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八百比丘尼伝説
第二幕 八百比丘尼/後編
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ーーーーーーーーーー
月悟と行動を共にするようになって、五年目になる。月悟も今は逞しい若者となり、八百比丘尼を支える事もあるまでに成長していた。
元より月悟は八百比丘尼を慕っており、その素性もわきまえていた。自分が支えることのできる力量を持ち、物事に自信を持てるようになると、告白を待つことはしなかった。そして八百比丘尼も受け入れるに阻む想いはなかった。
この寺院は、そのような情愛に関しては寛容で、厳しいのは、怠慢や阻害に対してであった。
恋愛をしようと、婚姻に至ろうとも、己の為すべき事を疎かにせず、他の者の邪魔となるようにならねば問題にすることはなかった。
そういった情愛と関係なく、ただ無意味に仕事をせぬ事を繰り返せば、追放されることもしばしばである。
無論、二人は睦まじい様相を見せていても、寺院で行うべきことには手を抜くことは一切なかった。
それでも、またいつの日か八百比丘尼は、取り残されて別れをせねばならぬ日が来ることは承知している。だが、その日が来るまでを精一杯生き、共に暮らした事が価値のあることと思えるように懸命に暮らしていた。
ーーーーーーーーーー
さて、八百比丘尼は危険というものに、かなり鈍感になっている。多少のどころか、通常であれば死に至るような怪我であっても治癒してしまうために、それに慣れれば慣れるほど、回避することに緊急性を感じなくなってしまうのである。
無論、痛みはある。基本的に痛みそのものは常人と変わりはない。だが、完治までの時間が非常に短く、数多く経験している事で、刺激にも慣れてしまうため、怪我そのものに対しても抵抗感が小さいのだった。
そしてその日は油断もあった。もちろん、自ら怪我をしにいこうとしていたわけは無い。充分に気を配っていれば、危険ではあっても事故に繋がるはずもなかった。
山の斜面に人一人分だけ付けられた道を、鎖を手掛かりにして渡ってゆく道筋には、ここのところ十年以上事故は起きていない。崖というほどではないが、傾斜が四十五度もあるような斜面では、一旦転げてしまうと下に落ちきるまで簡単には止まるものではない。土の地面だけでなく、岩がむき出しで出ている所もあり、危険な通路であるが故に通るものが各所に気を配ること。手掛かりとなる鎖の点検も週に一度行なわれていたこともあり、その不備による事故も起きてはいない。
山頂の寺へ向かうその道を、八百比丘尼と月悟が通っていた。
二人とも足元は、草鞋をしっかりと足首まで縄を巻いており、途中までは特に何事もなく行っていた。
だがその時。
鎖を持ち替えるために一瞬、両手が離れていたその瞬間に、風で舞った木の葉が八百比丘尼の顔を直撃した。それ自体は、怪我を負うようなものではない。だが、目の付近を覆った木の葉を反射的に払い、そのはずみで動かした足元が少しぬかるんでいたため、体のバランスが崩れた。せめて片手だけでも鎖を持っていれば、何もなく終わっていた事だっただろう。だが、気がついた時には、体の半分が道からはみ出し、両手はいずれも鎖を持ち直す事のできない位置にあった。その体勢では崖下へ落下する以外の状況にはなり得なかった。
(落ちる)
八百比丘尼はそう思い、目を閉じ、四肢を体に寄せるように縮めた。意識を内に籠らせる事で、直接的な痛みを少々なりとも和らげることができる。長年の経験から得ていた、無意識の行動だった。
だが、肩が引かれたような感じがして、手と足に何かが触れた。
それが地面だと解るのに少々時間がかかった。恐る恐る目を開くと、地面が見えた。八百比丘尼は四つん這いのような体勢になっていた。
「月悟、何が…」
八百比丘尼は周りを見渡したが、月悟の姿がなかった。そして何があったか理解した。
月悟は自分が落ちる事をもろともせず、八百比丘尼と体勢を入れ替えたのだった。
