ジェム・アーノルド

リビー

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2 仲間

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「えっと…だれですか?」
「わたしはシルクというものだ。シルクハットをかぶっているからシルクというのだが…」
ここで男はクスクスと笑って続けた。
「すこしネーミングセンスがなさすぎたようだな!」
「あ、はい。それと、ここってどこなんですか?」
「ここは、〈謎の星〉とよばれているところだ。」
「地球じゃないの?!」
「ああ。地球でないことはたしかだ。」
ぼくはがっくりとうなだれた。目が覚めたすぐの時とくらべれば、前の記憶がすこしもどってきたところだ。だが、ぼくの頭の中にもどってきた記憶は、まだ、地球に住んでいたことと、自分の名前のことしかない。
「少年、大丈夫か?まだあせっているようだか。」
ぼくはなにも言わなかった。
ぼくの前にいるシルクという男は、次何を言おうかと、気まずそうに手をいじくっている。

そしてようやく、ぴんとはりつめた空気をシルクがやぶった。
「んん。そなたの名前はなんというのかね。」
「ええっと、ぼくの名前はジェム・アーノルドといいます。でも……」
「でも、前の記憶がほとんどないし、これから何をしたらいいかわからない、と。」
ぼくがこくっとうなずいたのを見て、シルクが続けた。
「では、わたしの仲間にならんか?年齢や体の大きさこそちがうが…」

「これから、ともにすごそうではないか。」
ぼくはがくぜんとした。いまさっき初めて会った人と仲間になる? 冗談じゃない。
でも、ぼくは判断をあやまらなかった。この男と仲間にならなければ、ほかに何ができるのだ?

ぼくは息をすーっと吐きだし、しっかりと言った。
「はい。」
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