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しおりを挟む「くれるの?」
「「うん!あげる!」」
二人は頑張って作ったんだよって満面の笑みだった。
「作ってくれてありがとう。嬉しい」
こういうの作れるのすごいな。もらった花冠の花が枯れないような魔法があったらいいのにと思った。エイデンの王冠を見ると、折り紙の方は保存が効くからいいな。しかも神々しく似合ってる。
「ねぇねぇ。ルアンおにぃちゃんってきぞくさま?」
「へ?」
なぜバレた。ちゃんと平民の格好をしているのに。
「こんなきれいなひとみたことないからぜったいにえらいひとだー!」
「キラキラしてて、いいにおいもするー!」
二人は興味津々に聞いてくる。何か期待した目をされると返答に一瞬悩む。実際貴族であることは確かだし、嘘をつきたくない。貴族と言ったとしても遠慮した態度もとってほしくないし…。ここはどう答えたら正解だろうかと考える。
「二人ともそれは秘密だよ」
隣でエイデンが二人に内緒と言う。助け方カッコよすぎだろ。きゅんとしちゃったぜ。
「「え~!エイデンおにぃちゃんだけしってるのずるい~!」」
納得いかないのか口を膨らませている。
「ふふ。レオンくん、ミサちゃん。実は俺…正体を隠さないといけない身でな」
やばい。俺の中の厨二病が出てしまった。これで納得するわけないか。
「えー!そうなの?かっこいい!」
「スッゲェなんかヒーローみたい!!!わかった!ないしょだ~」
ちょっと待って二人とも容易かった。そういうところもまた可愛いな。身分を隠さないといけない秘密を得た二人は秘密組織の一員になれたと嬉しそうだった。
それからも週に一度、孤児院を訪れて子どもたちの世話したりたまに掃除の手伝いをして過ごした。自分の得意なものがあるとこれ見てこれ見てと自慢しにくる感じが尊くて抱きしめたくなる衝動にかられた。褒めたらさらに喜んでくれる。毎週この日が来るのが楽しみになっていた。家で本ばかり読んでる時とは違って遊ぶことで体力がつき、人と触れ合うことで心も成長している気がする。それにとてもやりがいがある。エイデンは孤児院の手伝いを欠かさずやってたのはすごいと思った。
「こうしてルアンといる時間が増えて嬉しい」
「は、はぁー!?そ、そんな大袈裟なこと言うなよ!それに修行とはいってもお前は今までとやってることと変わらなくてつまんないじゃないの」
「違うよ。ルアンがいるといないだけでは全然違う。それにここには感謝しきれないくらいの恩もあるし、更にルアンもいてみんなと遊べて楽しい」
「そ、そっか。べ、別に俺は修行のためだから一緒にいるんだからな!」
にっこりと微笑みながら悟ったかのように俺の頭をよしよしと撫でるエイデン。それは照れるからやめてください。エイデンは本当に真っ直ぐで俺のようなクネクネと捻じ曲がった奴とは違う。
そして、とある日。学園にて、ある実物に出会った。
「やぁ、ノロマのルアンくん?」
「は?」
廊下を歩いていると、理不尽に急に文句を言われたため、そいつの顔を見た。こ、こいつ、知ってるぞ。
ダリルというキャラだ。
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