八百比丘尼が下方を恐る恐る覗いた時、その目に入ったのは、血まみれで横たわる月悟の姿だった。
周囲を見渡しても下へ降りられるような場所はなく、八百比丘尼は無我夢中で残る行程を渡りきり、頂上の寺に助けを求めた。
寺から救助の手が出されたが、月悟の命が尽きていることは、既に明白であった。
頂上の寺院の小さな部屋の中に横たえられた月悟の顔には苦悩の表情はなかった。寺に入った時から慕い、後に妻として共に過ごした者を救ったことの満足感ゆえであっただろうか。
「どうして…」
自分がどういう素性であるのか、すべて話をしたはずである。危急の事にあっても自分は命を落とすことはない、まず月悟自身の身を案じよと。
だが、月悟は目の前にそれが起こった時に、放置することはできなかった。考える間がわずかでもあれば、すまないと思いつつも、手を伸ばす程度で八百比丘尼が落ちるに任せたかもしれない。しかし反射的に、自分の命のことを考える間もなく、八百比丘尼を守る、ただそれだけのために体が動いたのだった。
八百比丘尼は泣いた。ただひたすらに、叫ぶように声をあげて泣いた。
悲痛という言葉すらも霞むような、心の奥底から絞り出されるが如き叫びであった。
今までにも二人の夫を老齢によって看取っている八百比丘尼であったが、ここまで激しい動揺はなかった。前の夫を愛していなかったということは決してない。愛情の大きさも心情も違いはない。
だが、前の夫のときは、覚悟を決める時間があった。別れを交わし、思う存分二人の時間を過ごした後、夫は旅立った。
しかし、このように事故で思いがけることなく失うことはなかった。長きを生きる間、親しい友人知人を失ったことも数多くある。だが、彼女の心の中には必ず冷めた面があり、伴侶といえる立場の者以外に、全ての思いをかけたことはなかったのであった。それはたつが死んだ旨を伝えられた時でもそうだった。
二百年生きている中で、伴侶といえたのは月悟を入れても四人だけである。一人目の夫は、離縁という形で別れ、死には対面しなかったし、二人目、三人目は、前述のように思う形で最後を看取ることがかなった。
これほどまでに自分の心が脆く、折れやすいものであることを、今の今まで知らなかった。いや、人の心そのものがそうであるのかもしれない。
夜更けが過ぎ、空が白み始めた。
自分でもいつの間に泣き止んでいたのかもわからない。月悟の顔を見ていた八百比丘尼はゆっくりと立ち上がり、顔を洗うために井戸に向かった。
井戸の横に置かれている石盆に水を張る。波打っていた水が静かになり、自らの顔が水鏡に映ったのを見たとき、心を支えていた最後の枷が壊れたような気がした。
「私は…」
その後は言葉にならなかった。
一晩中泣き明かしたはずのその顔には、荒れひとつなく、目も腫れておらず、声もわずかにも枯れてはいなかった。
八百比丘尼の様相を見て、何か事があったと察することのできる者は誰一人いないであろう。
八百比丘尼は都の寺院に戻っていた。戻っていたと言っても、あれ以来、八百比丘尼は心を閉ざしたまま、宿舎でただ正座を崩さずに座っているだけだった。いかに修行を積んだ身であったとしても、そこまでやっては何がしかの支障は起こる。
だが、八百比丘尼は何日経っても変わることはなく、飲み食いせずとも平気であった。今の今まで、自分が不老不死のような存在であると知った後も、そのような極限状態を試したことはなかった。仏門に入ったのも別の目的があってであり、自ら苦行を課することはなかったのである。
その事は八百比丘尼をより苦しめた。
苦しいこと、厳しいことを行なっている、その時は体はそのように感じる。しかし、何らかの支障があっても、あっという間に回復し、傷を負っても跡も残らない。
尼僧であってもそういった修行の跡を持っているものは多いが、八百比丘尼は一切そういう跡はないのだ。
誰も跡を自慢するような者はいないし、八百比丘尼が跡を持たぬ事を咎めたり、悪意ある目で見る者もいない。八百比丘尼も以前はそんな事を考えることすらなかったが、今はその事実が八百比丘尼自身を責め立てているのであった。
