巻き込まれた村人はガチャで無双する?

黒田悠月

文字の大きさ
11 / 87

11

しおりを挟む
 宿に戻り本日の成果を確認する。

 討伐した魔物
 スライム×8
 ゴブリン×3
 おおネズミ×1

 採取した薬草類
 カシャの葉(安価なポーションの材料になる)品質低
 ミミズキの芽(目薬の材料になる)品質普通
 コボトボの葉(ポーションの材料になる)品質普通
 カララギの葉(マジックポーションの材料になる)品質普通

 鑑定したいと思ながら地面に生えた草花を見るとその草花の名前が上記のような解説つきで視界の隅に浮かぶ。
 色んな草が群生しているような場所なら一度にいくつもの名前や解説が浮かぶのでちょっと鬱陶しいかと思うと、ステータスウィンドウで視覚から触覚に切り替えができた。
 つまり手で触れてステータスが浮かぶようにすることもできる。 
 ギルドに冒険者登録していれば魔物も討伐部位を切り取ることで報酬を受け取ることができるらしいが、この国で登録はしないので今のところは持ち帰っていない。

 薬草類を一握りずつ種類別に仕分けると、鞄の中にしまった。
 全部で20束。
 鞄がぎゅうぎゅうずめになったが、アイテムボックスは珍しく目立つので人前では使わないことにしているので致し方ない。

 レベルも上がり、2になった。
 ・・・先は長い。


 翌日はギルドに向かうことにする。
 昨日集めた薬草を引き取ってもらうのだ。
 ちなみに直接道具屋に持っていくと相場を知らない素人は大抵買い叩かれる。

「薬草の引き取りですね。冒険者登録していない場合手数料に買取値の1割を頂きますがよろしいですか?」

 ギルドの受付は残念ながらエルフや獣耳のお姉さんではなく、妙齢のお姉さんだ。
 熟女ともいう。

 買取値は手数料を引いて金貨一枚。
 カララギの葉が結構高く売れた。
 お姉さんからは「カララギの葉はとても見分けるのが難しいはずなのに」てびっくりされた。
 確かにそばにはよく似た雑草が多く生えていて、見た目では見分けはつかなかったとカティは思う。

『鑑定スキル、使えるな』

 佑樹の言葉に小さく頷いて、ギルドを後にした。
 カティとしては本当はその場で護衛の依頼を出したかったのだが、護衛と口に出しかける度に頭の中で大音響の歌声が響き渡るもので(しかもわざとらしいダミ声で音の外れた)断念した。

 さて、引き取りが終わればまた修行である。


 夕方過ぎまで魔物を討伐して、宿に戻る。
 昨日よりも少し町から離れたからか、ゴブリンによく出会った。
 ゴブリンは一体につき2ポイントが貯まる。
 昨日と合わせてポイントが22貯まった。
 これでノーマルガチャが2回回せるわけだ。

『じゃ、回してみるか』
(ああ)

 ボロいベットに座り、ステータスウィンドウを開く。
 カティは妙に緊張して、ゴクリと咽を鳴らした。

「いくぞ」

 ガチャスキルをタッチし、ウィンドウに現れたノーマルガチャというパネルをタッチする。
 すると2つ並んで1回まわす・2回連続でまわす、というパネルが現れる。

『まんまゲームのガチャ画面だな』

 確かに、佑樹の記憶の中で見たゲーム画面そのものだ。

(連続でいいかな?)

 任せるというので、2回連続でまわすをタッチした。

 すると、床に小さな青い魔方陣が現れ、見ているとくるくると周り始めた。
 そしてまず出てきたのは白い1メートル程の長さの縄。
 なんてことはない、ただの縄である。

(・・・縄?)
『縄だな』

 取り敢えず縄を手に取ると、また魔方陣がくるくると周り出す。
 が、今度はパチパチと青い火花が散って中心部だけが赤く光り出した。

『お、今度は様子が違うぞ』
『(・・・・・・ん?)』

 カティは魔方陣を覗き込み、目を見張った。
 頭の中の佑樹も小さく声を上げている。

『(・・・これって!)』

 見覚えのある、だがこの世界にはあるはずのないあるモノが、魔方陣の中で宙に浮かんでいる。
 それは魔方陣が消えるとパタッと音を立てて床に落ちた。

 恐る恐る手を出して持ち上げてみる。
 軽い。
 佑樹の記憶の中で幾度となく手にしたそれ。
 この世界に存在するものとは段違いの製本技術で閉じられた紙の束。ツルリとしたカティからすれば現実では初体験の感触。
 色鮮やかな表紙。

『うおおおお!ワン〇ースじゃん!しかも新刊!』

 頭の中で佑樹が歓声を上げる。

(マジ?)

 魔方陣から現れたモノ。
 それはマンガだった。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】 【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】 ~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~  ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。  学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。  何か実力を隠す特別な理由があるのか。  いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。  そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。  貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。  オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。    世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな! ※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

薬師だからってポイ捨てされました~異世界の薬師なめんなよ。神様の弟子は無双する~

黄色いひよこ
ファンタジー
薬師のロベルト・シルベスタは偉大な師匠(神様)の教えを終えて自領に戻ろうとした所、異世界勇者召喚に巻き込まれて、周りにいた数人の男女と共に、何処とも知れない世界に落とされた。  ─── からの~数年後 ──── 俺が此処に来て幾日が過ぎただろう。  ここは俺が生まれ育った場所とは全く違う、環境が全然違った世界だった。 「ロブ、申し訳無いがお前、明日から来なくていいから。急な事で済まねえが、俺もちっせえパーティーの長だ。より良きパーティーの運営の為、泣く泣くお前を切らなきゃならなくなった。ただ、俺も薄情な奴じゃねぇつもりだ。今日までの給料に、迷惑料としてちと上乗せして払っておくから、穏便に頼む。断れば上乗せは無しでクビにする」  そう言われて俺に何が言えよう、これで何回目か? まぁ、薬師の扱いなどこんなものかもな。  この世界の薬師は、ただポーションを造るだけの職業。  多岐に亘った薬を作るが、僧侶とは違い瞬時に体を癒す事は出来ない。  普通は……。 異世界勇者巻き込まれ召喚から数年、ロベルトはこの異世界で逞しく生きていた。 勇者?そんな物ロベルトには関係無い。 魔王が居ようが居まいが、世界は変わらず巡っている。 とんでもなく普通じゃないお師匠様に薬師の業を仕込まれた弟子ロベルトの、危難、災難、巻き込まれ痛快世直し異世界道中。 はてさて一体どうなるの? と、言う話。ここに開幕! ● ロベルトの独り言の多い作品です。ご了承お願いします。 ● 世界観はひよこの想像力全開の世界です。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

処理中です...