13 / 43
13
しおりを挟む言われた通りの部屋番号にたどり着いた。
今日からここが俺の部屋か。
この学園はお金持ちの生徒が多く、生徒一人一人に、一部屋与えられる。
生徒会や地位の高い生徒は部屋が広くなっているようだ。
俺は早速部屋の中に入った。
うん、広いな。
ワグナー家も地位はある程度高いから予想はしていたけど。
荷物をまとめると、コンコンとドアをノックする音が聞こえた。
マリーかな?と思って開けると、そこには…。
「久しぶり」
すっかり成長して立派なイケメンへとなったヴァル・リード。攻略対象の一人であのパーティーでなぜかマリーではなく俺だって見破った奴だ。
おいおい。なんで、学園に来た早々こいつと会わなければならない。
「アレン、さらに魅力的になったね」
俺の手を取り、そっと手の甲にキスを落とす。こいつ、チャラいのは変わらないな。相変わらずというかなんというか…。
「どちらさまでしょうか」
必殺技である知らないふり。
「うわ!冷たい。俺のこと覚えていないの?」
「知りません。では」
宗教勧誘等のセールスは一切お断りしてますが。
面倒くさいことには関わらないほうがいいと習っているのですぐにドアを閉めようとするが、足を出してきて阻止された。
「逃がさないよっと」
力の差のせいか、あっけなくドアが再び開かれた。
「そんな嫌そうな顔しないでよ」
「ご用件は」
その通りです。嫌なんです。
というか、なぜ、俺の部屋がわかった。あのパーティーのことで俺を脅そうとか考えていないだろうな。
「そんな警戒しなくても大丈夫だよ~。それに俺、ずっとアレンに会うのを楽しみにしていたんだ」
「へぇ、それはどうも」
油断してはいけない。絶対、何か裏があるに決まっている。
「もうそんな態度ばかりだと俺、酷いことしちゃうかも」
「え」
すぐに化けの皮がはがれやがった。 何するかわからないので一歩後退る。
「はぁっ、君っていじめたくなるね」
「巻き込まないでください」
暴力反対。性格悪いなこいつ。何考えているかわからない。
「そういう強気なところも俺は…。えっと、それより、久々に会ったし中に入れてよ」
「荷物整理しているで無理です」
「じゃあ、手伝う」
しつこいな。
「じゃ、また今度ゆっくり話そう」
俺がそう言えば、ぱぁっと明るくなるヴァル。なんだ、友達いないのかこいつ。
「アレンからそう言ってくれるなんて…、」
ぎゅっと抱きしめてきた。
え、どうした。大丈夫か?情緒不安定か?
「約束だよ。俺と今度はゆっくり話そうね」
そう言い、手を振ってやっと帰って行った。
何だったんだ。嵐の後の静けさ。
また会った時に、なぜ俺の部屋がわかったのかとあのパーティーで俺だって知っていたことを聞こう。多分教えてはくれないだろうけど。
ま、そんなことより、俺はこの学園でマリーを世界一…いや宇宙一のヒロインにしてあげるのが夢だ。悪役なんてもう言わせない。
そう誓ったからにはこの学園生活を頑張るしかない。
俺は荷物をまとめた後、マリーと会い、他の生徒から注目されていることにも気づかず一緒にご飯を食べた。
381
あなたにおすすめの小説
穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜
春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、
癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!?
トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。
彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!?
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて――
運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない!
恋愛感情もまだわからない!
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。
個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!?
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする
愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ!
毎日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新)
基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!
メインキャラ達の様子がおかしい件について
白鳩 唯斗
BL
前世で遊んでいた乙女ゲームの世界に転生した。
サポートキャラとして、攻略対象キャラたちと過ごしていたフィンレーだが・・・・・・。
どうも攻略対象キャラ達の様子がおかしい。
ヒロインが登場しても、興味を示されないのだ。
世界を救うためにも、僕としては皆さん仲良くされて欲しいのですが・・・。
どうして僕の周りにメインキャラ達が集まるんですかっ!!
主人公が老若男女問わず好かれる話です。
登場キャラは全員闇を抱えています。
精神的に重めの描写、残酷な描写などがあります。
BL作品ですが、舞台が乙女ゲームなので、女性キャラも登場します。
恋愛というよりも、執着や依存といった重めの感情を主人公が向けられる作品となっております。
魔王様の執着から逃れたいっ!
クズねこ
BL
「孤独をわかってくれるのは君だけなんだ、死ぬまで一緒にいようね」
魔王様に執着されて俺の普通の生活は終わりを迎えた。いつからこの魔王城にいるかわからない。ずっと外に出させてもらってないんだよね
俺がいれば魔王様は安心して楽しく生活が送れる。俺さえ我慢すれば大丈夫なんだ‥‥‥でも、自由になりたい
魔王様に縛られず、また自由な生活がしたい。
他の人と話すだけでその人は罰を与えられ、生活も制限される。そんな生活は苦しい。心が壊れそう
だから、心が壊れてしまう前に逃げ出さなくてはいけないの
でも、最近思うんだよね。魔王様のことあんまり考えてなかったって。
あの頃は、魔王様から逃げ出すことしか考えてなかった。
ずっと、執着されて辛かったのは本当だけど、もう少し魔王様のこと考えられたんじゃないかな?
はじめは、魔王様の愛を受け入れられず苦しんでいたユキ。自由を求めてある人の家にお世話になります。
魔王様と離れて自由を手に入れたユキは魔王様のことを思い返し、もう少し魔王様の気持ちをわかってあげればよかったかな? と言う気持ちが湧いてきます。
次に魔王様に会った時、ユキは魔王様の愛を受け入れるのでしょうか?
それとも受け入れずに他の人のところへ行ってしまうのでしょうか?
三角関係が繰り広げる執着BLストーリーをぜひ、お楽しみください。
誰と一緒になって欲しい など思ってくださりましたら、感想で待ってますっ
『面白い』『好きっ』と、思われましたら、♡やお気に入り登録をしていただけると嬉しいですっ
第一章 魔王様の執着から逃れたいっ 連載中❗️
第二章 自由を求めてお世話になりますっ
第三章 魔王様に見つかりますっ
第四章 ハッピーエンドを目指しますっ
週一更新! 日曜日に更新しますっ!
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
転生したら乙女ゲームのモブキャラだったのでモブハーレム作ろうとしたら…BLな方向になるのだが
松林 松茸
BL
私は「南 明日香」という平凡な会社員だった。
ありふれた生活と隠していたオタク趣味。それだけで満足な生活だった。
あの日までは。
気が付くと大好きだった乙女ゲーム“ときめき魔法学院”のモブキャラ「レナンジェス=ハックマン子爵家長男」に転生していた。
(無いものがある!これは…モブキャラハーレムを作らなくては!!)
その野望を実現すべく計画を練るが…アーな方向へ向かってしまう。
元日本人女性の異世界生活は如何に?
※カクヨム様、小説家になろう様で同時連載しております。
5月23日から毎日、昼12時更新します。
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
転生したが壁になりたい。
むいあ
BL
俺、神崎瑠衣はごく普通の社会人だ。
ただ一つ違うことがあるとすれば、腐男子だということだ。
しかし、周りに腐男子と言うことがバレないように日々隠しながら暮らしている。
今日も一日会社に行こうとした時に横からきたトラックにはねられてしまった!
目が覚めるとそこは俺が好きなゲームの中で!?
俺は推し同士の絡みを眺めていたいのに、なぜか美形に迫られていて!?
「俺は壁になりたいのにーーーー!!!!」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる