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「後ろ!」
リリスの声にくるりと身体を半回転させてその勢いのまま右手を横ざまに振り抜く。
白い軌跡を描いた短刀の刃がカティの背後に迫っていたベビーパンサーの喉元を切り裂いた。
柄まで真っ白な刀身は周囲に渦巻く風を纏っていて、刃こぼれはおろか血の一筋も着いていない。
昨夜レアガチャを回した結果手に入れたそれは銘を風切り刀、というらしい。
片刃の白い刀身は短めの日本刀に似ている。
もっとも日本人である佑樹にしても日本刀等テレビの時代劇の中でしか見たことがない。
なので、実際には違いはいくつもあるのかも知れないが。
カティは軽くバックステップしながら周りを囲む魔物たちをファイアで牽制する。
威嚇のうなり声を上げながらじりじりと炎の壁から後ずさるのは、ベビーパンサーと呼ばれる獣型の魔物が残り4頭。
それが取り囲む丁度中心にカティは一人で立っている。
フラウ、リリス、テディといった他の面々は、少し離れて見守っていた。
「ホントにヤバそうだったらちゃんと助けに入るわよ」
そんなリリスの言葉に後押しされ遭遇したベビーパンサーの群れに飛び込んだのだったが、今のところいいペースで戦闘を進めていると思う。
実際、戦闘開始から凡そ5分、7頭いたベビーパンサーは4頭にまで数を減らしている。
それもカティはほぼ無傷なままで。
カティの実力というよりは、佑樹に与えられた魔法や、何よりリリスに買わされた防具とガチャで手に入れた風切り刀のサポートの方が大きいが。
一発目にすれ違い様に入れられた爪による一撃がただぶつかった程度にしかダメージがなかったのが精神的に大きかった。
金貨70枚をはたいて購入したフード付きのマントがいい仕事をしてくれている。非常に軽くて柔らかい布地は動きを阻害せずにベビーパンサーの鋭い爪や牙をやんわりと受けとめ力を流している感じだ。
おかげで必要以上に萎縮することなく、動くことができる。
「・・・しっ!」
カティは正面の一頭に狙いを定め、走り出した。
身体が軽い。
いくつもの防具を着け、マントを羽織っているというのに驚く程重みや締め付け感がない。
さすがに高い買い物だっただけのことはあるのだろう。
「『切り裂け』!」
左側から襲いかかろうとする一頭をカマイタチで撃退し、足や背に細かい傷を負ってしり込みするのを横目に正面の一頭に袈裟懸けに切りつける。
そのまま踏み込んで頭部に傷を負って怯んだ背を真っ直ぐに切り込む。刀を振った遠心力で振り向きざま背後の2頭にファイアで牽制。
「『切り裂け』」
ぐう、と喉を鳴らし伏せた左側の一頭にカマイタチで止めを差した。
(これであと2頭)
忙しく動き回っているために首筋に汗の粒が流れ落ちる。
『いい感じだけど、油断はするなよ』
(わかってる)
頭の中で聞こえてくる佑樹の声に短い返事を返しながら、カティは風切り刀を構え直した。
リリスの声にくるりと身体を半回転させてその勢いのまま右手を横ざまに振り抜く。
白い軌跡を描いた短刀の刃がカティの背後に迫っていたベビーパンサーの喉元を切り裂いた。
柄まで真っ白な刀身は周囲に渦巻く風を纏っていて、刃こぼれはおろか血の一筋も着いていない。
昨夜レアガチャを回した結果手に入れたそれは銘を風切り刀、というらしい。
片刃の白い刀身は短めの日本刀に似ている。
もっとも日本人である佑樹にしても日本刀等テレビの時代劇の中でしか見たことがない。
なので、実際には違いはいくつもあるのかも知れないが。
カティは軽くバックステップしながら周りを囲む魔物たちをファイアで牽制する。
威嚇のうなり声を上げながらじりじりと炎の壁から後ずさるのは、ベビーパンサーと呼ばれる獣型の魔物が残り4頭。
それが取り囲む丁度中心にカティは一人で立っている。
フラウ、リリス、テディといった他の面々は、少し離れて見守っていた。
「ホントにヤバそうだったらちゃんと助けに入るわよ」
そんなリリスの言葉に後押しされ遭遇したベビーパンサーの群れに飛び込んだのだったが、今のところいいペースで戦闘を進めていると思う。
実際、戦闘開始から凡そ5分、7頭いたベビーパンサーは4頭にまで数を減らしている。
それもカティはほぼ無傷なままで。
カティの実力というよりは、佑樹に与えられた魔法や、何よりリリスに買わされた防具とガチャで手に入れた風切り刀のサポートの方が大きいが。
一発目にすれ違い様に入れられた爪による一撃がただぶつかった程度にしかダメージがなかったのが精神的に大きかった。
金貨70枚をはたいて購入したフード付きのマントがいい仕事をしてくれている。非常に軽くて柔らかい布地は動きを阻害せずにベビーパンサーの鋭い爪や牙をやんわりと受けとめ力を流している感じだ。
おかげで必要以上に萎縮することなく、動くことができる。
「・・・しっ!」
カティは正面の一頭に狙いを定め、走り出した。
身体が軽い。
いくつもの防具を着け、マントを羽織っているというのに驚く程重みや締め付け感がない。
さすがに高い買い物だっただけのことはあるのだろう。
「『切り裂け』!」
左側から襲いかかろうとする一頭をカマイタチで撃退し、足や背に細かい傷を負ってしり込みするのを横目に正面の一頭に袈裟懸けに切りつける。
そのまま踏み込んで頭部に傷を負って怯んだ背を真っ直ぐに切り込む。刀を振った遠心力で振り向きざま背後の2頭にファイアで牽制。
「『切り裂け』」
ぐう、と喉を鳴らし伏せた左側の一頭にカマイタチで止めを差した。
(これであと2頭)
忙しく動き回っているために首筋に汗の粒が流れ落ちる。
『いい感じだけど、油断はするなよ』
(わかってる)
頭の中で聞こえてくる佑樹の声に短い返事を返しながら、カティは風切り刀を構え直した。
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