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前後編

『前編』転生したら銃火器重武装のヘビーウェポンロボットでした~特大火力で異世界を蹂躙する~

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 第1章 初めての覚醒

 (目を覚ますと、私はもはや人間ではなかった)

 周りを見渡すと、自分が金属と高度な技術で構成された巨大なボディを持つヘビーウェポンロボットになっていることに気づいた。私の記憶は、前世のものが断片的に残っているだけだった。だが、この新しい身体には、あらゆる種類の銃火器と重武装が備え付けられている。私は混乱しながらも、この力を使って何かを成し遂げるべきだと直感した。

(私の名はそう...コマンドー...アーナルド・シュワルツェ・ネガ―だ)

 第2章 異世界の秩序

 転生した世界は、魔法と剣が支配するファンタジーの世界だった。しかし、この世界には暗い影が差していた。強大な魔物が人々を脅かし、国々は争いに明け暮れていた。私の持つ圧倒的な火力は、この世界のバランスを一変させる可能性を秘めていた。私は、この力を使って世界に平和をもたらす決意を固めた。

 第3章 最初の戦い

 夜が明けたばかりの静寂を、遠くから聞こえる叫び声が破った。ゴブリンの群れが、近くの村を襲撃している。私、アーナルド・シュワルツェ・ネガ―は、この新しい力を試す時が来たことを悟った。

 村に近づくにつれ、ゴブリンたちの暴れる音が耳につき、恐怖に怯える村人たちの叫び声が聞こえてきた。私の心は冷静だった。この身体に組み込まれている無数の武器の中から、ガトリング砲を選択。その巨大な銃身をゴブリンの群れに向けた。

 「よく聞け、ゴブリンども。私はアーナルド・シュワルツェ・ネガ―。お前たちの悪夢だ」

 その言葉を最後に、ガトリング砲が轟音を立てて火を吹いた。砲弾が一斉に放たれ、ゴブリンたちに向かって飛んでいく。ゴブリンたちは、その圧倒的な火力に驚愕し、逃げ惑う。しかし、私の砲火は容赦なく、正確にゴブリンたちを捕らえていった。

 砲弾の雨が降り注ぎ、一瞬にしてゴブリンたちは壊滅。轟音とともに、静寂が戻り、村は救われた。煙が晴れると、村人たちが恐怖から解放され、私を見上げる。その目には、恐れとともに、深い感謝の意があった。

 「安心せよ、村人たちよ。このアーナルド・シュワルツェ・ネガ―がお前たちを守る」

 私はその場で宣言した。私の最初の戦いは、圧倒的な火力で異世界の脅威を蹂躙することを証明した。しかし、これは始まりに過ぎない。私の戦いは、この世界に真の平和をもたらすために、これからも続くのだった。 

 第4章 ゴーレム使いとの戦闘

 アーナルドが辿り着いたのは、石と魔法で作られた巨大なゴーレムが街を襲おうとしている場面だった。その背後には、冷酷な表情をしたゴーレム使いが傲慢に立っている。アーナルドは冷静に状況を分析し、戦闘の準備を整えた。

「さて、この力、試してみる価値があるかな」

 とつぶやき、巨大な金属の体からロケットランチャーを取り出す。ゴーレムが重い足音を響かせながら街に近づく中、ロケットランチャーを構え、一瞬の静寂の後、ロケット弾を発射した。

 空を裂くような音と共に、ロケット弾はゴーレムの胸部に直撃。爆発が大地を揺るがし、ゴーレムの石の体が粉砕される。しかし、ゴーレム使いはすぐに別のゴーレムを呼び出し、襲い掛かる。

 次なる武器、ホローポイント弾を装填した。これらの弾丸は、ゴーレムの硬い外殻を貫通し、内部の魔法の結晶を破壊するよう設計されていた。アーナルドは一連の銃撃を放ち、一つ一つのホローポイント弾がゴーレムの体を穿ち、内部から破壊を始める。ゴーレムは崩れ落ち、ゴーレム使いは恐怖に震えた。

 アーナルドの力は圧倒的で、彼の前に立ちはだかる敵はいない。ゴーレム使いは敗北を認め、アーナルドの強さに驚嘆するしかなかった。アーナルドは、この世界に平和をもたらすため、どんな障害も乗り越えることを誓った。彼の戦いは、まだ始まったばかりだ。 

 第5章 バンパイアとの交戦

 夜の帳が下りた街道、アーナルドは光学迷彩をまといながら移動していた。すると、バンパイアたちが静かに移動していた。アーナルドの体は完璧に周囲に溶け込んでおり、暗視スコープを通じてのみ、夜の闇を切り裂くようにバンパイアたちの姿を捕捉することができた。

 バンパイア一団は何も知らず、闇の中で集まっていた。アーナルドはゆっくりと、位置を調整する。そして、完璧なタイミングで閃光手榴弾をバンパイアたちの中心に投げ込んだ。爆発と共に眩しい光が夜を照らし、バンパイアたちは混乱に陥った。閃光手榴弾によって、一部のバンパイアは消滅した。

 その瞬間を逃さず、アーナルドは火炎放射器を取り出し、炎の洗礼を始める。

(汚物は消毒!!!)

 火炎はバンパイアたちを包み込み、彼らの不死の肉体を焼き尽くす。炎は夜の闇に明るく輝き、バンパイアたちの悲鳴が夜の静けさを破った。火炎放射器から放たれる熱い炎は、まるで正義の裁きのように、彼らをこの世から消去していった。

 照射が終わり、アーナルドは火炎放射器を肩に担ぎ、再び夜の闇に溶け込んでいった。彼の行動は、バンパイアたちにとって恐怖の象徴となり、人々にとっては守護者の証となった。夜はまだ長いが、アーナルドはどんな闇も切り裂く決意で前進していく。 

 唯一残った一匹のバンパイアが、追い詰められ、絶体絶命の状況下で、最後の手段に出る。体がぼんやりと霧散し、コウモリへと変貌を遂げた。

 しかし、アーナルドは冷静だった。彼はすでに次の一手を読んでいた。背中から黒光りするモノを取り出した。

 それは...熱追尾ロケットランチャー

 熱追尾ロケットランチャーを構えるアーナルド。コウモリに変身したバンパイアが闇夜に紛れようとする瞬間、アーナルドは引き金を引いた。

 ロケットは音もなく飛び、コウモリの群れを追尾する。そして、一瞬の輝きとともに爆発が夜空を照らした。火球が夜を焼き尽くし、逃げ場を失ったバンパイアはその炎の中で灰と化した。

 爆発の光が徐々に薄れる中、アーナルドはその場を動じずに立っていた。背中を炎に照らされながら、彼は再び闇に溶け込む準備をする。彼の表情には満足も悲哀も見られない。ただ、次なる戦いに向けての冷静さだけがあった。

 アーナルドの戦いは終わらない。夜がもたらす闇を、彼は一つずつ切り裂いていく。バンパイアたちにとっての恐怖であり、人々にとっての守護者。その姿は、まさにハードボイルドな英雄のそれだった。 
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