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「あたしをあなたたちのパーティーに入れて欲しいの」
「・・・・・・は?」
少女の言にカティは完全に固まってしまった。
いくらなんでも少女のセリフはカティの想像のはるか斜め上を行っていた。
殆ど初対面に等しいということもあるが、そもそもA級冒険者がカティのような成り立て冒険者のパーティーに入りたがるなんて聞いたこともないし、まずあり得ない。
まだ逆ならわからないでもないが、それも身の程知らずと言われるだけの行為である。
「あの、なんの冗談ですか?」
「冗談じゃないわよ」
少女ーリリスはプクンと唇を膨らませると、そっぽを向いてみせた。
「このあたしがあなたたちみたいなルーキーのパーティーに入って上げるって言ってんだから喜んではいってさっさと言いなさいよ」
「・・・えー、と」
(断っていいよね?)
『普通に問題ないだろ。むしろ入れた方が絶対面倒だし』
色々隠しておきたいこともあるので、カティたちとしては他の人間とパーティーを組むつもりはもとよりない。
冒険者の中にはクランと呼ばれる複数のパーティーがより集まってできた百人単位のチームもあるらしいが、そちらにも入るつもりはない。
少なくとも今のところ。
「お断りします」
「そうよね。断るわけないって・・・なんですって?」
(こわっ!)
般若の形相になったリリスがカティの胸元をわしづかみにする。
「たかが成り立てのルーキーがA級冒険者を拒むっていうの?」
ギリギリと襟元を圧迫されて、カティは息を詰まらせながらリリスの腕を叩いた。
「ちょっ、落ち着いて・・・」
「ご主人さまから離れて下さいです!」
解放されてほっと息をつくと、フラウの蛇咬剣がリリスの喉元に突き付けられていた。
「フラウも落ち着け。とりあえず大丈夫だから」
放っておけば部屋に少女の遺体が転がることになるので、カティはどうどう、とフラウを宥め、改めてリリスに向き直った。
「そもそもなんでA級のあなたが俺たちなんかのパーティーに入りたがるんですか?どう考えてもおかしいでしょう」
「それは・・・その子のスキルよ」
「フラウ?」
カティはできるだけ動揺が顔に出ないようにと願った。
フラウのスキルというと敏腕モンスタートレーナーだろうか。
確かにテイマーであるリリスとトレーナーのフラウが手を組めばある意味無敵かも知れないが。
問題は何故リリスがそれを知っているのかということである。
「テディを見ればわかるわよ。明らかに格段にレベルが上がってるもの」
「けどそれがフラウに関係あるとは限らないでしょう」
「それは・・・」
『リリスよ。あとはわしが説明しよう』
何処からか割り込んだ声にカティはぎょっと顔を見渡した。
が、部屋の中にはカティたちとリリス以外、他の誰も存在しない。
「ガルーダ」
『すまぬのう異世界の勇者たちよ。リリスは悪い娘ではないのだが、なにぶん言葉足らずというか、他人付き合いが下手というか、妙にプライドが高いというか。悪気はないんじゃよ』
低い声音とともにリリスの背後で空間が黒い渦を巻いた。
アイテムボックスが開くのに少し似たブラックホールのような渦の中から、鳥の足らしきものがにょっきりと生える。
やがて全身を渦から表したのは鷲に似た大きな白い鳥の魔物。
神鳥ガルーダ。
昔語りの存在をカティは頭の隅で思い起こした。
「・・・・・・は?」
少女の言にカティは完全に固まってしまった。
いくらなんでも少女のセリフはカティの想像のはるか斜め上を行っていた。
殆ど初対面に等しいということもあるが、そもそもA級冒険者がカティのような成り立て冒険者のパーティーに入りたがるなんて聞いたこともないし、まずあり得ない。
まだ逆ならわからないでもないが、それも身の程知らずと言われるだけの行為である。
「あの、なんの冗談ですか?」
「冗談じゃないわよ」
少女ーリリスはプクンと唇を膨らませると、そっぽを向いてみせた。
「このあたしがあなたたちみたいなルーキーのパーティーに入って上げるって言ってんだから喜んではいってさっさと言いなさいよ」
「・・・えー、と」
(断っていいよね?)
『普通に問題ないだろ。むしろ入れた方が絶対面倒だし』
色々隠しておきたいこともあるので、カティたちとしては他の人間とパーティーを組むつもりはもとよりない。
冒険者の中にはクランと呼ばれる複数のパーティーがより集まってできた百人単位のチームもあるらしいが、そちらにも入るつもりはない。
少なくとも今のところ。
「お断りします」
「そうよね。断るわけないって・・・なんですって?」
(こわっ!)
般若の形相になったリリスがカティの胸元をわしづかみにする。
「たかが成り立てのルーキーがA級冒険者を拒むっていうの?」
ギリギリと襟元を圧迫されて、カティは息を詰まらせながらリリスの腕を叩いた。
「ちょっ、落ち着いて・・・」
「ご主人さまから離れて下さいです!」
解放されてほっと息をつくと、フラウの蛇咬剣がリリスの喉元に突き付けられていた。
「フラウも落ち着け。とりあえず大丈夫だから」
放っておけば部屋に少女の遺体が転がることになるので、カティはどうどう、とフラウを宥め、改めてリリスに向き直った。
「そもそもなんでA級のあなたが俺たちなんかのパーティーに入りたがるんですか?どう考えてもおかしいでしょう」
「それは・・・その子のスキルよ」
「フラウ?」
カティはできるだけ動揺が顔に出ないようにと願った。
フラウのスキルというと敏腕モンスタートレーナーだろうか。
確かにテイマーであるリリスとトレーナーのフラウが手を組めばある意味無敵かも知れないが。
問題は何故リリスがそれを知っているのかということである。
「テディを見ればわかるわよ。明らかに格段にレベルが上がってるもの」
「けどそれがフラウに関係あるとは限らないでしょう」
「それは・・・」
『リリスよ。あとはわしが説明しよう』
何処からか割り込んだ声にカティはぎょっと顔を見渡した。
が、部屋の中にはカティたちとリリス以外、他の誰も存在しない。
「ガルーダ」
『すまぬのう異世界の勇者たちよ。リリスは悪い娘ではないのだが、なにぶん言葉足らずというか、他人付き合いが下手というか、妙にプライドが高いというか。悪気はないんじゃよ』
低い声音とともにリリスの背後で空間が黒い渦を巻いた。
アイテムボックスが開くのに少し似たブラックホールのような渦の中から、鳥の足らしきものがにょっきりと生える。
やがて全身を渦から表したのは鷲に似た大きな白い鳥の魔物。
神鳥ガルーダ。
昔語りの存在をカティは頭の隅で思い起こした。
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