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ユウは優
しおりを挟む(今日の子はかっこいいて評判やし、楽しみやな…)
電車の中で長い黒髪を指先で弄びながら出会い系サイトをチェックする。
画面にはユウとれんのやりとりの履歴が映し出されている。
(もし、れんさんがゲイでいてくれたら…)
淡い期待はすぐに投げ捨てて、今1度化粧のノリを確かめるために鏡用のアプリを起動させた。
彼はゲイである。
「あの…れんさんですか…?」
おずおずと顔を覗き込むように声をかける。
「あぁ!ユウちゃん!?初めまして、れんです。ほんとに可愛いね!」
優しい王子様スマイルで話す。
「やっぱりれんさんだぁ!初めまして!イケメンさんですね~!!」
((やばい、顔はどストライク))
「ん…?ユウちゃん結構声低いね…?」
核心をいきなりつかれた。喉から極限の高さで絞り出したこのハスキーボイスは弱点だ。
「あっ…ははは!そうなんですよ~!私、声が低いのがコンプレックスでぇ~」
精一杯の笑顔と演技でやり過ごしたい…‼どうにか見逃してぇ…‼
「そっか、そういう人もいるよね~僕もちょっと声が高くてさ、カマっぽいって言われるんだ~」
眉をはの字にしながら微笑む
(よっしゃ!何かごまかせた!)
ユウは心の中で勝利の雄叫びをあげた。
「あっそうだ、ちょっとカフェよっていい?喉乾いちゃった。」
「あっはい、いいですよ!私も丁度何か飲みたかった!」
もう気づかれることはないと確信していたユウは体をくねらせながら全力で女子を演じた。
カフェの内装はシックで落ち着いた雰囲気で、客も疎らだった。
店の奥にある小さなテーブルに2人は向かい合って腰を掛けた。
「いらっしゃいませ、ご注文は」
座ると同時に、愛想のない主人が不器用に話しかけてきた。
「ユウちゃんは何飲む?」
「え~じゃあ苦いの苦手だから、カプチーノにしようかな!」
「じゃあカプチーノ二つで」
「かしこまりました」
主人が奥へ消えていくのを見届けてかられんがユウの方へ顔を向ける。その顔は
「ところでさ、お前男だろ。」
意地の悪いにたけた顔をしていた。
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