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しおりを挟むな、なぜエイデンがここにいるんだ。突然のことで動揺が隠せない。落ち着け落ち着けひっひっふー。て、ラマーズ法してどうする。
「どうして、ルアンがここに…?」
ほらほらエイデンも俺を見て驚いている。何この状況は。
「なんじゃ、知り合いだったのじゃな。お前さんはルアンというのか」
あ、思い出したぞ。このおじいさん…ヘンリ爺さんじゃん。見覚えのあると思ったら、エイデンを孤児院から引き取った爺さんだ。アニメの序盤と回想にしか登場してなかったら思い出すのに時間がかかった。
ネタバレになるがヘンリ爺さんはよく病気するような人で確か今の時期に倒れてエイデンとそのまま永遠の別れの時じゃなかったっけ。そして、学園の理事長がエイデンを引き取る感じになる予定だ。魔力値が馬鹿高いエイデンを引き取ることは申し分ないことだけど、ヘンリ爺さんを助けることができて良かった。いずれ助けに行くと決めていたがたまたま助けた人がヘンリ爺さんとかこれまた運がいい。
そして、ヘンリ爺さんを失ったエイデンの悲しい顔を見なくて済んだ。
「ここお前んち?」
やっと一言発することができた。まあ、びっくりだよな。家に帰ったら俺がいるって。
「そうだよ。まさかルアンがいるなんて驚いた」
エイデンとはあの魔力とやらで口付けを迫られた以来だ。なんか気まずい。
「ルアンは、わしを助けてくれたんじゃ」
「また倒れたんですか!」
「そう心配するじゃない。いつものことじゃ。少し休んだから治るやつだろうから大丈夫じゃ」
オホホって今笑ってるけど、ガチ危なかったと思うよ、ヘンリ爺さん。世話が焼ける爺さんだ。俺、たった今、弟子入りしたけど大丈夫だろうか。未来が心配になる。
「ちなみにルアンはわしを助けてくれたから、お礼として弟子にしたぞ」
「で、弟子ですか?」
「そうじゃ。魔力が少ないみたいで鍛えたいらしい。それにエイデンの知り合いみたいだから別に良いじゃろう」
「てことは、ルアンがまたうちに来てくれるということですか?」
「そういうことじゃ」
「それを早く言ってください。嬉しいです」
おいおい、二人で勝手に話を進めるじゃない。それに切り替え早くないですか、エイデン。
「あの、帰っていいですか」
「もう帰るとは水くさいこと言うじゃない。ゆっくりしていきなされ」
「俺、別にエイデンとは仲良くないんで…、弟子にはなりましたが学びたい時にまたここに来ます。体に気をつけてください。では」
「待て待て。何かの縁じゃ、もう少し話を聞きなさい。あとルアン、お前さんはF-10ということじゃが、さすがに今の段階で魔法は使うんじゃないぞ。すぐに枯渇して命が危ない」
「そこは十分理解してます。心配ありがとうございます」
俺が助けなかったから、命が危なかったヘンリ爺さんに心配されて変な気分だ。
結局、それから帰ろうとする俺を何とか二人して止めに入り、一向に帰してくれなかったため、その日はあと一つ買った火の魔法石を見てもらうことにした。安くて適当に買ったそれも質の良いものだとわかりさすがに鳥肌がたった。自分の目利きやば。もはや才能と呼んでもいいのか、たまたま良いものが置いてあっただけなのか。
ちなみに精霊が見えること、聖水を作ったことはエイデンには話さないみたいだ。秘密ってことでいいかな。話しても面倒なことになりそうだしいいか。助けた方法は家まで運んだくらいに思っているだろう。
それからようやく帰ることができ、二人から解放された。
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