サークル合宿に飛び入り参加した犬系年下イケメン(実は高校生)になぜか執着されてる話【※更新お休み中/再開未定】

日向汐

文字の大きさ
5 / 31
合宿1日目

恥ずかしいですよ

しおりを挟む


「それで?蓮くんは?」

明日香さんに尋ねられてキョトンとする蓮。

「蓮くんは、彼女とかは……?」
「いないです。いたことないです」

明日香さんの目に、ブワッと火が灯った。いや、明日香さんだけじゃない。彩葉も海未も、目が燃えている。
何があった。

「彼女どころか、友達も、いないです。学校、上手く馴染めなくて」

長いまつ毛を伏せ、目に影が落ちる。
落ち込んだ様子さえ、絵みてぇ。
イケメンすげぇな。

「まあまだ5月だし!始まったばっかじゃん?」
「そうそう!それに蓮くんはもうこの『映画同好会』の仲間なんだし!」
「私たちとか、伊織先輩を頼ったらいいよ!」
「は?」
「「そうそう!」」

なんで俺?
てか本当、女子3人仲良いな。
打ち合わせしてきたかのように、息ぴったりに蓮を励ます。

「あ、そうだレンレン、LINE教えてよ」
「レンレン?」
「そーだった!蓮、俺らのグループLINEあるんだよ!入って!」

明日香さんの突然の名付けは華麗にスルーして、圭太もスマホを取り出す。

「俺が招待するから、後でそれぞれ蓮を友だち追加しといて」
「「「はーい」」」

言われるがままにスマホを取り出して、LINE交換をする蓮。
圭太の明るい声に流されて、さっきまでの暗さは消えて、今は少し頬が赤い。

「…ありがとう、ございます」
「蓮くん、そこは、『よろしくお願いします』でいいんだよ。僕もメンバーが増えて嬉しい!年も近いし、仲良くしてね」
「あ、はい!千冬…さん!」
「ええ~?千冬、早速、先輩風吹かすじゃん?まあ部長の俺が1番頼りになるから、何かあったら俺に言って!」
「2人に言えない相談は、俺が聞くよ」
「圭太さん、マキさん…、はい!ありがとうございます!」

ニカっと、綺麗な白い歯を見せて無邪気に笑う蓮。
俺より背も高いし、すっげぇイケメンだけど、こうやって笑ってると、やっぱり年下なんだなと思う。
なんなら大学生よりもっと子供っぽく見える気もするけど…、まぁ1年生なんてそんなもんか。


ちょうどいい温度になったお好み焼きを口に運ぶ。

2年前になんとなく入ったサークルだったけど、メンバーはいい奴ばっかだ。


…居心地、いいな。


みんなのやりとりを見て、誰にも気付かれないように、ちょっと口の端を上げた。











「はぁ~食べた~!あ、肉まんだ!」
「圭太先輩、まだ食べるんですか?」
「あ、私買い物したい!」
「私も!商店街見て回りたいです!」
「豚まんと肉まんの違いって知ってる?」

好き勝手言っているみんなの声を聞いて、千冬がスマホで時間を確認する。

「自由行動にしましょう。夕方には天王寺まで移動しますから、2時間後にここに集合です」
「「「はーい」」」

元気よく返事して、バラバラと解散する。
千冬に旗とか持たせてやった方がいいかもな。旅行会社のガイドさんが持ってるみたいな。
…いや、ピンク頭がいい目印になってるからいっか。


「伊織さん、手」
「あ?」
「手、つなご?」
「…」

いつのまにか横にいた蓮。
疑問文に聞こえたけど、答えるより先に手は握られている。
ま、いいか、別に。

すると、ピンクの髪をふわっと跳ねさせながら千冬が駆け寄ってきた。

「蓮くん!僕とアメリカ村まで行ってみない?伊織先輩も一緒に……」

千冬が俺と蓮の繋がれた手を見て、一瞬黙る。
そして、優しく手を解く。

「……もう、大学生が手繋いで買い物なんて、恥ずかしいですよ」

俯いているせいか、心なしか顔が暗い。

ベルトで散歩よりはマシだから、俺は気にしねぇけど。
まぁ、一緒に歩く人からしたら恥ずかしいか。

「さ、行きましょう!」

顔を上げた千冬は、いつもの可愛らしい顔で柔らかく笑った。











「あー、なんか雰囲気あるな」
「道頓堀も賑やかでしたけど、こっちはこっちで、また違った賑やかさですよね」
「あ…、」
「あ、蓮くん、あの古着屋気になった?僕も!行こう、蓮くん!」
「うん…、はい!」

仲良く店を見て回るピンクと金の頭。
カラフルな壁画や、派手なアート、個性的な古着屋なんかが並ぶこの通りに、2人はよく馴染んでる。
髪色もさながら、やっぱ顔面か?
むしろ俺の方が浮いてる気ぃすんな…。

「千冬さん、これ絶対似合います!」
「え、ほんと?」
「あとこれも!その髪色もめっちゃ似合ってるし!」
「!、蓮くん~!なぜかみんな触れてくれないから、ちょっと不安だったんだよー!ありがとっ!」
「そうなんですか?俺は好きです!」
「ふふっ。あ、これは蓮くんに似合うよ、絶対!」

女子会?いや、子犬の戯れ?
店の中で親睦を深める2人はいいけど、周りに少しずつギャラリーができてきてる。主に女性の。
俺はギャラリーの後ろで、自分用のピアスを眺めることにする。
無関係のフリをしよう。

「僕ちょっと試着してこよっと」
「待ってます!」
「ありがと!」

何着か服を片手に試着室に消えた千冬を見送った蓮が、俺に声をかけた。

「伊織さん、ピアス空いてるの?」
「あ?ああ、ここな」
「ほんとだ、知らなかった…」

髪を耳にかけて見せる。
右に3箇所、左に1箇所。
右耳は、1つは軟骨に開いてる。これはマキさんが開けてくれたやつ。

「俺も、開けようかな…」
「あー、いいんじゃねぇの?お前ならなんでも似合うだろ」
「ほんと!?」

満面の笑み。似合うって言われただけでそんな嬉しいのかよ。
店内のスポットライトに照らされた金髪も、透明感があって、コイツの笑顔を余計に美しく引き立てている。

「てか、服は?お前は試着しねぇの?」
「あ、えっと…」

ピアスもそうだけど、服だって、こいつなら何を着てもブランド品かと思うくらいカッコよく着こなすだろう。
それどころか、多分半裸で歩いてても、コイツなら(ギリ)許されるだろうな。
…イケメンって得だよな。

「お金、なくって…」
「は?」
「合宿の交通費とかホテル代とかで、結構ギリギリで…、ちょっと、節約してる」

あー、そっか。
まだ1年生だしな。バイトもそんなできねぇだろうし。

「普通の大学生らしいところもあんだな」
「え?」
「いや、何でもねぇ」

「蓮くん、伊織先輩、お待たせしました!」

店の奥から買い物袋を持って出てきた千冬が、明るく声をかける。
着替えのせいか、ピンク髪が乱れてる。
軽く手で整えてやると、千冬が一瞬固まった。

「何」
「あ、いえ…。……ありがとう、ございます」

自分の髪をちょっとつまんで、礼を言う千冬。

声ちっさ。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】かわいい美形の後輩が、俺にだけメロい

日向汐
BL
続編・番外編はTwitter(べったー)に載せていきますので、よかったらぜひ🤲 ⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆ 過保護なかわいい系美形の後輩。 たまに見せる甘い言動が受けの心を揺する♡ そんなお話。 ⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆ 【攻め】 雨宮千冬(あめみや・ちふゆ) 大学1年。法学部。 淡いピンク髪、甘い顔立ちの砂糖系イケメン。 甘く切ないラブソングが人気の、歌い手「フユ」として匿名活動中。 【受け】 睦月伊織(むつき・いおり) 大学2年。工学部。 黒髪黒目の平凡大学生。ぶっきらぼうな口調と態度で、ちょっとずぼら。恋愛は初心。

地味な俺は、メイクしてくるあいつから逃げたい!!

むいあ
BL
___「メイクするなー!帰らせろー!!」___ 俺、七瀬唯斗はお父さんとお母さん、先生の推薦によって風上高校に入ることになった高校一年生だ。 風上高校には普通科もあるが、珍しいことに、芸能科とマネージメント科、そしてスタイリスト科もあった。 俺は絶対目立ちたくないため、もちろん普通科だ。 そして入学式、俺の隣は早川茜というスタイ履修科の生徒だった。 まあ、あまり関わらないだろうと思っていた。 しかし、この学校は科が交わる「交流会」があって、早川茜のモデルに選ばれてしまって!? メイクのことになると少し強引な執着攻め(美形)×トラウマ持ちの逃げたい受け(地味な格好してる美形)

アイドルくん、俺の前では生活能力ゼロの甘えん坊でした。~俺の住み込みバイト先は後輩の高校生アイドルくんでした。

天音ねる(旧:えんとっぷ)
BL
家計を助けるため、住み込み家政婦バイトを始めた高校生・桜井智也。豪邸の家主は、寝癖頭によれよれTシャツの青年…と思いきや、その正体は学校の後輩でキラキラ王子様アイドル・橘圭吾だった!? 学校では完璧、家では生活能力ゼロ。そんな圭吾のギャップに振り回されながらも、世話を焼く日々にやりがいを感じる智也。 ステージの上では完璧な王子様なのに、家ではカップ麺すら作れない究極のポンコツ男子。 智也の作る温かい手料理に胃袋を掴まれた圭吾は、次第に心を許し、子犬のように懐いてくる。 「先輩、お腹すいた」「どこにも行かないで」 無防備な素顔と時折見せる寂しげな表情に、智也の心は絆されていく。 住む世界が違うはずの二人。秘密の契約から始まる、甘くて美味しい青春ラブストーリー!

転生したが陰から推し同士の絡みを「バレず」に見たい

むいあ
BL
俺、神崎瑠衣はごく普通の社会人だ。 ただ一つ違うことがあるとすれば、腐男子だということだ。 しかし、周りに腐男子と言うことがバレないように日々隠しながら暮らしている。 今日も一日会社に行こうとした時に横からきたトラックにはねられてしまった! 目が覚めるとそこは俺が好きなゲームの中で!? 俺は推し同士の絡みを眺めていたいのに、なぜか美形に迫られていて!? 「俺は壁になりたいのにーーーー!!!!」

人気アイドルが義理の兄になりまして

BL
柚木(ゆずき)雪都(ゆきと)はごくごく普通の高校一年生。ある日、人気アイドル『Shiny Boys』のリーダー・碧(あおい)と義理の兄弟となり……?

僕の恋人は、超イケメン!!

八乙女 忍
BL
僕は、普通の高校2年生。そんな僕にある日恋人ができた!それは超イケメンのモテモテ男子、あまりにもモテるため女の子に嫌気をさして、偽者の恋人同士になってほしいとお願いされる。最初は、嘘から始まった恋人ごっこがだんだん本気になっていく。お互いに本気になっていくが・・・二人とも、どうすれば良いのかわからない。この後、僕たちはどうなって行くのかな?

眠りに落ちると、俺にキスをする男がいる

綿毛ぽぽ
BL
就寝後、毎日のように自分にキスをする男がいる事に気付いた男。容疑者は同室の相手である三人。誰が犯人なのか。平凡な男は悩むのだった。 総受けです。

モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)

夏目碧央
BL
 兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。  ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?

処理中です...