巻き込まれた村人はガチャで無双する?

黒田悠月

文字の大きさ
82 / 87

82

しおりを挟む
 整備された港を離れるに連れてちょこちょこ魔物の姿を見るようになった。

「フォっ」
「邪魔」
「ちょいさっです」

 さくさくと前を歩くテディ、クリス、フラウの三人が狩っていく。
 カティは残された死骸を解体してはアイテムボックスに投げ込んでいく。

 以外だったのはカエルそっくりの魔物で、鑑定して見ると、

『ポイズントードの肉』火を通せば食べられる。激ウマ。

 と出たことだ。

 見た目超グロいのに、激ウマ。
 昼御飯はこれで決まりだろう。
 ウルマの露店で買い込んだ香辛料と片栗粉を使ってから揚げといこうか。

 崖のような岩肌をよじ登って小高い場所に出た。

(だいぶ、港からは離れたかな)
『おう』

「向こうがわりと広く空いてるからご飯にしましょうよ」
「はいですー」
「ごはーん」
「フォ、フォー」
「じゃ作るからとりあえずこれ食べといて」

 カティはアイテムボックスから休憩所の露店で買った串焼きを三つ取り出してそれぞれに渡した。
 串焼きはまだホカホカ温かいままである。
 色々実験をしてわかったのだが、カティのアイテムボックスは時間経過がなく、出来立ての料理を入れたらそのままの状態で出すまで保たれる。
 コップにいれた飲み物等も溢れたり冷えたりすることもないようだ。

 テディにも森で討伐したオーク肉を生で皿に乗せる。

「さて、と」

 まずはさっきのポイズントードを捌いて、と。

 皮を剥いで毒の袋を取り出す。
 ぼこぼこぬるぬるした皮の中から出てきた身は薄いピンク色で鶏肉に近い感じだ。

「醤油が欲しいな」

 醤油とにんにくがあればしばらく浸けて下味をつけるのだが。

「まあないものは仕方ないか」

 ガチャで出ないかなぁ、なんて。
 ガチャレベルを上げていけばその内出るかも知れないが、その時は是非できるだけ容量のあるボトルでお願いしたいものだ。

 塩と胡椒、唐辛子に似た香辛料で揉んでとりあえず下味をつけることにする。

(胡椒と適当な香辛料を片栗粉に混ぜて肉にまぶしてっと)
『おい、油忘れてね?』

「……そうか」

(油を温めとかないと)

 慌てて鍋に油を入れて調理用の魔方陣を準備した。
 ついでに付け合わせ用にアイテムボックスからパンとサチュというトマトに似た実を取り出しておく。
 このサチュの実、見た目はトマトで中身は甘味の薄い桃。
 それを一センチほどにスライスして器に入れる。

 あとはから揚げを揚げて皿に移せば出来上がりだ。

「よし、ご飯に……って皆近い近いっ!」

 いつの間にか間近に囲まれていたカティは圧迫感と皆から発せられる妙な熱気に悲鳴を上げた。

(フラウはまたヨダレ垂れてるし!)

 これだけはなんとか早めに止めさせないと。
 せっかくの美幼女が台無しだ、とカティは心からそう思った。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた

兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

薬師だからってポイ捨てされました~異世界の薬師なめんなよ。神様の弟子は無双する~

黄色いひよこ
ファンタジー
薬師のロベルト・シルベスタは偉大な師匠(神様)の教えを終えて自領に戻ろうとした所、異世界勇者召喚に巻き込まれて、周りにいた数人の男女と共に、何処とも知れない世界に落とされた。  ─── からの~数年後 ──── 俺が此処に来て幾日が過ぎただろう。  ここは俺が生まれ育った場所とは全く違う、環境が全然違った世界だった。 「ロブ、申し訳無いがお前、明日から来なくていいから。急な事で済まねえが、俺もちっせえパーティーの長だ。より良きパーティーの運営の為、泣く泣くお前を切らなきゃならなくなった。ただ、俺も薄情な奴じゃねぇつもりだ。今日までの給料に、迷惑料としてちと上乗せして払っておくから、穏便に頼む。断れば上乗せは無しでクビにする」  そう言われて俺に何が言えよう、これで何回目か? まぁ、薬師の扱いなどこんなものかもな。  この世界の薬師は、ただポーションを造るだけの職業。  多岐に亘った薬を作るが、僧侶とは違い瞬時に体を癒す事は出来ない。  普通は……。 異世界勇者巻き込まれ召喚から数年、ロベルトはこの異世界で逞しく生きていた。 勇者?そんな物ロベルトには関係無い。 魔王が居ようが居まいが、世界は変わらず巡っている。 とんでもなく普通じゃないお師匠様に薬師の業を仕込まれた弟子ロベルトの、危難、災難、巻き込まれ痛快世直し異世界道中。 はてさて一体どうなるの? と、言う話。ここに開幕! ● ロベルトの独り言の多い作品です。ご了承お願いします。 ● 世界観はひよこの想像力全開の世界です。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

処理中です...