剣閃

小林 広平

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第肆幕

11-2

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 攻撃の有効範囲ゆうこうはんいまさ十兵衛じゅうべえは、慎太郎しんたろうの刀の腹をたんぽやり先端せんたんなめらかに受け流す。時折ときおり慎太郎しんたろう体勢たいせいくずれた所に一突ひとつき。一向いっこう間合まあいはまらない。現状げんじょう打破だはするにはやりの長さを如何どうにかしなければならないだろう。

間合まあいをめないと、話にならねえ」

 慎太郎しんたろうは思わず弱音よわねらした。だが、あきらめたわけではない。

 やりの長さをめるには分断ぶんだんするのが一番でる。全てが鉄地てつじで出来たやりは珍しい。何故なぜなら重くてあつかえないからだ。大体が木か竹で大部分が構成こうせいされてり、場所によってははがねやいばれば切断せつだんも可能。たんぽやりは練習用のやりるので、全て木で出来てる上に金属きんぞく等の装飾そうしょくも無い。だ、慎太郎しんたろうにも勝機しょうきは残されてるのでった。

 しかし、問題なのは十兵衛じゅうべえ力量りきりょう。一般的な人間でれば、刀を受ける時に刃先はさきを立てる形で受けてしまう。これではいけない。先刻せんこく木刀ぼくとうの様に、相手の技量ぎりょうってはへしられてしまねないからだ。だが、十兵衛じゅうべえは布が巻かれた先端せんたんで、慎太郎しんたろうの刀を払いけ続けてる。これではやりけずれはすれど、二つにる等ゆめ又夢またゆめ。かと言って、刀を振らずに近付けば、突撃とつげきに合わせて刺突しとつり出されるだけでる。

「刀の前に一撃いちげきやりを止める手立てだてが有れば」

 う言うと、慎太郎しんたろうは右足を大きく振り上げた。曲げたひざばすと同時に体重たいじゅうを乗せて、十兵衛じゅうべえ目掛めがけて突進とっしんしてく。相手にっ込みながら、前方へりをり出したのでる。

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