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第一章 神の住まう島
第2話
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「で、脱出する方法ってのは何なんだ?」
ライードがあまり期待の無い声で聞く。
「まぁそう急くな、こういう自然を利用した結界を抜ける方法は二つある。」
「ほう?」
「一つは結界を破壊する方法。
そしてもう一つは正しい道順をたどる方法じゃ。」
「あぁ、確かにそれっぽいよな」
「前者は、まぁ相当の魔力と実力が必要になる、当然じゃがな。」
「うちの面子じゃそりゃぁ無理だな、嬢ちゃんも魔法は使えんし。」
「うるさいの!」
と、一言文句を言ってから、
「だから後者じゃな。幸いこのくらいの結界ならワレの目を欺くのは不可能じゃ。
つまり、ワレの言うとおりに船を進めればアッと言う間に結界の向こう側という分けじゃ。
どうじゃ、すごいじゃろう?」
「確かに。
それがホントなら願ったり叶ったりだな。」
「じゃろ?」
「しかし、本当に魔法も使えない嬢ちゃんの案内で抜けられるのかい?」
「馬鹿にするで無い!
魔法は使えんが知識はそこいらの賢者なぞは及びもつかぬほど持ち合わせておるのじゃぞ!
どうせ他に良い案なんてないのであろう?」
「お頭、どうしやす・・・?」
部下の男が訪ねる。
「うーーーん、他に抜け出す方法なんてどうせないんだ、嬢ちゃんに賭けてみるか。」
「ふん、最初から答えは決まっておろう。
ま、大船に乗ったつもりで任せるのじゃ!」
「乗るのは俺の船だけどな・・・」
嵐を抜けた瞬間、それまでの大雨が嘘のように空は晴れ渡っていた。
「どうじゃ!」
「こりゃ参ったね・・・さっきまでの嵐は何処へ行ったのやら」
「それが自然結界というものじゃ。」
「ま、伊達に魔法学者とやらを名乗っていないっていうのは分かったよ。」
「そうじゃろう。ま、ワレほどの大魔法学者じゃなければ、こうは簡単にいかなかったじゃろうのう・・・」
ぬふふん、と自慢げである。
まだ何か言いたげであったが、
「お、島が見えてきたぞ!」
とライードに話の腰を折られる。
見ると確かに島が見えてきていた。
わらわらと船員が甲板に集まってくる。
「結構でけぇっすね、お頭」
「ああ、緑あふれるいい島だな」
「ふーむ、これは・・・」
「どうかしたのかい、嬢ちゃん」
「凄く大きな、神気を感じる。
まさに神の住まう島じゃな・・・」
ライードがあまり期待の無い声で聞く。
「まぁそう急くな、こういう自然を利用した結界を抜ける方法は二つある。」
「ほう?」
「一つは結界を破壊する方法。
そしてもう一つは正しい道順をたどる方法じゃ。」
「あぁ、確かにそれっぽいよな」
「前者は、まぁ相当の魔力と実力が必要になる、当然じゃがな。」
「うちの面子じゃそりゃぁ無理だな、嬢ちゃんも魔法は使えんし。」
「うるさいの!」
と、一言文句を言ってから、
「だから後者じゃな。幸いこのくらいの結界ならワレの目を欺くのは不可能じゃ。
つまり、ワレの言うとおりに船を進めればアッと言う間に結界の向こう側という分けじゃ。
どうじゃ、すごいじゃろう?」
「確かに。
それがホントなら願ったり叶ったりだな。」
「じゃろ?」
「しかし、本当に魔法も使えない嬢ちゃんの案内で抜けられるのかい?」
「馬鹿にするで無い!
魔法は使えんが知識はそこいらの賢者なぞは及びもつかぬほど持ち合わせておるのじゃぞ!
どうせ他に良い案なんてないのであろう?」
「お頭、どうしやす・・・?」
部下の男が訪ねる。
「うーーーん、他に抜け出す方法なんてどうせないんだ、嬢ちゃんに賭けてみるか。」
「ふん、最初から答えは決まっておろう。
ま、大船に乗ったつもりで任せるのじゃ!」
「乗るのは俺の船だけどな・・・」
嵐を抜けた瞬間、それまでの大雨が嘘のように空は晴れ渡っていた。
「どうじゃ!」
「こりゃ参ったね・・・さっきまでの嵐は何処へ行ったのやら」
「それが自然結界というものじゃ。」
「ま、伊達に魔法学者とやらを名乗っていないっていうのは分かったよ。」
「そうじゃろう。ま、ワレほどの大魔法学者じゃなければ、こうは簡単にいかなかったじゃろうのう・・・」
ぬふふん、と自慢げである。
まだ何か言いたげであったが、
「お、島が見えてきたぞ!」
とライードに話の腰を折られる。
見ると確かに島が見えてきていた。
わらわらと船員が甲板に集まってくる。
「結構でけぇっすね、お頭」
「ああ、緑あふれるいい島だな」
「ふーむ、これは・・・」
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「凄く大きな、神気を感じる。
まさに神の住まう島じゃな・・・」
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