自分には過去はないものなのかと。
(続く)
月悟と行動を共にするようになって、五年目になる。月悟も今は逞しい若者となり、八百比丘尼を支える事もあるまでに成長していた。
元より月悟は八百比丘尼を慕っており、その素性もわきまえていた。自分が支えることのできる力量を持ち、物事に自信を持てるようになると、告白を待つことはしなかった。そして八百比丘尼も受け入れるに阻む想いはなかった。
この寺院は、そのような情愛に関しては寛容で、厳しいのは、怠慢や阻害に対してであった。
恋愛をしようと、婚姻に至ろうとも、己の為すべき事を疎かにせず、他の者の邪魔となるようにならねば問題にすることはなかった。
そういった情愛と関係なく、ただ無意味に仕事をせぬ事を繰り返せば、追放されることもしばしばである。
無論、二人は睦まじい様相を見せていても、寺院で行うべきことには手を抜くことは一切なかった。
それでも、またいつの日か八百比丘尼は、取り残されて別れをせねばならぬ日が来ることは承知している。だが、その日が来るまでを精一杯生き、共に暮らした事が価値のあることと思えるように懸命に暮らしていた。
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さて、八百比丘尼は危険というものに、かなり鈍感になっている。多少のどころか、通常であれば死に至るような怪我であっても治癒してしまうために、それに慣れれば慣れるほど、回避することに緊急性を感じなくなってしまうのである。
無論、痛みはある。基本的に痛みそのものは常人と変わりはない。だが、完治までの時間が非常に短く、数多く経験している事で、刺激にも慣れてしまうため、怪我そのものに対しても抵抗感が小さいのだった。
そしてその日は油断もあった。もちろん、自ら怪我をしにいこうとしていたわけは無い。充分に気を配っていれば、危険ではあっても事故に繋がるはずもなかった。
山の斜面に人一人分だけ付けられた道を、鎖を手掛かりにして渡ってゆく道筋には、ここのところ十年以上事故は起きていない。崖というほどではないが、傾斜が四十五度もあるような斜面では、一旦転げてしまうと下に落ちきるまで簡単には止まるものではない。土の地面だけでなく、岩がむき出しで出ている所もあり、危険な通路であるが故に通るものが各所に気を配ること。手掛かりとなる鎖の点検も週に一度行なわれていたこともあり、その不備による事故も起きてはいない。
山頂の寺へ向かうその道を、八百比丘尼と月悟が通っていた。
二人とも足元は、草鞋をしっかりと足首まで縄を巻いており、途中までは特に何事もなく行っていた。
だがその時。
鎖を持ち替えるために一瞬、両手が離れていたその瞬間に、風で舞った木の葉が八百比丘尼の顔を直撃した。それ自体は、怪我を負うようなものではない。だが、目の付近を覆った木の葉を反射的に払い、そのはずみで動かした足元が少しぬかるんでいたため、体のバランスが崩れた。せめて片手だけでも鎖を持っていれば、何もなく終わっていた事だっただろう。だが、気がついた時には、体の半分が道からはみ出し、両手はいずれも鎖を持ち直す事のできない位置にあった。その体勢では崖下へ落下する以外の状況にはなり得なかった。
(落ちる)
八百比丘尼はそう思い、目を閉じ、四肢を体に寄せるように縮めた。意識を内に籠らせる事で、直接的な痛みを少々なりとも和らげることができる。長年の経験から得ていた、無意識の行動だった。
だが、肩が引かれたような感じがして、手と足に何かが触れた。
それが地面だと解るのに少々時間がかかった。恐る恐る目を開くと、地面が見えた。八百比丘尼は四つん這いのような体勢になっていた。
「月悟、何が…」
八百比丘尼は周りを見渡したが、月悟の姿がなかった。そして何があったか理解した。
月悟は自分が落ちる事をもろともせず、八百比丘尼と体勢を入れ替えたのだった。
八百比丘尼が下方を恐る恐る覗いた時、その目に入ったのは、血まみれで横たわる月悟の姿だった。
周囲を見渡しても下へ降りられるような場所はなく、八百比丘尼は無我夢中で残る行程を渡りきり、頂上の寺に助けを求めた。
