶんそうだと思いますよ?」
わたしたちはお互いに首を傾げた。
「護衛という点ではカルダ様が一番でしょうし」
--元騎士様ですしね。
そう言うミラさんを見返したわたしの顔には、きっと誰にでもわかるくらい大きく「ショック」だとか「いや」と書かれたも同然な表情がありありと浮かんでいたと思う。
今、なんて言った?
「なるほど。わかりました」
と、そう言っていたような……。
でも、わかりましたって。
「カルダさん?」
先がまだあるのかしら?
わかりました。--旦那様には私から報告させて頂きます。クビです。とか?
わかりました。--あなたの勤務態度の酷さがよおく。とか?
うん、きっとそうだわ。
だっていくらなんでもこんなにアッサリ--。
「ですが案内役が必要でしょう。すぐに準備しますので、少しお待ちください」
「はい?」
あっ、何だか今わたしすごく間抜けな声を上げてしまったような。
「休みについては旦那様が戻られてから相談させて頂きます」
それでは、と無表情で踵を返して去っていくカルダさん。
わたしはといえばいったい何がどうなったのか頭が働かないままそれを見送っている。
「……ねえ、ミラさん?」
わたしはドアの外でカルダさんの背に頭を下げるミラさんに呆然とした声をかけた。
「はい」
振り向いたミラさんと目が合って、二人してパチパチと瞬きした。
「案内役がどうとかって、言ってたわよね?」
「……言ってましたねぇ」
「つまり、わたし、街に出ていいってことよね?」
「そうなりますね」
わたしは自分の頬を軽くつねってみた。
「……痛い」
「何をなさってるんですか。そりゃ痛いですよ」
赤くなっちゃいますよ、とミラさんに呆れ顔をされた。
「だってあんなにアッサリ認められると思ってなかったもの」
ゴネてゴネて無理やりでも認めさせる気ではあったけれど。
「正直、私もそう思ってました」
ピクピク、犬耳を動かしながらミラさんが言って、苦笑する。
「この街の治安は悪いということはないですけど、良いというわけでもないですからねえ」
「そうなの?」
そういえば、わたしこの街のこと全然知らないんだったわ。
「うぅん、国境に近いですからねぇ。人間にはあまりよろしくないかと」
そう言ってミラさんはわたしに教えてくれる。
2つ南北に並ぶ獣人の国。
そのうち南のルグランディリアはわりと人間より、というか親人国家。
東の大陸にある人間の国家ともそれなりの関係を持っているし、この先はより貿易などの取引も活発化する予定なのだそう。
だが逆に、北のガルド王国は反人国家とでもいう国らしい。
「人間が呑気に街を歩いていたりしたら、すぐに拐かされて奴隷みたいな扱いをされるそうですよ?まあ、最近は少しは改善されているみたいですけど。確か前と今の王様が大の人間嫌いだったらしいです」
「今の王様でしょう?なのにだったって過去型?」
「王太子が穏健派って感じみたいです。今の王様が数年前から病がちですでに王太子が国政を担ってるみたいで」
「へえ」
人間の国でも国が違えば違ってくるのは当然か。
国王によって政策が変わるのも珍しいことではないから、わからないではない。
人間の国同士だって、戦争することもあるのだから。
「ここはルグランディリアの街ですけど、ガルドの商人なんかも出入りしています。充分に気を付けて、絶対にカルダ様から離れないようにして下さいね」
「はい。--って、カルダさん?」
どうしてカルダさん?
え?まさか。
「もしかして案内役って、カルダさんなの?」
「あの言い方だと、たぶんそうだと思いますよ?」
わたしたちはお互いに首を傾げた。
「護衛という点ではカルダ様が一番でしょうし」
--元騎士様ですしね。
そう言うミラさんを見返したわたしの顔には、きっと誰にでもわかるくらい大きく「ショック」だとか「いや」と書かれたも同然な表情がありありと浮かんでいたと思う。
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