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しおりを挟む魔力量が少ないせいかエイデンに心配かけているのはわかるが俺だって成長はしている。それから二人で森へ入り、薬草採取を始めた。
《あっちに薬草あるよ》
精霊の声が聞こえてきた。それから薬草のありかを教えてくれて『ここだよ』とわかりやすく光を放ちながら案内してくれた。追った先にそこには、治癒効果のあるアキレアがたくさん咲いていた。
「エイデン!あったぞ」
これはこれはこんなに咲いているとはかなり嬉しい。まだこの森を知り尽くすには時間がかかりそうだ。それから手袋をし、丁寧に正しい技法で採取する。雑だとアキレアの効果も薄まるし、森にも迷惑だ。適切に採取することでまた生命が宿り有り難くまた採取できる。皆を救うことに役立てることにつながるのでこの作業は大事だ。それから俺は夢中で回収袋に集めてた。保存方法も大切なので一応魔法の回収袋である。お高めのやつだけど実家お金持ちなんで手に入りました。
「ルアンって見つけるの本当早いね。俺が鑑定を使う前にすぐ見つけちゃうなんてすごいや」
「ふふん。勘がいいと言ってくれ。あと知識が豊富なんでね」
ついつい嫌味なことを言ってしまう。実際ほぼ精霊のおかげなんですけどね。この歳で鑑定というレアスキルを獲得しているエイデン。俺もそれ欲しいよ…。いまだに何のスキルを獲得できてない。スキルを獲得しても使う魔力も足りないし…。いいもんだ、俺には魔法石があるし。目利きのルアンとは俺のことだし。と、心の中で拗ねた。
あと、鑑定スキルを持っているエイデンに俺が精霊の声を聞けると鑑定されバレてるんじゃないかと思ってる人いますか。ご安心ください、ヘンリ爺さんの隠蔽スキルで隠してくれてます。『わしの隠蔽スキルは上出来じゃがエイデンに通用するかわからん』と言いながらも念のためかけてくれた。エイデンを見る限りバレてないみたいだ。
「毎日勉強しているもんね。これは何という植物なの?」
「これか?これはアキレアと言って治癒効果のある植物だ」
俺はアキレアを蒸気で蒸し抽出してオイルにしたいと思っている。身体に塗るだけで癒すことができるため怪我した時に使用したい。しかもありがたいことにアキレアは特段ヤニなどを含んではおらず、気兼ねなくミキサーにかけることができるらしい。なので、その抽出したあと残ったアキレアの残渣もそのまま捨てるのではなく更にミキサーで刻んでスムージーにもできたりする。味は保証しないけど、色がとてもいい。
青い貴重な精油がとれる。青いエッセンシャルオイルなんて最高。塗るのも治療、飲むのも治療。もう頭があがらないです。オタク知識がぐるぐると駆け巡り、俺の心に火をつける。
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