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しおりを挟む「魔力が嘘みたいに無く落ちこぼれ。顔しか取り柄のない出来損ないのくせにこの学園にいて何を学びたいのかわからない」
辛辣なことを言うこいつはルアンをめっちゃくちゃ嫌ってるキャラだ。今までのルアンの横暴な態度が気に食わなかったらしい。毒には毒を。善には善を。的な感じの印象だった。こいつに俺が消されるといってもいい要注意人物である。お願いだから序盤で消えたくなんかないよ!大人しくしてたはずなのに、まさかここで接触することになるとは。できればそっとして欲しかった。
確かダリルは、エイデンとその他仲間と共に一緒に冒険に出てエイデンが英雄になった後、ゆくゆくは最年少で騎士団長に登りつめる人物だ。
両親共に公爵家出身であり、どんな貴族も敵わぬ完璧な血統であり、魔力もA-4と優秀だ。ちなみに年齢は俺たちと同じ10歳である。
しかし誰もが憧れる完璧な彼にも問題があった。それは18歳?くらいで愛しい人と結婚し、独占欲が強いため、誰にも紹介しなかったとの噂がある。その妻はとても美形で誰もが目を奪われて虜になってしまうほどである。そのため誰も見たことがない。公式ファンブックを熟知していたので確かにそう書かれていた気がする。
くそぉ。こんなところで消されたくないぞ。消されてたまるか。こんなやつに倒されてたらエイデンのライバルなんて到底無理だ。ここは対抗するに限る。
「確かに魔力は少ないけど…自分なりに努力してるし…。信じなくてもいいけど今まで本当に態度が悪かったと反省しているんだ」
「そんなの知るかよ」
ちょっとは話を聞いてください。魔力は確かに少ないが修行も頑張っているし、第一精霊の声や光が見えたりするってすごいことじゃないの!魔石の目利きだってすごいんだぞ!まあ、それが言えたら早いんですけどね。
「納得いかないのはわかってるよ。だけど魔法のことをたくさん学びたいと思ってるんだ」
「頑張っても無駄だ。さっさと辞めちまえ」
うわっ、こいつむかつく。どうしても俺を否定したいんだな。生意気なクソガキだ。敵に回すと厄介。まあ、俺も以前までそうだったけども。
「話の通じない奴は嫌いだ。じゃあな」
「は、はぁ~!?」
何、ブチギレてんだよ。どの貴族たちもこいつには逆らえなかったんだな、このお坊ちゃんめ。無視してそのまま横を過ぎ去る。
「今の取り消せよ!」
まさか、腕を掴まれるなんて。びっくりなんだけど。
「なに?」
冷静を装って睨む。
「も、もう知らん!!!でもお前はもうすぐ辞めることになるからな!覚えておけよ」
そう言い残し去って行った。何あいつやば男じゃん。原作で推してなくて良かった。エイデンが良すぎて他が霞んで見えてたからな。
お前ごときの権力で俺を辞めさせて見ろよ。
無理だろうがな。
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