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しおりを挟む本当に取り巻きモブは俺に甘すぎるのでは…。これじゃあ、ルアンの悪役にも拍車がかかるわ。と、終始納得した。
ブレスレットを受け取ったエイデンは跪いたまま、顔をあげ俺を見上げる。まだ幼い顔ながら、もう出来上がっている。
うっ…!そんな純粋な目で俺を見るな。
とりあえず乱れたエイデンの髪を整えて、『じゃあね~』と何事も無かったかのようにその場を後にした。
前世でハマった人気アニメの世界にいるが、エイデンと仲良くなれない世界線にいるという悲しい事実。俺は俺らしく、努力するって決めた以上、頑張る。あと生きるためにも!
そのためには知識は大事だ。現在は10歳で伸びしろしかない。さっそく、図書館に足を進める。
魔法を学ぶといえばまず本。つまり図書館!
情報が一番の武器って言ってた。昔の歴史でも何万人相手に何千人が勝ったくらい情報はすごくて大事なことなんだ。本では学べないことはあとで教師に教えて貰えばいい。悪役だが幸い貴族であるため、教養には最適な環境と言えるだろう。
自分の適応能力が怖い。
図書館の本棚を眺める。ズラーっと綺麗に並べられており、学びたい分野ごとにわかれている。まずは基礎からだ。
よし、勉強頑張るぞ!
グッと手に力を込める。
今まで勉強なんて苦手意識しかないものだったが異世界の本が読めるんだ。一生、読むことができない貴重な経験だと思いながら噛み締める。
…そして異世界ライフ楽しみたい。
それから図書館の本を何冊か借りた。知識を入れながら、実践もできたらいいな。
夢を膨らませながら、一日が終わった。
翌日。
「ふぁ~…、最高だった」
これから授業が始まるというのに机にうつ伏せになる。
昨日は本を読みすぎた。おかげで寝不足だ。最初で詰め込みすぎるのは良くないかも。
でも面白すぎて、スラスラと読めた。現実ではありえない夢見たいなことばっかり書かれていて釘付けにされた。これが俺にもできるのかと可能性が見えた瞬間、思った以上にページをめくっていた。
気づけば寝るのが遅くなってしまい、寝不足になったというわけ。
お迎えにきた使用人と家に帰ったら、まず自分の家に驚いたよね。家はでかくて、とにかく豪華。さすが貴族様々って感じだった。
広すぎる空間に落ち着かなかったが、本に夢中になったためすぐ適応した。
両親は珍しく勉強熱心な俺を見て、涙ながら今度魔法に関する本を調達してくれるらしい。めっちゃ愛されてるし、甘やかされている。性格さえ良くて、わがままボーイにならなければルアンもきっとエイデンたちと並ぶことができたんじゃないかな、なんて考えていたら、モブ達が走ってきた。
「ルアン様!あれ見てください!!」
「あいつ何様だよ!ルアン様があげたブレスレットを付けてくるなんて!!」
「ん…?」
眠たい体を起こし顔をあげ、モブが指差す方向を見るとそこにはエイデンがいた。その腕には昨日俺があげたブレスレットをしていた。
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