「探偵 曾我山入鹿(そがやまいるか)」

『むらさき』

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終章

終わり

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 後日、ある週刊誌が釜堀町長のスキャンダルを大々的に報じた。その記事は、町の性的な解放政策と釜堀町長自身の私生活に焦点を当て、多くの読者の目を引いた。

「釜堀町長の性的趣向と奔放な下半身」

 入鹿と美月はその記事を淡々と読んでいた。

 そのとき、入鹿の友人である高橋蓮が訪ねてきた。

「入鹿のおかげでいい記事書けたよ」

 と彼はにっこりと笑いながら言った。

「当然だ。ちなみに謝礼は?」

「ああ、他のヤバいスキャンダルが上手く隠せるから、倍は弾むってよ」

 入鹿は高橋の言葉に静かに頷き、美月もまた、事態を冷静に受け止めていた。

(これが、マス○ミか)

 彼らは、公の目にさらされることでスキャンダルが拡大することを理解していたが、それでもなお、金の魅力には抗えなかった。

 ◇

 蓮が帰ってから、入鹿と美月は、その後もしばらく沈黙を守っていた。美月の心の中では、この一連の事態に対する葛藤が渦巻いていた。彼女は、自らが関わっている仕事が、本当に正しいのか、そして、これが自分の望む人生なのかどうか、深く悩んでいた。

 美月はついに決心した。彼女は、もうこれ以上、金銭のために自分の価値観を曲げることはできないと感じたのだ。そうして、入鹿に対し、この仕事を辞める意思を伝えようとした瞬間だった。

「入鹿さん、私、もうこれ以上...」

 しかし、その言葉を完全に口にする前に、入鹿が美月に向けて封筒を差し出した。その封筒の中には、彼女の今回の仕事に対する給料が入っていた。金額を見た瞬間、美月の心は揺れた。それは、彼女が想像していたよりも遥かに大きな金額だった。

「インチキ霊媒女子より健全に稼げる。君は正しいことをしているんだ」

 美月は一瞬、自分の価値観と甘言の間で揺れ動いたが、最終的には、札束の前に抗うことができなかった。金の魅力に完全に囚われてしまったのだ。

「そうですね、入鹿さん...」

 彼女の声は小さく、しかし、その中にはある種の諦めのようなものが感じられた。

 その日以降、美月はこの仕事を辞めるという考えを棚上げにした。金銭の魅力には抗いがたいものがあり、彼女もまた、その力に屈してしまったのだった。

 ~~たぶん終わり~~
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