寺から救助の手が出されたが、月悟の命が尽きていることは、既に明白であった。
頂上の寺院の小さな部屋の中に横たえられた月悟の顔には苦悩の表情はなかった。寺に入った時から慕い、後に妻として共に過ごした者を救ったことの満足感ゆえであっただろうか。
「どうして…」
自分がどういう素性であるのか、すべて話をしたはずである。危急の事にあっても自分は命を落とすことはない、まず月悟自身の身を案じよと。
だが、月悟は目の前にそれが起こった時に、放置することはできなかった。考える間がわずかでもあれば、すまないと思いつつも、手を伸ばす程度で八百比丘尼が落ちるに任せたかもしれない。しかし反射的に、自分の命のことを考える間もなく、八百比丘尼を守る、ただそれだけのために体が動いたのだった。
八百比丘尼は泣いた。ただひたすらに、叫ぶように声をあげて泣いた。
悲痛という言葉すらも霞むような、心の奥底から絞り出されるが如き叫びであった。
今までにも二人の夫を老齢によって看取っている八百比丘尼であったが、ここまで激しい動揺はなかった。前の夫を愛していなかったということは決してない。愛情の大きさも心情も違いはない。
だが、前の夫のときは、覚悟を決める時間があった。別れを交わし、思う存分二人の時間を過ごした後、夫は旅立った。
しかし、このように事故で思いがけることなく失うことはなかった。長きを生きる間、親しい友人知人を失ったことも数多くある。だが、彼女の心の中には必ず冷めた面があり、伴侶といえる立場の者以外に、全ての思いをかけたことはなかったのであった。それはたつが死んだ旨を伝えられた時でもそうだった。
二百年生きている中で、伴侶といえたのは月悟を入れても四人だけである。一人目の夫は、離縁という形で別れ、死には対面しなかったし、二人目、三人目は、前述のように思う形で最後を看取ることがかなった。
これほどまでに自分の心が脆く、折れやすいものであることを、今の今まで知らなかった。いや、人の心そのものがそうであるのかもしれない。
夜更けが過ぎ、空が白み始めた。
自分でもいつの間に泣き止んでいたのかもわからない。月悟の顔を見ていた八百比丘尼はゆっくりと立ち上がり、顔を洗うために井戸に向かった。
井戸の横に置かれている石盆に水を張る。波打っていた水が静かになり、自らの顔が水鏡に映ったのを見たとき、心を支えていた最後の枷が壊れたような気がした。
「私は…」
その後は言葉にならなかった。
一晩中泣き明かしたはずのその顔には、荒れひとつなく、目も腫れておらず、声もわずかにも枯れてはいなかった。
八百比丘尼の様相を見て、何か事があったと察することのできる者は誰一人いないであろう。
八百比丘尼は都の寺院に戻っていた。戻っていたと言っても、あれ以来、八百比丘尼は心を閉ざしたまま、宿舎でただ正座を崩さずに座っているだけだった。いかに修行を積んだ身であったとしても、そこまでやっては何がしかの支障は起こる。
だが、八百比丘尼は何日経っても変わることはなく、飲み食いせずとも平気であった。今の今まで、自分が不老不死のような存在であると知った後も、そのような極限状態を試したことはなかった。仏門に入ったのも別の目的があってであり、自ら苦行を課することはなかったのである。
その事は八百比丘尼をより苦しめた。
苦しいこと、厳しいことを行なっている、その時は体はそのように感じる。しかし、何らかの支障があっても、あっという間に回復し、傷を負っても跡も残らない。
尼僧であってもそういった修行の跡を持っているものは多いが、八百比丘尼は一切そういう跡はないのだ。
誰も跡を自慢するような者はいないし、八百比丘尼が跡を持たぬ事を咎めたり、悪意ある目で見る者もいない。八百比丘尼も以前はそんな事を考えることすらなかったが、今はその事実が八百比丘尼自身を責め立てているのであった。
自分には過去はないものなのかと。
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